モダンホラーの大御所スティーヴン・キングといえば、かつては映画原作者として大人気だった。しかし近年ではテレビムービーがほとんどで、なかなか日本で劇場公開されることはない。リメイク版「キャリー」(2013)の前には「ザ・チャイルド:悪魔の起源」(2010)まで遡らねばならないわけで、20代の人は彼の原作映画をほとんど知らないのではないだろうか。
別居中の妻子に空港から電話をかけていたコミック作家のクレイ(ジョン・キューザック)。ところがバッテリ切れで肝心の通話が途中で切れてしまう。ところが次の瞬間、携帯を使っている人々が次々と狂い、周囲を襲い始める。暴徒と化した群衆から命からがら逃げだした彼は、通話が切れたきりの妻子の家へと向かうのだが……。
原作は06年の小説で、結末に多くの不満が寄せられたキングは映画化にあたり、みずから脚本家として新エンディングを考案して挑んだ。そんなわけで既読者でも楽しめるようになっている。