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2142件中 2051~2100件 を表示しています。
20点
開始後30分で、ほとんどの人はついていけなくなる

原作本『ダ・ヴィンチ・コード』は、全世界で3800万部も売れたベストセラーだ。この映画化にあたっては、カンヌ映画祭のオープニングまで、世界中どこでもマスコミ向けの試写会すら行わず、徹底した秘密主義で煽りまくり、話題性を盛り上げた。

ストーリーは意外に単純で、ある夜、ルーブル美術館の一室で殺された館長が残したダイイングメッセージを、主人公のハーヴァード大学教授(トム・ハンクス)と、フランス当局の暗号専門家(オドレイ・トトゥ)が、協力して解読するというもの。

やがてこのダイイングメッセージ(死の間際に被害者が残すヒント)は、どうやらキリスト教世界で最も重要な聖遺物(キリストの遺品や関連アイテム)である、"聖杯"のありかを示しているとわかる。しかし彼らは、館長殺害犯の容疑をかけるフランス警察と、聖杯を狙うカトリックの急進派閥オプス・デイの暗殺者に追われる身となってしまう。

20点
どこから見てもぱっとしない

香港/タイ合作のホラー映画『the EYE』シリーズのパート3というわけだが、前2作とはストーリー上のつながりはほとんどない。この3作目の中に、前作のカットが思わせぶりに挿入されたりもするが、別に気づかなくても問題はない。

タイの友人宅へ遊びにきた香港の若者男女4人組は、そのうち一人が古本屋で手に入れた『幽霊を見る10の方法』などという、インチキなダイエットのハウツー本みたいな名前の本で盛り上がる。そして真夜中、実際にその方法を試してみると、なんとビックリ、本当に霊が見えるのだった。

ところがそんなイタズラの罰があたったのか、彼らの一人が行方不明になってしまう。さては、霊に連れ去られたのか?! やがて彼らは、再び霊の世界に行って探し出そうとするのだが、というお話。

20点
子供向けにしても、もっとしっかりしてほしい

日本映画界において、ゴジラに並ぶ特撮シリーズの人気者がガメラだ。その、誕生40周年にあたる今年、まったく新しいコンセプトの新作が登場した。『小さき勇者たち〜GAMERA〜』は、大人の怪獣ファンも唸らせた平成ガメラとはうってかわり、小学校低学年くらいの子たちのためだけの、ファンタジックな感動ものになっている。

最近母親を亡くした11歳の少年は、あるとき奇妙な卵を見つける。やがてそこから亀が生まれ、少年はトトと名づける。父に内緒で育てていくと、あるときトトはふわりと宙を飛び、少年らを驚かせた。

一方、海では巨大生物が人間を襲う事件が勃発、やがてその怪物から町を守るため、トトことガメラが立ち向かうという物語だ。

20点
こんな企画で商売として成り立つのかが気になる

ヒキタクニオの同名原作の映画化。不死身の男、窪塚洋介が友情出演していることでもちょっとだけ話題。

大企業でバリバリ働く貴奈子(観月ありさ)は、ある日、巨大ビルへのモニュメント設置という畑違いなプロジェクトを任される。わずか2週間の工期ではどの職人にも無理といわれるが、凄腕のとび職人集団「日本晴れ」ならできるという噂を聞き、早速そこへ向かう。

身近なお仕事ながら、一般にあまり知る機会のない「鳶」という職業にスポットをあてた人情ドラマ。コメディ要素をちりばめながら、分割やワイヤーワーク合成を使用したポップな映像で見せる。

20点
完全に消化不良の長大映画

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズの、ツイ・ハーク監督得意のジャンルである武侠アクション大作。

清王朝建国直後の中国大陸。清朝は、“禁武令”を発し、武術家たちを次々と処刑していった。その圧政に反抗したある達人は、凄腕の若き2名とともに伝説の刀匠・晴明大師が住む神秘の山へと向かう。そこで腕利きの弟子4名が加わり7名となった彼らは、さらに特殊な7本の剣を預けてもらい、清の大軍に対し立ち上がるのだった。

なんとも、無駄に長い映画である。153分もの上映時間があるのに、物語の焦点がまったく定まっておらず、非常に疲れる。大勢の登場人物を掘り下げたい(けど、どこから手をつけたらいいのかわからない……)、7本の秘剣の魅力と能力をアピールしたい(けどどこから手をつけたら……)というような、作り手の迷いを感じてしまう。

20点
こういう安直企画が日本映画界をだめにする

ただ今公開中のヨン様映画『四月の雪』のホ・ジノ監督のデビュー作『八月のクリスマス』を、山崎まさよし主演の日本映画としてリメイクしたもの。

父から受け継いだ小さい写真館を経営する青年(山崎まさよし)は、余命わずかな病である事を隠したまま、静かに日々の仕事を続けている。そんなある日、写真館に現れやがて常連になった小学校教師(関めぐみ)と彼は、思いを打ち明けられるまま惹かれ合っていく。

私は、こういうリメイク企画は評価しない。無論、リメイク自体がいけないわけではない。例えば同週公開の『がんばれ!ベアーズ』のリメイク版のケースは、オリジナルが70年代の作品と古く、最新の映像技術とスタッフ、キャストによって作り直し、作品の魅力を新たな世代に伝えるという意義がある。新作によって彼ら若い観客が、オリジナルの価値を再確認することもできる。誰もが旧作を気軽に見られる時代とはいえ、多数の作品の中に名作が埋もれてしまう危険は常にある。だからこういうリメイクは、大いにやる価値があると思っている。

20点
最新〜往年のアイドル競演

伝説的なエッチアニメで知られるえびはら武司原作のギャグ・マンガの主人公「マチコ先生」の誕生秘話を描いたオリジナルストーリーの実写映画化。主演はグラビアアイドルの磯山さやか。

舞台は伝統ある進学校の“こりゃま学園”。ここでは女教頭・江戸川橋(八木小織)が、徹底した管理主義をしいていた。男女交際はすべて許可制、進学の妨げとなる体育会系クラブはほぼ廃止されてしまっていた。唯一残ったのは、必殺技稲妻パンチをもつ雷子(佐野夏芽)率いるボクシング部のみ。そんなある日、教育実習生としてマチコ(磯山さやか)がやってくる。彼女は学園の状況を嘆き、雷子とともに江戸川橋に対抗していくのだが……。

まいっちんぐマチコ先生といえば、30代くらいの方には懐かしいちょっぴりエッチなアニメ番組。今回はそのヒロインマチコ先生が、どうして生まれたかを描く「ビギンズ」である。

20点
予想外にダメだったジャッキーの息子デビュー作

ジャッキー・チェンの息子ジェイシー・チェンの映画デビュー作。競演は香港の人気アイドルTWINSのお二人。この1点を理由に、前作とは一切関連がない内容ながら『ツインズ・エフェクト2』の副題がついている。アクションを見せ場にしたアイドル映画だ。

古代、中国の近くに女人国があった。ここでは圧倒的な権力を持つ女帝のもと、すべての男は奴隷であり、まだあどけなさの残るスプリング(シャーリーン・チョイ)も奴隷商人として身を立てていた。そんなある日、女帝のもとから前王朝復活の鍵となる石版が盗まれる。やがてそれを手に入れた落ちこぼれ旅芸人の青年チャー(ジェイシー・チェン)は、それを宝の地図と勘違いしてスプリングらと旅に出るが……。

香港では、人気アイドルの主演映画ということで、結構なヒットを飛ばしたらしいが、日本人がみればただのバカ映画にほかならない。M男性が大喜びしそうな女人国なんて設定がそもそもマヌケすぎるし、あまりに安っぽいギャグセンスだ。強引かつ無茶苦茶な展開をみせ、最後にはめでたくみなさんラーブラブという安直な展開にもやれやれといったところ。

20点
惰性で作ったように思えてしまう

西田敏行主演の恒例のコメディ映画シリーズ16作。サブタイトルから想像できるとおり、今回は長崎が舞台となっている。ゲストはヒロインとして伊東美咲、その相手に金子昇、そして口の悪い黒人タレント、ボビー・オロゴンとなっている。

鈴木建設が手がけた橋の連結式に出席するため、社長のスーさん(三國連太郎)とダメ社員のハマちゃん(西田敏行)はそろって長崎県へ。ところが案の定、ハマちゃんは現地の後輩(金子昇)の車で港へ直行、黒人米兵(ボビー・オロゴン)を引き連れさっさと釣りに出かけてしまう。

いつもどおり仕事をさぼって釣りばかりのハマちゃんこと浜崎伝助が今回巻き込まれるのは、金子昇と彼がプロポーズした恋人(伊東美咲)、そしてその気難しい父親(尾崎紀世彦)とのありがちな結婚前トラブルのお話。最初から最後まで予想通りの薄っぺらいドラマで、これはまったく見ごたえがない。「海猫」では体当たりの演技を見せつけた伊東美咲も、まったく存在感を示すことができず、ステーキの脇に転がってるニンジン程度の扱いだ。

20点
甘くて切ない痛快な青春映画……ではない

韓国の若手女優ペ・ドゥナ出演の青春ドラマ。80年代の人気バンド、ザ・ブルーハーツを女子高生たちが文化祭でカバーするというお話。

高校最後の文化祭を前に、ギターの骨折などで立ち行かなくなった女子バンドのメンバーたちは途方にくれていた。そんな彼女らが偶然耳にしたのがブルーハーツの『リンダ リンダ リンダ』。シンプルながら感動的な旋律に心奪われた彼女たちは、この曲を残ったメンバーでなんとか演奏することとし、ボーカルは偶然通りかかった韓国留学生(ペ・ドゥナ)を無理やり引き込んだ。そんな無謀な急造バンドで、彼女たちは猛練習を始めた。

『バトル・ロワイアル』でヒロインを演じた前田亜季や、『ローレライ』で物語の鍵を握る謎の女を演じた香椎由宇など、カルト的人気を誇る女優を集めて作った青春女の子映画だが、『リンダ リンダ リンダ』は一般の方が期待するような爽快かつ感動的な女子バンドものではない。

20点
稀代の珍作登場

アクションスターのジェット・リーと、演技派のモーガン・フリーマンが異色の競演をはたしたアクション映画。製作、脚本にはリュック・ベッソン(「レオン」「ジャンヌ・ダルク」など)が名前を連ねる。

内容をかいつまんで話すと、主人公のダニー(J・リー)は5歳のとき悪徳高利貸しのボスに拾われ、犬同様に首輪でつながれ育てられた男。小さいころから殺し屋としての格闘術を仕込まれ、ろくに言葉すらしゃべれないもののボスの命令には忠実、ものすごい戦闘力で組織のトラブルを解決していた。そんな彼がひょんな事から盲目のピアノ調律師(M・フリーマン)と出会い、音楽への興味と本当の愛に目覚めていく。

一言でいえば、「なんだこりゃ」としかいいようのないトンデモ作品。よくこんな映画をまじめに作ったものだと深く感心する。バカすぎる設定、非リアリティのきわみのような話をあの名優フリーマンがクソマジメに演じる。これには猛烈な違和感を感じざるを得ない。久々にパワーのあるダメ映画を見た思いだ。

20点
なかった事にしてもらいたい

ハリウッド版『リング』である『ザ・リング』の続編。日本に存在する続編とは無関係で、ハリウッドによる完全オリジナルストーリー。主演は前作同様ナオミ・ワッツ、監督は日本のオリジナル版と同じ中田秀夫だ。ちなみに本作は彼にとっての監督全米デビュー作となる。

前作のラストから数ヶ月、小さな田舎町でひっそりと暮らす新聞記者(N・ワッツ)とその息子だが、ある変死事件の被害者の顔が恐怖にゆがんでいたと聞いて、サマラの呪いが復活したことを知る。

脚本がひどい、どうしようもない。まず、ハリウッド版、日本版いずれにしても、『リング』は簡単に続きが作れるような話でないのはご承知のとおり。もっとはっきりいってしまえば、続けようのないストーリーだ。それほどに完成度が高いともいえる。それなのにこんな駄作をつなげて続編を名乗らせるとは……名作リングの名前を汚すだけだから、もうやめたほうが良いのではないか。

20点
アクション映画としては地味で少々トロい

『デアデビル』(2003年、米)のヒロイン、エレクトラを主人公にしたスピンオフ作品。かわいいお姉さんがちょっと露出度の高い服をきてバトルを見せるという、そういう映画だ。K-1等で活躍する格闘家の"ビースト"ボブ・サップがはじめて出演したハリウッド映画としても話題になっている。

強敵ブルズアイとの格闘(映画「デアデビル」参照)において命を失ったエレクトラ(ジェニファー・ガーナー)は、善なる集団のリーダーによって蘇生され、さらなる格闘術を学び、最強の女戦士として生まれ変わった。そんなある日、彼女の元に悪の組織から追われる父娘が逃げ込んでくる。組織は少女を狙っており、エレクトラたちを殺すために、恐るべき刺客軍団を送り込む。

アクション映画としてはトロいし盛り上がりに欠けるのでなんともオススメしがたいが、それなりに見所がないわけではない。長髪ストレートガイジンがお好きな私のような方には、エレクトラ役のJ・ガーナーのナイスバディと美しいアクションは見ているだけで惚れ惚れするだろうし、規格外のマッチョマンがお好きな私のような方は、ボブ・サップの暴れっぷりを見ているだけで惚れ惚れするだろう。

20点
もう時代遅れ

浅倉卓弥のデビュー小説を映画化したファンタジック・ラブストーリー。

主人公の青年(吉岡秀隆)は、天才的なピアノの才能を持ち、わが娘のように暮らす自閉症の少女をつれ、海辺の老人療養施設に慰問にやってきた。そこには偶然主人公を知る女性(石田ゆり子)が働いていたが、じつは彼女にとって主人公は初恋の人だった。心やさしい彼女は少女とも打ち解け、仲良く遊んでいたが、突然襲い掛かった落雷に二人は打たれてしまう。

さて、この落雷事故でどうなるかというと、なんとヒロインと自閉症少女の中身が入れ替わってしまうのである。昨年のアニメ映画「あたしン家」もそんな話だったと記憶するが、こちらは100%シリアスもの、オチャラケは一切ない。ヒロインは無傷な自閉症少女の体を得るが、ヒロインの体は落雷事故の衝撃で瀕死なので、自閉症の子もその中で死にかけているという設定だ。

20点
オダギリ&ツィイーのファンにとっては地雷

世界的に人気の出てきたアジア女優チャン・ツィイーと、日本のオダギリジョーが共演する異色のオペレッタ(ハッピーエンド版オペラ)。

強欲な城主(平幹二朗)は、「やがて息子の美しさがあなたを上回る」との女予言者(由紀さおり)の言葉に焦り、息子(オダギリ)を秘境の山に捨てることを画策する。ところが息子はその山で、世にも美しい姫(チャン・ツィイー)と出会うことになる。

全編サイケデリックといってもよさそうな無秩序な色彩感覚に彩られ、ツィイー演じる狸の姫様やオダギリジョー、パパイヤ鈴木ら個性的な顔ぶれのキャストが歌い、踊りまくる。妙ちくりんな合成映像、舞台劇のような安っぽいセット、無国籍感覚の着物のデザインなどがごた混ぜになり、監督の実験的映像遊びとでもいえそうな不思議映像が延々と続く。

20点
韓国ブームのあだ花のごとき一本

『友引忌(ともびき)』、『ボイス』に続く、韓国の人気若手監督アン・ビョンギによる「ゴースト・ストーリー3部作」完結編。……といっても、各作品はまったく別個のもので、それぞれのストーリーにつながりはない。

いじめに悩む転入生の少女は、いじめっ子たちへ呪いをかけるため友人を巻き込んで「コックリさん」をはじめる。すると翌朝、本当に連中の一人が変死体で発見される。

あまりに幼稚で涙が出る。この監督は本当にやる気があるのかと思うのが、この映画での稚拙な演出の数々。死体やら何やらを全部画面の中に入れ、観客に見せてしまうものだから怖さに奥行きがまったくない。見せないことで恐怖を与えるというのはホラー映画演出の基本中の基本だが、この作品ではまったく考慮していないようだ。

20点
宣伝の人も大変です

プロファイリング不能な恐るべきシリアルキラーと、それを追うFBI捜査官の戦いを描いたサスペンス映画。“サスペクト・ゼロ”とは特定の犯行パターンを残さず、捜査線上に決して上がらない究極の連続殺人犯の事。

連続殺人犯の不当逮捕が原因で左遷されてきたFBI捜査官の前で、続けて3件の猟奇的殺人事件が起こる。まぶたを切り取り、ゼロの刻印がなされた死体。原因不明の頭痛に悩まされながらも捜査を続ける彼の前に、差出人不明のFAXが次々送られてくる。そこには犯人のヒントが記されていたのだが……。

CMやら予告編では、あの名作『セブン』を超えたとか、衝撃の結末とか宣伝されているが、すでに見終わった側からアレを見ると、内容とのギャップに苦笑してしまう。これは宣伝しにくい部類の映画だろう。彼らの苦労が窺い知れる。

20点
脱力おバカ映画はまだまだ健在?!

映画評論家水野晴郎監督の列車ミステリー第5弾。PART4は舞台劇なので、映画としては4作目となる。カルト的人気を誇るおバカ映画だ。

1941年、モスクワからシベリア超特急に乗り込んだ山下奉文陸軍大将(水野晴郎)と佐伯大尉(西田和昭)は、到着地である満州里までの7日間で、義経の財宝の古地図をもつ乗客を突き止め、確保せよとの電報を受ける。

「シベリア超特急」シリーズは、MIKE MIZUNOこと水野晴郎の監督、主演でおくる(一部に)人気の個性的なミステリドラマだ。水野御大の棒読み演技、論理的な推理過程をすっ飛ばした謎解き、無駄に豪華なキャストといったダメ映画の基本を押さえた作り。そんなシリーズもついに5作目となった。

20点
セカチューとデビルマンの悪いところを受け継いでいる

明治初期に北海道を開拓した武士たちの姿を描く時代劇。豪華キャストをそろえ、北海道長期ロケを敢行した製作費15億円の大作だ。

明治4年、淡路島で代々暮らす稲田家とその家臣たちは、藩とのトラブルから未開の地・北海道への移住を命ぜられる。先遣隊の若きリーダー(渡辺謙)と妻(吉永小百合)にとっては希望に満ちた新生活であったが、彼らの前には想像を絶する運命が待ち構えていた。

東映が社運をかけたという超大作であるが、商売上はともかく、同社の映画作りにおける実力低下は否めないようだ。『北の零年』は吉永小百合、渡辺謙、豊川悦司といった主演級が何名も揃っているだけに、彼らの魅力でなんとか持ちこたえてはいるものの、その脚本、演出のマイナスが誰の目にも明らかな失敗作である。

20点
伊東美咲の裸という、最大の成立要素を失った時点で崩壊した

谷村志穂の原作を伊東美咲主演で『失楽園』の森田芳光が監督した純愛ストーリー。

舞台は1980年代の北海道。ロシア人ハーフのヒロイン(伊東美咲)は、昔気質の猟師(佐藤浩市)のもとへ嫁いだ。当初はぐいぐい引っ張っていく男らしさにひかれた彼女だったが、やがて夫が自分勝手な本性をあらわすに従い、常に優しい愛を注いでくれる夫の弟(仲村トオル)の方に心動かされて行く。

グラビアアイドルの伊東美咲は、本作での濡れ場を機会に本格派女優として脱皮するはずだった。劇中のセックスシーンの撮影では、実際に服を全部脱ぎ、全裸で果敢にチャレンジしたそうだ。……が、悲しいかな彼女は今、某会社のCMキャラクターであった。まじめな恋愛映画とはいえ、この時期オールヌードでハァハァあえぐのはよろしくないとの圧力がどうやらかかったらしい。結局『海猫』では、誰もが期待したヒロイン伊東美咲の裸はひとつ残らずカットされてしまった。

20点
ヒロインが変わったので違う女の子の裸アクションが見られる

永井豪のエロティックな原作漫画の映画化第三弾。

聖楠の木学園の水泳部では、夏合宿を目前に控えていた。合宿場所はある無人島。逃げ場のないこの合宿場で、スクール水着の少女たちが悪徳コーチにエッチな特訓をさせられる。

いつのまにやらこの新「けっこう仮面」シリーズもPART3となった。今回の舞台は水泳部ということで、俗にいうスク水少女たちがたくさん登場する。もちろん彼女らは、水泳部員というよりグラビアアイドルとしか思えない色っぽいプロポーションの持ち主ばかりだ。相変わらずのナンセンスなギャグシーンを全員体当たりで演じている。演技の下手な子ばかりだが、この作風にはぴったりだ。

20点
珍妙この上ない筋肉スーツと色っぽいダンス

香港を代表するトップスター、アンディ・ラウ主演の、一風変わったアクションドラマ。日本では、最新作『LOVERS』と上映時期が前後したが、『マッスルモンク』は2003年の作品で、香港ではその年の年間ランキング第3位というヒットを記録した。

ボディビルダー顔負けの筋肉を持つ元僧侶(A・ラウ)は、他人の前世での業(カルマ)と将来の死因まで見えてしまう能力を身につけたことで、この世の無常と自身の無力感にさいなまれていた。今では俗世間でストリッパーをして暮らしているが、ある日愛する女刑事(セシリア・チャン)の醜悪な前世と悲惨な死に様を見てしまう。

とにかくまあ、突っ込みどころ満載のすばらしいおバカ作品だ。真っ先に目に飛び込んでくるのが、主人公アンディ・ラウの異様な筋肉スーツ姿であるが、ただの修行僧がなぜこんなにマッチョなのかさっぱり不明。そもそも、この話の主人公がマッチョマンである必要性がどこにあるのかも全くわからない。「アンディにこの着ぐるみ着させたら面白いんじゃない?」位の理由しかないのではないかというテキトーさを感じさせる。

20点
メグ・ライアンの終焉

かつてロマンティック・コメディの女王といわれ、アイドル的女優として日本でも多くのファンを獲得したメグ・ライアン主演のミステリドラマ。ミステリといっても謎解き型ではなく、他者を上手に愛せないヒロインがちょいとイイ男に出会って、中年デビューするという話である。よって、この映画の見所は、40代の女性主人公が性と愛に目覚めていく内面ドラマの部分にある。

メグ・ライアンという女優はロマコメで名を売って以来、どうも本格派女優に脱皮し損ねたところがあって、いまや年齢とともに人気も衰える一方だ。これを打破すべく彼女は、過去に一度しか披露していないハダカをついに本作で解禁した。清純派のイメージを捨て、女優としてのステップアップをはかった意欲作というわけである。

ところが、悲しいかなメグさんは濡れ場の経験が圧倒的に少ない。そのくせ『イン・ザ・カット』のセックス・シーンはやたらと過激で直接的(モザイク有)なので、ハイレベルな演技を求められる。結果は散々であった。

20点
点数は低いが、割り切って楽しむには最適

永井豪原作のおバカでエッチでお下劣なコミックの実写映画化。Vシネマに毛が生えたようなチープな出来で、公開後たったの1ヶ月でビデオ、DVDが発売開始されるという話である。

20代以下の若い人にはわからないだろうが、大昔『月光仮面』というヒーローものテレビドラマが一世を風靡したことがあった。この『けっこう仮面』は、もともとそれをパロった漫画である。だから、テーマ曲も月光仮面と同じメロディの替え歌だし、長いマフラーにフィットした仮面という、主人公のけっこう仮面のデザインコンセプトも共通している。

ただ、唯一違うのは、けっこう仮面は仮面以外何も着用していないという点である。必殺技はおっぴろげジャンプという、両足を大股開きして股間でアタックするというもの。くりかえすが彼女(けっこう仮面)は、パンツもはいてません。全裸です。

20点
悲しい時……パンチが当たってないのが見えてしまったとき

現役ボクシングヘビー級チャンピオンがレイプ犯罪を犯して刑務所に入れられ、そこの囚人ボクシング・最強チャンピオンと戦うという話。聞いた瞬間に、ダメ映画ファンたちの血がうずきそうなあらすじである。

実際、『デッド・ロック』のトホホ具合は相当なものである。ストーリー展開は予想通りの苦笑ものだし、唯一のウリであるボクシングシーンも実に安っぽい。

これを見ると、なぜボクシング映画があまり作られないか、その理由が良くわかる。リアリティあるファイトシーンを撮るのは非常に難しいのだ。格闘技経験のある本作のウェズリー・スナイプスがやってこれなんだから、普通の役者じゃ、もう、どうしようもないはずだ。この映画にしても、観客が最後のパンチをみて心で叫ぶ言葉はきっと、「当たってねえよ」の一言だろう。

20点
カルト的人気を博すか、ダメ映画の殿堂入りか

オオカミ男一族と吸血鬼一族の、永きにわたる壮大な戦いの最終章を描いたアクション映画。

GAGAが配給する作品だが、先々週の『ブルドッグ』に続き、またも宣伝マンの頭を悩ませたであろう、ビミョーな映画の登場である。

だいたい『ヴァンパイア一族vsオオカミ男一族』なんてのは、一歩間違えばコメディになりかねないネタだ。だがこの監督は、一片のユーモアさえもはさむことなく、超がつくほどクソマジメにこれを映画化した。なまじ、お金がかかった立派な映像なので、その滑稽さはカルト的人気を博すか、ダメ映画として殿堂入りするか、二者択一的である。

20点
みているだけでむかつくのだが、その実……

新・ラブコメの女王なる称号を得た人気上昇中の女優、リース・ウィザースプーンの出世作PART2。金持ちのブロンド女が、ルックス以外でも認められるべく猛勉強して、ついに弁護士になって彼氏の心もゲットして、さあその後日談……、というコメディである。

まぶしいファッションてんこ盛り、ノリのいい音楽もてんこ盛り、ピンクに染まった画面もいつも通り、前作を楽しんだファンが、最高にハッピーになれるように作られた続編である。

とはいえ、作りの安直さは相当なもので、ギャグは内輪ネタに頼るだけでまったくパワーが無く、ストーリーは先がサクサク読める退屈なもの。これなら予知能力者気分を味わえる事、まちがいない。

20点
実際の競技は凄いのかもしれないが……

アドベンチャーレースという、実在の競技を映画化したフランス製アクション映画。26歳の監督が、昔からTVで中継を見て「映画化したい」と思っていた企画だそうである。

正直な所、「こんなヘンテコな映画にここまでカネをかけるのか」と思う。ギャグはくだらなすぎる上にわかりにくく、マンガチックなドタバタ。悪い意味でフランス映画的。売り物であるはずのスポーツシーンも地味で、期待したほどではない。アドベンチャーレースなる競技の面白さがあまり伝わってこないのは致命的だ。

銃撃戦では、カメラをアップにしたり引いたりと目まぐるしい。目に悪いだけで、ろくに演出効果が上がっていない。俳優達の演技は、なんというか、妙にチープである。

20点
偶然にも最悪な映画か

CM界出身のグ・スーヨン監督が、自作の小説を映画化した作品。主人公の在日朝鮮人の少年が、姉とエッチした後に自殺されてしまい、彼女の死体と共に九州方面へ向かうロードムービー。歌手の中島美嘉の出演も話題だ。CM出身の監督という事で、映像のセンスはさすがにいいのだが、音楽が少々うるさい部分がある。

ストーリーは上記の通り破天荒で、登場人物の行動も相当とっぴなもの。精神の混乱を表すかのように、奇をてらった行動ばかりする。ただ、主人公のみならず誰一人まともな人間が出てこないので、観客としては落ち着かない。そこに何かしらの意味を見出そうと頑張れる方でないと、見ているのがつらい。

いじめられっ子という設定の主人公役、市原隼人は、16歳ながらいい演技をしている。みているだけでムカツク態度は、「アレじゃどう考えてもいじめられるわな」と感じさせるに充分だ。

20点
まだまだ未熟だが、見守りたくなる魅力がある

監督を含め、4人で作ったという低予算娯楽映画。

若き辻岡監督によれば、「ボクは漫画が好きだったから、マンガのように気楽に見て楽しめる映画を作った」という事だそうである。

さて、ざっと総括すると、全体がガチャガチャしすぎである。間が全くないので、状況が理解しにくい。場面がどんどん先走って変わりすぎなのである。さらに、各ショットを短く切りすぎており、モンタージュもかなり滅茶苦茶だ。映画文法を無視しているためか、とてもわかりにくくて疲れる。

20点
期待の邦画アクションは、やはり「客のニーズがわかってない」作りだった

大沢在昌のベストセラー小説の映画化。

突っ込みどころ満載の日本映画が、またひとつ誕生した。『天使の牙』って、こんなにアホらしい話だったっけ……? と、私は見ながら何度も首をひねった。私が原作の小説を読んだのは、確か、まだ週刊誌に連載されていた頃だから、記憶が薄れているのもしかたがないが、それにしてもおかしい。小説を読んだときは、こんなヘンな話ではなかったはずだ。むしろ、とても面白いと感じていたのだ。

では、なぜその『とても面白い小説』が、こうも馬鹿馬鹿しい映画になってしまうかといえば、リアリティというものをこの映画が軽視しているからだ。

20点
マドンナのおかげで必見ダメ映画に

74年の『流されて』のリメイク作品。ガイ・リッチー監督が、妻のマドンナを主演に撮ったドラマである。アカデミー賞の裏で開催される、その年のワースト作品を決めるラジー賞で、主要な賞を独占した、世界公認ダメ映画である。

で、その正体はというと、さすがは世界が認めたダメ作品だと、私も見ていて感心しきりであった。

『スウェプト・アウェイ』は、マドンナ演じる金持ちのゴーマン夫人と、彼女にずっといじめられていた貧乏船員が、無人島に流されて立場が逆転するという、一風変わったラブストーリーだが、こんな筋書きの映画を、自分の奥さんを主演にして作るという、監督の心理がまずキモチ悪い。

20点
ケイト・ウィンスレット大暴走

イカレタ宗教にはまった娘を取り戻そうとする洗脳解除の専門家が、逆に娘と恋に落ちるという話。主演はあの、ケイト・横綱・ウィンスレットである。

ハリウッドで唯一、妊婦シーンをそのまま演じられる女優である彼女は、本作でもその魅力が大爆発である。

インドのヘンな宗教家にはまって、悟りを開くシーンなんて、CGを駆使した派手な演出であるが、これが最高である。我らがウィンスレット嬢が、完全にイっちゃってる様子で、ぽわわわ〜〜んと呆けたお顔を見せてくれるのだ。私は笑いすぎて、5分ほど腹筋が痙攣した。

20点
救いようがなさすぎる話なので、芸術面を誉めて逃げたくなる

4ヶ月の延命と引き換えに、同胞をガス室送りにする作業に従事したユダヤ人 ”ゾンダー・コマンド” の物語。

俳優一家アークエット家の次男坊デイビッドや、個性派俳優スティーブ・ブシェミ、ミラ・ソルヴィーノなどが出演するユダヤ人迫害ものだが、この手の題材はホントに尽きる事が無いなと感心する。

今回は、「ユダヤ人がユダヤ人を虐殺する実行犯になっていたという事」と、「強制収容所でも、実はユダヤ人による反乱が起こっていたという事」と、「ガス室処刑で、時折生存者がいた事」が、この映画を見ると、わかるようになっている。

20点
素材はいいが、調理が下手

日本でただ一人の全盲の熱血教師、河合純一の愛と勇気を描く感動ドラマ。本人が本人役で主演するという、珍しい作品。

だが、本人が出演する意味は全く無いと私は思う。水泳シーンだってないし、プロの役者に囲まれて、彼だけ浮きまくりだ。同級生であるはずの周りの役者たちと年齢も合っていないし、どうみてもその演技力は素人以下。これじゃ、単に障害者を見世物にしただけと言われても仕方が無い。私には、これを決めた人の演出意図が全く理解できない。

少年時代は別の役者が演じているのでいいのだが、本人が出てくる後半からはもう、どうしようもないとしかいえない。

20点
演技、シナリオ、アクション、全部ダメ

窪塚洋介と佐藤浩市主演の時代劇SF。『バトルロワイヤル』の深作欣二監督が前に作った同名作品のリメイクになる。

プレス用パンフも豪華だし、映画本編もCGをたくさん使っていて、邦画にしてはかなりお金をかけた作品と思われる。GWの目玉として、満を持して出してきた、ってところだろう。

しかし、それにしてはずいぶんと思い切ってはずしたものだ。これが現在のエンターテイメント邦画の実力だとしたら、あまりにも悲しい。

20点
最初のアクションシーンはいい、あとはおバカ映画

上映期間3週間を目指す(……。)という、倉田保昭主演のカンフー映画。倉田保昭という俳優は、日本ではGメン75で知られ、香港その他のアジアでは和製ドラゴンとして知られるアクションスターである。最近ではスーチー主演の『クローサー』にも、クライマックスの敵役で出ていた。

ワイヤーアクションバリバリの本作は、彼の魅力をたっぷり楽しめる、超おバカ映画として考えれば、見て損の無いレベルにある。いろいろと突っ込み所が満載で、友人同士で鑑賞後に語るネタには困らない、ゆかいな映画である。キワモノ食いの人がいたら、あえて試してみてはいかがだろう。

シベリア超特急をめざすのかといいたくなるほどの爆笑シーン満載だが、倉田氏がそれを確信犯でやっているのかどうかは不明だ。彼がそういうシーンを演じると、なんだかまじめにやってそうで、それがまた笑える。人柄の温かさがにじみ出ている俳優さんで、私はもっと彼の公開作が日本でも増えればいいのにと思う。

15点
≪監督にすべて任せておけばいいものを≫

源氏物語は謎多き古典である。作者は紫式部といわれるが、すべてを彼女が書いたとするにはおかしな点があると指摘する複数作者説も根強い。そもそも正式なタイトルすらよくわからないとされている。

『源氏物語 千年の謎』と壮大なタイトルをつけるからには、そうした定説に対し、なにか大胆な絵解きの一つもしてくれるものかと期待したが、どうやら期待すべき点を間違っていた。

ときは平安時代。「この世をば わが世とぞ思ふ」藤原道長(東山紀之)は紫式部(中谷美紀)の身体を奪い、娘・彰子のために物語を書けと命じる。彼女は美しき光源氏(生田斗真)を主人公にめくるめく恋愛模様を生き生きと描写してゆく。

15点
≪20年前のハリウッドに完敗の無念≫

『ゴースト もういちど抱きしめたい』を見ると、現在の邦画界の問題点を見事なまでに網羅したその出来栄えに、ほとんど気持ちがいいと形容したくなるほどの爽快な敗北感を味わえる。

大成功した実業家の七海(松嶋菜々子)は、誕生パーティで泥酔した翌朝、陶芸家志望の韓国人ジュノ(ソン・スンホン)の部屋のベッドで目覚める。下着すら身に着けていない自分に驚愕した彼女は、しれっとした態度のジュノを見て動揺する。そんな最悪の出会いだったが、やがて二人は惹かれあう仲に。しかし、そんな七海へ最悪の運命が襲い掛かる。

オリジナルの「ゴースト/ニューヨークの幻」(90年、米)はテレビで何度も放映されている超人気作。30代以上の女の子にとっては、ラブストーリーのド定番といってよい。急逝したパトリック・スウェイジ、そして若き日のデミ・ムーア、二人の仲介をするウーピー・ゴールドバーグと、見事な演技のアンサンブルが人々の涙を誘う名作である。

15点
≪欧州を感動させた映画ではあるが……≫

くせもの揃いのカンヌ国際映画祭。そこで2008年の最高賞(パルムドール)をとったとなれば、映画好きならば誰だって興味がわく。しかも審査委員長の映画監督ショーン・ペンは満場一致と絶賛するし、考えてみれば純粋なるフランス映画がパルムドールをとるのは久しぶりな気もする。これは見逃せないと試写に出向いたが、これが残念な肩透かしであった。

様々な国・地域からの移民が共存するパリ20区。その混沌を象徴するかのように、多種多様な人種が入り乱れたある中学校のクラス。国語教師フランソワ(フランソワ・ベゴドー)は、スラングを連発するやっかいな子供たちを相手に、あの手この手で正しいフランス語を教えようとするが……。

ドキュメンタリーのようなタッチで、ある教師と24人の生徒の新学期から1年間を描いたドラマ。翌年のアカデミー賞では外国語映画賞にもノミネートされた、総じて高評価の作品である。優雅でプライドの高いフランス人のありがちなイメージとは正反対の、移民地区の学校の現実。その混沌とした生々しい日常を、素人を中心としたキャストで臨場感たっぷりに見せてくれる。

15点
新垣結衣が応援団長に

『フレフレ少女』は、学ラン姿の新垣結衣を見れるだけで幸せという人にとっては、本年度最高の映画である。

高2の文学少女・桃子(新垣結衣)は、あるとき野球部のエースに恋をする。だが、ライバル多数で野球部には近づけない。そんな桃子の耳に「あきらめるな」との天の声が。それを追い屋上へ行くと、たった一人で声出し中の応援団部員・龍太郎(永山絢斗)がいた。応援団として野球部を見守るのもアリかと思わず入部した桃子だったが、いきなり部員不足で廃部の危機に見舞われる。

学ラン姿の新垣結衣を見れるだけで幸せという人にとって本年度最高の映画『フレフレ少女』は、しかしいくつか問題点がある。

15点
前作の良さはどこへいってしまったのか

前作『the EYE』は、角膜移植された女性が、ドナーの見ていた「この世のものではない何か」まで見えるようになってしまうというアイデアが受け、トム・クルーズが早々にリメイク権を買ったという事でも話題になった。

そして、一躍有名になった監督のパン・ブラザーズ(オキサイド・パン&ダニー・パン)によるパート2とパート3が、このたび日本でも立て続けに公開されることになった(パート3は06年4月29日から公開になる)。タイトルに2とあるが、背景世界は共通しているものの、物語自体につながりはなく、独立した作品だ。

今回も主人公は美しい女性。これを演じているのは、台湾出身で、ハリウッド作品含め多数の映画出演歴を誇る女優スー・チー。男がらみで自殺未遂するなど、精神的に不安定なこのヒロインは、悪いことに不倫相手の子供を妊娠、激しく動揺する。しかも、その頃から霊らしきものが見えるようになり、恐怖の日々を過ごす羽目になる。はてさて、ヒロインと胎児の運命やいかに、というお話だ。

15点
確信的詐欺、わかって楽しめる人こそ上級者

エイリアンと、フランスの人気歌手ヴァネッサ・パラディが戦うSFドラマ。

舞台はどこかの寂れた田舎町。この町のささやかな祭りの出し物のため雇われた、流れ者のスタントマン(ジェイソン・フレミング)がやってきた。ところが彼は町のボスの一人娘(ヴァネッサ・パラディ)と恋に落ち、ボスの怒りを買ってしまう。

いやあ、ひどい映画である。原題とも内容ともまったく無関係なこの邦題、じつにひどい。公式サイトなど行くと、この映画の出演者で唯一名前の売れているヴァネッサのかわいらしい写真とともに、「映画史上最大の衝撃が襲い掛かる!」などと書いてある。ひどい冗談である。

15点
監督の感性を活かせなかった責任は誰にあるのか

シリアスなストーリーでいまだに根強い人気を持つTVアニメ『新造人間キャシャーン』の実写映画化。監督は宇多田ヒカルの旦那さんでもあるフォトグラファーの紀里谷和明。

この映画を見にくるお客さんは、大きく二つに分けられる。まず、かつてのTVアニメのファンで、実写化を心待ちにしている熱烈なお客さん。次に、目を引くデザインのポスターや予告編など、広告媒体を見てなんとなく興味を持ったお客さん。オリジナルのアニメのことなど、露ほども知らない若年層はこちらに含まれよう。

まず前者のお客さん、つまり原作ファンにとってこの実写版は、多くの方がなんとなく感じている悪い予感が悲しいまでに的中してしまったと言える。

15点
不自然の連続に興味がそがれる

連続少女殺人事件の犯人である14歳の少年が、3年後に出所したあとの、家族の苦悩と再生を描いたドラマ。

監督は、新聞をにぎわす、10代の凶悪犯罪からインスピレーションを得て、この映画を作ったという。だが恐らく、突っ込んだ取材やリサーチは行っていないであろう。というのも、この映画の描く「加害者とその家族」の様子には、常識で見て明らかに不自然な点が多く、まったくもって納得できない点が多すぎるからだ。

また、監督の出身地ということで、種子島が舞台となっているが、人目を避けたい一家が、よりにもよってあんな辺ぴな場所に里帰りするという設定自体が、私にはついていけない感覚だ。あれじゃ、よけいに目立つし、孤独になるし、社会復帰できなくなる。映像面の面白さを重視するのは決して悪いことではないが、それが今回シチュエーションの不自然さを際立たせる結果となっている。

15点
GacktとHYDEファン以外が観る理由は無い

ジャパンポップ界のアイドルGacktとHYDEが主演のSF映画。ガクトは、脚本などにも相当アイデアを出したという。

その二人の少々へたっぴな演技も、見ているとそのうち慣れてくる。さすがに一分野でトップになっただけあって、彼らにはオーラというか、存在感がある。

その他の出演者中、山本太郎はさわやかでいいが、台湾で大人気のワン・リーホンはまるで目だった所が無い。あちらの女優さんも出ているが、女優が男優(GacktとHYDE)の引きたて役になってしまっているというのは気の毒だ。

15点
見所は動くサトエリの開脚! それがすべてだ

佐藤江梨子をはじめとしたグラビアアイドル出演で送る、かつてのテレビシリーズの劇場版リメイク。ほとんどVシネマなみの安っぽさで、テキトーなストーリーと低予算バレバレのセット、見ていて笑いが止まらないほど下手っぴな演技が味わえる。

ここまでチープな映画を作ってもらうと、逆に気持ちがいい。私としても、冒頭からラストまで、ずっと笑いっぱなしであった。点数は低いが、こういう映画も悪くない。ハリウッド映画みたいな派手なものを観にいってこれが出てきたら、入場料訴訟が巻き起こるとは思うが、そんなものを期待して『プレイガール』に行く人などいまい。どうせ2時間ドラマ並の予算で作っているのだから、何か一つでも見所があれば良しとしよう。

で、その見所だが、私は迷わず冒頭のサトエリのダンスを挙げたい。おそらく、情熱と製作費の半分以上をここにかけたかと思う、この大キャバレーでのシーンでのサトエリの動きは最高だ。あの抜群のスタイルがビキニ姿で動いているだけで、ファンならウットリだ。

12点
子供と苦労人と不良とスポーツで、お手軽泣き映画のできあがり!

以前、『ARAHAN アラハン』という韓国映画があった。日本のゲームからパクって、いやインスパイヤされていた上に、内容も薄いということで、私は10点をつけた覚えがある。その監督リュ・スンワンと、主演リュ・スンボム(実弟)のコンビによる新作がこの『クライング・フィスト』だ。

2人の男が主人公で、それぞれ同じボクシング新人戦を目指すという話だが、最後の対戦シーンまで、一切二人自身とその周辺人物が交わることはない。まったく別々の2本の映画を見ているような、そんな印象さえ受けるプロットだ。

一人はかつてオリンピック銀メダリストだったが、落ちぶれて今では殴られ屋をやっている引退ボクサー。これを演じるのはチェ・ミンシク。数少ない、本物を感じさせる男優だ。彼は、別れた妻に取られた子供を取り戻したくて、人生の再起をかけて試合に挑む。

12点
CMに騙される率が高そうだ

同じ週の『南極物語』が犬ならこちらはキツネ。獣医の竹田津先生とそこで保護されている動物たちの様子を描いた原作本「子ぎつねヘレンがのこしたもの」をもとに、ヘレンとある少年に焦点を絞って映画化した。

舞台は春の北海道。母(松雪泰子)と二人、東京から越してきた少年(深澤嵐)は、カメラマンとして海外取材に出かけた母によって、ぶっきらぼうな医師(大沢たかお)が経営する小さな動物病院に預けられる。ある日少年は、道端で子ぎつねを拾い、病院につれていくが、ヘレンと名づけたそのキツネは、目も耳もきこえず、母ギツネともはぐれてしまった事が判明する。

こうして、野生動物としては致命的な、おそらく放置しておけば数日と生きられなかったヘレンと少年の物語が始まる。生と死をテーマにした子供向けの動物映画だ。ヘレンを必死に生かそうとする少年が、光も音も失った野生動物の生き様から何を学ぶか、という成長物語を狙ったものであると想像される。

10点
ドラマ視聴者限定

「映画 ホタルノヒカリ」は、同じくローマを舞台にしたロマコメ(?)の古典的名作「ローマの休日」(53年、米)をモチーフとしている。ロケ撮影による、おなじみの観光地を総ざらいした見せ場の数々がうっとりする映像となって目を楽しませる。むろん、楽しんだのは撮影スタッフと出演者の目であって、我々観客はその様子を眺めるだけである。

蛍(綾瀬はるか)は、ようやくゴールインした高野部長(藤木直人)と新婚生活を始めている。ところが持ち前の面倒くさがりでいまだ新婚旅行にさえ出かけていない始末。それでも仕事にかこつけようやくイタリア・ローマへでかけた二人だが、そこで彼らはイタリア版・干物女というべき莉央(松雪泰子)と出会う。

絶景なロケ地で、やっていることはこれ以上ないほどのおバカコメディー。ぶちょお〜だのゴロゴロゴロだの、お茶の間で尻をかきながら見ている分には許せたギャグの数々も、大勢でかしこまって静かな劇場で見ていると、とても気恥ずかしくて笑えない。劇場ならではのそうした逆効果現象が極まった一品である。

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