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2121件中 2001~2050件 を表示しています。
20点
デヴィッド・エリス版を見てみたかった

日本でオリジナルビデオアニメなるジャンルがうまれてしばらくの間、作家性の強いユニークな作品がいくつも生まれた。ある時代のポルノ映画界がそうだったように、裸とロリータな女の子をある程度入れておけば、多少とんがった表現や物語を受け入れる土壌がそこにはあった。「カイト/KITE」のオリジナルとなった18禁アニメ「カイト」(98年)もそのひとつで、その質の高さとオリジナリティから海外で高い人気を誇っていたりする。

金融危機で崩壊したこの近未来では、少女を性奴隷として取引していた。サワ(インディア・アイズリー)は、父の親友で刑事のアカイ(サミュエル・L・ジャクソン)に仕込まれた暗殺術で、こうした人身売買組織と日夜戦っていた。そしてサワは娼婦のふりをして、そのボスに近づいていくのだった。

「カイト」の実写版である本作は、しかしオリジナルとはずいぶん異なる内容となった。序盤、エレベーターにおける暗殺シーンはまるでアニメ版のコピーのようでワクワクさせるが、ここで殺される人間の素性からしてまったく違う。

20点
主演女優のキャラ違いが惜しい

女優が初ヌードになるというのは、これだけ裸が溢れる現代においても特別なものだ。まして本人たちにしてみれば、どこで脱ぐかは一大プロジェクトのようなもの。人気など周囲の情勢をはかりながら、最高のタイミングで発表したいと考えるのが当然だろう。

だが、その戦略的思考が正しいとは限らないのが怖いところ。市川由衣がすべてをさらけ出した「海を感じる時」を見るとまさにそう痛感する。

新聞部の部室で授業をさぼっていた女子高生・恵美子(市川由衣)は、同じくやってきた先輩の洋(池松壮亮)に、密室の中で唇を奪われる。以来一途につくし続ける彼女は、しかし洋からは「女の身体に興味があっただけで好きでも何でもない」と冷たくあしらわれてしまう。

20点
原作の魅力の半分

「あまちゃん」大ヒットで絶好調の脚本家・宮藤官九郎が三池崇史監督とタッグを組んで送る新作アクションコメディということで期待半分、不安半分だったが、結果的には後者の予感が当たった形だ。

正義感だけはあるが警察学校から巡査となった今まで成績ドンケツ、警察組織のルールにはまることができない菊川玲二(生田斗真)。とうとうクビを宣告されてしまうものの、それは署長らのテストであった。彼はレイジの資質に期待しており、武闘派暴力団「数寄矢会」に潜入捜査官=モグラとして送り込みたいとの思惑があったのだ。

日本映画にはヤンキー枠というか、地方向きの企画というものがあって、公道レースだとか不良だとかが題材になった作品が定期的に作られている。これもその一環だが、こういう作品は作品の質にかかわらず、DVD化後の回転が良いのだという。

20点
「幸福の科学」色をもう少し抑えたら

日本という国には色々と構造的問題があるし、取り巻く国際情勢も一触即発……とまでは言うまいが、話のネタには事欠かぬ状況である。

なのに、それを映画のテーマにする人がいない。タブーやしがらみだらけなのは理解できるものの、まともな社会派エンターテイメントを望む人々にとっては欲求不満が募るばかりだ。

だが、アニメーションながらそれらを打ち破る、強烈な社会批判スペクタクルが登場した。「神秘の法」がそれだ。

20点
≪芸能人の戯れ≫

芸能人のように人前に出る仕事をしていると、おのずと自我は肥大し、ときにはおかしな行動をとる人が現れる。空気の読めない主張をしてブログが炎上したり、高慢キャラで映画批評サイトを作ってみたり、刺青に彩られた菊の門をご開陳したりと、その行動内容は多岐に渡る。

映画好きの有名人が、無謀にも映画作りに挑戦するというのは、その中でもありがちなパターンだ。高揚感漂う撮影現場、クランクアップの感動、魔法のような編集により撮影時の何倍もの魅力を放つ完成品。そうした仕事にかかわっていれば、いつか自分も……と思ってしまっても無理はない。

若くして成功した映画俳優、小栗旬がそうだったのかは知らないが、映画好きで知られる彼も、「シュアリー・サムデイ」でその困難(初監督)へ挑むこととなった。

20点
1話逃さず見ていたファンならもっと評価アップだとは思うが……

人気ドラマの完結編は、映画館にて有料でご視聴いただく。広告不況であえぐテレビ局の苦境がしのばれる苦渋のビジネスモデルである。しかも『のだめカンタービレ』の場合は、その映画版が前編後編と分かれている。当然、入場料も二回徴収されることになる。ファンの懐にとっても、テレビ局と不況気分を共有できる仕組みである。

はたして『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』は、二本の映画に分ける必然性があったのか。今回私はそこを重要ポイントとして鑑賞した。(以降、前編のネタバレを含むのでご注意ください)

野田恵ことのだめ(上野樹里)と千秋(玉木宏)はいったん別居し、それぞれの道を歩むことになった。だが千秋との共演どころか、いつまでたっても課題曲にOKが出ないのだめは、一人で焦りまくる。これに対し千秋は、Rui(山田優)との共演が決まり張り切っていたが、その演目がやがてのだめとの関係に致命的なショックを与えることになる。

20点
生誕100年以外に理由や情熱があったのか

松本清張の代表作で、数々のサスペンス劇場の元ネタとなった『ゼロの焦点』が、原作者の生誕100年記念で再映画化された。原作は1ページ目からワクワク感に襲われるエンタテイメント作品だが、映画版は気を抜くと最初の1分間から睡魔に襲われる、斬新な映像解釈である。

結婚式からわずか7日後に失踪した夫(西島秀俊)を探すため、禎子(広末涼子)は以前の勤務地である北陸・金沢に向かった。だが見合い結婚の彼女は、夫の過去をほとんど知らない。夫との交流もあった地元名士の妻・佐知子(中谷美紀)らの助けを借りつつ探り続けるが、その行く手を阻むように殺人事件がおきる。

犬童一心監督は女性を綺麗に撮る人で、3人ヒロインの本作にはある意味うってつけ。対する主演・広末涼子も先日公開されたばかりの「ヴィヨンの妻」の悪女役から一転。本来のイメージである清純無垢な若妻役をかわいらしく演じる。

20点
誰一人警察官に見えない

日本映画史に輝く角川映画ブームを巻き起こした大プロデューサー、角川春樹自ら監督・脚本を担当する『笑う警官』は、「150万人動員できなかったら、もう映画は作らない」と本人が語る入魂の一作である。

北海道警の汚職疑惑が囁かれる中、元ミス道警の変死体が発見される。容疑者はかつて彼女と交際していた津久井巡査(宮迫博之)。だが、異例の射殺命令に不審を抱いた佐伯刑事(大森南朋)は、仲間を集め秘密裏に真相を探り始める。

入魂の一作が傑作になるとはもちろん限らないわけで──というよりこの方の場合、本気で球を投げるとあさっての方角へすっ飛んでいくケースが少なくない。小説家・佐々木譲(ささきじょう)の人気シリーズ第一作を映画化した本作でも、見事なまでの暴投ぶりを見せ付けてくれた。

20点
監督の人選ミス

小林多喜二によるプロレタリア文学の傑作『蟹工船』は、最近ブームとなり本作制作のきっかけとなった。年越し派遣村がニュースになったとおり、単純労働者のあまりの待遇の過酷さから、この原作に共感する若者が多いのだという。

今でこそ、「自分探し」「夢を追いかける」なんて言葉が罠で、そんな事をしていると、あっという間に最底辺の派遣奴隷に落ちぶれる現実が広く知られている。だが、いま30代くらいの世代にとってはそうではなかった。こうした口当たりのいい言葉に浮かれ騙され、将来を棒に振った人たちが今、派遣村で泣いている。

私も同世代の一人として、こうした現実には深い悲しみと猛烈な怒りの感情を持ち続けている。若い人たちには、私たちの世代の膨大な数の屍をしかと見て、絶対に同じ轍を踏まぬようにしてほしい。今の日本では、一度落ちたら這い上がることは不可能、もがき苦しみながら一生を終えると認識していたほうがよい。

20点
天国で原作者が泣いている

今年の夏は、邦画の話題作がたくさん登場する。『アマルフィ』や『ごくせん THE MOVIE』『蟹工船』等々、とても華やかだ。

だが、深い失望を味わうことで人間的な成長を遂げたい人にとっては『MW-ムウ-』が一番だ。たったの1800円で、これほどの後悔と、本作を選んでしまった自分への嘲笑気分を味わえる逸品はめったにない。

16年前の虐殺事件の生存者・結城美智雄(玉木宏)は、ある目的の元に凶悪犯罪を重ねていた。その友人、賀来裕太郎(山田孝之)は、神父という立場から彼の罪を嘆きながらも、同じ虐殺事件の生存者としてどうしても結城を告発できず、不本意ながら彼に協力するのだった。

20点
ジェシカ・アルバ目当ての方は要注意

『幸せのセラピー』は、久々にだまされた感をたっぷり味わえた、爽快なる一品であった。

地元名士ジャコビー一族の娘ジェス(エリザベス・バンクス)と結婚したことで、彼らの経営する銀行に勤めているビル(アーロン・エッカート)は、一見誰もがうらやむ人生を送っている。ところが実際は、他の役員たちに無能とばかにされ、休日には好きでもない狩猟につきあわされるなど、親族からのプレッシャーに押しつぶされる日々。そんな彼のオフィスに、母校のメンター制度(OBの元で社会体験をする制度)によりインターンとして男子高校生(ローガン・ラーマン)がやってくる。奔放なその生き方に、影響を受けるビルだったが……。

だまされたといっても、別にこの映画がミステリというわけではなく、単に事前に想像していたものとはまったく違った、という意味にすぎない。

20点
チョン・ジヒョンのセーラー服姿に1800円を払う価値を見出せるか

本作のオリジナルとなったアニメーション作品『BLOOD THE LAST VAMPIRE』(2000年、日本)は、クエンティン・タランティーノ監督大のお気に入り。『キル・ビル』(03年)のアニメ部分を作ってもらおうと、製作会社のProduction I.Gに直接出向いたエピソードは映画ファンの間では有名だ。

『ラスト・ブラッド』は、海外での評価が高いそんな『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の実写映画化。戦国時代以来、人類の敵としてはびこるオニ=ヴァンパイアと戦う日本人少女役を、「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンが演じているのが話題だ。

アメリカがベトナム戦争遂行中の1970年。ある在日米軍基地内に侵入したオニを退治すべく、サヤ(チョン・ジヒョン)はアメリカンスクールに潜入する。日本刀を武器に超人的な活躍を見せる彼女の最終目的は、すべてのオニの起源といわれる最強の敵オニゲン(小雪)を倒すことだった。

20点
日韓の食文化の決定的な違いがよくわかる

『食客』は、ここ数年公開された韓国映画の中では突出して面白い。だが、「映画を見て感動したい」とか「心に染み入る傑作をみたい」とか「幸せな気分になりたい」とか「映画作りの妙に感心したい」といった、99パーセントくらいの人が期待するものはこの映画の中にはまったくないので、その点は注意が必要である。

韓国最高の料理人として、朝鮮王朝由来の名誉ある包丁の継承者を決めるコンテストが開催される事に。そこでテレビ局員のキム(イ・ハナ)は、いまは料理界から身を引いているが圧倒的な実力を持つ若き料理人、ソン(キム・ガンウ)を出場させようと彼の住む田舎に向かう。

何が面白いかって、こんなにも韓国らしい作品はない。あっても、日本で公開されることはほとんどない。あちらでは、大学の図書館でも大人気のマンガが原作とあって大ヒットしたが、日本でこんな内容の料理マンガがあったら、ヒットの前に笑いものにされるのがオチだろう。

20点
浦沢直樹の大人気漫画の映画化・三部作のパート2

まだ2作目の段階でいうのもなんだが、『20世紀少年』実写版は、きっと20年後くらいに「そういや昔、スゲー変な映画があったよなぁ」と人々に懐かしく思い出される存在になるのではないか。

こんなたわいもない話にこれほどの数のスターが集結し、どこかの会社のお偉いさんたちがこぞって巨額を投じ、いい大人が大マジメに作ってしまう。映画人というのは大ばか者というか、無茶というかKYというか、いずれにしても凄い人たちである。

とはいえ、こうした向こう見ずな暴走が、ときに歴史に残る傑作を生み出すこともあるわけで、一概に否定はできない。国民みながおとなしくなってしまったこの時代、たまにはこういうチャレンジがあってもいい。映画というジャンルには、それを受け止めるだけの力がまだあると思う。

20点
クォン・サンウ&ソン・スンホンが共演するクライムアクション

兵役逃れがバレ、入隊していたソン・スンホンの除隊後復帰作。そして、韓流大スターで涙の帝王ことクォン・サンウが初の悪役に挑戦。『宿命』はなかなかの話題作であったが、韓国ではイマイチとの評価であった。

裏社会に疲れ、足を洗おうとしているウミン(ソン・スンホン)は、そのための金をカジノ強奪で得ようとしていた。兄貴分のガンソプ(アン・ネサン)の指揮のもと、計画は成功したかに見えたが、親友と信じていたチョルジュン(クォン・サンウ)の裏切りで事態は最悪の展開へと転がっていく。

かつての仲間が敵味方に分かれ、悲しい宿命に身を落としていく話。ヤクザの内輪もめを描いた犯罪ドラマだ。

20点
石原さとみがCAとバスケ選手の兼業に挑戦

日本航空、および日本バスケットボール協会の全面協力による青春バスケムービー『フライング☆ラビッツ』は、不祥事や運行ミスが続出する協力先のサゲマンぶりに引っ張られたか、ひどい出来であった。

夢だったキャビン・アテンダント=CAに合格し、颯爽とJALにやってきたゆかり(石原さとみ)は、同姓同名の別人と間違えられ社内のバスケットボールチーム"JALラビッツ"に入団させられる。ラビッツは日本バスケットリーグの強豪で、その猛烈な練習にゆかりはヘトヘト。しかし、バスケの面白さに魅せられた彼女はチームに残り、厳しいCA研修とバスケの特訓に打ち込んでいく。

石原さとみは間違って部に入れられた初心者だから、最初はド下手でかまわない。だが、その下手っぴがその後、試合で活躍するためにはもっと説得力が必要だろう。合気道の達人という設定をその一つにしたい思惑はわかるものの、そちらも到底有段者には見えず、結局なんで彼女が試合に出ているのか、また監督が出し続けているのか観客は最後まで納得できない。

20点
真っ青谷村美月が、いじめられっ子の凶暴な"味方"に

『死にぞこないの青』は、最近すっかり映画原作の定番となった乙一による、イジメ問題を題材にした同名小説の実写化。

とはいえそこはサービス精神旺盛な乙一のこと、単なる社会派文学ということにはもちろんならない。いじめられっ子のリアルな心理描写に加え、凶暴狡猾な"青い少年"が現れての復讐というホラー風味が加えられ、結末にはミステリ的な趣向も凝らされている。

映画化にあたっては、主題となる「いじめられっ子の絶望的な孤独」が描けているか、読者に感動をもたらす原作者の暖かい視点が再現できているかがポイントとなるだろう。

20点
堂本光一が好演「お前なんか、握ってやる!」

当初から映画版の製作を考え、ドラマ版の内容とも密接な関係を持つ『銀幕版 スシ王子!』。テレビドラマの映画化は数あれど、本作ほど「一見さんお断り」な作品はほかにない。

師匠・武留守リリー(石原さとみ)に従い、ニューヨークにやってきたスシ王子こと米寿司(まいずつかさ)(堂本光一)。なんとか目的の八十八寿司にたどり着くが、シャリの名人と謳われる店の親方・俵源五郎(北大路欣也)は女用心棒(釈由美子)を雇い、店の乗っ取りを企む地元マフィア一味と必死の攻防を繰り広げていた。

映画やドラマに限らず寿司ものは人気がある。そんな中にあって『スシ王子!』は、グルメ要素よりも堤幸彦監督(「自虐の詩」(07)、「トリック 劇場版2」(06))による笑いが主たる見所のコメディー作品。この劇場版も、彼の監督作品の中でも相当におバカ度の高いギャグが炸裂する。

20点
自社の屋上から自殺するクレーマーの恐怖

同日公開のクレーマーシリーズ第二弾。同じ製菓会社の同じお客様相談室で、別の人物が主人公となる。なるほどこれなら新セットを組む必要が無く、製作費確保に四苦八苦するプロデューサーにも環境にもやさしい。同じ会社なのに、前回と違う人物が席に座っているのは、えも知れぬ不気味さを感じさせるという効果もある。果たしてこれは過去なのか、未来なのか。

ある製菓会社のお客様相談室。クレーム処理担当の宮田夏美(小野真弓)は、「流産したのはオタクのペットボトル飲料のせい」とわめく女からの苦情電話を受ける。自身も5歳の息子を抱えるシングルマザーである夏美は同情するが、会社側は一切の因果関係を認めなかった。

さて、この後は女クレーマーの恐怖の反撃が始まるのかと思いきや、予想外の展開を見せる。なんと会社の屋上から、見知らぬ女が流産を苦に飛び降り自殺するのだ。コイツが電話の主なのか?!

20点
「ニュー幸楽」で泉ピン子とカンフー少年が大暴れ

『カンフーくん』は、他チームなら4番打者になれる逸材ばかりをスタメンにそろえながら、まったく勝てなかった一時の巨人軍のような映画である。

中国の少林寺。8歳ながら天才的な才能で南ピン拳の免許皆伝に迫るカンフーくん(チャン・チュワン)は、修行最後の相手が日本にいると師匠から言い渡される。早速日本の下町にやってきた彼は、中華料理店「ニュー幸楽」の泉ちゃん(泉ピン子)と偶然出会い、居候しながら探すことに。しかし彼らは、日本の支配を企む黒文部省の陰謀に巻き込まれてしまう。

本作には、面白くなる要素が(この予算規模から考えたら)奇跡的といえるほど多数集まっている。

20点
「わしが男塾塾長 江田島平八であーる!」

インターネット上では、よく話のネタにされる少年漫画がある。「北斗の拳」や「ジョジョの奇妙な冒険」、「賭博黙示録カイジ」や「グラップラー刃牙」などいくつもあるが、そうしたAグループに、宮下あきらの伝説的漫画『魁!!男塾』も間違いなく入るだろう。どれもこれも語るにふさわしい要素を持つ作品だが、いろいろな意味で一番"濃い"のは男塾に違いない。

真の男を育てる私塾、男塾。塾長の江田島平八(麿赤兒(まろあかじ))率いるこの塾は、古来から日本のリーダーとなる人材を輩出してきた。今年も剣の達人・桃太郎(坂口拓)や根性の男・富樫(照英)、野生児・虎丸(山田親太郎)に加え、ヤクザ組長の息子ながら軟弱な秀麻呂(尾上寛之)らが入塾。先輩たちによる想像を絶するシゴキに耐えていた。ところがある日、男塾乗っ取りをたくらむ関東豪学連の襲撃により、彼ら一号生が男塾名物、驚邏大三凶殺(きょうらだいさんきょうさつ)により彼らと対戦、決着をつけることに。

初監督と脚本も兼任する坂口拓は、マジ当て格闘スタントで知られるアクション俳優。かねてより、男塾の大ファンだという。その熱意は、演じる主人公・剣桃太郎の徹底した役作りや本気のアクションから伝わってくる。フィルムの早回しかとおもうほど回転が早いパンチの連打や、顔にきっちりあてるハイキックその他、やってる事はたしかに凄い。

20点
感動群像劇を狙ったが、難易度が高すぎ失敗

劇団ひとりの連作短編集を映画化した、心温まる人間ドラマ。

ある夏、台風上陸を目前にした東京で、幾多の日陰者=ダメ人間たちが必死に生きている。借金まみれのシンヤ(岡田准一)はオレオレ詐欺に手を出すが、相手の老婆と仲良くなってしまい金を奪えない。ゆうすけ(塚本高史)が追っかける年増の萌え系アイドル(平山あや)は意外なブレイクをはたし、エリートビジネスマンのリュウタロウ(三浦友和)は、ほら吹きのホームレス(西田敏行)に憧れ野宿生活をはじめる。そんな彼らの一見無関係な人生が交わるとき、深い感動が訪れる……。

これはもう、久々にまったく何も引っかからない、心の琴線に1mmたりともかすりもしない映画であった。

20点
目指す方向を誤った

きらびやかな改造車がドリフトでタイヤを鳴らし、ゼロヨン加速の猛烈なGで空気を震わせる。最近では『ワイルドスピード』や『頭文字D』といった作品で、そんな公道レースの魅力が余すところなく描かれていた。この映画『スピードマスター』を企画した人たちは、きっとそうした映画やコミックが大好きなのだろう。自分たちでもそんな「クルマ映画」を作りたいと考えたに違いない。

埠頭レースで無敵を誇るRX−7FDを運転するのは、大手チューンショップの跡継ぎ息子の黒咲勇弥(内田朝陽)。彼とその取り巻き連中らと対立する「桜井モータース」は、オヤジの腕一本で持っていた弱小工場だったが、彼が倒れた事で苦境に陥っていた。娘のまひろ(北乃きい)は、黒咲たちに襲われたとき救ってくれた流れ者の赤星颯人(中村俊介)がメカニックとしての腕も立つ事を知り、彼をスカウトするが、黒咲たちの嫌がらせはエスカレートするばかりだった。

この映画を作った人たちには、クルマやレースに対する愛情はどうやら十分にあった。ただ悲しいかな、彼らには本物のクルマで凄い映像を撮るだけの予算がなかった。『スピードマスター』は、国産の本格的カーアクション映画を目指す志は大いに買える意欲作であったが、その中身のチープさは目を覆わんばかりである。

20点
カンヌ受賞で世界のクロサワに並んだ?!

カンヌ国際映画祭で、日本人として17年ぶりにグランプリを受賞(カンヌは賞のネーミングを時折変更するのでわかりにくいのだが、今回は審査員特別賞のこと)した超話題作。……が、その話題性ゆえ、映画を見慣れていない一般人に多数の被害者を出すことが予想される地雷的な一本。

奈良の山間部。ここには認知症の老人たちが介護者と暮らすグループホームがある。患者の一人しげき(うだしげき)は、33年前に亡くした妻を忘れられぬまま、日々をすごしている。そこに介護福祉士の真千子(尾野真千子)が、幼いわが子を亡くしたトラウマを抱えたまま赴任してきた。二人は徐々に心を通じ、ある日、森の中にあるというしげきの妻の墓参りに出かけるが、ふとしたことから深い森の中で完全に迷ってしまう。

最初にはっきりさせておきたいのは、河瀬直美という監督の映画は、普通の人が何気なく見るにはまったく適していないということだ。むしろ、世界でもっとも適さない監督の一人と断言してよい。

20点
幼児の積み木遊びがごとき

ダウンタウンの松本人志初監督作である本作は、同じくお笑い出身ながら専業監督以上の実績と評価を得ている北野武の存在により、過剰なまでの期待と話題性を背負っている。カンヌ映画祭で監督週間へ出品という最高のハクをつけ、北野映画最新作と同時期に公開するという完璧な戦略により客の入りも上々だ。今回、私はこれを、地元亀有の映画館で初日に見た。

一見しょぼくれた中年男の大佐藤(松本人志)は、テレビの取材を受けていた。意外にも彼は、代々世襲される日本の伝統的職業の6代目にして最後の一人なのだった。取材陣は彼に密着し、その庶民的な暮らしぶりを伝えるが、突然防衛庁らしき方面から連絡が入ると、大佐藤はスクーターで変電所のような奇妙な施設に急行する。

何も知らない人がみたら仰天するストーリーがこの先には待っている。明らかに「知らないで見てほしい」というつくりになっているので、このサイトでは他のメディアのようにネタばらしはしない。

20点
脅かすほうも驚くほうも、そろって絶叫する

『友引忌(ともびき)』(2000)、『コックリさん』(2004)などの"韓流ホラー"で知られるアン・ビョンギという監督は、中田秀夫(『リング』(98年、日))や清水崇(呪怨シリーズ)に匹敵する恐怖映画の名手なんだそうだ。

私はまったくそうは思わないが、その彼の待望の最新作がこの『アパートメント』。自分が住むマンションの向かいの巨大アパートの住民が続々変死するという、どうやらいい不動産屋に恵まれなかったヒロインのお話だ。

ソウル近郊の高級マンションに住むディスプレイデザイナーのセジン(コ・ソヨン)は、ある日のPM9:56、向かいの"幸福アパート"の明かりが一斉に消えるのを目撃する。翌日そのアパートでは自殺体が発見された。さらにまたPM9:56、アパートの明かりが一斉に消える。そして翌日、変死体が発見されるのだった。

20点
原作うんぬんの前に、つくりが雑

『龍が如く』はプレイステーション2の人気ソフトで、今回は2006年のビデオ映画版に引き続き、三池崇史監督により映画化された。

10年の刑期を終え神室町に戻ってきた伝説の極道、桐生一馬(北村一輝)は、町で幼い少女(夏緒)と出会う。そんな彼らを宿敵の真島(岸谷五朗)が狙うが、その一方、二人組の強盗がたてこもる銀行内で奇妙な出来事が発覚する。銀行内にあったはずの東城会の莫大な預金が、すべて消え去っていたのだ。

新宿歌舞伎町の看板を書き換えた架空の町を、ヘリが低空で飛び回る。舞台となる町の風景は一緒でも、いわゆるヤクザ映画とはまったく違う雰囲気のアクション映画だ。

20点
すべて本物と思ってみてください

アメリカ国防総省に撮影テープの提出を求められ、結局8時間分は帰ってこなかった……。そんな衝撃のアフガンロケ映像100%で送る『セプテンバー・テープ』。ニュースでは決して報道されない、戦場の真実が余すところなく収録されたこの恐るべきテープが、ついにこの日本でも公開される。

映画は、アフガニスタンの国境近くで8本のビデオテープが発見されたところから始まる。オサマ・ビン・ラディンを探し出すため、アフガンに潜入していた映画監督ドン・ラーソンが撮影したものだ。彼は、アメリカ政府による渡航禁止令を無視し、カメラマンと現地人のガイドのたった3人で危険地帯に突入。その貴重なテープには、現地で行われた数々のインタビュー、信じがたい彼らの行動のすべてが収められていた。はたしてラーソンたちはどうなってしまったのか。

映画は、この"8本のビデオテープ"が、そのまま8本立てのドキュメンタリータッチのドラマとして編集されている。そこには警察に追われ、ときに収監され、武器商人とのコンタクトから実際の取引模様など、興味深い映像が多々収められている。

20点
気の長い幽霊たちの復讐劇

先日、日本でも公開された『アサルト13 要塞警察』に引き続き、ジョン・カーペンター監督の代表作のリメイクが公開されることになった。ジョン・カーペンターといえば、チープな見た目ながら妙に面白い作風がB級ファンに根強く支持されている、SFホラージャンルの人気監督。このリメイク版も、監督こそ別の人に任せたが、自ら製作に参加している。

舞台はアメリカ、オレゴン州の港町。1871年、この町の男4人が、沖合いの船を襲い、略奪と虐殺の限りを尽くした。あれから100年、大きく発展したこの町は、創立記念日を祝う真っ最中。町の創生期に貢献した4人の銅像も建造された。ところがその夜、町には深い霧が立ち込め、沈んだ船の怨霊たちによる、4人の子孫への復讐がはじまった。

同じカーペンターのホラーでも、わかりやすい殺人鬼が登場する『ハロウィン』とは違い、『ザ・フォッグ』は霧によって不気味さを盛り上げていく、ムード重視の作品。よってこのリメイク版も、霧の演出に非常に力を入れている。CGなども試した結果、結局昔ながらの人口霧で行くことに決めたというエピソードが興味深い。

20点
開始後30分で、ほとんどの人はついていけなくなる

原作本『ダ・ヴィンチ・コード』は、全世界で3800万部も売れたベストセラーだ。この映画化にあたっては、カンヌ映画祭のオープニングまで、世界中どこでもマスコミ向けの試写会すら行わず、徹底した秘密主義で煽りまくり、話題性を盛り上げた。

ストーリーは意外に単純で、ある夜、ルーブル美術館の一室で殺された館長が残したダイイングメッセージを、主人公のハーヴァード大学教授(トム・ハンクス)と、フランス当局の暗号専門家(オドレイ・トトゥ)が、協力して解読するというもの。

やがてこのダイイングメッセージ(死の間際に被害者が残すヒント)は、どうやらキリスト教世界で最も重要な聖遺物(キリストの遺品や関連アイテム)である、"聖杯"のありかを示しているとわかる。しかし彼らは、館長殺害犯の容疑をかけるフランス警察と、聖杯を狙うカトリックの急進派閥オプス・デイの暗殺者に追われる身となってしまう。

20点
どこから見てもぱっとしない

香港/タイ合作のホラー映画『the EYE』シリーズのパート3というわけだが、前2作とはストーリー上のつながりはほとんどない。この3作目の中に、前作のカットが思わせぶりに挿入されたりもするが、別に気づかなくても問題はない。

タイの友人宅へ遊びにきた香港の若者男女4人組は、そのうち一人が古本屋で手に入れた『幽霊を見る10の方法』などという、インチキなダイエットのハウツー本みたいな名前の本で盛り上がる。そして真夜中、実際にその方法を試してみると、なんとビックリ、本当に霊が見えるのだった。

ところがそんなイタズラの罰があたったのか、彼らの一人が行方不明になってしまう。さては、霊に連れ去られたのか?! やがて彼らは、再び霊の世界に行って探し出そうとするのだが、というお話。

20点
子供向けにしても、もっとしっかりしてほしい

日本映画界において、ゴジラに並ぶ特撮シリーズの人気者がガメラだ。その、誕生40周年にあたる今年、まったく新しいコンセプトの新作が登場した。『小さき勇者たち〜GAMERA〜』は、大人の怪獣ファンも唸らせた平成ガメラとはうってかわり、小学校低学年くらいの子たちのためだけの、ファンタジックな感動ものになっている。

最近母親を亡くした11歳の少年は、あるとき奇妙な卵を見つける。やがてそこから亀が生まれ、少年はトトと名づける。父に内緒で育てていくと、あるときトトはふわりと宙を飛び、少年らを驚かせた。

一方、海では巨大生物が人間を襲う事件が勃発、やがてその怪物から町を守るため、トトことガメラが立ち向かうという物語だ。

20点
こんな企画で商売として成り立つのかが気になる

ヒキタクニオの同名原作の映画化。不死身の男、窪塚洋介が友情出演していることでもちょっとだけ話題。

大企業でバリバリ働く貴奈子(観月ありさ)は、ある日、巨大ビルへのモニュメント設置という畑違いなプロジェクトを任される。わずか2週間の工期ではどの職人にも無理といわれるが、凄腕のとび職人集団「日本晴れ」ならできるという噂を聞き、早速そこへ向かう。

身近なお仕事ながら、一般にあまり知る機会のない「鳶」という職業にスポットをあてた人情ドラマ。コメディ要素をちりばめながら、分割やワイヤーワーク合成を使用したポップな映像で見せる。

20点
完全に消化不良の長大映画

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズの、ツイ・ハーク監督得意のジャンルである武侠アクション大作。

清王朝建国直後の中国大陸。清朝は、“禁武令”を発し、武術家たちを次々と処刑していった。その圧政に反抗したある達人は、凄腕の若き2名とともに伝説の刀匠・晴明大師が住む神秘の山へと向かう。そこで腕利きの弟子4名が加わり7名となった彼らは、さらに特殊な7本の剣を預けてもらい、清の大軍に対し立ち上がるのだった。

なんとも、無駄に長い映画である。153分もの上映時間があるのに、物語の焦点がまったく定まっておらず、非常に疲れる。大勢の登場人物を掘り下げたい(けど、どこから手をつけたらいいのかわからない……)、7本の秘剣の魅力と能力をアピールしたい(けどどこから手をつけたら……)というような、作り手の迷いを感じてしまう。

20点
こういう安直企画が日本映画界をだめにする

ただ今公開中のヨン様映画『四月の雪』のホ・ジノ監督のデビュー作『八月のクリスマス』を、山崎まさよし主演の日本映画としてリメイクしたもの。

父から受け継いだ小さい写真館を経営する青年(山崎まさよし)は、余命わずかな病である事を隠したまま、静かに日々の仕事を続けている。そんなある日、写真館に現れやがて常連になった小学校教師(関めぐみ)と彼は、思いを打ち明けられるまま惹かれ合っていく。

私は、こういうリメイク企画は評価しない。無論、リメイク自体がいけないわけではない。例えば同週公開の『がんばれ!ベアーズ』のリメイク版のケースは、オリジナルが70年代の作品と古く、最新の映像技術とスタッフ、キャストによって作り直し、作品の魅力を新たな世代に伝えるという意義がある。新作によって彼ら若い観客が、オリジナルの価値を再確認することもできる。誰もが旧作を気軽に見られる時代とはいえ、多数の作品の中に名作が埋もれてしまう危険は常にある。だからこういうリメイクは、大いにやる価値があると思っている。

20点
最新〜往年のアイドル競演

伝説的なエッチアニメで知られるえびはら武司原作のギャグ・マンガの主人公「マチコ先生」の誕生秘話を描いたオリジナルストーリーの実写映画化。主演はグラビアアイドルの磯山さやか。

舞台は伝統ある進学校の“こりゃま学園”。ここでは女教頭・江戸川橋(八木小織)が、徹底した管理主義をしいていた。男女交際はすべて許可制、進学の妨げとなる体育会系クラブはほぼ廃止されてしまっていた。唯一残ったのは、必殺技稲妻パンチをもつ雷子(佐野夏芽)率いるボクシング部のみ。そんなある日、教育実習生としてマチコ(磯山さやか)がやってくる。彼女は学園の状況を嘆き、雷子とともに江戸川橋に対抗していくのだが……。

まいっちんぐマチコ先生といえば、30代くらいの方には懐かしいちょっぴりエッチなアニメ番組。今回はそのヒロインマチコ先生が、どうして生まれたかを描く「ビギンズ」である。

20点
予想外にダメだったジャッキーの息子デビュー作

ジャッキー・チェンの息子ジェイシー・チェンの映画デビュー作。競演は香港の人気アイドルTWINSのお二人。この1点を理由に、前作とは一切関連がない内容ながら『ツインズ・エフェクト2』の副題がついている。アクションを見せ場にしたアイドル映画だ。

古代、中国の近くに女人国があった。ここでは圧倒的な権力を持つ女帝のもと、すべての男は奴隷であり、まだあどけなさの残るスプリング(シャーリーン・チョイ)も奴隷商人として身を立てていた。そんなある日、女帝のもとから前王朝復活の鍵となる石版が盗まれる。やがてそれを手に入れた落ちこぼれ旅芸人の青年チャー(ジェイシー・チェン)は、それを宝の地図と勘違いしてスプリングらと旅に出るが……。

香港では、人気アイドルの主演映画ということで、結構なヒットを飛ばしたらしいが、日本人がみればただのバカ映画にほかならない。M男性が大喜びしそうな女人国なんて設定がそもそもマヌケすぎるし、あまりに安っぽいギャグセンスだ。強引かつ無茶苦茶な展開をみせ、最後にはめでたくみなさんラーブラブという安直な展開にもやれやれといったところ。

20点
惰性で作ったように思えてしまう

西田敏行主演の恒例のコメディ映画シリーズ16作。サブタイトルから想像できるとおり、今回は長崎が舞台となっている。ゲストはヒロインとして伊東美咲、その相手に金子昇、そして口の悪い黒人タレント、ボビー・オロゴンとなっている。

鈴木建設が手がけた橋の連結式に出席するため、社長のスーさん(三國連太郎)とダメ社員のハマちゃん(西田敏行)はそろって長崎県へ。ところが案の定、ハマちゃんは現地の後輩(金子昇)の車で港へ直行、黒人米兵(ボビー・オロゴン)を引き連れさっさと釣りに出かけてしまう。

いつもどおり仕事をさぼって釣りばかりのハマちゃんこと浜崎伝助が今回巻き込まれるのは、金子昇と彼がプロポーズした恋人(伊東美咲)、そしてその気難しい父親(尾崎紀世彦)とのありがちな結婚前トラブルのお話。最初から最後まで予想通りの薄っぺらいドラマで、これはまったく見ごたえがない。「海猫」では体当たりの演技を見せつけた伊東美咲も、まったく存在感を示すことができず、ステーキの脇に転がってるニンジン程度の扱いだ。

20点
甘くて切ない痛快な青春映画……ではない

韓国の若手女優ペ・ドゥナ出演の青春ドラマ。80年代の人気バンド、ザ・ブルーハーツを女子高生たちが文化祭でカバーするというお話。

高校最後の文化祭を前に、ギターの骨折などで立ち行かなくなった女子バンドのメンバーたちは途方にくれていた。そんな彼女らが偶然耳にしたのがブルーハーツの『リンダ リンダ リンダ』。シンプルながら感動的な旋律に心奪われた彼女たちは、この曲を残ったメンバーでなんとか演奏することとし、ボーカルは偶然通りかかった韓国留学生(ペ・ドゥナ)を無理やり引き込んだ。そんな無謀な急造バンドで、彼女たちは猛練習を始めた。

『バトル・ロワイアル』でヒロインを演じた前田亜季や、『ローレライ』で物語の鍵を握る謎の女を演じた香椎由宇など、カルト的人気を誇る女優を集めて作った青春女の子映画だが、『リンダ リンダ リンダ』は一般の方が期待するような爽快かつ感動的な女子バンドものではない。

20点
稀代の珍作登場

アクションスターのジェット・リーと、演技派のモーガン・フリーマンが異色の競演をはたしたアクション映画。製作、脚本にはリュック・ベッソン(「レオン」「ジャンヌ・ダルク」など)が名前を連ねる。

内容をかいつまんで話すと、主人公のダニー(J・リー)は5歳のとき悪徳高利貸しのボスに拾われ、犬同様に首輪でつながれ育てられた男。小さいころから殺し屋としての格闘術を仕込まれ、ろくに言葉すらしゃべれないもののボスの命令には忠実、ものすごい戦闘力で組織のトラブルを解決していた。そんな彼がひょんな事から盲目のピアノ調律師(M・フリーマン)と出会い、音楽への興味と本当の愛に目覚めていく。

一言でいえば、「なんだこりゃ」としかいいようのないトンデモ作品。よくこんな映画をまじめに作ったものだと深く感心する。バカすぎる設定、非リアリティのきわみのような話をあの名優フリーマンがクソマジメに演じる。これには猛烈な違和感を感じざるを得ない。久々にパワーのあるダメ映画を見た思いだ。

20点
なかった事にしてもらいたい

ハリウッド版『リング』である『ザ・リング』の続編。日本に存在する続編とは無関係で、ハリウッドによる完全オリジナルストーリー。主演は前作同様ナオミ・ワッツ、監督は日本のオリジナル版と同じ中田秀夫だ。ちなみに本作は彼にとっての監督全米デビュー作となる。

前作のラストから数ヶ月、小さな田舎町でひっそりと暮らす新聞記者(N・ワッツ)とその息子だが、ある変死事件の被害者の顔が恐怖にゆがんでいたと聞いて、サマラの呪いが復活したことを知る。

脚本がひどい、どうしようもない。まず、ハリウッド版、日本版いずれにしても、『リング』は簡単に続きが作れるような話でないのはご承知のとおり。もっとはっきりいってしまえば、続けようのないストーリーだ。それほどに完成度が高いともいえる。それなのにこんな駄作をつなげて続編を名乗らせるとは……名作リングの名前を汚すだけだから、もうやめたほうが良いのではないか。

20点
アクション映画としては地味で少々トロい

『デアデビル』(2003年、米)のヒロイン、エレクトラを主人公にしたスピンオフ作品。かわいいお姉さんがちょっと露出度の高い服をきてバトルを見せるという、そういう映画だ。K-1等で活躍する格闘家の"ビースト"ボブ・サップがはじめて出演したハリウッド映画としても話題になっている。

強敵ブルズアイとの格闘(映画「デアデビル」参照)において命を失ったエレクトラ(ジェニファー・ガーナー)は、善なる集団のリーダーによって蘇生され、さらなる格闘術を学び、最強の女戦士として生まれ変わった。そんなある日、彼女の元に悪の組織から追われる父娘が逃げ込んでくる。組織は少女を狙っており、エレクトラたちを殺すために、恐るべき刺客軍団を送り込む。

アクション映画としてはトロいし盛り上がりに欠けるのでなんともオススメしがたいが、それなりに見所がないわけではない。長髪ストレートガイジンがお好きな私のような方には、エレクトラ役のJ・ガーナーのナイスバディと美しいアクションは見ているだけで惚れ惚れするだろうし、規格外のマッチョマンがお好きな私のような方は、ボブ・サップの暴れっぷりを見ているだけで惚れ惚れするだろう。

20点
もう時代遅れ

浅倉卓弥のデビュー小説を映画化したファンタジック・ラブストーリー。

主人公の青年(吉岡秀隆)は、天才的なピアノの才能を持ち、わが娘のように暮らす自閉症の少女をつれ、海辺の老人療養施設に慰問にやってきた。そこには偶然主人公を知る女性(石田ゆり子)が働いていたが、じつは彼女にとって主人公は初恋の人だった。心やさしい彼女は少女とも打ち解け、仲良く遊んでいたが、突然襲い掛かった落雷に二人は打たれてしまう。

さて、この落雷事故でどうなるかというと、なんとヒロインと自閉症少女の中身が入れ替わってしまうのである。昨年のアニメ映画「あたしン家」もそんな話だったと記憶するが、こちらは100%シリアスもの、オチャラケは一切ない。ヒロインは無傷な自閉症少女の体を得るが、ヒロインの体は落雷事故の衝撃で瀕死なので、自閉症の子もその中で死にかけているという設定だ。

20点
オダギリ&ツィイーのファンにとっては地雷

世界的に人気の出てきたアジア女優チャン・ツィイーと、日本のオダギリジョーが共演する異色のオペレッタ(ハッピーエンド版オペラ)。

強欲な城主(平幹二朗)は、「やがて息子の美しさがあなたを上回る」との女予言者(由紀さおり)の言葉に焦り、息子(オダギリ)を秘境の山に捨てることを画策する。ところが息子はその山で、世にも美しい姫(チャン・ツィイー)と出会うことになる。

全編サイケデリックといってもよさそうな無秩序な色彩感覚に彩られ、ツィイー演じる狸の姫様やオダギリジョー、パパイヤ鈴木ら個性的な顔ぶれのキャストが歌い、踊りまくる。妙ちくりんな合成映像、舞台劇のような安っぽいセット、無国籍感覚の着物のデザインなどがごた混ぜになり、監督の実験的映像遊びとでもいえそうな不思議映像が延々と続く。

20点
韓国ブームのあだ花のごとき一本

『友引忌(ともびき)』、『ボイス』に続く、韓国の人気若手監督アン・ビョンギによる「ゴースト・ストーリー3部作」完結編。……といっても、各作品はまったく別個のもので、それぞれのストーリーにつながりはない。

いじめに悩む転入生の少女は、いじめっ子たちへ呪いをかけるため友人を巻き込んで「コックリさん」をはじめる。すると翌朝、本当に連中の一人が変死体で発見される。

あまりに幼稚で涙が出る。この監督は本当にやる気があるのかと思うのが、この映画での稚拙な演出の数々。死体やら何やらを全部画面の中に入れ、観客に見せてしまうものだから怖さに奥行きがまったくない。見せないことで恐怖を与えるというのはホラー映画演出の基本中の基本だが、この作品ではまったく考慮していないようだ。

20点
宣伝の人も大変です

プロファイリング不能な恐るべきシリアルキラーと、それを追うFBI捜査官の戦いを描いたサスペンス映画。“サスペクト・ゼロ”とは特定の犯行パターンを残さず、捜査線上に決して上がらない究極の連続殺人犯の事。

連続殺人犯の不当逮捕が原因で左遷されてきたFBI捜査官の前で、続けて3件の猟奇的殺人事件が起こる。まぶたを切り取り、ゼロの刻印がなされた死体。原因不明の頭痛に悩まされながらも捜査を続ける彼の前に、差出人不明のFAXが次々送られてくる。そこには犯人のヒントが記されていたのだが……。

CMやら予告編では、あの名作『セブン』を超えたとか、衝撃の結末とか宣伝されているが、すでに見終わった側からアレを見ると、内容とのギャップに苦笑してしまう。これは宣伝しにくい部類の映画だろう。彼らの苦労が窺い知れる。

20点
脱力おバカ映画はまだまだ健在?!

映画評論家水野晴郎監督の列車ミステリー第5弾。PART4は舞台劇なので、映画としては4作目となる。カルト的人気を誇るおバカ映画だ。

1941年、モスクワからシベリア超特急に乗り込んだ山下奉文陸軍大将(水野晴郎)と佐伯大尉(西田和昭)は、到着地である満州里までの7日間で、義経の財宝の古地図をもつ乗客を突き止め、確保せよとの電報を受ける。

「シベリア超特急」シリーズは、MIKE MIZUNOこと水野晴郎の監督、主演でおくる(一部に)人気の個性的なミステリドラマだ。水野御大の棒読み演技、論理的な推理過程をすっ飛ばした謎解き、無駄に豪華なキャストといったダメ映画の基本を押さえた作り。そんなシリーズもついに5作目となった。

20点
セカチューとデビルマンの悪いところを受け継いでいる

明治初期に北海道を開拓した武士たちの姿を描く時代劇。豪華キャストをそろえ、北海道長期ロケを敢行した製作費15億円の大作だ。

明治4年、淡路島で代々暮らす稲田家とその家臣たちは、藩とのトラブルから未開の地・北海道への移住を命ぜられる。先遣隊の若きリーダー(渡辺謙)と妻(吉永小百合)にとっては希望に満ちた新生活であったが、彼らの前には想像を絶する運命が待ち構えていた。

東映が社運をかけたという超大作であるが、商売上はともかく、同社の映画作りにおける実力低下は否めないようだ。『北の零年』は吉永小百合、渡辺謙、豊川悦司といった主演級が何名も揃っているだけに、彼らの魅力でなんとか持ちこたえてはいるものの、その脚本、演出のマイナスが誰の目にも明らかな失敗作である。

20点
伊東美咲の裸という、最大の成立要素を失った時点で崩壊した

谷村志穂の原作を伊東美咲主演で『失楽園』の森田芳光が監督した純愛ストーリー。

舞台は1980年代の北海道。ロシア人ハーフのヒロイン(伊東美咲)は、昔気質の猟師(佐藤浩市)のもとへ嫁いだ。当初はぐいぐい引っ張っていく男らしさにひかれた彼女だったが、やがて夫が自分勝手な本性をあらわすに従い、常に優しい愛を注いでくれる夫の弟(仲村トオル)の方に心動かされて行く。

グラビアアイドルの伊東美咲は、本作での濡れ場を機会に本格派女優として脱皮するはずだった。劇中のセックスシーンの撮影では、実際に服を全部脱ぎ、全裸で果敢にチャレンジしたそうだ。……が、悲しいかな彼女は今、某会社のCMキャラクターであった。まじめな恋愛映画とはいえ、この時期オールヌードでハァハァあえぐのはよろしくないとの圧力がどうやらかかったらしい。結局『海猫』では、誰もが期待したヒロイン伊東美咲の裸はひとつ残らずカットされてしまった。

20点
ヒロインが変わったので違う女の子の裸アクションが見られる

永井豪のエロティックな原作漫画の映画化第三弾。

聖楠の木学園の水泳部では、夏合宿を目前に控えていた。合宿場所はある無人島。逃げ場のないこの合宿場で、スクール水着の少女たちが悪徳コーチにエッチな特訓をさせられる。

いつのまにやらこの新「けっこう仮面」シリーズもPART3となった。今回の舞台は水泳部ということで、俗にいうスク水少女たちがたくさん登場する。もちろん彼女らは、水泳部員というよりグラビアアイドルとしか思えない色っぽいプロポーションの持ち主ばかりだ。相変わらずのナンセンスなギャグシーンを全員体当たりで演じている。演技の下手な子ばかりだが、この作風にはぴったりだ。

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