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2156件中 1951~2000件 を表示しています。
30点
大多数の日本人には向かない、欧米向け映画

『V フォー・ヴェンデッタ』は、『マトリックス』シリーズの監督ウォシャウスキー兄弟が脚本を担当した、ダークなサスペンス映画だ。原作のコミックは、82年に英国で発表されたが、この時期のイギリスといえば、マーガレット・サッチャー首相の在任真っ最中。よって本作は、その強硬保守的な政治姿勢を批判する、たぶんに政治的比喩を含んだ内容となっている。

舞台は近未来のイギリス。世界は荒廃し、かつての大国アメリカもいまは英国の植民地。そして、その英国は独裁者が支配するファシズム国家となっていた。ある夜、ヒロイン(ナタリー・ポートマン)は外出禁止時間帯に外を歩いていたところを、秘密警察に発見されてしまうが、Vと名乗る仮面の男(ヒューゴ・ウィーヴィング)に救われる。強靭な肉体と信念のもと、政府の転覆を狙う彼の行動に、やがて彼女も巻き込まれていく。

主人公のVは、自身のトレードマーク「V」がANARCHYマークを連想させることでわかるとおり、過激なアナーキスト(無政府主義者)だ。政府の施設を芸術的ともいえる手法で爆破し、為政者の秩序を破壊する。現在の世界では、いわゆるテロリストと呼ばれる存在である。

30点
深田恭子の天使姿は一見の価値があるが

『下妻物語』(04年、日)で、とてつもなく似合うロリータファッション姿を披露した深田恭子によると、次に流行るのは天使コスプレなのだそうだ。そんな彼女の主演最新作『天使』は、心温まるファンタジードラマ。桜沢エリカの原作の映像化である。

本作には、何人かの主人公が登場する。たとえば、永瀬正敏演じるシングルファーザーは、恋人(永作博美)がいるものの、幼い娘の事が気になってどうしても先に進めない。内気なコンビニ店員(内田朝陽)には、好きな女の子ができた。ある女子中学生は、学校でいじめにあっている。そんな彼らの前に、ある日ふわふわと天使が舞い降りるという展開だ。

この天使を演じるのが深田恭子。全身真っ白で、キラキラと輝く"天使コスプレ"は、確かに絶品。まさに天使のような可愛らしさである。この天使は風変わりで、好物はジンライム、言葉は一言もしゃべらない。妙に人懐っこい性格で、たとえば男の子の部屋に居候して、四六時中、彼の周りをふわふわと飛び回り、悩んでるときにはキスしてあげたりもする。かと思うと、突然いなくなってしまうという、じつに気まぐれな性質だ。でもベランダにジンライムを置いておくと、またやってきたりもする。まるで、人に慣れたスズメのような天使である。そんな彼女は、決して積極的に人間社会に介入しないが、いつもどこかでやさしく見守り、背中を押してくれる穏やかな存在だ。

30点
現代的なテーマを織り込んだらよかったのに

日本のアニメーション作品が海外でも高い評価を受け、注目されているのは周知の通り。もっと具体的にいえば、それはスタジオジブリの作品であり、プロダクションIGのそれでもあるわけだが、この『銀色の髪のアギト』を製作したGONZOも、とくにデジタル分野の技術において定評がある。

そんな、いま注目の製作集団であるGONZOは、一般には連続ドラマ版『電車男』のオープニングアニメーションを作ったといえば通りが良いだろう。ちなみに私の好きな『GANTZ』のアニメ版も手がけている。そんな彼らがはじめて作った劇場用オリジナル長編アニメがこの『銀色の髪のアギト』だ。

舞台となるのは300年後の地球。そこは、人類による環境破壊が原因で、森の木々が人間を襲うようになった恐るべき世界。主人公の少年アギト(声:勝地涼)は、そんな森の泉の中で、300年間眠りつづけていたという少女トゥーラ(声:宮崎あおい)を発見する。変わり果てた地球の姿に愕然としながらも、アギトらと交流を深めていくトゥーラの前に、やがて同じく過去から目覚めたという男が現れる。

30点
映像・演出はいいが、それだけでは

「未来世紀ブラジル」「12モンキーズ」といった作品で、カルト的人気を誇るテリー・ギリアム監督最新作。グリム童話の世界を、ギリアム監督らしい特徴的な美術で表現した映像美が見所。

舞台は19世紀のドイツ。ウィル(マット・デイモン)とジェイコブ(ヒース・レジャー)のグリム兄弟は、各地で魔物退治をして暮らしていたが、実は魔物は仲間が演じた八百長であった。やがてそれがバレ、将軍につかまってしまうが、意外にも将軍から、ある村での少女連続失踪事件の解明を命ぜられる。

難解というか奇妙というか、よくわからない作品が多いテリー・ギリアムは、その特異な才能に対する熱狂的なファンの多い個性派監督だ。そんな彼の数年振りの新作だから、本作は有名なグリム童話の世界を舞台にしたファンタジーとはいえ、「ハリーポッター」やら「チャーリーとチョコレート工場」なんかの健全なものとはまるで違う。『ブラザーズ・グリム』は、暗く、ドラマ性・娯楽性が薄く、万人向けでは決してない、特殊なダークファンタジーだ。

30点
監督が楽しんでいるのはわかるが

ベネチア映画祭で話題を集めた、北野武監督最新作。

大物タレントのたけし(ビートたけし)はある日、楽屋で北野(ビートたけし・二役)に出会う。やけに外見が似ている二人だったが、北野はコンビニのバイトで生計をたてる売れない3流役者。しかしこの出会いをきっかけに、北野とたけしは現実とも夢ともわからぬ世界で、互いの人生の中に入り込んでいく。

前作「座頭市」が、非常にわかりやすいエンタテイメントだったので、その反動というわけでもあるまいが、『TAKESHIS'』は摩訶不思議で解釈困難な実験的映画になっている。普段から、編集作業が一番好きと語る北野監督が、あらかじめ撮っておいた主人公二人の物語を一度バラバラに分解し、その後めちゃくちゃにつなぎ合わせたような、混沌とした作品になっている。

30点
いくらなんでもぶった切りすぎ

今年2005年の5月に公開され、予想以上のヒットを飛ばした『機動戦士Zガンダム −星を継ぐ者−』に続く第二弾。テレビシリーズを再編集した上にいくつかの新カットを加え、画面と音響には様々なデジタル処理を施し、現代の観客が極力違和感なく見られるようになっている。

反地球連邦組織エゥーゴと、連邦軍内のエリート組織ティターンズの戦いは激化していた。主人公の少年、エゥーゴの戦士カミーユ(声:飛田展男)は、地球で物憂げな少女フォウ・ムラサメ(声:ゆかな)と出会い、惹かれ合う。しかし彼女は敵対するティターンズの強化人間だった。悲しい別れを経験した後に戻った宇宙で、彼は新型モビルスーツ、Zガンダムのパイロットとなるのだった。

いやはや、このパート2には参った。いくらなんでもこの編集はカットしすぎだ。流れをぶった切りすぎて、話がまったくつながってない。前作はまだよかったが、今回はひどい。

30点
ヨン様以外に見るべき点なし

韓流キングことペ・ヨンジュン主演最新作。監督は『八月のクリスマス』で知られるホ・ジノ。

主人公の照明技師(ペ・ヨンジュン)は妻が交通事故にあったと聞き、急いで病院に向かう。ところが、そこで知った事実はあまりにも残酷なものだった。妻の車に同乗していたのは長年の浮気相手。つまり彼女は不倫ドライブ中に事故にあったのだった。傷心の彼は、妻も同乗者も昏睡状態にあるなか、妻の浮気相手の若妻(ソン・イェジン)にいつしか惹かれていく。

先日、自身の誕生日(8月29日)周辺に来日して大騒ぎを巻き起こしたヨン様の最新作である。ところで、映画とはまったく関係がないが、黒柳徹子と共演した某テレビの特別番組には笑った。ヨン様でずっぱりかと思いきや、最初の30分くらいはヨン様ゆかりの地などといって、大竹まことと黒柳氏のクソ面白くもない観光地めぐりの映像が続く始末。まるで、一昔前のボクシングタイトルマッチ並のあからさまな引っ張り方だ。この時代遅れぶりが、言ってみりゃ韓流騒ぎの味というやつかも知れないが。

30点
映像だけはまあまあ

韓国映画初の南極冒険を描いた大作ドラマ。

世界初の無補給横断を敢行中の大韓民国探検隊の目標は、南極到達不能点(南極大陸の全海岸線からもっとも遠い地点のこと)だ。過酷な行軍を続ける彼らはやがて、80年前の英国の探検隊の日誌を偶然発見する。隊員の一人(ユ・ジテ)が日誌の内容と自分たちの間にある共通点を見つけたころ、彼らに奇妙な出来事が起き始める。

南極では昼しかない夏が6ヶ月続き、あとは夜だけの冬が6ヶ月続く。こういう特殊な場所で、時期的にはもうすぐ冬が訪れるという緊迫感ある設定で物語ははじまる。タイムリミットをすぎたら永遠に闇の世界に飲み込まれてしまう、そんな恐怖が常に観客の身にも付きまとう。周りは一面白い世界。ウィルスすら存在できない極寒の地。とにかく息苦しいその舞台設定を、見事に表現した映像にまずは驚かされる。まさに、体験する映画、といったところだ。

30点
≪子供に見せたくなる要素があまりない

『シュレック2』『シャーク・テイル』とヒット作を続けるドリームワークス・アニメーションの最新作。米国では2005年公開のアニメ映画の興行収入一位を記録した。

ニューヨークの動物園のスター、ライオンのアレックスは、ひょんな事から仲間とともに動物園を脱走してしまう。ところがあえなくつかまって、しかも移送中の船の事故でアフリカのマダガスカル島へと漂着してしまう。

都会育ちで現代っ子の動物たち(ライオン、シマウマ、キリン、カバ)が、本物の自然の中で慌てふためくコメディだ。彼らはもともとアフリカの動物たちではあるが、何しろ文明が大好きで、生ぬるい都会暮らしに慣れきってしまっているので、野生に放り出されても何もできない。動物園の動物たちが野生に戻ってバン万歳、といかない設定が、ちょっとした笑いを生むわけだ

30点
架空の色町“忍山”の雰囲気が面白い

北村一輝、高岡早紀主演の官能ドラマ。架空の色町を舞台に、一人の男と二人の女の運命を描く。

主人公の男(北村)は、ある夜クラブで踊る不思議な女、一美(高岡)を見て、運命的な出会いを感じる。彼女は色町“忍山”で暮らす遊女で、やがて二人はひかれ合うが、いつしか彼女は出所したヤクザの夫の元へ帰ってしまう。

やがて主人公は別の女(吉井怜)と出会うがこいつがまさしくストーカー気質かつ気性の激しい女で、彼は生活をすべて壊され、のちの運命も狂わされていく。その後、結局忍山に舞い戻った主人公は、めでたく一美と再会するのだが……。

30点
藤本綾のファンにとっては100点以上の価値がある

アイドル藤本綾と国分佐智子がヌードになっている事でも話題の(というよりそれしか話題のない)サスペンスドラマ。

名家・西徳寺家の妹、香織(藤本綾)は、姉の久美(国分佐智子)が待つ別荘に向かっていた。ここで過ごすのが毎夏の恒例だったが、この年は屋敷の改修工事のため、怪しげな若い男二人が住み込みで居座っていた。やがて婚約者のある身でありながら、香織はその一人に興味を抱いてしまう。

藤本綾といえば、彼氏との仲良し写真が流出したため一部でフェラドルなどと呼ばれている気の毒なアイドル。そんな彼女がなにを思ったか、何もかも脱ぎ捨ててAV並の過激な濡れ場のある映画に出演した。

30点
原作ファン以外があえて見る必要は薄いか

ホラー小説の帝王スティーブン・キング(『スタンド・バイ・ミー』『シャイニング』など)が2000年に発表したインターネット小説の映画化。この原作はキングが実際に交通事故に遭い、そのときの体験が色濃く反映された短編といわれており、臨死体験や「生と死」に対する真摯な姿勢が特徴となっている。

1969年のハロウィンのころ、主人公の画学生(ジョナサン・ジャクソン)はマリファナやロック、女の子を楽しむ普通の学生生活を送っていた。しかし、6歳で父親をなくした体験と、あるトラウマが契機となって、常に自分を冷静に観察する別人格を自らの中に作り上げていた。そして誕生日、バスタブにつかっていると突然死神の幻覚が現れ、「手首を切って自殺しろ」とそそのかすのだった。

このあと展開されるストーリーだけをいうと、母親に会いに行こうとした男が体験するデタラメな旅、ということになるのだが、『ライディング・ザ・ブレット』は人間の内面の心の動きを重視した、キングの原作ものにしては異色の一本になっている。超常現象やら恐ろしい化け物といった、ホラー映画らしい要素はあまりない。

30点
デートの合間の暇つぶし

ウィル・スミス(「インディペンデンスデイ」のパイロット役など)と、エヴァ・メンデス(「ワイルド・スピードX2」など)という黒人スター二人が共演したロマンティックコメディ。

主人公(W・スミス)は、恋愛下手な男に女性の口説き方を教える“デート・コンサルタント”。今日もさえない会計士に、雇い主のセレブをデートに誘う恋愛テクを伝授したばかり。そんな彼だが、偶然知り合った新聞記者の女性(E・メンデス)とデートを重ねるうち、どうやら本気で彼女が気になってくる。

映画はウィル・スミスの恋愛指南トークからはじまり、やがて「セレブ女性と会計士」「主人公と新聞記者」の二つの恋の行方を追っていく。結論から言えば『最後の恋のはじめ方』は、じつに軽い。ロマコメというジャンルはおしなべて軽っちいものであるが、それにしても軽すぎる。上記のストーリー紹介を読んだ人が想像するとおりのお気楽アメリカ映画だ。

30点
裸はもう、前半だけでお腹いっぱい

SM界のカリスマ団鬼六による、同名原作の映画化第二弾。主演は前作同様杉本彩。

年老いた美術評論家は、若く貞淑な妻(杉本彩)を愛していたが、肉体の衰えのため毎夜彼女を満足させることができずにいた。悶々とした日々を過ごしていた彼は、ある日、旧知の画家が遺した春画CGを見て愕然とする。数々のSM緊縛プレイを描いたその絵のモデルは、なんと自分の妻だったのだ。画家の妄想上の作品とはいえ、そのあまりにリアルな出来映えに、彼は妻が内面に隠し持つはずの、みだらな一面を引き出したい衝動にかられる。

さて、そこで男がどうしたかというと、若く才気にあふれた別の画家の男に、自らの若妻をそれとなくあてがうように仕向けるのである。これは、前作に比べるとちょいとリアルなエロさを感じさせる展開で、専門用語(?)でいう寝取られ好きの皆様にはなかなか嬉しい内容となっている。(いや、正確には寝取らせ、か)

30点
よほどマニアックなファン以外にはすすめられない

アメリカ新世代監督のホープといわれるウェス・アンダーソン監督(「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」ほか)最新作。

主人公はやや落ち目の映画監督(ビル・マーレイ)で、海洋ドキュメンタリーを専門としている。ところが今回の撮影中、相棒が“ジャガーザメ”なる謎のサメに食われてしまった。彼は敵討ちのため、新作ドキュメンタリーの製作も兼ねてジャガーザメを探そうと決意、いつものメンバーを召集し、海へ出た。

大海原を舞台に、クルーたちと主人公の交流を描いたコメディだ。主人公は家族を省みず趣味ばかりやっているダメ男(別のいい方をすれば少年の心を持ったオヤジ)で、仕事仲間である妻にも見放されている。しかし、そんな彼の周りにはさまざまな人間が集まってくる。かつての恋人が生んだ息子となのる若者、昔から主人公に心酔している部下(ウィレム・デフォー)、妊娠中の女ジャーナリスト(ケイト・ブランシェット)など、一癖もふた癖もある連中ばかりだ。

30点
「マスク」にここまでのVFXはいらないか

1994年の大ヒットコメディにして、俳優ジム・キャリーの出世作『マスク』の続編。しかし前作の主人公ジム・キャリーやキャメロン・ディアスは出演せず、変わりにジェイミー・ケネディが新しい主人公ティムを演じる。

漫画家志望の主人公(J・ケネディ)は、愛犬が拾ってきた奇妙なマスクをつけたとたん、内気な性格から180度変身、歌って踊れるスーパーヒーローに生まれ変わる。会社主催の仮装パーティーでは人間離れしたパフォーマンスで社長に一目置かれ、帰ってからは妻とスゴイ一夜を過ごす。そして、その夜が原因で妻はついに妊娠、出産。おまけに生まれたベイビーは最初からスーパーパワーを備えていた。

やがて愛犬までもがマスクをかぶり、飼い主の愛情を独り占めすべく、ナチュラルパワーの赤ちゃんとド派手な戦いを繰り広げるという、遊び心いっぱいの第二弾だ。パート2とはいっても前作との筋書き上のつながりはない。かぶったものに力を与える例のマスクが、今度は別のオジサンのトコにいって騒動を巻き起こすというお話だ。よって、楽しむために前作を見ておく必要はまったくない。

30点
舞台演劇なら許せても……

松竹と劇団☆新感線が共同で作り、チケットがあっという間に完売するほどの人気を博した舞台劇の映画化。主演は歌舞伎役者の市川染五郎、相手役は宮沢りえ。

江戸の町には人の姿をした鬼がはびこっていた。幕府側は鬼を見分けられる能力をもった精鋭軍団「鬼御門(おにみかど)」を組織し、鬼を見つけ次第成敗していた。主人公はかつてそこで最高の腕を持っていた剣士で、今はしがない舞台役者をしている男(市川)。ある日彼は、つばき(宮沢)という女と出会い、恋に落ちるが……。

宮沢りえ演じるつばきという女にはある秘密がある。実は彼女は最強最悪の鬼の王“阿修羅”なのだが、自分自身もそれに気づいていない。阿修羅が目覚めるには彼女が恋をする必要があり、しかも恋をした相手が強い男であればあるほど、阿修羅のパワーも強大になるのだ。

30点
見事、こども向けへっぽこドラマに生まれ変わった

1956年に月刊少年誌『少年』に連載され、テレビアニメも人気を博した横山光輝原作のロボットマンガの実写映画化。予告編を公開したとたん、「「デビルマン」の再来」などというトンデモない憶測を呼び、一部の人々(ダメ映画好き)の間では大変な期待をされている一本である。

舞台は現代の東京。突如悪の巨大ロボット「ブラックオックス」が現れ、東京タワーをはじめとした建物を破壊しまくる。みかねた小学生の金田正太郎は、父が開発した正義の巨大ロボ「鉄人28号」をリモコンで操作し、ブラックオックスに挑むのだが……。

さて、「鉄人28号」といえば、往年のテレビアニメファンにとっては特別な郷愁を感じる傑作漫画である。テレビアニメや実写化も何度か行われており、様々なバージョンが存在する。なかでも原作主人公の金田正太郎は、小学生ながら大人顔負けの活躍で、鉄人28号とともに少年たちの憧れ、ヒーローであった。

30点
原作小説の方を先に読むほうがいい

殊能将之の傑作デビュー小説を豊川悦司主演で映画化した作品。

知的な女子高生ばかりを狙う連続殺人犯ハサミ男。その犯行の手口は、鋭利に研がれたハサミを、被害者ののど元に突き立てるというものであった。ハサミ男は次なるターゲットに目をつけていたが、驚くべきことにそのターゲットは別の人間により、殺されてしまう。しかものど元にはハサミ男の手口を真似た、粗悪なハサミが突きつけられていたのだった。プライドをひどく傷つけられたハサミ男は、独自の調査で真犯人に迫るのだが……。

殊能将之の同名小説は、私もずいぶん昔に読んでいる。抜群に面白い小説で、すばらしいトリックとどんでん返しをもち、何より舞台が以前すんでいた東京の目黒区周辺ということで、ずいぶんと楽しませてもらった覚えがある。

30点
穴にこだわって作られた現代人の生きる姿

広告業界や短編作品で知られる合田健二監督初の長編映画。低予算ながら、デジタルエフェクトを駆使した映像でみせる異色のファンタジードラマ。構成は、男二人女一人、それぞれを主人公とした短編が3つ続き、最後に彼らが一堂に集うまとめ的なエピローグで締めるというもの。

3人はそれぞれ自分自身の現状を「無感覚」と表現する。つまり、アイデンティティーを見失った宙ぶらりんの状態にある若者たちだ。

まず一人目の男、彼はその空白感を埋めるためにアナルレイプを行う。女性たちの部屋に忍び込み、犯すことで自らの存在感を再認識する。その充実感を頼りに何とか生きている。自分の手口を詳細に語る淡々とした語り口に、観客も思わず引き込まれる。挑発的な映像がついているわけではないのに、強烈にエロティックでもある。

30点
どこまで信用できるかは???

ジャッキー・チェン一家の秘密を赤裸々に描いたドキュメンタリー。

香港の大スター、ジャッキー・チェンは、家族想いの男で知られるが、今まで一人っ子だとされてきた。ところが母の病気をきっかけに、父が突然衝撃の告白をする。「おまえには4人の異母兄弟がいる」

この告白を、ジャッキーが自分の家族の記録ビデオにするつもりで、知り合いの監督に撮ってもらったものを膨らませて、公開にこぎつけたのがこの『失われた龍の系譜 トレース・オブ・ア・ドラゴン』だ。一家のプライバシーに突っ込んでいるためか、香港や中国本土では上映されず、アジアでは日本がはじめての公開となる。

30点
ほめることもけなすこともできない一本

アクション俳優ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演のバイオレンス&サスペンスドラマ。

裏社会から足を洗い、愛する妻子と幸せに暮らしている主人公(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)。ある日、ソーシャルワーカーの妻が中国からの密入国者の少女を預かってきたが、その子は実は中国マフィアと関わりがあり、追手によって拉致、妻は惨殺されてしまう。

さて、それを見つけたヴァン・ダム氏、怒り心頭、復讐の鬼と化して中国マフィアに制裁を加えていく、というのがあらすじである。

30点
安直続編に見るべき点なし

柴咲コウが主演して興行収入15億円のヒットを記録した現代ホラーの続編。一応話は続いているが、キャスト・スタッフを一新し、このPART2から見ても、そこそこ楽しめるように完結させたつくりになっている。

ヒロイン(ミムラ)は彼氏(吉沢悠)のバイト先の中華料理店で、薄気味悪い着メロを耳にする。やがてその携帯の持ち主が変死をとげ、彼らは1年前に世間を騒がせた「死の予告電話」事件が再び始まったことを知る。やがてヒロインの携帯にもそのメロディが流れ、二人は事件を追うルポライター(瀬戸朝香)と協力し、なんとか彼女の命を救おうと試みるが……。

前作は、携帯電話やテレビ番組、踏み切りといった身近なアイテムや舞台を最大限に利用し、徹底的に「いまどきの若者」を怖がらせる演出が受け、大ヒットした。ある程度の商売が計算できるこの続編は製作費も増えたのだろう、台湾ロケまで敢行して話を海外にまで広げている(前作がアジア各国で売れたから、という意味もあるのだろうが)。

30点
出演者を見たい人はどうぞ

ハリウッドのトップスターを集めて作られた犯罪ドラマ『オーシャンズ11』の続編。監督は引き続きスティーヴン・ソダーバーグ。

前作から3年、主人公のオーシャン(ジョージ・クルーニー)にまんまと大金を盗まれたカジノオーナーは、彼と仲間たちの居所をつきとめ、盗んだ金と多額の利子を2週間以内に返還するよう脅しをかける。かくしてオーシャンと仲間たちは、再び大きなヤマに挑戦する羽目に陥った。

『オーシャンズ12』は、ハリウッドでときたま作られるオールスター作品で、要するに時の大スターを何人も集めてゴージャスなドラマを作る、という企画だ。前作がそこそこ当たったので、同じ監督とキャストを中心に、さらに何名か別のスター俳優を加えて作られた。

30点
シルヴィアの内面を描ききれていないか

30歳の若さで死んだ後、ピュリッツァー賞を受賞した詩人シルヴィア・プラスの一生を描いたドラマ。

イギリスのケンブリッジ大学に留学したシルヴィア・プラス(グウィネス・パルトロウ)は、大学院生テッド・ヒューズと、彼の詩に感動したことをきっかけに出会う。やがて、ボストンでの幸せな結婚生活が始まるのだが……。

悲劇の作家として知られるシルヴィア・プラスは、その繊細な詩と若くしてガスオーブンに頭を突っ込んで自殺したことで、伝説の詩人となった。ただ本作では、グウィネス・パルトロウの演技も人物描写も平凡で、映画として突出した何かが感じられなかった。

30点
映画ではなくオペレッタを見にいく感覚で

黄金期の1925年にパリでヒットしたオペレッタ「Pas sur la bouche!」を映画化した作品。出演は『アメリ』のオドレイ・トトゥほか。本国フランスを代表する演技派キャストも見所。

舞台は1925年の巴里。妻は処女だったと信じきっている夫をもつジルベルト(サビーヌ・アゼマ)は、実はバツイチだった。そんなある日、夫が友人としてつれてきたのはなんと前夫だった。

オペラとオペレッタの違いはいくつかあるが、そのひとつに悲劇か喜劇かという点がある。本作はオペレッタの映画化なので台詞も多いし、ユーモアたっぷりのストーリーとハッピーなエンディングを持っている。ゴージャスなセットと衣装は映画といいうより、まさにオペレッタを見ているようで、ファンには嬉しいところ。歌も俳優が自ら吹き替えなしで歌っている。

30点
見る前に『サイン』と『ザ・リング』は見ておこう

ヒットした映画のパロディで作られたコメディシリーズの第3弾。本作から、おバカ映画を得意とする『裸の銃(ガン)を持つ男』シリーズのデヴィッド・ザッカーに監督が変更された。

主人公(チャーリー・シーン)と弟(サイモン・レックス)が暮らす農場にミステリーサークルが出現した。やってきた美人TVレポーターは弟に一目ぼれ、彼の出場するラップバトルを見に行くことに。そしてその晩、ある教師が謎の死をとげる。彼女は一週間前に奇妙なビデオを見てしまっていたのだ。

最近のヒット作のパロディを集めて笑わせる作品。ストーリーは『サイン』『ザ・リング』を適当に混ぜ合わせて作り、そこに『8Mile』や『マトリックス』『ロード・オブ・ザ・リング』などのネタを織り交ぜてノンストップの笑いが炸裂する。

30点
日本語版はおすすめできない

1972年から新聞の連載漫画として世界中で愛されている猫“ガーフィールド”を、実写と3Dアニメの合成で映画化した作品。

怠け者で皮肉屋のデブ猫ガーフィールドは、今日も朝から食欲旺盛。隣の猛犬をテキトーにあしらい、配達された牛乳は盗み食いと、悠々自適の暮らし振りだ。そんなある日、飼い主のジョンが、ひそかに心を寄せる獣医リズ(ジェニファー・ラブ・ヒューイット)から天敵の“犬”を預かってきたからさあ大変。ジョンのやつは内気だから、リズに告白しにいったくせに結局できなかったんだ。おかげでガーフィールドののんきな暮らしは一変、なんとかこのうるさい“犬”を追い出さなくては……!

不適な表情に太りきった体、悪態ばかりついている皮肉屋の性格が愛らしい。ガーフィールドは誰が見ても思わずその行動にくすっと笑ってしまう、世界中で愛されるキャラクターだ。犬や猫を飼った経験がある人ならば、何度も頷いてしまうシーンも満載、動物好きが楽しめる映画になっている。

30点
テレビドラマの縮小再生産にすぎない

荒廃した高校で不良たちを更正させ、のちに全国優勝まで成し遂げた山口良治監督と京都市立伏見工業高校ラグビー部の実話を映画化。この物語の映像化としては、一斉を風靡した往年の傑作ドラマ『スクール★ウォーズ 泣き虫先生の7年戦争』や、TV番組の「プロジェクトX」でのドキュメントあたりが有名だが、『スクール・ウォーズ HERO』も大映ドラマ版を多分に意識したつくりになっている。ドラマ版は今でもDVDが好評ということで、根強い人気がある。

元ラグビー日本代表選手の山下(照英)は、校長に熱心に頼まれたことで、厚遇の実業団監督を蹴って荒廃しきった伏見第一工業高校に就任する。が、現実はあまりにもひどく、生徒による暴力も横行していた。真正面から生徒たちとぶつかる山下のやり方は、事なかれ主義の同僚の教師たちにも反発され、彼は孤立してしまうのだが……。

『スクール・ウォーズ HERO』は、TVドラマ版と現実の話の両要素を、中途半端にもりこんで失敗した。現実をドラマチックに脚色した大映ドラマ版の面白さと感動には到底及ばず、現実を忠実に映画化した真面目な作品とも言いがたい。

30点
最後のオチの驚きも、盗作騒動で興ざめ?

『シックス・センス』の映画的叙述トリックで世界を驚かせた、M・ナイト・シャマラン監督の最新作。人里はなれた小さな村を舞台にしたサスペンス劇。

深い森の中、外界から孤立して数十人が自給自足で暮らす素朴な村【ヴィレッジ】には、決して森に入ってはならないという掟があった。そこには恐ろしい何かが住むと伝えられており、“彼ら”のテリトリーに村人が立ち入らないことで、平和が保証されているというのだ。ところが、町に薬を買いに行きたいと願う主人公が森に踏み込んでしまったことで、村の運命が大きく動き始める。

テレビCMや予告編、そして発表されている上記のようなストーリー紹介をみれば、オカルト風味の恐怖映画なのかという印象を受ける方が多いだろう。しかし実際はそうではなく、男女の愛をテーマにした地味目のドラマである。少なくとも、恐怖を売り物にしたホラー系列の作品ではない。

30点
ストーリーが薄っぺらい上、主人公が迫力不足

スキンヘッドにマッチョな肉体という、ハリウッド一わかりやすいアクションスター、ヴィン・ディーゼル主演のSF超大作。『ピッチ・ブラック』の続編ということだが、あまりおおっぴらには喧伝していない。

前作から5年後、多額の懸賞金をかけられている主人公のリディック(V・ディーゼル)は、やがて旧知の友がいるヘリオン第一惑星へやってきた。ところがいまやこの惑星は、悪の種族ネクロモンガーにより、攻め滅ぼされようとしていた。そこへ現れたエレメンタル族の使者は、リディックこそ、われらの救世主だという予言を告げる。

ストーリーをみるとわかるとおり、前作とはややジャンルの異なった作品になっている。『リディック』は、前作に出演したヴィン・ディーゼルがその後別作品で予想外に大ブレイクしたのをいいことに、彼をさらなるスーパーヒーローに仕立てて作りあげた、壮大なSFアクション超大作だ。

30点
怨霊ホラー初級者向き?

世界中でそこそこヒットしたホラー映画『ボイス』の監督による劇場デビュー作。この映画のヒットがきっかけで出資者がつき、彼は『ボイス』の製作を実現させた。

主人公の女子大生は、2年ぶりに再会した女友達からギョンアの霊に追いかけられていると告白される。ギョンアは二人の共通のサークル仲間だったが在学中に自殺している。やがて、かつての仲間たちが、一人一人謎の死を遂げて行くのだが……。

自殺して成仏したはずの友人が、かつてのサークル仲間たちをあの世に引きずり込むというストーリーから、邦題は『友引忌』(ともびき)である(英語版のタイトルは『NIGHTMARE』)。はた迷惑なバカ友の怨霊物語にはぴったりなタイトルだ。最後に「忌」をつけるあたり、なかなかセンスが良い。これは目を引く。

30点
セリフの言い間違いばかりのNG集が象徴する地味なアクションシーン

人気アクションスター、ジャッキー・チェンの生誕50周年記念作であると同時に、初主演作からも30年という節目の作品。香港=アメリカ合作の、いつもながらのアクション映画だ。手に入れると無敵パワーを得られる神秘のメダルを狙う悪者と、それを阻止する香港警察のジャッキーとの戦いを描く。

アホ系のストーリーには突込みどころ満載。まあ、それは一種の“味”と見ることもできるので問題はない。だが、不満なのは相手役の女性や敵役に個性が少ないという点。いくらジャッキーを見る映画とはいっても、彼を引き立てるべき周りのキャラクターに力が無いと盛り上がらない。

そして、それ以上に問題なのが、ジャッキー・チェン映画最大の魅力であり観客の期待でもあるアクションがあまりに地味という点だ。本物と思われるアクションで印象に残るのはせいぜい2,3箇所。壁を駆け上ったり梯子を一気降りしたりなど、これまでの作品でさんざ見てきたもので平凡だ。あとはVFXやワイヤーワークを使って底上げしたもので、これははなからジャッキーのファンが望むものではないだろう。

30点
主演女優の演技はいいが

倦怠期の人妻を主人公にした韓国製ドラマ。このページで絶賛した『オアシス』で、脳性麻痺のヒロインを壮絶な役作りで演じた女優ムン・ソリが、隣家の高校生を誘惑するヒロインをセクシーに演じる。

この監督は、韓国社会の一面をリアルに切り取る事で知られる人で、今回はみんなそれぞれ浮気している奇妙な弁護士一家の姿をシリアスに描く。手持ちカメラやフィルターを使用して、日常の生活感といったものを表現している。

ヒロインのムン・ソリのヌードがやたらと多い映画で、裸のまま逆立ちしたり、夫とした直後にその横で一人Hを始めたりなど、相変わらず体を張った演技で驚かせる。

30点
この子供っぽさが味か

1971年に実際に起きた事件をもとにした韓国娯楽大作。金日成を暗殺するために組織された特殊部隊が政府に裏切られ、やむなく反乱を起こすという悲劇。

この特殊部隊は、死刑囚などの極悪人を集めて組織され、シルミドという名の無人島で訓練される。「犯罪者として死ぬより、ボクたちお国のために英雄になるぞー!」と頑張る男たちだ。ああ、なんて単純な……なんて思ってはいけない。『シルミド』は、彼らに思いきり感情移入し、愛し、その死に様に怒り狂い、涙するといった楽しみ方をするべき作品なのだ。それが出来そうにない人は、この映画のターゲットから微妙に外れている。

上映時間は2時間15分、とにかく長い。とくに後半はダラダラとしているし、おまけに何かとしつこい。これでもかと泣かせようとする、エセ悲劇的な演出がクドすぎる。泣きどころでは露骨に悲しげな音楽が流れるものだから、いいかげんにあきれてくる。

30点
クリスチャン専用の衝撃作

タイトルのパッションとは「キリストの受難」のこと。つまり新約聖書の「最後の晩餐からキリストの処刑&復活まで」を描いた宗教的な問題作。

監督のメル・ギブソンは、なんと27億円もの私財を投じて本作を作ったが、幸いにもアメリカでは『ロード・オブ・ザ・リング』を上回るほどのとんでもない大ヒットを記録しているので、今ごろは胸をなでおろしていることだろう。

さて、見てのとおり点数は30点と一見低いが、私のサイトの点数は、必ずしも「私個人の満足度」や「映画の出来映え」を表しているわけではない。主観的な好みで点数をつけるサイトはアマチュア映画ファンの皆さんがやっているし、芸術作品としての正当な評価は他のプロが学術的なアプローチで試みている。

30点
前作の美点をことごとく失った

『地獄甲子園』の予想外の大ヒットに気をよくした関係者らが、さっそく作った漫☆画太郎原作漫画の映画化第2弾。

上のリンクをたどってもらえばわかるが、私は『地獄甲子園』のとき絶賛し、同じ監督のもとに映画化される今回も、大きな期待を持って試写に出かけた。

だが『漫☆画太郎SHOW ババアゾーン(他)』は、『地獄甲子園』(及び同時上映の『ラーメンバカ一代』)とくらべると悲しいほどにパワーダウンした。確かに笑えるところはあるが、その数は大幅に減った。むしろすべりまくりで、試写劇場にはお寒い空気が流れていた。何しろくどい。しつこいくらいに同じギャグの繰り返しなのに、最初の1回目からぜんぜん受けていないのだから、傷口を自ら広げているようなものだ。

30点
裸とSMだけを見る映画

杉本彩主演のSM陵辱ドラマ。SMのバイブルとも評される団鬼六の有名な原作は、以前に何度か(5回だったか?)映画化されている。その中でも、本作はもっとも過激だと評判らしい。

私は過去の作品すべてを見たわけではなく、原作も知らないので比較はできないが、それにしても杉本彩版『花と蛇』の過激さは類を見ない。劇中では、数々のSM技が紹介(?)されるが、そのすべてを体当たりで実際に演じている彼女の覚悟と勇気には頭が下がる。

ちなみに杉本彩が服を着ているのは最初の10分程度、あとはすべて全裸だ。縛られ、つるされ、輪姦レイプされ、頭を水に突っ込まれ、さらにさらに過激な世界へとSMプレイが際限なくエスカレートして行く。

30点
エンドロールの歌がメインと感じてしまうようでは……

さだまさし原作の感動恋愛ドラマ。もうすぐ失明してしまう男の子と、その彼女の純愛を描くお話。

歌は良い。長崎の景色もなかなか良い。雨、坂道、造船所の風景、どれも味わい深い。この町を故郷とするものが見たら、ひさびさに里帰りでもしたくなるような映像美だ。

ただ、ドラマは……ちょいと子供じみている。まず、30代カップルとしてはあまりにリアリティがない。70〜80年代ならともかく、現代が舞台でこの健全なムードは厳しい。二人の間には、性愛というものが一切見当たらない。むろん、純愛ファンタジーみたいなものなんだから、そういう突っ込みは無用かもしれないが。ただ、いずれにせよ、このキャラクターたちにいまいち血が通っていないと感じるのは事実だ。

30点
淡々と2時間以上続くドキュメンタリー

中国料理の源流といわれる魯菜=山東料理の中でも、伝統的な技術を守りつづける世界で唯一人の日本人女性、佐藤孟江さん夫妻を追ったドキュメンタリー。

なぜ、この技術を持つ人がこの日本人女性であるかというと、中国では76年に文化大革命という大粛清が起こったせいで、伝統的魯菜の技術が失われてしまったからである。中国という国は、長い歴史を誇ると思われているが、実際はこのように何度も文化的断絶を経験しており、厳密な意味で数千年の継続といえるかどうかは微妙なところなのだ。

この佐藤さんは、適当な後継ぎがおらず、店の存続も危うい状況にある。というわけで、本家中国のある料理学校の校長らが、夫妻の店の今後について、いろいろと相談(という名の買収計画)に乗るわけである。だが、儲け重視のこのインチキ中国人と、「砂糖・ラード・化学調味料は一切使わない」という昔気質の夫妻の意見が折り合うわけが無い。このへんのトークバトルは、なかなかハラハラする。

30点
原作コミックを愛する人に

みうらじゅんの原作コミックを俳優の田口トモロヲが初監督した作品。脚本は、日本で一番忙しい売れっ子の宮藤官九郎(『木更津キャッツアイ』)が担当している。

イカ天という伝説的な番組が昔あったが、それを肌で知る世代のなかの、熱烈にはまった人たち向けという、かなり少数のターゲットに向けた特殊な映画だ。ロックを愛し、自らもバンドを組んだ経験くらいはあり、ボブ・ディランが好きで、なおかつ原作のコミックも読んだことがあるという人がいたら、楽しめるかもしれないといったところ。多数のカメオ出演者をはじめ、こうした客層ならばわかるであろう、小ネタも多数だ。

それ以外の人にはオススメのしようがない。クドカンは小劇団風の脚本を映画に持ち込んだことで評価される人だが、もう少し映画ジャンルの特性にチューニングするコツをつかめば、さらに支持者はふえるのではないか。今後に期待したい。

30点
マジメすぎて、センスの良さが感じられない

上海オールロケで作られた、日中合作の恋愛映画。渡部篤郎主演。

上映時間は118分だが、かなり長く感じる。背景の上海の街並みや、それを映し出すカメラは良いが、物語がなんとも微妙。

心に傷を負って上海に赴任した自動車メーカー社員の早瀬(渡部篤郎)。彼は、生きる喜びを見失っている。そんな彼があるときであった二人の中国人姉妹との交流を通じ、希望を取り戻すというもの。

30点
頭を低くしてガマンの1時間

『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』と同時上映される、人気テレビアニメシリーズの映画版。ハムスターのハム太郎とその仲間たちが繰り広げる、歌と踊りの世界である。

……と、ここまで書いて、はたして『ハム太郎』は、わざわざ別ファイルにしてまで語るべき映画なのかと、立ち止まってしまいそうになった。いや、世の中には、小学2年生の超映画批評読者もいるはずだ、そうだ、きっといる。もしくは、ミニハムず萌え〜とかおっしゃる大人のオトモダチが。

ともあれ、この試写に行ってきたのがつい先ほどだったので、今週の更新も今日にずれこんだわけだが、今週はさほど話題作があるわけではないので、きっとこのページの訪問者も少ないであろう(諸般の事情により、私は池脇千鶴のヌードが話題の「あの映画」は未見である。コメント取材してくれた新聞社の方、すみません)。そんな週にも、『とっとこハム太郎』のページまで読んでいるアナタは、実にありがたい読者である。

30点
80年代が面白い時代だということはわかったが

タイトルどおり、1980年を舞台にしたドラマ。3姉妹を中心とした話が展開する。

30〜40歳くらいをターゲットにした映画といえる。80年代の時代考証をきっちりと行い、しつこいくらいそれを前面に押し出す演出だ。80年代独特の、表層的でどことなく能天気な香りのする小物たちが、画面の隅々に満ち溢れ、登場人物の台詞にも当時の流行語がぽんぽん飛び出す。

テクノバンドのアーティストであり、現在は舞台演劇の演出で大活躍する監督がチョイスした音楽も、あまりマニアックな方向に行き過ぎず、普通に80年代を生きてきた観客の胸に響くものとなっている。

30点
宣伝部の悲壮なる戦いが見えるようだ

人気アクションスター、ヴィン・ディーゼル主演のアクションドラマ。早速だがこの映画、配給のGAGAの宣伝担当のチームの方が、さぞ苦労したであろうと想像させるトホホな作品である。

なんといってもまず、邦題の付けようのない平凡な内容がつらい。愛する妻を悪い組織に殺され、復讐する捜査官……と言う、おそらくハリウッド史の中で20万回くらいリメイクされたストーリーであるから、いまさら他と差別化できる邦題など思い浮かぶはずもない。

きっと六本木の綺麗な社屋の一室で、何度も何度も徹夜の会議を開き、就職活動の狭き門を通った優秀なるパブリシストの誰かがふと呟いたのだ。

30点
日本人の感覚からしたら甘過ぎるストーリー

韓国の人気女優を主演にしたメロドラマ。従軍慰安婦のドキュメンタリーで知られる監督が、不倫をテーマに作った恋愛映画である。

夫の浮気によって心を引き裂かれたヒロインは、どこか影のある青年医師から「ゲーム」に誘われる。「夏が終わるまでの間、恋人同士になろう。ただし「愛してる」とどちらかが口にした時点でゲームは終了」というものだ。

『シュリ』に出演したことで知られるキム・ユンジンのハダカが、最大の話題であり見所。仰向けになっても崩れない、おわん型のオッパイは、重力に抗う女体の神秘である。

30点
北村カラーを出すのはいいが、いつもの悪いクセも出てしまった

ヤングジャンプ連載の人気マンガが原作のテレビドラマの映画化。不慮の事故などで死んだ人間がやってくる『恨みの門』の門番イズコ(釈由美子)を中心としたお話。劇場版では、イズコは釈ちゃんではなく、別の女優がやっているが、さてその理由は……?

この劇場版の監督は、『あずみ』と同じ、北村龍平である。この監督はアクションが得意なので、本作の見せ場も当然それがメインとなる。だが、私に言わせれば、北村監督はアクションシーンを撮るのは(邦画のなかでは)うまい方だが、アクション映画を作るのは上手ではない。

アクション映画の肝は、決してアクションシーンだけにあるのではない。むしろ、それ以外のシーンでいかに客のボルテージを盛り上げるかが重要で、その頂点に満を持して激しいアクション出してこそ、お客さんが大きな快感を得られるのである。

30点
テレビドラマ向きの素材だ

22年前、航空機の事故でなくなった向田邦子原作のドラマ。この原作は、79年にテレビドラマとして放映されたことがある。

4姉妹という、微妙に年代がずれた女性たち。彼女たちは、時と相手により全く違った顔を見せる。この、女性の本質を描いたと評判の話をもって、(当時の)女性達の共感を得た作品である。

しかし、20年前ならいざしらず、同じ話を見て、現代の女性達はどう思うのであろう。普遍的なテーマとはいうが、どうも色あせてはいないか。私は、上記のような予備知識が無く、純粋な新作だとしてこれを見せられたら、、「ずいぶん古臭い内容だな」と感じたと思う。

30点
フランスのプロが選んだナンバーワン作品

フランスの映画雑誌『カイエ・デュ・シネマ』で、その年のベストワンに輝いたフランス映画。アーティスティックな映像でエロスを描く、R-18指定の作品である。この雑誌のベスト10には、じつに個性的な顔ぶれが揃うが、その中の1位であるから、『ひめごと』も相当変わった映画である。

主人公は、美しい二人の若い女性。二人はその美貌で、世の中の男どもを支配してやりたい、と決意する。そのために彼女たちはありとあらゆることをするが、ただひとつ恋に落ちることだけは禁じていた。しかし、ある男に近づいた時、ふたりのシナリオはついに終焉を迎える。

エロティックな映画という事で話題だが、裸は出るが、さほど過激なものではない。女が露出の性癖に目覚め、やがて自身の肉体を利用して、のしあがろうとするお話である。

30点
今時、よくこんな企画を通せたと感心

アクションスター、ジャン・クロード・ヴァン・ダム主演の刑務所モノ。

ジャン・クロード・ヴァン・ダムという人は、有名になればなるほど作品がB級B級へと傾いて行っている人で、おそらく本人も自覚して、そのへんを楽しんでやっているのであろう。プリンセス・テンコー(引田天功)とスキャンダルになったりなど、彼はB級スターの鑑みたいな男である

『ヘル』も、どう考えてもスポットライトを浴びる事のない、華やかな要素ゼロのB級アクション映画である。なんにしても、今時男囚ものという題材からして渋い。きっと本作も、1年後にはテレビ東京の木曜洋画劇場あたりで、ひっそりと放映される事になろう。

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