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2142件中 1951~2000件 を表示しています。
30点
よほどマニアックなファン以外にはすすめられない

アメリカ新世代監督のホープといわれるウェス・アンダーソン監督(「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」ほか)最新作。

主人公はやや落ち目の映画監督(ビル・マーレイ)で、海洋ドキュメンタリーを専門としている。ところが今回の撮影中、相棒が“ジャガーザメ”なる謎のサメに食われてしまった。彼は敵討ちのため、新作ドキュメンタリーの製作も兼ねてジャガーザメを探そうと決意、いつものメンバーを召集し、海へ出た。

大海原を舞台に、クルーたちと主人公の交流を描いたコメディだ。主人公は家族を省みず趣味ばかりやっているダメ男(別のいい方をすれば少年の心を持ったオヤジ)で、仕事仲間である妻にも見放されている。しかし、そんな彼の周りにはさまざまな人間が集まってくる。かつての恋人が生んだ息子となのる若者、昔から主人公に心酔している部下(ウィレム・デフォー)、妊娠中の女ジャーナリスト(ケイト・ブランシェット)など、一癖もふた癖もある連中ばかりだ。

30点
「マスク」にここまでのVFXはいらないか

1994年の大ヒットコメディにして、俳優ジム・キャリーの出世作『マスク』の続編。しかし前作の主人公ジム・キャリーやキャメロン・ディアスは出演せず、変わりにジェイミー・ケネディが新しい主人公ティムを演じる。

漫画家志望の主人公(J・ケネディ)は、愛犬が拾ってきた奇妙なマスクをつけたとたん、内気な性格から180度変身、歌って踊れるスーパーヒーローに生まれ変わる。会社主催の仮装パーティーでは人間離れしたパフォーマンスで社長に一目置かれ、帰ってからは妻とスゴイ一夜を過ごす。そして、その夜が原因で妻はついに妊娠、出産。おまけに生まれたベイビーは最初からスーパーパワーを備えていた。

やがて愛犬までもがマスクをかぶり、飼い主の愛情を独り占めすべく、ナチュラルパワーの赤ちゃんとド派手な戦いを繰り広げるという、遊び心いっぱいの第二弾だ。パート2とはいっても前作との筋書き上のつながりはない。かぶったものに力を与える例のマスクが、今度は別のオジサンのトコにいって騒動を巻き起こすというお話だ。よって、楽しむために前作を見ておく必要はまったくない。

30点
舞台演劇なら許せても……

松竹と劇団☆新感線が共同で作り、チケットがあっという間に完売するほどの人気を博した舞台劇の映画化。主演は歌舞伎役者の市川染五郎、相手役は宮沢りえ。

江戸の町には人の姿をした鬼がはびこっていた。幕府側は鬼を見分けられる能力をもった精鋭軍団「鬼御門(おにみかど)」を組織し、鬼を見つけ次第成敗していた。主人公はかつてそこで最高の腕を持っていた剣士で、今はしがない舞台役者をしている男(市川)。ある日彼は、つばき(宮沢)という女と出会い、恋に落ちるが……。

宮沢りえ演じるつばきという女にはある秘密がある。実は彼女は最強最悪の鬼の王“阿修羅”なのだが、自分自身もそれに気づいていない。阿修羅が目覚めるには彼女が恋をする必要があり、しかも恋をした相手が強い男であればあるほど、阿修羅のパワーも強大になるのだ。

30点
見事、こども向けへっぽこドラマに生まれ変わった

1956年に月刊少年誌『少年』に連載され、テレビアニメも人気を博した横山光輝原作のロボットマンガの実写映画化。予告編を公開したとたん、「「デビルマン」の再来」などというトンデモない憶測を呼び、一部の人々(ダメ映画好き)の間では大変な期待をされている一本である。

舞台は現代の東京。突如悪の巨大ロボット「ブラックオックス」が現れ、東京タワーをはじめとした建物を破壊しまくる。みかねた小学生の金田正太郎は、父が開発した正義の巨大ロボ「鉄人28号」をリモコンで操作し、ブラックオックスに挑むのだが……。

さて、「鉄人28号」といえば、往年のテレビアニメファンにとっては特別な郷愁を感じる傑作漫画である。テレビアニメや実写化も何度か行われており、様々なバージョンが存在する。なかでも原作主人公の金田正太郎は、小学生ながら大人顔負けの活躍で、鉄人28号とともに少年たちの憧れ、ヒーローであった。

30点
原作小説の方を先に読むほうがいい

殊能将之の傑作デビュー小説を豊川悦司主演で映画化した作品。

知的な女子高生ばかりを狙う連続殺人犯ハサミ男。その犯行の手口は、鋭利に研がれたハサミを、被害者ののど元に突き立てるというものであった。ハサミ男は次なるターゲットに目をつけていたが、驚くべきことにそのターゲットは別の人間により、殺されてしまう。しかものど元にはハサミ男の手口を真似た、粗悪なハサミが突きつけられていたのだった。プライドをひどく傷つけられたハサミ男は、独自の調査で真犯人に迫るのだが……。

殊能将之の同名小説は、私もずいぶん昔に読んでいる。抜群に面白い小説で、すばらしいトリックとどんでん返しをもち、何より舞台が以前すんでいた東京の目黒区周辺ということで、ずいぶんと楽しませてもらった覚えがある。

30点
穴にこだわって作られた現代人の生きる姿

広告業界や短編作品で知られる合田健二監督初の長編映画。低予算ながら、デジタルエフェクトを駆使した映像でみせる異色のファンタジードラマ。構成は、男二人女一人、それぞれを主人公とした短編が3つ続き、最後に彼らが一堂に集うまとめ的なエピローグで締めるというもの。

3人はそれぞれ自分自身の現状を「無感覚」と表現する。つまり、アイデンティティーを見失った宙ぶらりんの状態にある若者たちだ。

まず一人目の男、彼はその空白感を埋めるためにアナルレイプを行う。女性たちの部屋に忍び込み、犯すことで自らの存在感を再認識する。その充実感を頼りに何とか生きている。自分の手口を詳細に語る淡々とした語り口に、観客も思わず引き込まれる。挑発的な映像がついているわけではないのに、強烈にエロティックでもある。

30点
どこまで信用できるかは???

ジャッキー・チェン一家の秘密を赤裸々に描いたドキュメンタリー。

香港の大スター、ジャッキー・チェンは、家族想いの男で知られるが、今まで一人っ子だとされてきた。ところが母の病気をきっかけに、父が突然衝撃の告白をする。「おまえには4人の異母兄弟がいる」

この告白を、ジャッキーが自分の家族の記録ビデオにするつもりで、知り合いの監督に撮ってもらったものを膨らませて、公開にこぎつけたのがこの『失われた龍の系譜 トレース・オブ・ア・ドラゴン』だ。一家のプライバシーに突っ込んでいるためか、香港や中国本土では上映されず、アジアでは日本がはじめての公開となる。

30点
ほめることもけなすこともできない一本

アクション俳優ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演のバイオレンス&サスペンスドラマ。

裏社会から足を洗い、愛する妻子と幸せに暮らしている主人公(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)。ある日、ソーシャルワーカーの妻が中国からの密入国者の少女を預かってきたが、その子は実は中国マフィアと関わりがあり、追手によって拉致、妻は惨殺されてしまう。

さて、それを見つけたヴァン・ダム氏、怒り心頭、復讐の鬼と化して中国マフィアに制裁を加えていく、というのがあらすじである。

30点
安直続編に見るべき点なし

柴咲コウが主演して興行収入15億円のヒットを記録した現代ホラーの続編。一応話は続いているが、キャスト・スタッフを一新し、このPART2から見ても、そこそこ楽しめるように完結させたつくりになっている。

ヒロイン(ミムラ)は彼氏(吉沢悠)のバイト先の中華料理店で、薄気味悪い着メロを耳にする。やがてその携帯の持ち主が変死をとげ、彼らは1年前に世間を騒がせた「死の予告電話」事件が再び始まったことを知る。やがてヒロインの携帯にもそのメロディが流れ、二人は事件を追うルポライター(瀬戸朝香)と協力し、なんとか彼女の命を救おうと試みるが……。

前作は、携帯電話やテレビ番組、踏み切りといった身近なアイテムや舞台を最大限に利用し、徹底的に「いまどきの若者」を怖がらせる演出が受け、大ヒットした。ある程度の商売が計算できるこの続編は製作費も増えたのだろう、台湾ロケまで敢行して話を海外にまで広げている(前作がアジア各国で売れたから、という意味もあるのだろうが)。

30点
出演者を見たい人はどうぞ

ハリウッドのトップスターを集めて作られた犯罪ドラマ『オーシャンズ11』の続編。監督は引き続きスティーヴン・ソダーバーグ。

前作から3年、主人公のオーシャン(ジョージ・クルーニー)にまんまと大金を盗まれたカジノオーナーは、彼と仲間たちの居所をつきとめ、盗んだ金と多額の利子を2週間以内に返還するよう脅しをかける。かくしてオーシャンと仲間たちは、再び大きなヤマに挑戦する羽目に陥った。

『オーシャンズ12』は、ハリウッドでときたま作られるオールスター作品で、要するに時の大スターを何人も集めてゴージャスなドラマを作る、という企画だ。前作がそこそこ当たったので、同じ監督とキャストを中心に、さらに何名か別のスター俳優を加えて作られた。

30点
シルヴィアの内面を描ききれていないか

30歳の若さで死んだ後、ピュリッツァー賞を受賞した詩人シルヴィア・プラスの一生を描いたドラマ。

イギリスのケンブリッジ大学に留学したシルヴィア・プラス(グウィネス・パルトロウ)は、大学院生テッド・ヒューズと、彼の詩に感動したことをきっかけに出会う。やがて、ボストンでの幸せな結婚生活が始まるのだが……。

悲劇の作家として知られるシルヴィア・プラスは、その繊細な詩と若くしてガスオーブンに頭を突っ込んで自殺したことで、伝説の詩人となった。ただ本作では、グウィネス・パルトロウの演技も人物描写も平凡で、映画として突出した何かが感じられなかった。

30点
映画ではなくオペレッタを見にいく感覚で

黄金期の1925年にパリでヒットしたオペレッタ「Pas sur la bouche!」を映画化した作品。出演は『アメリ』のオドレイ・トトゥほか。本国フランスを代表する演技派キャストも見所。

舞台は1925年の巴里。妻は処女だったと信じきっている夫をもつジルベルト(サビーヌ・アゼマ)は、実はバツイチだった。そんなある日、夫が友人としてつれてきたのはなんと前夫だった。

オペラとオペレッタの違いはいくつかあるが、そのひとつに悲劇か喜劇かという点がある。本作はオペレッタの映画化なので台詞も多いし、ユーモアたっぷりのストーリーとハッピーなエンディングを持っている。ゴージャスなセットと衣装は映画といいうより、まさにオペレッタを見ているようで、ファンには嬉しいところ。歌も俳優が自ら吹き替えなしで歌っている。

30点
見る前に『サイン』と『ザ・リング』は見ておこう

ヒットした映画のパロディで作られたコメディシリーズの第3弾。本作から、おバカ映画を得意とする『裸の銃(ガン)を持つ男』シリーズのデヴィッド・ザッカーに監督が変更された。

主人公(チャーリー・シーン)と弟(サイモン・レックス)が暮らす農場にミステリーサークルが出現した。やってきた美人TVレポーターは弟に一目ぼれ、彼の出場するラップバトルを見に行くことに。そしてその晩、ある教師が謎の死をとげる。彼女は一週間前に奇妙なビデオを見てしまっていたのだ。

最近のヒット作のパロディを集めて笑わせる作品。ストーリーは『サイン』『ザ・リング』を適当に混ぜ合わせて作り、そこに『8Mile』や『マトリックス』『ロード・オブ・ザ・リング』などのネタを織り交ぜてノンストップの笑いが炸裂する。

30点
日本語版はおすすめできない

1972年から新聞の連載漫画として世界中で愛されている猫“ガーフィールド”を、実写と3Dアニメの合成で映画化した作品。

怠け者で皮肉屋のデブ猫ガーフィールドは、今日も朝から食欲旺盛。隣の猛犬をテキトーにあしらい、配達された牛乳は盗み食いと、悠々自適の暮らし振りだ。そんなある日、飼い主のジョンが、ひそかに心を寄せる獣医リズ(ジェニファー・ラブ・ヒューイット)から天敵の“犬”を預かってきたからさあ大変。ジョンのやつは内気だから、リズに告白しにいったくせに結局できなかったんだ。おかげでガーフィールドののんきな暮らしは一変、なんとかこのうるさい“犬”を追い出さなくては……!

不適な表情に太りきった体、悪態ばかりついている皮肉屋の性格が愛らしい。ガーフィールドは誰が見ても思わずその行動にくすっと笑ってしまう、世界中で愛されるキャラクターだ。犬や猫を飼った経験がある人ならば、何度も頷いてしまうシーンも満載、動物好きが楽しめる映画になっている。

30点
テレビドラマの縮小再生産にすぎない

荒廃した高校で不良たちを更正させ、のちに全国優勝まで成し遂げた山口良治監督と京都市立伏見工業高校ラグビー部の実話を映画化。この物語の映像化としては、一斉を風靡した往年の傑作ドラマ『スクール★ウォーズ 泣き虫先生の7年戦争』や、TV番組の「プロジェクトX」でのドキュメントあたりが有名だが、『スクール・ウォーズ HERO』も大映ドラマ版を多分に意識したつくりになっている。ドラマ版は今でもDVDが好評ということで、根強い人気がある。

元ラグビー日本代表選手の山下(照英)は、校長に熱心に頼まれたことで、厚遇の実業団監督を蹴って荒廃しきった伏見第一工業高校に就任する。が、現実はあまりにもひどく、生徒による暴力も横行していた。真正面から生徒たちとぶつかる山下のやり方は、事なかれ主義の同僚の教師たちにも反発され、彼は孤立してしまうのだが……。

『スクール・ウォーズ HERO』は、TVドラマ版と現実の話の両要素を、中途半端にもりこんで失敗した。現実をドラマチックに脚色した大映ドラマ版の面白さと感動には到底及ばず、現実を忠実に映画化した真面目な作品とも言いがたい。

30点
最後のオチの驚きも、盗作騒動で興ざめ?

『シックス・センス』の映画的叙述トリックで世界を驚かせた、M・ナイト・シャマラン監督の最新作。人里はなれた小さな村を舞台にしたサスペンス劇。

深い森の中、外界から孤立して数十人が自給自足で暮らす素朴な村【ヴィレッジ】には、決して森に入ってはならないという掟があった。そこには恐ろしい何かが住むと伝えられており、“彼ら”のテリトリーに村人が立ち入らないことで、平和が保証されているというのだ。ところが、町に薬を買いに行きたいと願う主人公が森に踏み込んでしまったことで、村の運命が大きく動き始める。

テレビCMや予告編、そして発表されている上記のようなストーリー紹介をみれば、オカルト風味の恐怖映画なのかという印象を受ける方が多いだろう。しかし実際はそうではなく、男女の愛をテーマにした地味目のドラマである。少なくとも、恐怖を売り物にしたホラー系列の作品ではない。

30点
ストーリーが薄っぺらい上、主人公が迫力不足

スキンヘッドにマッチョな肉体という、ハリウッド一わかりやすいアクションスター、ヴィン・ディーゼル主演のSF超大作。『ピッチ・ブラック』の続編ということだが、あまりおおっぴらには喧伝していない。

前作から5年後、多額の懸賞金をかけられている主人公のリディック(V・ディーゼル)は、やがて旧知の友がいるヘリオン第一惑星へやってきた。ところがいまやこの惑星は、悪の種族ネクロモンガーにより、攻め滅ぼされようとしていた。そこへ現れたエレメンタル族の使者は、リディックこそ、われらの救世主だという予言を告げる。

ストーリーをみるとわかるとおり、前作とはややジャンルの異なった作品になっている。『リディック』は、前作に出演したヴィン・ディーゼルがその後別作品で予想外に大ブレイクしたのをいいことに、彼をさらなるスーパーヒーローに仕立てて作りあげた、壮大なSFアクション超大作だ。

30点
怨霊ホラー初級者向き?

世界中でそこそこヒットしたホラー映画『ボイス』の監督による劇場デビュー作。この映画のヒットがきっかけで出資者がつき、彼は『ボイス』の製作を実現させた。

主人公の女子大生は、2年ぶりに再会した女友達からギョンアの霊に追いかけられていると告白される。ギョンアは二人の共通のサークル仲間だったが在学中に自殺している。やがて、かつての仲間たちが、一人一人謎の死を遂げて行くのだが……。

自殺して成仏したはずの友人が、かつてのサークル仲間たちをあの世に引きずり込むというストーリーから、邦題は『友引忌』(ともびき)である(英語版のタイトルは『NIGHTMARE』)。はた迷惑なバカ友の怨霊物語にはぴったりなタイトルだ。最後に「忌」をつけるあたり、なかなかセンスが良い。これは目を引く。

30点
セリフの言い間違いばかりのNG集が象徴する地味なアクションシーン

人気アクションスター、ジャッキー・チェンの生誕50周年記念作であると同時に、初主演作からも30年という節目の作品。香港=アメリカ合作の、いつもながらのアクション映画だ。手に入れると無敵パワーを得られる神秘のメダルを狙う悪者と、それを阻止する香港警察のジャッキーとの戦いを描く。

アホ系のストーリーには突込みどころ満載。まあ、それは一種の“味”と見ることもできるので問題はない。だが、不満なのは相手役の女性や敵役に個性が少ないという点。いくらジャッキーを見る映画とはいっても、彼を引き立てるべき周りのキャラクターに力が無いと盛り上がらない。

そして、それ以上に問題なのが、ジャッキー・チェン映画最大の魅力であり観客の期待でもあるアクションがあまりに地味という点だ。本物と思われるアクションで印象に残るのはせいぜい2,3箇所。壁を駆け上ったり梯子を一気降りしたりなど、これまでの作品でさんざ見てきたもので平凡だ。あとはVFXやワイヤーワークを使って底上げしたもので、これははなからジャッキーのファンが望むものではないだろう。

30点
主演女優の演技はいいが

倦怠期の人妻を主人公にした韓国製ドラマ。このページで絶賛した『オアシス』で、脳性麻痺のヒロインを壮絶な役作りで演じた女優ムン・ソリが、隣家の高校生を誘惑するヒロインをセクシーに演じる。

この監督は、韓国社会の一面をリアルに切り取る事で知られる人で、今回はみんなそれぞれ浮気している奇妙な弁護士一家の姿をシリアスに描く。手持ちカメラやフィルターを使用して、日常の生活感といったものを表現している。

ヒロインのムン・ソリのヌードがやたらと多い映画で、裸のまま逆立ちしたり、夫とした直後にその横で一人Hを始めたりなど、相変わらず体を張った演技で驚かせる。

30点
この子供っぽさが味か

1971年に実際に起きた事件をもとにした韓国娯楽大作。金日成を暗殺するために組織された特殊部隊が政府に裏切られ、やむなく反乱を起こすという悲劇。

この特殊部隊は、死刑囚などの極悪人を集めて組織され、シルミドという名の無人島で訓練される。「犯罪者として死ぬより、ボクたちお国のために英雄になるぞー!」と頑張る男たちだ。ああ、なんて単純な……なんて思ってはいけない。『シルミド』は、彼らに思いきり感情移入し、愛し、その死に様に怒り狂い、涙するといった楽しみ方をするべき作品なのだ。それが出来そうにない人は、この映画のターゲットから微妙に外れている。

上映時間は2時間15分、とにかく長い。とくに後半はダラダラとしているし、おまけに何かとしつこい。これでもかと泣かせようとする、エセ悲劇的な演出がクドすぎる。泣きどころでは露骨に悲しげな音楽が流れるものだから、いいかげんにあきれてくる。

30点
クリスチャン専用の衝撃作

タイトルのパッションとは「キリストの受難」のこと。つまり新約聖書の「最後の晩餐からキリストの処刑&復活まで」を描いた宗教的な問題作。

監督のメル・ギブソンは、なんと27億円もの私財を投じて本作を作ったが、幸いにもアメリカでは『ロード・オブ・ザ・リング』を上回るほどのとんでもない大ヒットを記録しているので、今ごろは胸をなでおろしていることだろう。

さて、見てのとおり点数は30点と一見低いが、私のサイトの点数は、必ずしも「私個人の満足度」や「映画の出来映え」を表しているわけではない。主観的な好みで点数をつけるサイトはアマチュア映画ファンの皆さんがやっているし、芸術作品としての正当な評価は他のプロが学術的なアプローチで試みている。

30点
前作の美点をことごとく失った

『地獄甲子園』の予想外の大ヒットに気をよくした関係者らが、さっそく作った漫☆画太郎原作漫画の映画化第2弾。

上のリンクをたどってもらえばわかるが、私は『地獄甲子園』のとき絶賛し、同じ監督のもとに映画化される今回も、大きな期待を持って試写に出かけた。

だが『漫☆画太郎SHOW ババアゾーン(他)』は、『地獄甲子園』(及び同時上映の『ラーメンバカ一代』)とくらべると悲しいほどにパワーダウンした。確かに笑えるところはあるが、その数は大幅に減った。むしろすべりまくりで、試写劇場にはお寒い空気が流れていた。何しろくどい。しつこいくらいに同じギャグの繰り返しなのに、最初の1回目からぜんぜん受けていないのだから、傷口を自ら広げているようなものだ。

30点
裸とSMだけを見る映画

杉本彩主演のSM陵辱ドラマ。SMのバイブルとも評される団鬼六の有名な原作は、以前に何度か(5回だったか?)映画化されている。その中でも、本作はもっとも過激だと評判らしい。

私は過去の作品すべてを見たわけではなく、原作も知らないので比較はできないが、それにしても杉本彩版『花と蛇』の過激さは類を見ない。劇中では、数々のSM技が紹介(?)されるが、そのすべてを体当たりで実際に演じている彼女の覚悟と勇気には頭が下がる。

ちなみに杉本彩が服を着ているのは最初の10分程度、あとはすべて全裸だ。縛られ、つるされ、輪姦レイプされ、頭を水に突っ込まれ、さらにさらに過激な世界へとSMプレイが際限なくエスカレートして行く。

30点
エンドロールの歌がメインと感じてしまうようでは……

さだまさし原作の感動恋愛ドラマ。もうすぐ失明してしまう男の子と、その彼女の純愛を描くお話。

歌は良い。長崎の景色もなかなか良い。雨、坂道、造船所の風景、どれも味わい深い。この町を故郷とするものが見たら、ひさびさに里帰りでもしたくなるような映像美だ。

ただ、ドラマは……ちょいと子供じみている。まず、30代カップルとしてはあまりにリアリティがない。70〜80年代ならともかく、現代が舞台でこの健全なムードは厳しい。二人の間には、性愛というものが一切見当たらない。むろん、純愛ファンタジーみたいなものなんだから、そういう突っ込みは無用かもしれないが。ただ、いずれにせよ、このキャラクターたちにいまいち血が通っていないと感じるのは事実だ。

30点
淡々と2時間以上続くドキュメンタリー

中国料理の源流といわれる魯菜=山東料理の中でも、伝統的な技術を守りつづける世界で唯一人の日本人女性、佐藤孟江さん夫妻を追ったドキュメンタリー。

なぜ、この技術を持つ人がこの日本人女性であるかというと、中国では76年に文化大革命という大粛清が起こったせいで、伝統的魯菜の技術が失われてしまったからである。中国という国は、長い歴史を誇ると思われているが、実際はこのように何度も文化的断絶を経験しており、厳密な意味で数千年の継続といえるかどうかは微妙なところなのだ。

この佐藤さんは、適当な後継ぎがおらず、店の存続も危うい状況にある。というわけで、本家中国のある料理学校の校長らが、夫妻の店の今後について、いろいろと相談(という名の買収計画)に乗るわけである。だが、儲け重視のこのインチキ中国人と、「砂糖・ラード・化学調味料は一切使わない」という昔気質の夫妻の意見が折り合うわけが無い。このへんのトークバトルは、なかなかハラハラする。

30点
原作コミックを愛する人に

みうらじゅんの原作コミックを俳優の田口トモロヲが初監督した作品。脚本は、日本で一番忙しい売れっ子の宮藤官九郎(『木更津キャッツアイ』)が担当している。

イカ天という伝説的な番組が昔あったが、それを肌で知る世代のなかの、熱烈にはまった人たち向けという、かなり少数のターゲットに向けた特殊な映画だ。ロックを愛し、自らもバンドを組んだ経験くらいはあり、ボブ・ディランが好きで、なおかつ原作のコミックも読んだことがあるという人がいたら、楽しめるかもしれないといったところ。多数のカメオ出演者をはじめ、こうした客層ならばわかるであろう、小ネタも多数だ。

それ以外の人にはオススメのしようがない。クドカンは小劇団風の脚本を映画に持ち込んだことで評価される人だが、もう少し映画ジャンルの特性にチューニングするコツをつかめば、さらに支持者はふえるのではないか。今後に期待したい。

30点
マジメすぎて、センスの良さが感じられない

上海オールロケで作られた、日中合作の恋愛映画。渡部篤郎主演。

上映時間は118分だが、かなり長く感じる。背景の上海の街並みや、それを映し出すカメラは良いが、物語がなんとも微妙。

心に傷を負って上海に赴任した自動車メーカー社員の早瀬(渡部篤郎)。彼は、生きる喜びを見失っている。そんな彼があるときであった二人の中国人姉妹との交流を通じ、希望を取り戻すというもの。

30点
頭を低くしてガマンの1時間

『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』と同時上映される、人気テレビアニメシリーズの映画版。ハムスターのハム太郎とその仲間たちが繰り広げる、歌と踊りの世界である。

……と、ここまで書いて、はたして『ハム太郎』は、わざわざ別ファイルにしてまで語るべき映画なのかと、立ち止まってしまいそうになった。いや、世の中には、小学2年生の超映画批評読者もいるはずだ、そうだ、きっといる。もしくは、ミニハムず萌え〜とかおっしゃる大人のオトモダチが。

ともあれ、この試写に行ってきたのがつい先ほどだったので、今週の更新も今日にずれこんだわけだが、今週はさほど話題作があるわけではないので、きっとこのページの訪問者も少ないであろう(諸般の事情により、私は池脇千鶴のヌードが話題の「あの映画」は未見である。コメント取材してくれた新聞社の方、すみません)。そんな週にも、『とっとこハム太郎』のページまで読んでいるアナタは、実にありがたい読者である。

30点
80年代が面白い時代だということはわかったが

タイトルどおり、1980年を舞台にしたドラマ。3姉妹を中心とした話が展開する。

30〜40歳くらいをターゲットにした映画といえる。80年代の時代考証をきっちりと行い、しつこいくらいそれを前面に押し出す演出だ。80年代独特の、表層的でどことなく能天気な香りのする小物たちが、画面の隅々に満ち溢れ、登場人物の台詞にも当時の流行語がぽんぽん飛び出す。

テクノバンドのアーティストであり、現在は舞台演劇の演出で大活躍する監督がチョイスした音楽も、あまりマニアックな方向に行き過ぎず、普通に80年代を生きてきた観客の胸に響くものとなっている。

30点
宣伝部の悲壮なる戦いが見えるようだ

人気アクションスター、ヴィン・ディーゼル主演のアクションドラマ。早速だがこの映画、配給のGAGAの宣伝担当のチームの方が、さぞ苦労したであろうと想像させるトホホな作品である。

なんといってもまず、邦題の付けようのない平凡な内容がつらい。愛する妻を悪い組織に殺され、復讐する捜査官……と言う、おそらくハリウッド史の中で20万回くらいリメイクされたストーリーであるから、いまさら他と差別化できる邦題など思い浮かぶはずもない。

きっと六本木の綺麗な社屋の一室で、何度も何度も徹夜の会議を開き、就職活動の狭き門を通った優秀なるパブリシストの誰かがふと呟いたのだ。

30点
日本人の感覚からしたら甘過ぎるストーリー

韓国の人気女優を主演にしたメロドラマ。従軍慰安婦のドキュメンタリーで知られる監督が、不倫をテーマに作った恋愛映画である。

夫の浮気によって心を引き裂かれたヒロインは、どこか影のある青年医師から「ゲーム」に誘われる。「夏が終わるまでの間、恋人同士になろう。ただし「愛してる」とどちらかが口にした時点でゲームは終了」というものだ。

『シュリ』に出演したことで知られるキム・ユンジンのハダカが、最大の話題であり見所。仰向けになっても崩れない、おわん型のオッパイは、重力に抗う女体の神秘である。

30点
北村カラーを出すのはいいが、いつもの悪いクセも出てしまった

ヤングジャンプ連載の人気マンガが原作のテレビドラマの映画化。不慮の事故などで死んだ人間がやってくる『恨みの門』の門番イズコ(釈由美子)を中心としたお話。劇場版では、イズコは釈ちゃんではなく、別の女優がやっているが、さてその理由は……?

この劇場版の監督は、『あずみ』と同じ、北村龍平である。この監督はアクションが得意なので、本作の見せ場も当然それがメインとなる。だが、私に言わせれば、北村監督はアクションシーンを撮るのは(邦画のなかでは)うまい方だが、アクション映画を作るのは上手ではない。

アクション映画の肝は、決してアクションシーンだけにあるのではない。むしろ、それ以外のシーンでいかに客のボルテージを盛り上げるかが重要で、その頂点に満を持して激しいアクション出してこそ、お客さんが大きな快感を得られるのである。

30点
テレビドラマ向きの素材だ

22年前、航空機の事故でなくなった向田邦子原作のドラマ。この原作は、79年にテレビドラマとして放映されたことがある。

4姉妹という、微妙に年代がずれた女性たち。彼女たちは、時と相手により全く違った顔を見せる。この、女性の本質を描いたと評判の話をもって、(当時の)女性達の共感を得た作品である。

しかし、20年前ならいざしらず、同じ話を見て、現代の女性達はどう思うのであろう。普遍的なテーマとはいうが、どうも色あせてはいないか。私は、上記のような予備知識が無く、純粋な新作だとしてこれを見せられたら、、「ずいぶん古臭い内容だな」と感じたと思う。

30点
フランスのプロが選んだナンバーワン作品

フランスの映画雑誌『カイエ・デュ・シネマ』で、その年のベストワンに輝いたフランス映画。アーティスティックな映像でエロスを描く、R-18指定の作品である。この雑誌のベスト10には、じつに個性的な顔ぶれが揃うが、その中の1位であるから、『ひめごと』も相当変わった映画である。

主人公は、美しい二人の若い女性。二人はその美貌で、世の中の男どもを支配してやりたい、と決意する。そのために彼女たちはありとあらゆることをするが、ただひとつ恋に落ちることだけは禁じていた。しかし、ある男に近づいた時、ふたりのシナリオはついに終焉を迎える。

エロティックな映画という事で話題だが、裸は出るが、さほど過激なものではない。女が露出の性癖に目覚め、やがて自身の肉体を利用して、のしあがろうとするお話である。

30点
今時、よくこんな企画を通せたと感心

アクションスター、ジャン・クロード・ヴァン・ダム主演の刑務所モノ。

ジャン・クロード・ヴァン・ダムという人は、有名になればなるほど作品がB級B級へと傾いて行っている人で、おそらく本人も自覚して、そのへんを楽しんでやっているのであろう。プリンセス・テンコー(引田天功)とスキャンダルになったりなど、彼はB級スターの鑑みたいな男である

『ヘル』も、どう考えてもスポットライトを浴びる事のない、華やかな要素ゼロのB級アクション映画である。なんにしても、今時男囚ものという題材からして渋い。きっと本作も、1年後にはテレビ東京の木曜洋画劇場あたりで、ひっそりと放映される事になろう。

30点
この監督らしい個性はあるのだが

個性的な作風のホラーで、特に欧州で人気の黒沢清監督の最新作。とはいっても『ドッペルゲンガー』は、『回路』や『CURE』といったホラー、スリラー的な作品ではなく、どちらかというと前作『アカルイミライ』に近い、不条理感のある奇妙な雰囲気のドラマである。

もともと、万人受けする作風では無い監督だが、『ドッペルゲンガー』は一段とアクが強く、特にこの監督の作品を初めて見るような方にはオススメしにくい。

次の瞬間に何が起こるかわからないような、画面から発せられる独特の緊張感はさすがで、本作でも予告編であるとおり、トラックに突然人がひかれたりする、ショッキングで印象深いシーンがいくつかある。ただ、散発的に、そうした目を引くシーンがいくつかあるというだけで、映画全体を見渡せば、過去の傑作群と肩を並べるほどの完成度にはいたっていない。

30点
うつ病がどんな病気か知りたい方に

作家エリザベス・ワーツェルの自伝小説の映画化。これは、本人によれば、「うつ病が大変な病気であることを、大勢に知らせたくて書いた」小説だそうで、映画版でも、鬱病という病気について、患者の感情や行動のディテールにこだわって、なるべくリアルに描こうと挑戦している。

こうした映画の場合、患者役を演じる役者の演技力によってその映画の出来は大きく左右されるが、本作の主人公クリスティーナ・リッチは、その点完璧に近い。彼女は、本作に共同製作者としても関わっているので、入れこみ度が違うというわけである。全身ヌードも披露した彼女の迫真のうつ病演技は、『私は「うつ依存症」の女』の最大の見所である。

自伝小説が原作という事で、主人公が問題だらけの家庭に生まれ、やがて精神のバランスを崩して行く過程がとてもリアルだ。そして、うつになった後の行動、たとえば狂ったように電話をかけまくるとか、やたらと感情の起伏が激しいとか、そのあたりも真に迫っている。

30点
どうしても見たい人だけが見に行くという作品だ

台本無し、全部アドリブという、特殊な演出方法で描いた、実験的なドラマ。デジタルビデオによる凝った撮影。画面4分割などの奇抜な演出……、どこをみても、斬新な作風の作品である。

12人のハリウッドスターが出演するが、顔ぶれはかなり豪華。とくに、ルーシー・リューなどは売れっ子で時間がないから、飛行機で到着後、ろくに説明も受けずにサルマ・ハエックとの口喧嘩シーンをアドリブで撮影し、さっさと帰ってしまったという。この、大物女優同士の激闘場面は、人種差別的悪口連発で、ものすごい迫力がある。これがアドリブというのだから、彼女らの今後の人間関係が心配である。

『HOTEL』は、一応女性がターゲットということだが、内容を事前にちゃんと理解していて、その上でどうしても見たい人だけがひっそり見るという、特殊な映画だ。ミニシアターで、次回上映作品のチラシをみて興味を持った程度の人が、前知識なしに見て楽しめるという映画ではない。まぁ、ぶらっとこの映画に入る人など、ほとんどいないだろうから、これはあまり意味のないアドバイスかもしれないが。

30点
低予算だというのにVFXと主演男優が話題になりそうな、奇妙なホラー映画

『リトル・ダンサー』のジェイミー・ベルくんを主演に据え、比較的少ない予算で作られた、イギリス製戦場ホラー映画。なんとも特異なジャンルである。

第一次世界大戦中という設定で、撮影場所はドイツ軍の塹壕跡だけ。確かにあまり金はかかっていなそうだ。……と思って油断していると、最後になって、まるで、そこに製作費の大半を集中投入したかのような、ビックリ仰天のCG残酷シーンが飛び出て楽しませてくれる。なんだか、地方の寂れた遊園地のお化け屋敷のような趣きだ。

『デス・フロント』は、ようするに、戦場という怖い場所でホラー映画を作ったらもっと怖いだろう、という発想で作られた、ごく普通のホラー映画である。ボボボーという、こちらの交感神経を刺激するような、低音の怖い音楽がずっと流れ、客の予想もつかない方向から、何かが出てくるというような、ごくまっとうなホラーなのである。

30点
子供だましホラーだが、お好きな方はどうぞ

ホラービデオとしてカルト的人気の『呪怨』シリーズの、劇場版第2作。前作は、『スパイダーマン』のサム・ライミ監督により、ハリウッドでのリメイクが決まっている。

ホラーといっても、日本風の怖さというか、子供時代に感じた、押し入れの奥に何かがありそうな怖さ……とでも言うべき不安感を描いた作品である。具体的に言えば、画面の隅っこに、青い色した子供がチラッと写ってるとか、不意にガラスに不気味な顔が写ると同時に、耳障りな音がキーンと鳴るとか、まあ、そういう古典的な怖さである。

個人的な感想を言わせてもらえば、どこが怖いんだかさっぱりだ。こんなのは遊園地のお化け屋敷を見ている程度のものだと思うのだが。そういえば前作の公開時も、その時の担当編集者と、「こんな馬鹿馬鹿しいホラーがイマドキ公開されるなんてねー」と大笑いしていたものだが、それがハリウッドでリメイクまでされる話題作になるなんて、世間の評価はわからない。

30点
ギャグも題材選びもキャスティングも、全部センスが悪い

辛口批評家として名をはせる、井筒和幸監督の最新作。得意の人情コメディーである。

ジェームス・ブラウンのあの曲か……と、タイトルからなんとなくだめ臭さが漂うが、題材選びだけで判断するのは不公平であるから、できる限りニュートラルな気持ちで最後まで鑑賞した。

しかし、JBは最後までニセモノなので安っぽさが爆発だわ、ギャグは寒いわと、これが散々な出来であった。東京の下町育ちである私には、どうしてもこの映画のユーモアセンスが合わない。

30点
これでは変態ロリエロになりかねない

シベリアに伝わる民話にヒントを得て作られたおとぎ話。主演男優は、監督さんの息子だそうだ。全体的に、重暗いムードのカナダ映画である。

舞台はシベリアの森の中。母親が人間に襲われるトラウマを抱えた一匹の小熊がそこにいた。その小熊は数ヶ月後、ロシアの動物市場で売られてしまう。そして少女ローラの目に止まり、ミーシャと名付けられ彼女のサーカス団で飼われることになる。ブランコ乗りのローラはミーシャとすぐ仲良しになるが、ある夜彼女が、檻に入っているミーシャの様子を見に行くと、何故かその檻の中には見知らぬ裸の青年がいた……。

その後はその青年とローラが恋仲になるわけだが、さて、そんな『ベアーズ・キス』を一言で言えば、熊とセックスする女の話だ。いや本当は、優しい動物好きの少女が、クマに恋して、そのクマが人間に変身して……というおとぎ話なのだが、いろいろな理由から、そう素直に感動できないものがある。

30点
中途半端な実話ドラマだ

実在のボクサーを描いた、韓国映画。さんざ苦労して、ようやくチャンピオンに手がかかったタイトルマッチで、あわれ試合中に死亡した選手の悲劇を映画化した。

主演のボクサー役の俳優は、どうやらよく練習したらしく、サンドバッグの打ち方など、とても上手い。だが、試合のシーンは効果音でごまかしているのがわかってしまう。たとえば、スローで顔を殴る場面など、インパクトの瞬間、猫パンチになるので、少々萎える。

恋人役の女優も、泣くシーンで涙が出て無いのがバレバレなので、またまたお客は萎える。

30点
ロマンティック・コメディのキモがわかっていない

『トゥームレイダー』で主演したアンジェリーナ・ジョリーが、髪を金髪に染め上げて挑んだロマンティック・コメディ。

彼女が演じる主人公は、ニセモノの金髪がトレードマークのTVキャスターだが、まったく似合っていない。彼女の生き方自体も、この似合わない金髪同様、フェイクだという演出なのである。

そんな彼女が、怪しげな占い師に「きみ、あと7日で死ぬよ」といわれ、見栄やらなにやら、くだらないしがらみを捨て切って、ようやくまともな女として生まれ変わるあたりが、本作のラブコメとしての新アイデアである。

30点
映像だけ豪華な、ファン専用2時間テレビスペシャル

織田裕二主演の人気刑事ドラマの映画化PART2。

私は、残念ながらTV放映中にすべての回を見ていたファンでは無いので、このシリーズの事については素人である。そういう人間の意見だという事を最初に記しておきたい。シリーズの熱烈なファンの方は、参考程度に流していただいたほうがいいだろう。

本作は、スタッフ総勢300人、キャスト、エキストラまで、ほとんどすべてを前作・TVシリーズと同じにしたというこだわりで作られた。お台場でのロケによる映像は、ところどころ、さすがは映画と言いたくなるような迫力の映像で、さぞ前作は儲かったのだろうと思わせる金のかけ方である。低予算じゃ使えない機材をたくさん使っているので、邦画にしてはめずらしい構図の映像をたくさん見ることが出来る。

30点
バサラ祭のシーンはインパクト抜群だが……

『萌の朱雀』(97年)で、カンヌ映画祭カメラドール(新人監督賞)を史上最年少で受賞した河瀬直美監督が、出身地の奈良を舞台に描く人間ドラマ。

ドキュメントタッチの映像で、平凡な人々を暮らしを淡々と追う。手持ちカメラの長まわしが、その基本である。特に、最初のシークエンスは、しつこいくらいにずーっとカメラが人物を追いつづけるので、非常に目を引く。

しかし、この長まわしってやつは、少々芸が無さすぎやしないか。ポイントで効果的に使うというならともかく、あまりにそればかりでは、客は疲れるし飽きもくる。

30点
ダナ・カーヴィギャグを楽しめる人なら、評価は一変だが

アダム・サンドラー(製作総指揮)が、敬愛する先輩コメディアンのダナ・カーヴィ(主演)に、持ちネタを心おきなくスクリーン上でやらせてあげたコメディ映画。

基本的にこの映画の観客は、ダナ・カーヴィのファンである事が条件かのような映画である。もしくは最低でも、英語のギャグが理解出来る語学力が必要だ。

なぜかというと、ダナ・カーヴィの持ちネタというのは、基本的にモノマネだからだ。つまり、スクリーンを見ていて、「あ、これは、誰々の声真似をしているな」というのがわからなければ話にならない。字幕を見ているだけでは、クスリとも笑えない場面の連続であろう。

30点
20億円もかけたのに……

日本映画界の巨匠、篠田正浩監督の引退作品。邦画としては最大級の、20億円もの製作費と、10年にわたる構想を経て完成した大作である。

『スパイ・ゾルゲ』の特徴その1、壮絶に長い。始まってからすぐ成田を発てば、映画が終わるまでにブラジルくらいまで軽く往復できるんじゃないかと思うほど長く感じる。もちろん、別に上映時間が3時間を超えても、それ自体はいいのだが、この単調さはいかんともしがたい。

『スパイ・ゾルゲ』の特徴その2、古い。 これは、数十年前が舞台だから古く見えるとか、そういう問題ではなく、映像のセンスから音楽のセンスから、みな古い。例えば音楽で言えば、こうした時代ものに、クラシックの有名曲ばかりを随所に挿入するセンスというのは、どうであろう。出来上がった時からすでに古典というのは、ときには格調高いと評されることもあるが、この映画の場合はそういう感じではない。

30点
ファッションなどのディテールを楽しむ映画

老境に入ったギャングが、自分の半生を振り返る回想ドラマ。若き日のギャングスターが、クールなボスにあこがれ、悪の道をのし上がって行く様子が描かれる。その前半はやや退屈で新味や意外性が無い分、あまり面白くない。

美術にはかなりこだわっており、ギャングたちの60年代ファッションは、とてもカッコいい。ボスの部屋の調度品のデザインも素敵で、あの座りやすそうな椅子は、私もちょっぴり欲しくなった。

本作は、そうしたレトロ趣味の調度品や、60年代のスーツ・ファッションや家具、車などを見て楽しむことができる映画である。そうしたものに興味が無い場合、映画自体への興味を持続させるのも難しくなりそうだ。

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