浦沢直樹のベストセラーコミック『20世紀少年』の映画化は、2008年〜09年の日本映画界最大のインパクトとして、製作前から話題を振りまいてきた。
誰が誰を演じるのか、イメージ通りかうんぬん……。原作ファンをそこまでワクワクさせたのは、これを映画化するのは難しいと誰もが直感していたからだろう。だが、本編22巻プラス完結編2巻の大長編の実写版は、計60億円の巨費を投じた三部作としてここに実現した。
1997年、失踪中の姉(黒木瞳)が残していった赤ん坊カンナを背負い、売れないコンビニ経営にいそしむケンジ(唐沢寿明)。この時代、世界各地で致死性ウィルスの被害者が発生、日本では正体不明の教祖"ともだち"率いる新興教団が勢力を増すなど、不穏な空気が蔓延していた。ユキジ(常盤貴子)やマルオ(石塚英彦)、ドンキー(生瀬勝久)ら小学生時代の仲間たちと交流する中、ケンジは最近の事件、災害が、自分が子供時代に人類滅亡の様子を描いた"よげんの書"をなぞったものと気づき愕然とする。タイの闇社会で生き延びていたオッチョ(豊川悦司)も加わり、ケンジと仲間たちは地球を守るため立ち上がる。