「前田有一の超映画批評」をランキング形式で紹介するサイトです。 週末の映画選びなどにご利用ください。

新着記事

2142件中 1751~1800件 を表示しています。
40点
甘くて甘くてとろけちゃう

韓国若手スターによる純愛ドラマ。主人公の青年役は『猟奇的な彼女』でヒロインにどつかれる気弱な主人公を演じたチャ・テヒョン。

ある日主人公の元に、数年前、突然連絡が取れなくなった女友達から『会いたい』と書かれた一枚の写真が届く。彼女とその幼馴染の少女、そして主人公の3人は、当時男女を超えた親友同士として、かけがえのない日々を過ごした仲だった。

そこで映画は回想シーンに入り、美人二人と主人公の三角関係の思い出が本編として語られるという構成だ。非現実的で古典的なロマンチック路線を臆面もなく踏襲した恋愛映画。甘くて甘くてボクとろけちゃう。

40点
声優全滅、完成も遅すぎた

全世界で高い評価を得、多くの映像作家に影響を与えた『AKIRA』の大友克洋監督の最新作。長編アニメーションとしては二作目となる。総製作費24億円、製作期間はなんと9年という、世界が期待する超大作だ。

19世紀の英国。ある日、主人公の少年の元に祖父から謎の金属ボールが届く。直後、やってきた怪しげな男たちがそのボールを奪おうとしたため、少年はその“スチームボール”を手に家を飛び出すのだが……。

2004年は日本アニメ界三大巨匠揃い踏みの年。押井守監督『イノセンス』に続き、いよいよ世界のオオトモ監督最新作の登場である。(この後は宮崎駿監督『ハウルの動く城』の公開が控えている)

40点
俳優たちの魅力はタップリ味わえる

村上龍による同名の自伝的小説を、人気の宮藤官九郎脚本で映画化。妻夫木聡、安藤政信、金井勇太、加瀬亮といった人気キャストも話題。

舞台は全共闘の嵐吹き荒れる1969年、長崎・佐世保のある高校。主人公はちょいと不純な男子高校生。学校のアイドル的存在の女の子と仲良くなるため、彼女を主演に映画を撮ろうと決意するが、ひょんな事から話はエスカレート。悪友仲間を巻き込んで、学校をバリケード封鎖することになってしまう。

主要キャストの一部を見ると、年齢的に高校生役は無理では……? などという疑問も浮かぶが、そんなものはハンサムなお顔の魅力で吹き飛ばす。シモネタも連発、勢い良く突っ走るハチャメチャな展開の青春映画だ。

40点
50年前の名作を前作ファン向けにリメイク

同名の痛快活劇を約50年ぶりにリメイク。プレーボーイの騎士が望まぬ結婚から逃げるため、上手く軍隊に紛れ込んだが、実はそれはある娘の策略だった……。彼ら二人の運命と恋の行方を、漫画チックかつ軽快に描いた娯楽映画。主人公の騎士、ファンファン・ラ・チューリップをオリジナルで演じたジェラール・フィリップは、若くして亡くなるまでフランスの国民的スターとして愛され続けた。

かつてフランスで大ヒットしたオリジナルの再映画化とあって、スタッフもキャストもなかなかの面々。日本人にも名の通ったところでは、ヒロインに招いたペネロペ・クルスが熱演をみせている。脚本と製作にはリュック・ベッソンが名前を連ねる。

エキストラも多いし、衣装も本格的で、それなりにスケールの大きな作品だ。……とはいえ、アクションシーンはCGなど一切使わぬ素朴なもので、チョコマカとうるさい音楽をバックにチープシックに繰り広げられる。このあたり、古き良き西洋の剣活劇の再現といったところだ。

40点
これという特徴がない

1979年のコメディ『あきれたあきれた大作戦』を、アクションたっぷりにリメイクしたもの。結婚目前の娘のフィアンセの父が実はCIAエージェントだったことから、トンデモな騒ぎにまきこまれる哀れな中年医師のお話。

CIAエージェントである花婿の父を演じるのは、『氷の微笑』などエロ系サスペンスのイメージが強いマイケル・ダグラス。本作でもダンディな魅力は健在だ。

そして花嫁の父親である医師は、『ファインディング・ニモ』の主人公マーリンの声で知られるアルバート・ブルックス。基本的にはこのオジサン二人のかけあいを楽しむコメディだ。

40点
日本人に響くものはない韓国人専用映画だが、見所はある

チャン・ドンゴン、ウォンビンといった人気スターを主演に据え、本格的な戦闘シーンをちりばめた戦争超大作。本国の韓国では『シルミド』と近い時期に公開され、両者で国内の興行記録を塗り替えていった。

仲のいい兄弟とその家族が、突然勃発した朝鮮戦争によって引き裂かれてしまう。前線に駆り出された兄は、せめて弟だけでも家族の元に無事に返そうと考える。彼は弟を後方任務に就かせる事を条件に、危険な仕事を一手に引き受けるが、肝心な弟との仲にはやがて亀裂が入り……というストーリー。

一言で言えば、公開中の『シルミド』と同様、”戦争をダシにして作った泣き映画”である。露骨な泣かせ演出、オーバーアクト、音楽、それらも同様だ。まあ、こちらは完全なフィクションである分まだ良心的といえるか。似たような要素をもつこの二本は、ともに韓国映画史に残る大ヒットを記録した。きっと同じ客層の人々が、両方ともご覧になったのだろう。

40点
これといった特徴に乏しい

シルベスター・スタローン主演の恋愛プラスちょっとだけアクション映画。ボスを守りきれなかったボディガードが主人公で、残されたボスの娘(自分がマフィアの娘とはしらぬお嬢様)を守るというお話。やがて二人が恋をはじめるあたりはお約束の展開だ。

スタローン主演映画というと、どうしてもアクションを期待してしまいがちだが、『ザ・ボディガード』には銃撃戦がちらっとある程度で、メインは恋愛話だ。そこにコミカルな要素をちょいと入れ、イタリアロケをした綺麗な風景も見られるよ、というお手軽映画である。

どう見てもトレーニングをサボっている、たるんだ上腕部をみればわかるとおり、スタローンにはもう純粋なアクション映画は無理だろうから、こういう中途半端な作りになるのもやむをえないのだろうか。往年の代表作に興奮したファンとしては、ちょいと寂しいものがある。

40点
アメリカ人向けのドメスティックムービー

15歳のCIAエージェントの活躍を描いたアクション映画。ファミリーかティーン向けの健全な娯楽作品だ。

最近セクシー化しすぎて変な方向に行きつつあるブリトニー・スピアーズの後釜的アイドル、ヒラリー・ダフ15歳がヒロインを演じ、主演のフランキー・ムニッズとともに魅力を振り撒いている。この映画は二人のアイドル映画としての側面も強く、そのぶん彼らを知らない多くの日本人にとっては、少々疎外感を感じなくもない。

スパイもの好きな大人は、007シリーズをはじめとした同ジャンルの映画を思い出させるディテールの数々に注目してみると良い。キャラクター構成からは、なんとなくシリーズ化を念頭においているように思えたが、案の定その後続編が作られているそうだ。

40点
竹内結子のアイドル映画

50万部を突破したロングセラー「天国の本屋」シリーズの中から、第一作と第三作を選んで一本の映画にしたもの。人気の竹内結子を主演(二役)にしたファンタジックなラブストーリーだ。

ひょんな事から天国で短期バイト(?)をする羽目になった青年が、そこで女ピアニストと出会う「天国側」の話と、伝説の花火職人による「恋する花火」を再現すべく奔走する「地上側」ヒロインの話の二つが並行して描かれる。地上でも天国でもヒロインは竹内結子というわけである。

無理やり二つのお話をひとつにしたような(実際そのとおりなのだが)印象でバランスが悪い。天国の、どことなくノスタルジックな町並みのアイデアや、きれいな映像などの絵作りはまあまあなのだが話がつまらない。大筋が読めてしまい、興味が持続しないのだ。別に単純なストーリーでもいいが、細かいトコで客の興味を引っ張る面白さに欠けるのは問題だろう。はっきりいって退屈そのものだ。

40点
主に米国人&仏人向き

ケイト・ハドソン&ナオミ・ワッツ共演の、パリを主な舞台にした恋愛ドラマ。ヒロインの若いアメリカ人女性がフランス人男性と恋をするが、米仏の文化的なギャップに一苦労するというストーリー。モラルやマナー、金銭感覚……などなど、そのカルチャーギャップを理解して笑える人向き。

すなわち『ル・ディヴォース パリに恋して』は、主にアメリカ人とフランス人を対象にして作られた映画だ。われわれ日本人としては、そのどちらかにでもなったつもりで、疑似体験を味わうとしよう。くれぐれも万人向けのお気軽なロマコメというわけではないので、その点は要注意。

互いの家族を巻き込んだ大騒ぎにも決してめげずにがんばるヒロインの姿には、素直に共感できる人も多いはず。ただ、一般的な日本人がこの作品をみた場合、どうしても“お客さん”的な視点で見る羽目になりがちだから、満足度という点では微妙な気もする。

40点
オカルトめいた展開についていける方のみか

舞台は1885年の西部、シングルマザーのヒロインが、インディアンに帰化した父の助けを得て、娘をさらった悪の部族を追うという追跡劇。ヒロインを助ける父親は、インディアンの知識と技術を身につけているので、誘拐グループ(?)たちを追跡することが出来る。この役を演じるのがトミー・リー・ジョーンズ。この役者は、何者かを追いかける役ばかりやっているが、ここまで重なると、わざと選んでるんじゃないかと思わず苦笑したくなる。

しかも、今回の「追跡者」はなんとも頼りなく、ヨボヨボの体はいかにも弱そう。案の定、ボコボコにされたときには、さすがに複雑な心境になった。徐々にオカルト色が強くなる後半、物理法則を無視して危機をのりこえるおバカな展開を見ていると、ヒロインの演技派ケイト・ブランシェットの熱演が気の毒になってくる。

父娘の和解だの親子愛だのといったドラマも、リアリティの薄い展開のせいで崩壊目前。お話も、誰もが想像するとおりに展開し、そのまま終わるというもの。こういう映画は、宣伝する側はさぞ苦しいだろう。私としてもいったい誰にオススメすれば良いものか、迷ってしまう。

40点
この映画で何をやりたいのか、はっきりさせよ

出版業界久々のド級のベストセラーとなった原作を、センチメンタルな映像美で知られる監督が映画化。

レビューを書くにあたり私も原作を一読してみたが、どうもマスコミその他で騒がれているほど、「泣ける」という話ではないようだ。大して気を引くエピソードがあるわけでもなく、構成がよいわけでもない。高校生同士の恋愛における心理について、一部に鋭い描写を見ることができるが、正直な感想としては、小説としてはイマイチであった。そういう感性の男による映画レビューだと、まずは断っておこう。

さて、その映画版だが、感動的な主題歌を持つ予告編の出来がいいため、早くも大きな期待をされている。だが、結果としては小説と同じく、イマイチといったところだ。

40点
前作の出がらし

数々の仁侠映画やカンフー映画等の要素をごた混ぜにして、独特の世界観を確立した日本刀アクション『キル・ビル』の続編。前後編の後編にあたり、とりあえず本作でストーリーは完結する。(15年後にPart3を作るという噂もある)

さて、突然だがみなさんは『キル・ビル』の後編に、何を期待するだろう? 見たこともない斬新で派手なアクション? パロディ満載のオバカな笑い? 前作で残された謎の解明? まあ、主にそんなところではないかと私は想像する。この後編では話が完結するため、確かに最後の要求は満たされる。だが、笑いやアクションは前作比80%減だ。

最初からこれ一本を見るのであれば、それなりに監督の個性がにじみでた映画であり、満足できるかもしれない。だが、あれだけの前作を見た後、「あれを超えるクールなやつを見せてくれ!」と思っているファンがこれを見たら、多かれ少なかれガッカリするはず。個人的にはこれでもいいのだが、アクションのない『キル・ビル』を許せないという人は多いのではないか。そんなわけでこの点数となった。

40点
犬好き専用映画

盲導犬クイールの一生を描いた映画。盲導犬の献身的な働きを描いた感動ドラマ……というわけでもなく、単にカワイイお犬様のお姿をみるという、動物映画の趣きが強い。

つまりこの映画の目的は、動物好きを泣かせるという一点にあると思われる。その観点から見れば、まあ及第点といった出来だろう。犬好きに媚びているとしか思えないようなカットも多数見受けられたが、それでも「カワイイ〜」の声がそこかしこから漏れる事が予想される、まあ、そんな映画である。

内容は、文部省が喜びそうな、かつ子供の教育によさそうな健全な物語。あまり複雑な構成のドラマではなく、ただ犬の一生を追っただけという、あまり面白くないつくりになっている。

40点
ハル・ベリーのファンムービー

女子刑務所精神科病棟を舞台に、ハル・ベリーとペネロペ・クルスという、2大人気女優が競演したオカルト系サスペンスドラマ。

ハル・ベリー演じる医師が、はっと気づくとなぜか刑務所に入れられているというつかみは完璧であったが、その面白さはすぐに消え、中だるみする中盤が長く続くのが残念なところ。

冒頭に期待したサスペンス要素はさほど盛り上がらず、やがて映画はハル・ベリーのファンビデオ的なものへと変貌していく。今回は、ギャラが低かったか自慢の巨乳こそ隠しているものの、ワンピース水着による水泳シーン、濡れて体に張り付いたTシャツ、全裸で横たわるシャワーシーン、下着がチラチラ見えるヒップハングのパンツ等、ファンサービスとしか思えない見所がたくさんある。

40点
全編ゆるすぎる作り

哀川翔、主演100本記念作品。今、週刊スピリッツでコミック版が連載されているヒーローもの。

ヒーローものといっても、哀川翔演じるさえない教師が、子供時代に憧れたテレビの『ゼブラーマン』のコスプレををしているうち、やがて町の犯罪者(?)と本当に戦うはめになり……というような内容。基本的にコメディとして話が進行し、最後にはちょっと泣かせます、というパターンだ。

私はコミック版連載をちらほら読んでいたが、大筋は一緒でもずいぶんと印象が違う。経験上、漫画版を先に読んで期待していくと、外す確率が高いだろう。漫画版は普通に面白いが、映画版はアクが強い。まず、説明不足であるから、あらゆる場面で「なぜ???」の連続だ。原作を読んでいない人が見たら、ただのナンセンスドラマかと思ってしまう。

40点
またひとつ良い原作が台無しに

直木賞の候補にもなった、2002年日本ミステリ界最大の話題作の映画化。妻殺しを自首した男が、なぜか殺害後〜自首までの2日間については決して語らない(警察用語でいう”半落ち”状態)、その謎で引っ張る物語である。

容易に想像がつくとおり、主人公は”誰か”をかばっているわけで、その真相が明らかになるラストで、ドーンと泣かせる事を最大のウリにしているのは映画も同じ。森山直太郎の感動的な主題歌がTV-CMでガンガン流れているから、大きく期待する向きも多かろう。だが映画『半落ち』は、期待するほどには泣きにくい。

多数の登場人物が出てくるが、映画のほうはとくに相関関係がわかりにくい。小説と違ってそれぞれの主要人物をじっくり描くひまはないから、有名俳優をあてがって、彼らの持つキャラクターに頼るという手法を取っているが、その分深みはなくなった。

40点
難解な本作は、独自に解釈する楽しみを味わえる一本

自らの身体を傷つける自傷癖のある女性を描いたフランス映画。監督は、これが初長編となるマリナ・ドゥ・ヴァンで、小柄で気軽な雰囲気の若い女性である。劇中では主演もし、綺麗なヌードも見せてくれてる。すぐに血だらけになってしまうが。

彼女の話では、これは「自傷癖について描いた映画ではない」そうで、むしろ「心と身体の関係のミステリアスさを描きたかった」という。大事なのは、ヒロインが不本意な感情と戦う姿であるというわけだ。だから監督さんは、自傷癖についての専門書なども読んでいないという。

『イン・マイ・スキン』の特徴は、なんといっても直接的な自傷行為の描写につきるだろう。皮膚をはがし、ぐちゃぐちゃと歯でなめしと、とどまるところを知らぬエスカレートぶりである。

40点
持ち味が死んでしまっており、大人の目から見るとイマイチ

読売新聞日曜版で隔週連載中の人気漫画を原作にした、TVアニメシリーズの映画化。視聴率も高く、家族で見れるアニメとしてお茶の間に人気がある。今回がはじめての劇場用作品となる。

95分間という、堂々の長編アニメとして作られた『あたしんち』だが、この手の季節ものアニメの常で、完成は公開直前にずれこみ、私もちょうど本日、試写会で鑑賞してきたところである。プレス資料と実際のストーリーが大幅に違うあたり、スケジュール的にさぞ大変だったんだろうなと窺わせる。

あらすじは、主人公である母と、娘のみかんの中身が入れ替わるというファンタジー的なもの。これがちょっとイマイチである。ちなみに私、このマンガに関しては、読売新聞での連載第一回からのリアルタイム読者である。しかもこの、あまりに面白かった記念すべき連載第一回を切り抜いて、周りの友人知人に広めたというほどであるから、『あたしンち』の魅力は知り尽くしている方だと思う。

40点
70年代コミューンに興味のある人へ

舞台は70年代。既存の家族制度から離れて同性愛やフリーセックスを実践していた「コミューン」(生活共同体)を舞台にしたドラマ。本国スウェーデンで、記録的な大ヒットとなった。

内容は、『普通』の家族から逃げ出した母と子供たちが、『普通でない』コミューンでの共同生活を通して、成長していくという物語。短いショットを多数貼り合わせたような編集と、手持ちカメラを多用した撮影で、この雑多な『家族』の中に鑑賞者も入り込んだ気分になるよう作ってある。

これがもしアメリカ映画であれば、健全なコメディにしそうなところであるが、そこはさすがにヨーロッパ映画。大人向けの生真面目なドラマとして、成立させている。コミューンの特徴のひとつであるフリーセックスについても、避けずに堂々と描いている。

40点
アメリカの大学の様子が知りたい人に

アメリカの大学を舞台にしたサスペンスドラマ。

『ケイティ』がどうにもぱっとしないのは、サスペンスとしての出来がよくないからだ。メイントリックなど、使い古しもいいところ。犯人の演技があまりにはまりすぎという事もあり、相当早い時期から結末がバレバレだ。この映画のストーリーは、ミステリ小説だったらまずボツだろう。

観客の目を最後までくぎ付けにするためには(すなわち、オチがばれない程度に伏線を張るためには)、演出面にさらなる工夫が必要。この映画の監督は、これが初の監督仕事だそうだから、このあたりに改善の余地がある。とはいえ見ている客にとって、そんなことは関係ない。つまらんと判断されればそれで終わりというのが厳しい現実だ。

40点
映画を見ると、本物の絵のほうを見たくなる

キャンバスに、絵の具をビシャビシャとぶちまけ、その飛沫で作品を作り上げるアクションペインティング。総模様画とも呼ばれるこの手法で知られるアメリカの天才画家、ジャクソン・ポロックの生涯を描いた伝記映画。原作はピューリッツァー賞を、映画はアカデミー助演女優賞を受賞した。

この映画は、主演のエド・ハリスという役者が、はじめてメガホンを取った作品でもある。この人は、自他共に認めるポロックファンで、彼の伝記映画を作ろうという執念は、もう15年にも及ぶというのだから凄い。

さらに、劇中の絵画制作シーンをリアルに見せるために、10年間、ポロックの技術を学び続けたというのだから半端ではない。実際、エド氏が劇中で見せるアクションペインティングは、非常に手馴れた動きで、真に迫るものがある。そんなわけだから、なんといってもこの映画の見所は、彼のすさまじい役作りと演技にある。

40点
TVシリーズファンのためのお祭り

テレビドラマ『木更津キャッツアイ』の映画化。それほど高い視聴率ではなかったが、脚本の良さが評判となり、放映終了後に人気が高まった作品として知られる。

質の高さで人気が沸騰し、映画化まで盛りあがったというと、アニメの『新世紀エヴァンゲリオン』をふと思い出すが、この『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』も、(TVシリーズ終了後も人気を支えた)熱烈なファンに捧げる、お祭りイベントのような映画である。

というわけで、対象はTVシリーズのファン限定。それも、熱心なファンほど楽しめるように、小ネタ、内輪ネタが満載となっている。TVシリーズを見ていなければ、何がなんだかさっぱりわからない映画なので、どうしても本作を見たいという方は、現在深夜に放映中の再放送を見るなどしてから、出かけるべきだろう。

40点
もう少し脚本にも力を

59分の上映時間を、25分、20分、15分の短編に分けた、オムニバス作品。監督はこの映画を、新しい娯楽映画とする事を目指して作ったという。

デジタルビデオとフィルムを使い分けた映像は、思い切ったアングルを多用し、なかなか良い。安っぽさを感じさせない。各短編の始まりには、画面がブラックアウトし、音響だけの演出を行うという趣向もあり、確かに新鮮だ。

しかし、上映時間を短く区切る事も含めて、こうした仕掛けにはチャレンジ精神が感じられるが、それらが融合して『面白さ』を生み出す所までいっていない。つまり、「個性的だが、面白くはないなぁ」といった印象だ。残念ながら、「実験的エンタテイメント」の域を脱していないのだ。娯楽映画においては、突飛な手法も目を引く仕掛けも、「面白さ」という主目的を達成していなければ、それだけで高く評価はできない。(逆にいえばシンプルな演出法でも、面白ければ勝ちである)

40点
狙撃手をリアルに描く、マニアックな映画

スナイパー、狙撃手について、ディテールにだわり、かつて無いほどリアルに描いた事で、軍事マニアなどの根強いファンがついている前作から11年。ファン待望の続編がついに公開される。

一部に熱狂的なファンを生んだ作品の続編という事で、知ってる人には期待の大きな作品である。主演は、もちろん前作同様トム・ベレンジャー。今回の新たなるミッションは、バルカン半島を舞台に繰り広げられる。

着弾と音のズレまで表現するという、映画離れしたリアルさがこのシリーズの特長だ。そして、スナイパーと言うのは もともと派手とは無縁の職業(?)だから、本作はとても地味なアクション映画である。もちろん、この映画に来るお客さんも、そうした点を期待しているわけで、本作はその辺に良くあるお気楽アクションとは、明らかに一線を画した映画といえる。

40点
パート2のジンクスを破れない典型例

野村萬斎主演の人気シリーズ第二弾。平安の都を守る陰陽師、安倍晴明の活躍を、CGを駆使した派手な映像で描く。

本作のポイントは、人気者を集めたキャストの話題性と、邦画のなかではスケールの大きな特撮映像であろう。順に解説する。

メインキャストは前作と同じ。独特のふてぶてしさが頼もしい主人公、野村萬斎と、相変わらずヘタレな伊藤英明の駆け引きは、前作同様の楽しさ。そこはかとなく漂うホモセクシャルな雰囲気がなかなか良い。

40点
ヤン・デ・ボンはララ・クロフト像をぶち壊した

人気アクションゲームの映画化PART2。監督が『スピード』のヤン・デ・ボンに変更になり、前作以上の膨大な製作費で作られた。

ヤン・デ・ボンは、前作の監督もやりたかったと公言するほどの『トゥームレイダー』ファンであるが、続編を作るにあたって、プロデューサーと相談して、『今回は、主人公ララの内面を描く』という方針で挑んだという。そうした方針を打ち出すことでわかる通り、監督のララ・クロフトへの思い入れは、随所に感じられるが、それが少々強すぎて、このシリーズ本来の面白さを見失ったというのが、私の分析だ。

具体例をあげると、アンジェリーナ・ジョリー演じるララ・クロフトは、今回元カレと共に冒険をするのだが、この男は女たらしで、以前ララをフッたという設定である。

40点
アメリカ製ヤンキークルマ映画PART2

主に日本製の、しかもヤンキーが好むスカイラインだとかRX-7だとかのカスタムスポーツカーが多数登場するカーアクション映画。

前作との共通点は少ない。何しろ、前作の主演のヴィン・ディーゼルが出てないのだから。その代わり、前作でヴィン・ディーゼルに子供扱いされていたあの警官が、本作では凄腕の賞金稼ぎドライバーへと成長している。彼を演じるポール・ウォーカーはレーサーでもあるそうで、劇中で披露するドライビングテクニックは本物である。

序盤の、スカイラインGTRによるレース・シーンは、前作を彷彿とさせて良かった。ただし、そこから先は『幼馴染の黒人』とやらが出てきて一緒に犯罪を解決するという、ごくフツーのバディムービーになってしまう。

40点
肝心の『男をフル方法』にもっとリアルさがあれば

名コメディエンヌのゴールディー・ホーン(最近では『バンガー・シスターズ』に出演)の娘、ケイト・ハドソンが主演のロマンティック・コメディ。

次々と公開されるロマコメの中で、『10日間で男を上手にフル方法』のウリは、その名の通り、付きまとう男を追っ払うためのマニュアルであるという点である。常に、マンネリの危機と隣り合わせのロマコメジャンルの新作としては、目の付け所がなかなかいい。

しかし、肝心の『男をフルためのマニュアル』部分が、アイデア不足でいただけない。このページは、『これから見る人のための新作ガイド』だから、具体的に挙げられないのがつらい所だが、数々のマニュアルのうち、劇中で1番引っ張るネタが、1番面白くないというのは問題だ。

40点
センスを感じさせるが、ストーリーに勢いがない

俳優の伊勢谷友介が初めてメガホンを取った長編映画。デジタルカメラを使った個性的な画面の中で、イマドキの若者の、一見理解しがたい心情をリアルに描く。

高校卒業後、東京の大学に通うリョウ。彼は、街の若者相手にドラッグを密売していた。そんなある日、友人2人が彼のもとを訪ねてくる。一人は恋人を妊娠させ途方に暮れている幼なじみのナオシ。もう一人は、彼女の浮気現場を目撃して落ち込むマコト。3人はリョウの提案でパーティを開くことにし、リョウの先輩のヤクザのもとへマリファナを買いに行くが……。

タイトルのカクトとは"覚人"または"覚都"、つまり"目覚める人、都市"を意味する伊勢谷自身による造語という。街角で大学生がしゃべっている、そのままのようなセリフがとてもリアルで印象的。演技臭さが無く、自然で良い。役者がとちったテイクを、そのまま使っているようなシーンもある。それがまた、リアリティを生む効果となっている。

40点
アメリカで大きな話題になった異色なラブストーリー

アメリカで、社会現象にまでなったラブストーリー。どういう事かというとこの映画、わずか500万ドルという(アメリカ映画にしては)低予算で作って、その数10倍の興行成績を上げたのだ。アメリカのインディペンデント映画史上、最大のヒットとなったお化け作品である。

本作は、超保守的な家庭に育ったギリシャ系のヒロインが、まったく世界の違う白人男性と恋をする事による、文化ギャップのコメディと、その障害を乗り越えて行くラブロマンスの要素を併せ持つ。

このへんは、多人種国家であるアメリカなら、いかにもウケそうな部分であるが、逆に言えば、ごく普通の日本人が見てもあまりピンとこない部分でもある。

40点
イギリスのバカ若者の狂いっぷりが楽しめる

ジャンキーたちのパーティーでのアホぶりと、途中で起こる事件の犯人探しのサスペンスを描いたイギリス映画。R-18指定である。

主演は『ギャングスターナンバー1』で、マルコム・マクダウェル(『時計じかけのオレンジ』でのイカレタ主人公役が有名)を、狂気の度合いで圧倒したポール・ベタニー。いま注目の若手俳優である。彼は、本作でもそうだが、どの映画でも強烈な印象を残す役者である。

さて、『デッドベイビーズ』だが、冒頭に触れたように、一応フーダニット(犯人当て)になっている。

40点
あまり細かい事を気にしない、おおらかな動物映画好きの人なら

1961年から12年間、長野県の松本深志高校に実在した、元野良犬のクロの感動物語。

言うまでもないが、動物映画好き向けの映画である。そういう人なら泣けるかも知れないが、それほどではない普通の観客にとっては、イマイチという印象かもしれない。

というのも、『さよなら、クロ』は、少々センスがよろしくないのである。具体的に言うなら、オヤジくさいのである。

40点
仲良し兄弟、強盗を働く

『メメント』『タイムマシン』のガイ・ピアース主演の、オーストラリア製クライム・ムービー。

一言で言えば、“仲良し兄弟、強盗を働く” という映画である。彼らのポリシーは、人様は絶対怪我させない、という立派なもの。そんな彼らにでかい仕事が舞い込むが、途中、その鉄の掟が破られてしまう。

3兄弟を演じる男3人が、それぞれ個性的で魅力的。彼らが、ほかのワルどもに騙し騙され、はたして最後は誰が大金をゲットするか!? そんな二転三転の物語が、ちょいと地味目のアクションをときどき交えつつ描かれる。いわゆる、アクションクライムムービーというやつだ。

40点
ハリウッド製にしては観客を選ぶSF映画

1972年にソ連で作られた『惑星ソラリス』という作品のリメイク。『タイタニック』のジェームズ・キャメロンが製作し、『エリン・ブロコビッチ』『オーシャンズ11』といったヒット作を連発するスティーブン・ソダーバーグが監督したSF作品。

72年版を見た人ならわかると思うが、SFといっても、『スターウォーズ』や『スター・トレック』といった娯楽作品とは一線を画する。アクションやVFXの見せ場はほとんどなく、哲学的なテーマを静かに描く、地味な作品である。

主演はジョージ・クルーニーで、死んだはずの妻が目の前に現れ、さまざまな葛藤に悩む男を熱演する。

40点
泣こうという心構えを持っていくべき恋愛映画

浅田次郎の短編を原作にした、韓国製恋愛ドラマ。主演は、『シュリ』の悪役が記憶に残るチェ・ミンシク。

四十過ぎて独りふらふらと暮らすカンジェは、ある日突然「奥さんが亡くなった」と知らされる。身に覚えがなかったが、かつて小金欲しさに中国人女性と偽装結婚したことを想い出す。女の名は「白蘭(パイラン)」。一度も会うことのなかった“妻”の遺体を引き取りに、彼はパイランが暮らしていた町を訪れる。部屋に小さく“夫”の写真を飾り、病と闘いながら必至に働き言葉を覚えていったパイランの最後の手紙。そこにはカンジェへの純な気持ちが切々と綴られていた。

上映時間は116分だが、少々長い。このボリュームの話なら、あと20分くらい縮めることは出来たるではないか。うすめたコーヒーみたいな印象の映画である。

40点
役者の演技は凄いが……

ロバート・レッドフォードが製作(出演はしていない)、オスカー俳優競演のヒューマン・ドラマ。

アル・パチーノが、業界の汚れた部分に耐え切れず、引退を考えている初老のパブリシストを演じる。パブリシスト(宣伝マン)といいつつ、ようは有名人や政治家のケツ持ちで、スキャンダルの揉み消しなどの、汚れ仕事まで担当する。

この映画のアル・パチーノは、病人のような疲れきった男の役というより、もはや病人そのものである。1度寝たら、2度と置きあがらないだろうという、寿命1日前みたいな顔をしている。まったく、バケモノみたいな演技力である。

40点
原作のファンである事が重要な条件

全米で500万部も売れた小説の映画化。母とケンカ中の娘(サンドラ・隣のお姉さん・ブロック)が、母の親友3人から、若い頃の母の話を聞き、母のことを同じ女同士として理解するまでを描く。

出ている女優達が芸達者だから、それなりに見れるのだが、やや各キャラクターがつかみづらいと感じる。人物が描けていないという事であるが、これには理由がある。

1行目にも書いたことだが、これは大ベストセラーの映画化なのである。だから、映画でくどくど説明しなくても、暗黙の了解でみんな各キャラについてはわかっているのである。要するに、原作を読んでいることが前提で作られた、純粋にアメリカ国内向けの映画という事である。

40点
イランの写真集みたいなもの

イランと日本の合作映画。ペルシャ絨毯作りを通して、ちょびっと恋なんかが始まる予感の、日本の少女とイランの少年の物語。

手持ちカメラによるドキュメント風映像で、イラン人の日常や文化を、ディテールにこだわって描く。ストーリーで楽しませるというよりは、あまり私たちが触れることのない中東の世界を「感じる」ための作品といえる。イラン人たちの日常プロモーションビデオ的な面白さを期待するといい。

世界的な文化至宝であるペルシャ絨毯の作り方や、歴史が長く誇り高いイランの人々が普段どんな暮らしをしているかを知ることは、十分な知的興奮を与えてくれる。ただ、もともと興味のない人をひきつけるほど、強い吸引力があるわけではない。

40点
突っ込み所満載の怪物パニック映画

CGをふんだんに使った、ハリウッド製怪物パニック映画。

サラマンダーという、何百万年かに1度冬眠から覚め、あるもの全てを灰にして食べ尽くしては、また冬眠に入るという、はた迷惑な巨大トリに、人類が生き残りを賭けて戦いを挑むという話である。

まず、火を吹くドラゴンの最初の1頭が確認されると、世間は大騒ぎする。もちろん、ハリウッド御用達の最強アメリカ軍が登場して彼らに戦いを挑むのかな、と思っていたら違って、次のシーンでは早くも荒れ果てた地上の様子に場面は変わる。

40点
アメリカのバカ若者の生活ぶりを見る映画

1993年7月14日、南フロリダで実際に起こったティーンによる殺人事件を映画化した、問題の作品。

これは、日本で言えば「サカキバラ事件」を映画化するようなもので、まだ遺族などの関係者が多数いるだろうに、よくこんなかたちで映画化できたものだと驚く。アメリカってのはヘンな国だ。

いわゆるリアル風フィクションとはいえ、実名で多数の犯罪者が出てくるわけで、被害者の遺族や関係者は、とても正視できないだろうなと思わせる。

40点
セガールが囚人を率いて戦うアクション

スティーブン・セガール主演映画。この時期、彼の主演映画が2本、立て続けに公開される。ファンはたまらないであろう。

で、『奪還』だが予想通り、なんの変哲もないセガール映画としかいいようがない。この直後に公開される、もう一本の『撃鉄』のほうがまだ映画としての出来はいいと思うが、50歩100歩なので、どっちを見ても、または両方見てもいいだろう。なお、この2本の映画には、セガールが主演しているという事以外、全くつながりは無い。ねんのため。

『奪還』では、アルカトラズ刑務所が復活したという漫画的設定なので、もっとはじけた内容にしてもよかった。中途半端にリアリティを出そうとしても、潔くないばかりだ。セガールが囚人たちを率いて戦うという荒唐無稽なストーリーのアイデア自体は悪くないので、もっと囚人たちを活躍させてあげたら良くなったのではないだろうか。

40点
数年後には誰も覚えていない、レディメイドアクション映画

アメリカ映画の定番、黒人と白人二人がペアで活躍するアクション・バディ・ムービー。

ロス市警のハンクは強盗犯との激しい銃撃戦の末、相棒を失う。犯人を逃がした彼は、やがて担当を外される。そんなある日、彼はパトロール中に挙動不審の男アールと出会う。アールは警察学校を追い出され、いまは警備会社に勤めていた。2人のやり取りはやがて口ゲンカとなり、それを“警官が黒人に暴行している”と誤解した市民の通報で、ハンクまで警察をクビになってしまう。結局ハンクも警備会社に勤め始め、独自に相棒殺しの犯人を追うが、そこでアールと思わぬ再会を果たすのだった。

二人が刑事という設定だと、いくらなんでも芸が無さすぎると感じたか、職業を警備員にしたというのが新しいアイデアだ。とはいえ、あまりこの手の映画に新味やら特別なものを期待する人はいないから、これはこれでいい。

40点
音響で恐怖を表現したアイデアは買いたい

韓国製現代ホラー。契約したばかりの携帯電話が突然鳴りだし、それを取ってしまった者に壮絶な死が訪れる……。そういう、身近な都市的恐怖を描いた映画である。

吹き替え版もあるのでお子様も楽しめるが、はたしてお子様に見せてもいい映画なのかどうかは、はなはだ疑問である。

監督は「ハリウッドには規模ではかなわないので、工夫で頑張る」というが、なかなかどうして、カメラが上手いので、見た目はハリウッドの超豪華ホラーと比べても全く遜色は無い。

40点
どこから見てもエディ・マーフィーの映画

60年代に人気を博した同名テレビ・シリーズをエディ・マーフィとオーウェン・ウィルソン主演で映画化したスパイアクション。ひょんなことからコンビを組んだ敏腕エージェントとボクサーが、盗まれた最新型戦闘機の奪還に協力するという展開。。

スパイアクションと聞いて、派手なアクションとか、ドキドキするサスペンスとか、そういうものを期待しているとちょいと拍子抜けする。それらはさほど大きな見せ場ではなく、むしろエディらしいギャグの連発が目立つ作品だった。

バディムービーとしては、オーウェン・ウィルソンのほうの人間描写がイマイチで、キャラ作りが弱い。エディ・マーフィーのほうは、役作りもクソも無い。いつもの「エディマーフィ」そのものである。

40点
映像はいいが、展開がうそ臭くてのめりこめない

竹内結子と吉沢悠という人気タレントが主演のラブロマンス。香港のアカデミー賞3部門を受賞した「星願(セイガン)」という作品のリメイクで、日本風にアレンジしたと言うのは製作会社の弁。

この映画は、カメラがいい。北海道・函館オールロケだそうだが、たしかに函館の街を非常に美しく撮っていて、その点は美点である。

構図も凝っていて、ポイントでは俯瞰を使ったりと、健闘している。恋愛映画でカメラがダメだったら、それだけで私はダメ映画認定といくところだが、『星に願いを。』についてはその心配はない。ファンタジックなムードを上手く出していて綺麗だ。

40点
ジェット・リーに精彩がない凡作

日本でも人気のあるアクションスター、ジェット・リーが主演のアクション映画。ストーリーは2の次で、アクションだけを見せるという、典型的ハリウッド作品である。

ところが、その肝心のアクションが平凡。ジェット・リーは、中国の武術大会のチャンピオンになったこともある『本物』だが、『ブラック・ダイヤモンド』では大したアクションをみせてくれない。

テレビCMでも流れてた、ビルを素手だけで飛び降りて行くあのシーンも、所詮はCGを使ったトリック撮影。『チャーリーズエンジェル』あたりの映画で、普通の女優がアレをやるなら面白いが、『本物』たるべきジェット・リーがやっても驚きはない。

40点
前作の二番煎じレベルから脱却できていないパワーダウン続編

御存知、演技派ロバート・デ・ニーロと、コメディアンのビリー・クリスタルのオジサン二人が主演のコメディ映画。

これは、『アナライズ・ミー』という映画の続編で、基本的な設定、脇役たちは全く一緒。いわゆる完全なる続編というやつである。

とはいえ、前作を見ていない人でも普通に楽しめる。もちろん、前作を見ているほうが、より楽しめる。

39点
いったい誰を満足させるために作ったのか

高橋しんの人気漫画『最終兵器彼女』が映画化されると聞いて、私は最初、耳を疑った。「東映は、そこまで手を出すのか」というのが正直な感想であった。

というのもこの原作は、『新世紀エヴァンゲリオン』から連なる、いわゆるセカイ系(主人公の内面的な展開が、物語世界の運命と連動するタイプの作品)の作品群の中でも、とりわけ一般受けしそうにないものだったからだ。

高橋しんによる、いかにも一部のファンに受けそうな個性的な絵柄といい、魅力的だが説明不足も甚だしい世界観といい、どう考えてもこれを現在の邦画界が、一般向けに実写映画化することなど不可能だと、私には思えたのだった。話のスケールが大きくて、実写化にはそれなりの予算をつけねばならないだろうから、ごく少数のファン向けの作りにするわけにもいくまいし……はたして彼らがどんなトンデモ映画を出してくるのか、気になるままに試写の日を待った。

35点
もうXスポーツは似合わない

エクストリーム・スポーツをアクションに取り入れた斬新なスパイ映画として世に出た「トリプルX」から15年。シリーズ3作目となる本作では一作目の主演:ヴィン・ディーゼルが復帰して話題だが、残念ながら時すでに遅し。彼とて寄る年波には勝てない。

長年身を隠していたXスポーツ界のカリスマ、ザンダー・ケイジ(ヴィン・ディーゼル)のもとに政府から使者がやってくる。彼らはジャン(ドニー・イェン)率いる謎の犯罪集団により奪われた、軍事衛星のコントロール装置を取り戻してほしいという。ザンダーはこの最強の敵に対し、昔馴染みをまわり新たなチーム「トリプルX」を結成、作戦に挑む。

ヴィン・ディーゼルは一作目の時にすでに30代中盤でいまやアラフィフだが、単純な問題として、この年齢でXスポーツというのは似合わない。いや、愛好家が多いのはわかるのだが、大スクリーンで見るとまず絵的に合わない。ずんぐりむっくりしたガチムチのおじさんがスキンヘッドでスケボー滑走してもどうなのよ、といった具合である。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  11. 11
  12. 12
  13. 13
  14. 14
  15. 15
  16. 16
  17. 17
  18. 18
  19. 19
  20. 20
  21. 21
  22. 22
  23. 23
  24. 24
  25. 25
  26. 26
  27. 27
  28. 28
  29. 29
  30. 30
  31. 31
  32. 32
  33. 33
  34. 34
  35. 35
  36. 36
  37. 37
  38. 38
  39. 39
  40. 40
  41. 41
  42. 42
  43. 43