「前田有一の超映画批評」をランキング形式で紹介するサイトです。 週末の映画選びなどにご利用ください。

2121件中 1751~1800件 を表示しています。
40点
アメリカの大学の様子が知りたい人に

アメリカの大学を舞台にしたサスペンスドラマ。

『ケイティ』がどうにもぱっとしないのは、サスペンスとしての出来がよくないからだ。メイントリックなど、使い古しもいいところ。犯人の演技があまりにはまりすぎという事もあり、相当早い時期から結末がバレバレだ。この映画のストーリーは、ミステリ小説だったらまずボツだろう。

観客の目を最後までくぎ付けにするためには(すなわち、オチがばれない程度に伏線を張るためには)、演出面にさらなる工夫が必要。この映画の監督は、これが初の監督仕事だそうだから、このあたりに改善の余地がある。とはいえ見ている客にとって、そんなことは関係ない。つまらんと判断されればそれで終わりというのが厳しい現実だ。

40点
映画を見ると、本物の絵のほうを見たくなる

キャンバスに、絵の具をビシャビシャとぶちまけ、その飛沫で作品を作り上げるアクションペインティング。総模様画とも呼ばれるこの手法で知られるアメリカの天才画家、ジャクソン・ポロックの生涯を描いた伝記映画。原作はピューリッツァー賞を、映画はアカデミー助演女優賞を受賞した。

この映画は、主演のエド・ハリスという役者が、はじめてメガホンを取った作品でもある。この人は、自他共に認めるポロックファンで、彼の伝記映画を作ろうという執念は、もう15年にも及ぶというのだから凄い。

さらに、劇中の絵画制作シーンをリアルに見せるために、10年間、ポロックの技術を学び続けたというのだから半端ではない。実際、エド氏が劇中で見せるアクションペインティングは、非常に手馴れた動きで、真に迫るものがある。そんなわけだから、なんといってもこの映画の見所は、彼のすさまじい役作りと演技にある。

40点
TVシリーズファンのためのお祭り

テレビドラマ『木更津キャッツアイ』の映画化。それほど高い視聴率ではなかったが、脚本の良さが評判となり、放映終了後に人気が高まった作品として知られる。

質の高さで人気が沸騰し、映画化まで盛りあがったというと、アニメの『新世紀エヴァンゲリオン』をふと思い出すが、この『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』も、(TVシリーズ終了後も人気を支えた)熱烈なファンに捧げる、お祭りイベントのような映画である。

というわけで、対象はTVシリーズのファン限定。それも、熱心なファンほど楽しめるように、小ネタ、内輪ネタが満載となっている。TVシリーズを見ていなければ、何がなんだかさっぱりわからない映画なので、どうしても本作を見たいという方は、現在深夜に放映中の再放送を見るなどしてから、出かけるべきだろう。

40点
もう少し脚本にも力を

59分の上映時間を、25分、20分、15分の短編に分けた、オムニバス作品。監督はこの映画を、新しい娯楽映画とする事を目指して作ったという。

デジタルビデオとフィルムを使い分けた映像は、思い切ったアングルを多用し、なかなか良い。安っぽさを感じさせない。各短編の始まりには、画面がブラックアウトし、音響だけの演出を行うという趣向もあり、確かに新鮮だ。

しかし、上映時間を短く区切る事も含めて、こうした仕掛けにはチャレンジ精神が感じられるが、それらが融合して『面白さ』を生み出す所までいっていない。つまり、「個性的だが、面白くはないなぁ」といった印象だ。残念ながら、「実験的エンタテイメント」の域を脱していないのだ。娯楽映画においては、突飛な手法も目を引く仕掛けも、「面白さ」という主目的を達成していなければ、それだけで高く評価はできない。(逆にいえばシンプルな演出法でも、面白ければ勝ちである)

40点
狙撃手をリアルに描く、マニアックな映画

スナイパー、狙撃手について、ディテールにだわり、かつて無いほどリアルに描いた事で、軍事マニアなどの根強いファンがついている前作から11年。ファン待望の続編がついに公開される。

一部に熱狂的なファンを生んだ作品の続編という事で、知ってる人には期待の大きな作品である。主演は、もちろん前作同様トム・ベレンジャー。今回の新たなるミッションは、バルカン半島を舞台に繰り広げられる。

着弾と音のズレまで表現するという、映画離れしたリアルさがこのシリーズの特長だ。そして、スナイパーと言うのは もともと派手とは無縁の職業(?)だから、本作はとても地味なアクション映画である。もちろん、この映画に来るお客さんも、そうした点を期待しているわけで、本作はその辺に良くあるお気楽アクションとは、明らかに一線を画した映画といえる。

40点
パート2のジンクスを破れない典型例

野村萬斎主演の人気シリーズ第二弾。平安の都を守る陰陽師、安倍晴明の活躍を、CGを駆使した派手な映像で描く。

本作のポイントは、人気者を集めたキャストの話題性と、邦画のなかではスケールの大きな特撮映像であろう。順に解説する。

メインキャストは前作と同じ。独特のふてぶてしさが頼もしい主人公、野村萬斎と、相変わらずヘタレな伊藤英明の駆け引きは、前作同様の楽しさ。そこはかとなく漂うホモセクシャルな雰囲気がなかなか良い。

40点
ヤン・デ・ボンはララ・クロフト像をぶち壊した

人気アクションゲームの映画化PART2。監督が『スピード』のヤン・デ・ボンに変更になり、前作以上の膨大な製作費で作られた。

ヤン・デ・ボンは、前作の監督もやりたかったと公言するほどの『トゥームレイダー』ファンであるが、続編を作るにあたって、プロデューサーと相談して、『今回は、主人公ララの内面を描く』という方針で挑んだという。そうした方針を打ち出すことでわかる通り、監督のララ・クロフトへの思い入れは、随所に感じられるが、それが少々強すぎて、このシリーズ本来の面白さを見失ったというのが、私の分析だ。

具体例をあげると、アンジェリーナ・ジョリー演じるララ・クロフトは、今回元カレと共に冒険をするのだが、この男は女たらしで、以前ララをフッたという設定である。

40点
アメリカ製ヤンキークルマ映画PART2

主に日本製の、しかもヤンキーが好むスカイラインだとかRX-7だとかのカスタムスポーツカーが多数登場するカーアクション映画。

前作との共通点は少ない。何しろ、前作の主演のヴィン・ディーゼルが出てないのだから。その代わり、前作でヴィン・ディーゼルに子供扱いされていたあの警官が、本作では凄腕の賞金稼ぎドライバーへと成長している。彼を演じるポール・ウォーカーはレーサーでもあるそうで、劇中で披露するドライビングテクニックは本物である。

序盤の、スカイラインGTRによるレース・シーンは、前作を彷彿とさせて良かった。ただし、そこから先は『幼馴染の黒人』とやらが出てきて一緒に犯罪を解決するという、ごくフツーのバディムービーになってしまう。

40点
肝心の『男をフル方法』にもっとリアルさがあれば

名コメディエンヌのゴールディー・ホーン(最近では『バンガー・シスターズ』に出演)の娘、ケイト・ハドソンが主演のロマンティック・コメディ。

次々と公開されるロマコメの中で、『10日間で男を上手にフル方法』のウリは、その名の通り、付きまとう男を追っ払うためのマニュアルであるという点である。常に、マンネリの危機と隣り合わせのロマコメジャンルの新作としては、目の付け所がなかなかいい。

しかし、肝心の『男をフルためのマニュアル』部分が、アイデア不足でいただけない。このページは、『これから見る人のための新作ガイド』だから、具体的に挙げられないのがつらい所だが、数々のマニュアルのうち、劇中で1番引っ張るネタが、1番面白くないというのは問題だ。

40点
センスを感じさせるが、ストーリーに勢いがない

俳優の伊勢谷友介が初めてメガホンを取った長編映画。デジタルカメラを使った個性的な画面の中で、イマドキの若者の、一見理解しがたい心情をリアルに描く。

高校卒業後、東京の大学に通うリョウ。彼は、街の若者相手にドラッグを密売していた。そんなある日、友人2人が彼のもとを訪ねてくる。一人は恋人を妊娠させ途方に暮れている幼なじみのナオシ。もう一人は、彼女の浮気現場を目撃して落ち込むマコト。3人はリョウの提案でパーティを開くことにし、リョウの先輩のヤクザのもとへマリファナを買いに行くが……。

タイトルのカクトとは"覚人"または"覚都"、つまり"目覚める人、都市"を意味する伊勢谷自身による造語という。街角で大学生がしゃべっている、そのままのようなセリフがとてもリアルで印象的。演技臭さが無く、自然で良い。役者がとちったテイクを、そのまま使っているようなシーンもある。それがまた、リアリティを生む効果となっている。

40点
アメリカで大きな話題になった異色なラブストーリー

アメリカで、社会現象にまでなったラブストーリー。どういう事かというとこの映画、わずか500万ドルという(アメリカ映画にしては)低予算で作って、その数10倍の興行成績を上げたのだ。アメリカのインディペンデント映画史上、最大のヒットとなったお化け作品である。

本作は、超保守的な家庭に育ったギリシャ系のヒロインが、まったく世界の違う白人男性と恋をする事による、文化ギャップのコメディと、その障害を乗り越えて行くラブロマンスの要素を併せ持つ。

このへんは、多人種国家であるアメリカなら、いかにもウケそうな部分であるが、逆に言えば、ごく普通の日本人が見てもあまりピンとこない部分でもある。

40点
イギリスのバカ若者の狂いっぷりが楽しめる

ジャンキーたちのパーティーでのアホぶりと、途中で起こる事件の犯人探しのサスペンスを描いたイギリス映画。R-18指定である。

主演は『ギャングスターナンバー1』で、マルコム・マクダウェル(『時計じかけのオレンジ』でのイカレタ主人公役が有名)を、狂気の度合いで圧倒したポール・ベタニー。いま注目の若手俳優である。彼は、本作でもそうだが、どの映画でも強烈な印象を残す役者である。

さて、『デッドベイビーズ』だが、冒頭に触れたように、一応フーダニット(犯人当て)になっている。

40点
あまり細かい事を気にしない、おおらかな動物映画好きの人なら

1961年から12年間、長野県の松本深志高校に実在した、元野良犬のクロの感動物語。

言うまでもないが、動物映画好き向けの映画である。そういう人なら泣けるかも知れないが、それほどではない普通の観客にとっては、イマイチという印象かもしれない。

というのも、『さよなら、クロ』は、少々センスがよろしくないのである。具体的に言うなら、オヤジくさいのである。

40点
仲良し兄弟、強盗を働く

『メメント』『タイムマシン』のガイ・ピアース主演の、オーストラリア製クライム・ムービー。

一言で言えば、“仲良し兄弟、強盗を働く” という映画である。彼らのポリシーは、人様は絶対怪我させない、という立派なもの。そんな彼らにでかい仕事が舞い込むが、途中、その鉄の掟が破られてしまう。

3兄弟を演じる男3人が、それぞれ個性的で魅力的。彼らが、ほかのワルどもに騙し騙され、はたして最後は誰が大金をゲットするか!? そんな二転三転の物語が、ちょいと地味目のアクションをときどき交えつつ描かれる。いわゆる、アクションクライムムービーというやつだ。

40点
ハリウッド製にしては観客を選ぶSF映画

1972年にソ連で作られた『惑星ソラリス』という作品のリメイク。『タイタニック』のジェームズ・キャメロンが製作し、『エリン・ブロコビッチ』『オーシャンズ11』といったヒット作を連発するスティーブン・ソダーバーグが監督したSF作品。

72年版を見た人ならわかると思うが、SFといっても、『スターウォーズ』や『スター・トレック』といった娯楽作品とは一線を画する。アクションやVFXの見せ場はほとんどなく、哲学的なテーマを静かに描く、地味な作品である。

主演はジョージ・クルーニーで、死んだはずの妻が目の前に現れ、さまざまな葛藤に悩む男を熱演する。

40点
泣こうという心構えを持っていくべき恋愛映画

浅田次郎の短編を原作にした、韓国製恋愛ドラマ。主演は、『シュリ』の悪役が記憶に残るチェ・ミンシク。

四十過ぎて独りふらふらと暮らすカンジェは、ある日突然「奥さんが亡くなった」と知らされる。身に覚えがなかったが、かつて小金欲しさに中国人女性と偽装結婚したことを想い出す。女の名は「白蘭(パイラン)」。一度も会うことのなかった“妻”の遺体を引き取りに、彼はパイランが暮らしていた町を訪れる。部屋に小さく“夫”の写真を飾り、病と闘いながら必至に働き言葉を覚えていったパイランの最後の手紙。そこにはカンジェへの純な気持ちが切々と綴られていた。

上映時間は116分だが、少々長い。このボリュームの話なら、あと20分くらい縮めることは出来たるではないか。うすめたコーヒーみたいな印象の映画である。

40点
役者の演技は凄いが……

ロバート・レッドフォードが製作(出演はしていない)、オスカー俳優競演のヒューマン・ドラマ。

アル・パチーノが、業界の汚れた部分に耐え切れず、引退を考えている初老のパブリシストを演じる。パブリシスト(宣伝マン)といいつつ、ようは有名人や政治家のケツ持ちで、スキャンダルの揉み消しなどの、汚れ仕事まで担当する。

この映画のアル・パチーノは、病人のような疲れきった男の役というより、もはや病人そのものである。1度寝たら、2度と置きあがらないだろうという、寿命1日前みたいな顔をしている。まったく、バケモノみたいな演技力である。

40点
原作のファンである事が重要な条件

全米で500万部も売れた小説の映画化。母とケンカ中の娘(サンドラ・隣のお姉さん・ブロック)が、母の親友3人から、若い頃の母の話を聞き、母のことを同じ女同士として理解するまでを描く。

出ている女優達が芸達者だから、それなりに見れるのだが、やや各キャラクターがつかみづらいと感じる。人物が描けていないという事であるが、これには理由がある。

1行目にも書いたことだが、これは大ベストセラーの映画化なのである。だから、映画でくどくど説明しなくても、暗黙の了解でみんな各キャラについてはわかっているのである。要するに、原作を読んでいることが前提で作られた、純粋にアメリカ国内向けの映画という事である。

40点
イランの写真集みたいなもの

イランと日本の合作映画。ペルシャ絨毯作りを通して、ちょびっと恋なんかが始まる予感の、日本の少女とイランの少年の物語。

手持ちカメラによるドキュメント風映像で、イラン人の日常や文化を、ディテールにこだわって描く。ストーリーで楽しませるというよりは、あまり私たちが触れることのない中東の世界を「感じる」ための作品といえる。イラン人たちの日常プロモーションビデオ的な面白さを期待するといい。

世界的な文化至宝であるペルシャ絨毯の作り方や、歴史が長く誇り高いイランの人々が普段どんな暮らしをしているかを知ることは、十分な知的興奮を与えてくれる。ただ、もともと興味のない人をひきつけるほど、強い吸引力があるわけではない。

40点
突っ込み所満載の怪物パニック映画

CGをふんだんに使った、ハリウッド製怪物パニック映画。

サラマンダーという、何百万年かに1度冬眠から覚め、あるもの全てを灰にして食べ尽くしては、また冬眠に入るという、はた迷惑な巨大トリに、人類が生き残りを賭けて戦いを挑むという話である。

まず、火を吹くドラゴンの最初の1頭が確認されると、世間は大騒ぎする。もちろん、ハリウッド御用達の最強アメリカ軍が登場して彼らに戦いを挑むのかな、と思っていたら違って、次のシーンでは早くも荒れ果てた地上の様子に場面は変わる。

40点
アメリカのバカ若者の生活ぶりを見る映画

1993年7月14日、南フロリダで実際に起こったティーンによる殺人事件を映画化した、問題の作品。

これは、日本で言えば「サカキバラ事件」を映画化するようなもので、まだ遺族などの関係者が多数いるだろうに、よくこんなかたちで映画化できたものだと驚く。アメリカってのはヘンな国だ。

いわゆるリアル風フィクションとはいえ、実名で多数の犯罪者が出てくるわけで、被害者の遺族や関係者は、とても正視できないだろうなと思わせる。

40点
セガールが囚人を率いて戦うアクション

スティーブン・セガール主演映画。この時期、彼の主演映画が2本、立て続けに公開される。ファンはたまらないであろう。

で、『奪還』だが予想通り、なんの変哲もないセガール映画としかいいようがない。この直後に公開される、もう一本の『撃鉄』のほうがまだ映画としての出来はいいと思うが、50歩100歩なので、どっちを見ても、または両方見てもいいだろう。なお、この2本の映画には、セガールが主演しているという事以外、全くつながりは無い。ねんのため。

『奪還』では、アルカトラズ刑務所が復活したという漫画的設定なので、もっとはじけた内容にしてもよかった。中途半端にリアリティを出そうとしても、潔くないばかりだ。セガールが囚人たちを率いて戦うという荒唐無稽なストーリーのアイデア自体は悪くないので、もっと囚人たちを活躍させてあげたら良くなったのではないだろうか。

40点
数年後には誰も覚えていない、レディメイドアクション映画

アメリカ映画の定番、黒人と白人二人がペアで活躍するアクション・バディ・ムービー。

ロス市警のハンクは強盗犯との激しい銃撃戦の末、相棒を失う。犯人を逃がした彼は、やがて担当を外される。そんなある日、彼はパトロール中に挙動不審の男アールと出会う。アールは警察学校を追い出され、いまは警備会社に勤めていた。2人のやり取りはやがて口ゲンカとなり、それを“警官が黒人に暴行している”と誤解した市民の通報で、ハンクまで警察をクビになってしまう。結局ハンクも警備会社に勤め始め、独自に相棒殺しの犯人を追うが、そこでアールと思わぬ再会を果たすのだった。

二人が刑事という設定だと、いくらなんでも芸が無さすぎると感じたか、職業を警備員にしたというのが新しいアイデアだ。とはいえ、あまりこの手の映画に新味やら特別なものを期待する人はいないから、これはこれでいい。

40点
音響で恐怖を表現したアイデアは買いたい

韓国製現代ホラー。契約したばかりの携帯電話が突然鳴りだし、それを取ってしまった者に壮絶な死が訪れる……。そういう、身近な都市的恐怖を描いた映画である。

吹き替え版もあるのでお子様も楽しめるが、はたしてお子様に見せてもいい映画なのかどうかは、はなはだ疑問である。

監督は「ハリウッドには規模ではかなわないので、工夫で頑張る」というが、なかなかどうして、カメラが上手いので、見た目はハリウッドの超豪華ホラーと比べても全く遜色は無い。

40点
どこから見てもエディ・マーフィーの映画

60年代に人気を博した同名テレビ・シリーズをエディ・マーフィとオーウェン・ウィルソン主演で映画化したスパイアクション。ひょんなことからコンビを組んだ敏腕エージェントとボクサーが、盗まれた最新型戦闘機の奪還に協力するという展開。。

スパイアクションと聞いて、派手なアクションとか、ドキドキするサスペンスとか、そういうものを期待しているとちょいと拍子抜けする。それらはさほど大きな見せ場ではなく、むしろエディらしいギャグの連発が目立つ作品だった。

バディムービーとしては、オーウェン・ウィルソンのほうの人間描写がイマイチで、キャラ作りが弱い。エディ・マーフィーのほうは、役作りもクソも無い。いつもの「エディマーフィ」そのものである。

40点
映像はいいが、展開がうそ臭くてのめりこめない

竹内結子と吉沢悠という人気タレントが主演のラブロマンス。香港のアカデミー賞3部門を受賞した「星願(セイガン)」という作品のリメイクで、日本風にアレンジしたと言うのは製作会社の弁。

この映画は、カメラがいい。北海道・函館オールロケだそうだが、たしかに函館の街を非常に美しく撮っていて、その点は美点である。

構図も凝っていて、ポイントでは俯瞰を使ったりと、健闘している。恋愛映画でカメラがダメだったら、それだけで私はダメ映画認定といくところだが、『星に願いを。』についてはその心配はない。ファンタジックなムードを上手く出していて綺麗だ。

40点
ジェット・リーに精彩がない凡作

日本でも人気のあるアクションスター、ジェット・リーが主演のアクション映画。ストーリーは2の次で、アクションだけを見せるという、典型的ハリウッド作品である。

ところが、その肝心のアクションが平凡。ジェット・リーは、中国の武術大会のチャンピオンになったこともある『本物』だが、『ブラック・ダイヤモンド』では大したアクションをみせてくれない。

テレビCMでも流れてた、ビルを素手だけで飛び降りて行くあのシーンも、所詮はCGを使ったトリック撮影。『チャーリーズエンジェル』あたりの映画で、普通の女優がアレをやるなら面白いが、『本物』たるべきジェット・リーがやっても驚きはない。

40点
前作の二番煎じレベルから脱却できていないパワーダウン続編

御存知、演技派ロバート・デ・ニーロと、コメディアンのビリー・クリスタルのオジサン二人が主演のコメディ映画。

これは、『アナライズ・ミー』という映画の続編で、基本的な設定、脇役たちは全く一緒。いわゆる完全なる続編というやつである。

とはいえ、前作を見ていない人でも普通に楽しめる。もちろん、前作を見ているほうが、より楽しめる。

39点
いったい誰を満足させるために作ったのか

高橋しんの人気漫画『最終兵器彼女』が映画化されると聞いて、私は最初、耳を疑った。「東映は、そこまで手を出すのか」というのが正直な感想であった。

というのもこの原作は、『新世紀エヴァンゲリオン』から連なる、いわゆるセカイ系(主人公の内面的な展開が、物語世界の運命と連動するタイプの作品)の作品群の中でも、とりわけ一般受けしそうにないものだったからだ。

高橋しんによる、いかにも一部のファンに受けそうな個性的な絵柄といい、魅力的だが説明不足も甚だしい世界観といい、どう考えてもこれを現在の邦画界が、一般向けに実写映画化することなど不可能だと、私には思えたのだった。話のスケールが大きくて、実写化にはそれなりの予算をつけねばならないだろうから、ごく少数のファン向けの作りにするわけにもいくまいし……はたして彼らがどんなトンデモ映画を出してくるのか、気になるままに試写の日を待った。

35点
もうXスポーツは似合わない

エクストリーム・スポーツをアクションに取り入れた斬新なスパイ映画として世に出た「トリプルX」から15年。シリーズ3作目となる本作では一作目の主演:ヴィン・ディーゼルが復帰して話題だが、残念ながら時すでに遅し。彼とて寄る年波には勝てない。

長年身を隠していたXスポーツ界のカリスマ、ザンダー・ケイジ(ヴィン・ディーゼル)のもとに政府から使者がやってくる。彼らはジャン(ドニー・イェン)率いる謎の犯罪集団により奪われた、軍事衛星のコントロール装置を取り戻してほしいという。ザンダーはこの最強の敵に対し、昔馴染みをまわり新たなチーム「トリプルX」を結成、作戦に挑む。

ヴィン・ディーゼルは一作目の時にすでに30代中盤でいまやアラフィフだが、単純な問題として、この年齢でXスポーツというのは似合わない。いや、愛好家が多いのはわかるのだが、大スクリーンで見るとまず絵的に合わない。ずんぐりむっくりしたガチムチのおじさんがスキンヘッドでスケボー滑走してもどうなのよ、といった具合である。

35点
原作を超える脚本を作れた確信をもってから映画化すべし

非難ごうごう炎上確実な人気漫画の実写版の中で、「デスノート」シリーズの実写版は珍しく賛否両論である。私のように評価しないものもいれば、これは成功例、などとほめる人も多い。そして、原作から完全に離れたオリジナルストーリーによる続編「デスノート Light up the NEW world」の評価も、おそらくそうなるだろうと予測できる。

夜神月とLの死闘から10年が過ぎたころ、再び人間界でデスノートによる殺人事件が始まった。かつて日本の警察内に設立されたデスノート対策本部は、キラ事件をマニアックに研究し続けてきた三島(東出昌大)を中心に、前回の教訓を生かした対抗措置によって必死にそれを阻止せんとする。だが、今回人間界にばらまかれたデスノートは、彼らが予想していた以上の冊数であった。

この映画シリーズは本作含め、映像が思わせぶりでよく出来ているため、高校生くらいまでの子供が見ればそれなりに楽しめるようになっている。だが、原作漫画の持つポテンシャルは子供どころか大人まで十二分に楽しませるものがあるのであり、私のような違いの判るダンディな大人が読んでみれば、結局のところ映画版の力がはるかに弱いことがわかる。これが、このシリーズが賛否両論となっている理由である。

35点
幸福の科学・謹製のアイドル映画

幸福の科学総裁の大川隆法氏(本作のプロデューサーでもある)は、日本で一番自由な映画作りをしているのではないか。「天使にアイム・ファイン」の奔放ぶりをみるとそう思わざるを得ない。

美しい天使(雲母)が人間界を眺めている。彼女の視線の先には、生きることに苦しんでいる5人の男女がいた。彼らを守護するため、天使は下界に舞い降り寄り添おうとするのだが……。

巻き髪のかわいい女の子が、5人の気の毒な人間たちのもとに降り、人助けをしようとする。歌って踊る見せ場もある。なんとびっくり、これはどこからどうみてもアイドル映画、である。

35点
演技とオーラは薬師丸、しかし顔なら1000年天使

男にとって、目の前の美人のアラを見つけるのはおつなものだが、映画となると話は別。見えていながらそれをカバーしていないスタッフの荒っぽい仕事ぶりには、皆がっかりするものである。

組員4人の目高組を受け継いだ女子高生、星泉(橋本環奈)。彼女は組を解散させ、こわもての元組員らと商店街でファンシーなカフェを営んでいた。だが彼女らが守った町の平和を引き裂こうと、巨大な闇の勢力が迫っていた。

橋本環奈こと、天使すぎる1000年に一人の逸材は、アイドル界では現役最高の美少女といってよい。彼女の場合、とくに歌っているときの顔の美しさは図抜けていて、年齢を超越した妖艶な魅力を放つ本格派のアイドルである。歌顔というものは、たいてい産卵中のサケみたいになるものだが、彼女はどこで静止ボタンを押してもかわいい。奇跡の1枚どころか24コマ全部奇跡である。

35点
遅すぎた

かつて反日人肉映画との噂でもりあがった「不屈の男 アンブロークン」も、気づけば世界最後尾からの日本公開。噂の真偽ははもはやネット民の間に知れ渡り、すっかり愛国者たちの怒りの熱エネルギーも冷めてしまった。

1936年、かつての不良少年ザンペリーニ(ジャック・オコンネル)は陸上競技で目覚ましい活躍を見せていた。だが第二次大戦がはじまると彼は爆撃機の射手として対日宣戦に参加、しかしその後の運命は、だれも予測できない過酷なものだった。

反日映画としての話題の喪失は、怖いもの見たさのその他大勢見込み客をも失う結果となった。なにしろこの映画から反日騒動をとったら、不器用な女優監督が不十分な知識で撮った半端な伝記史実しかのこらない。

35点
後半の変わりようが凄い

新興宗教団体が長編アニメ映画を(ときには実写映画も)定期的に作り、公開する。それも「幸福の科学」のそれは、きわめて特徴的な内容だから、私も機会があれば見るようにしている。しかし何本見ても、この一連の作品がどういう人々に向けたものなのかわかりかねる。

全寮制のナスカ学園、高校2年生のレイ(声:逢坂良太)たち仲良し5人組は、宇宙人によるアブダクションのうわさを聞きつける。独自の研究と取材で悪の異星人の存在を確信した彼らは、その危険性を学園に知らせようとするが……。

エンドロールにはたくさんの関連企業が記載され、うちの近所のお医者さんも毎回名を連ねている。優しい先生だと評判だが、ちょっとかかりたくなかったりもする。それはまあいいとして、これだけの作品を定期的に製作するだけの額を集めるのだからばかにはできない。聞けば予算もなかなかのもので、実際上映時間も125分。アニメとしては、堂々たる大作の雰囲気がある。

35点
マッチョと巨乳の無能集団

マーベル・シネマティック・ユニバースのシリーズは世界中で絶好調で、ヒーロー総登場の「アベンジャーズ」(12年)の続編である本作などは米国歴代5位のメガヒット中。だが、そうした好景気に気がゆるんだか、作品の出来映えは極端に悪化している。

アイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は人類を守るための人工知能ウルトロンを完成させる。だがウルトロンは暴走し、人類を地球の敵だと認識して攻撃を始めるのだった。

「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」を見ていると、ヒーロー軍団のあまりの無能ぶりにうんざりするはずだ。

35点
アイデアは面白いのだが

「王妃の館」は美しいパリの街で長期ロケをおこなった日本映画であり、うまく作れば心に残る一本になることができたはずだが、いくつか至らぬ点があるため、平凡な疑似観光ムービーにとどまってしまった。

王妃の館と称される高級ホテル「シャトー・ドゥ・ラレーヌ」のスイートに泊まれるツアーに参加した売れっ子作家・北白川右京(水谷豊)。だが、ツアーガイドをつとめる旅行会社の社長(田中麗奈)は何かそわそわしている様子。実は彼女は、同じホテルに同じ日程で、別の客をダブルブッキングしていたのだった。

「王妃の館」最大の敗因は、このダブルブッキングツアーの設定を生かしきれなかったことにつきる。

35点
アクションの切れ味はいいが

これ!といった背骨がないと、映画全体の焦点がぼける。「ワイルドカード」はそれを地でいくような残念作である。

元兵士のニック(ジェイソン・ステイサム)は、ラスベガスで用心棒を生業としていた。あるとき、ひどい暴行を受けた元恋人から復讐を依頼された彼は、しぶしぶながらも引き受ける。だが、その仕事は彼を予想外の形で窮地に追い込むことになるのだった。

あらすじ紹介に悩んだのは、この先のストーリーがどうも予想外に、といっても悪い意味で迷走するように感じられるからである。え、そっち方面いっちゃうの? で、戻ってこないわけ? 的な感じだ。

35点
消費物の最高峰

日本の映画界に君臨する東宝が、公開2日間で16億円という史上最高の結果をたたき出した「映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」。「アナ雪」のヒットが記憶に新しい2014年の最後に、これまたとんでもない大物が潜んでいた。

ケータ(声:戸松遥)が睡眠中、なぜか妖怪ウォッチが消えてしまう。それとともにジバニャン(声:小桜エツコ)やウィスパー(声:関智一)ほかともだち妖怪の記憶さえなくしてしまう。直後に現れた超巨大猫妖怪デカニャンに対峙するさなか、そのことに気づき愕然としたケータは、わずかな手がかりをもとにおばあちゃんの住むケマモト村に向かうのだった。

小学生に爆発的なブームを巻き起こしている妖怪ウォッチの、満を持した劇場版である。事前に誰もが、こいつはとんでもないヒットをぶちかますだろうと予想していたわけだが、それを上回る高稼働ぶりに関係者はホクホク顔であろう。

35点
これまた移民ドラマ

フジテレビ系の映画が、クライマックスで「朝日頑張れ」を連発する映画を作る。タイミングを合わせたわけではあるまいが、なんともシュールな光景である。

戦前のカナダ、バンクーバー。白人社会から差別され、きつい肉体労働に従事する日本からの移民にとって、野球チーム「バンクーバー朝日」の活躍は希望を感じさせるものだった。もっとも肝心の試合では体格に勝る現地の白人チームには及ばなかったが、レジー笠原(妻夫木聡)やケイ北本(勝地涼)ら若き選手たちは、機動力をいかしたチームプレイでやがて快進撃を開始するのだった。

原作はなく、感動の史実を元にオリジナルストーリーを組み立てた野球映画というわけだが、いろいろと問題が多い。

35点
吉永小百合以外には無理な企画

吉永小百合自身が製作に名を連ね、初めて企画者としてかかわって作られた「ふしぎな岬の物語」は、なるほど彼女以外には誰も演じられない映画であった。

岬の突端にある岬カフェは、店主の柏木悦子(吉永小百合)がいれるおいしいコーヒーが評判であった。毎日のように通うタニさん(笑福亭鶴瓶)や、甥っ子の浩司(阿部寛)など、彼女を愛する仲間たちに囲まれ穏やかな日々が続いていた。そんなある日、長年音沙汰がなかった常連客の娘みどり(竹内結子)が突然戻り、このカフェにもさざ波のような変化が訪れる。

老若男女、それこそ甥っ子から常連客、はたまた偶然入った強盗に至るまで、吉永演じる女店主に対面すると一瞬で魅了され、骨抜きにされてしまう。そんなあらゆる訪問客と吉永小百合ママとの、心温まる交流のドラマである。

35点
反原発から賛成派に転向した人たちの証言集

「二十歳までにリベラルに傾倒しない奴は情熱が足りないが、40歳までに保守主義にならない奴は知能が足りない」といったのは英国のチャーチルだが、実際そうした転向はよくある。だがその逆方向に転向したのは雨宮処凛くらいなもので、あまり見かけたことがない。

物事には、ときにこうした一方通行性があったりするが、原発問題もそのひとつかもしれない。すなわち、推進派や原発技術者などが、その実態を知って反対派に転向することはよくあるが、その逆はいないというものである。

ところが映画「パンドラの約束」には、そのレアケースをはたした人たちが複数登場するから驚きだ。さっそく日本でも「こりゃ珍しい」と話題になっている。

35点
前田敦子が物足りない

山下敦弘監督の作品を大好きと語る前田敦子は、仕事相手としてもウマが合ったのだろう。「苦役列車」(2012)に続き、その監督作に主演することになった。

大学は卒業したものの就職せず、実家で漫画を読みふけるなど無為な日々を過ごす坂井タマ子(前田敦子)。スポーツ用品店を営む父親(康すおん)は、そんな娘に強く出ることもあまりなく、淡々と食事を作ってやる。季節が移り変わり、それでも変わらぬ二人の生活に変化は訪れるのだろうか。

山下敦弘監督の映画は、物語に抑揚がなく突出したキャラクターも出ないオフビートな作風が持ち味。一般受けとは無縁の、好きな人だけ見てくださいという、いわゆるアート系、サブカル系に属する作品である。

35点
ドキュメンタリーで予習が必要

伝記とは個人の生涯を記録したものだが、伝記映画はそうではない。この両者の違いが分かっていない監督が伝記映画を作ると、「スティーブ・ジョブズ」のような作品が出来上がる。

既存の会社組織になじめない若きジョブズ(アシュトン・カッチャー)は、友人たちを集めてガレージでアップルコンピュータを創業する。独創的なアイデアと尽きない情熱、仲間たちの献身的な支えを武器に破竹の勢いで成長するジョブズとアップルだったが、やがて彼らは壁にぶち当たる。

伝記と伝記映画の違い。これを語り考察するのに本作が最適なのは、ちょうど先月「スティーブ・ジョブズ1995 〜失われたインタビュー〜」(11年、米)という、すぐれたドキュメンタリー(というか本人の70分間しゃべくり映像)が公開されたばかりで、比較しやすいというのが理由である。

35点
ダメダメかもしれないが必見

「アバター」(09年、米)の続編をはじめ、近年のアメリカ映画は中国との合作企画が目白押し。中国市場における外国映画の公開本数制限をかいくぐる裏ワザとして中国資本を入れる意味合いもあるし、もちろん潤沢な中国マネーで大作を作るという単純な狙いもある。なにしろ政府が機能停止したり国債デフォルト一歩手前なんていう時代だ、金をくれるなら誰でもいいといったところか。

大国アメリカにしてこんな状況だから、「レッド・ドーン」が中国マネーに配慮して、撮影終了後に侵略国を中国から北朝鮮に変更したと聞いてもそれほどの驚きはないだろう。

ワシントン州の田舎町に、空を埋め尽くす空挺部隊が現れた。休暇中の海兵隊員ジェド(クリス・ヘムズワース)は、危険を察知して弟(ジョシュ・ペック)や友人数名を救い出し、山へと身を隠す。直後、アメリカ全土は彼ら北朝鮮兵によって制圧され、ジェドらは最初のレジスタンスとして立ち上がることになる。

35点
自伝的文学ながらリアリティ薄い

プライベートでの経験豊富なオンナほど、いい女優になるなどと言われるが現実はそう簡単でもない。結局のところは手綱を引く演出家次第。現実には子供のいない満島ひかりがシングルマザーを演じて高評価を得ることもあるし、その逆もまたしかり、だ。

妻子ある作家(小林薫)の愛人として長年暮らしている知子(満島ひかり)。作家は自宅と彼女の家を半々で行き来している。だが、そんな智子の前にかつて愛した涼太(綾野剛)が現れ、彼女の穏やかな生活は終わりを告げる。

愛人契約というのは、お互いの冷静な取り決めにより行われるものであり、はたから見ると極めて安定した大人の関係であるように見える。だが、じっさいは全く違う。そんな相手がいなければ維持できない人生などというものは、もともと何かが破綻しているのであり、大人びた皮を一枚はげば、その下にはメンヘラ一歩手前の男女の生々しい姿があるわけである。

35点
宣伝が上手かった

この洋画不況の中、予想以上のオープニング成績を残して意外なヒットとなった「プロメテウス」は、宣伝戦略が成功した好例として記憶されるだろう。だがそれが、長期的に見て良いことなのかどうかは微妙である。

科学者のショウ(ノオミ・ラパス)は世界各地の遺跡の中に、地球外生命体からのメッセージが隠されていることを読み取る。やがて大企業ウェイランド社の出資により、宇宙船プロメテウスでそのメッセージが示す惑星を目指す。2093年、ハイパースリープから目覚めたショウたちクルーの前に、その惑星は姿を現すが、そこには彼らが予想もしない恐るべき世界が待ち受けていた。

「人類最大の謎、それは《人類の起源》」と、「人類の起源」に焦点を当てた宣伝戦術をみて、その大胆さに私は驚かされた。なぜならこのコピーは、ほとんどこの映画の中身と無関係といってもいいほど離れているからである。

35点
セレブのたわむれに見えてしまう

「ケイト・レディが完璧(パーフェクト)な理由(ワケ)」は、仕事に恋にがんばるアタシ、な女の子が一人または同性の友達と見に行って話のタネにするようなタイプの映画である。

投資会社のファンドマネージャーとして成功しているケイト(サラ・ジェシカ・パーカー)は、優しい夫や2人の小さな子供に囲まれ、誰もが羨む暮らしをしているかに見えた。だが実際は、あまりに忙しすぎて、自分が理想とする子育て、夫婦生活とはかけ離れた状況。彼女は彼女なりに、理想と現実のギャップに苦しんでいた。そんな折、過去最大級の大きな仕事が舞い込み、家庭を大事にしたい彼女の思いとは反対の選択をせざるを得ない状況に巻き込まれる。

働く女の悩みをリアルに描き、共感を集めて女性客を励ますというコンセプト。いまどきのアメリカ映画は不況の影響でテーマが保守的になっているので、この映画の結論もそういう方向性である。

35点
≪織田裕二をもっと前面に出さねばだめ≫

前作「アマルフィ 女神の報酬」(09年)はじつにユニークな作品であった。何が面白いかというと、ひとたびこいつを褒めるともれなく猛烈な反発をくらうという、奇妙な特性があるのである。

死ねだのやめろだの金をもらっているだのと、ちょっぴりお口の悪いネット紳士たちからたしなめられるたび私は、これがいわゆる炎上マーケティングというやつかと他人事のように感心する。

こうなると続編『アンダルシア 女神の報復』では、さらに輪をかけ褒めまくり、火に油を注いでやろうとのイタズラ心が芽生えてくる。

35点
山場がない…

ポケモンやドラえもん、ピクサー作品は言うに及ばず、こうしたフランスの作品まで映画館で楽しめるのだから、日本の子供たちの環境は恵まれている。とくに「アーサーとミニモイの不思議な国」(06年)の続編である本作は、監督のリュック・ベッソンがへそを曲げて声優をガラリと変えてしまった米国版と違い、前作どおりのキャスティングで吹き替え版を見られるという有利もある。

人間の世界に戻った少年アーサー(声:神木隆之介)は、再びミニモイの国で王女セレニア(声:戸田恵梨香)に会える日を心待ちにしていた。二つの世界をつなぐ扉が開く「10番目の満月」を控えたころ、彼の前に「HELP」と書かれた米粒が届く。王国からのメッセージと受け取ったアーサーは再度彼らを救うため、旅立ちを決意するが……。

祖父の家の裏庭には、体長2mmのミニモイ族の王国があった。そんなファンタジー作品である本作は、ヨーロッパのそれらしく伝統をふまえた確固たる世界観、繊細なビジュアル、そしてCGから実写へ違和感なく移行する映像技術により、米国とも日本とも違うかの国らしい子供映画として作られている。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  11. 11
  12. 12
  13. 13
  14. 14
  15. 15
  16. 16
  17. 17
  18. 18
  19. 19
  20. 20
  21. 21
  22. 22
  23. 23
  24. 24
  25. 25
  26. 26
  27. 27
  28. 28
  29. 29
  30. 30
  31. 31
  32. 32
  33. 33
  34. 34
  35. 35
  36. 36
  37. 37
  38. 38
  39. 39
  40. 40
  41. 41
  42. 42
  43. 43