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2156件中 1551~1600件 を表示しています。
50点
たくさんの良質なアイデアや設定が生かされていない

新しい形の誘拐テクニックで完全犯罪をもくろむチームと、狙われた3人家族の戦いを描く本格サスペンス。さらわれる子供役はハリウッドの子役としてはたぶん一番ギャラ(と精神年齢)の高い、ダコタ・ファニングという美少女である。今回は、喘息をわずらう少女という難しい役柄を、まだまだ余裕たっぷりといった感のある、見事な演技力で演じている。

さて、誘拐犯たちの新しい手口とは、「親子3人まとめて誘拐・監禁する」というぶっ飛んだものである。これなら警察に通報のしようが無いというわけだ。しかも、3人とも別の場所に監禁し、それぞれの見張番が30分ごとに電話連絡をしなければ、あわれダコタちゃんがぶち殺されるというルールである。タイトルの「コール」とは、ここからきている。

このアイデアは面白いし、ラストの壮絶なアクションシーンなども、見るからにお金がかかっていて見ごたえがあるのだが、全体的にあまり良い出来とは言えないところがつらい。

50点
クルマ好きがデート用として鑑賞するのに適している

ヨーロッパ圏で45年間も続く長寿コミック初の実写映画化。日本語では今まで出版されていなかったそうだ。というわけで、大スターが出ていなくとも、あちらではタイトルだけで話題を呼べるが、日本では商業的に苦戦が予想されるという一本である。

では、ヨーロッパでの『ミシェル・ヴァイヨン』とは、どのくらいの知名度がある原作なのだろう。私が宣伝会社の美人のお姉さんに聞いてみたところ、日本で言うサザエさん並であるとの事であった。

それほどの原作の映画化であるから、フランス映画としてはかなりお金もかけた力作となっている。レースシーンの迫力はなかなかのもので、なんとこの映像は、ル・マン24時間耐久レースに実際に参戦して、レース中に撮影したものだそうである。しかも『ミシェル・ヴァイヨン』チームは、実際に良い成績を収め、観客の喝采を浴びたそうだ。

50点
アメリカ向けにチューンされたコメディをどこまで楽しめるか

日本でも人気のあるコメディアン出身のジム・キャリー主演のハートフル・コメディ。この俳優さんは、出演作によってお笑いに徹したり、演技派としてシリアスに徹したりと分かれる人だが、今回はその両面がバランス良く発揮され、どちらのジム・キャリーも楽しめる内容になっている。

極論すれば、彼の主演する映画を楽しめるかどうかは、スマイリー・キクチ並のウソ笑顔を許せるかどうかにかかっているといって良いだろう。OKなら本作も大丈夫。要するに、彼のコメディとしては、及第点に達しているということだ。パロディや物まね、顔芸と、こちらもバランス良く彼のネタ(?)がちりばめられ、楽しませてくれる。

作品の狙いとしては、前半たっぷり笑わせて、ラストにホロリとさせるというものであるが、いかんせんテーマが「結局大事なのは愛なのよ」というお定まりのものであるために、イマイチ成功していない。いつものお気楽娯楽とはいえ、あまりに簡単に先が読めすぎて満腹感が得にくい。

50点
医師団の活動紹介&おまけの不倫ドラマ

人気女優アンジェリーナ・ジョリー主演の感動ドラマ。『トゥームレイダー2』のララ・クロフト役での肉体派アクション女優ぶりから打って変わって、今回は演技力で勝負する一面をみせてくれる。

この女優さんは、性根が純粋なのか、私生活で何かにはまると、わき目も振らず突っ走る印象がある。たとえば、恋人ができればその名の刺青を彫ってみたりする(別れるかもしれないなんてことは考えてないのかね……)。最近彼女がはまっているのは慈善活動で、そのきっかけとなったのが本作の出演である。

もともと別の監督、役者で撮られるはずであった本作は、その完成までに幾多の困難にとらわれてきた。その中で彼女は、作品完成のためにもっとも精力的に働いた一人であるといわれる。その熱意の源は、「難民たちの実情を世界中に知らせたい」という思いだったそうだ。

50点
10代向けにきっちりとチューンされた映画だ

アメリカで大人気のティーンアイドルが主演のちょっと感動的な親子愛コメディ。

主演の女の子は、あちらでは大人気という事で、この映画もなかなかお金をかけた、豪華な作りになっている。……こんなにベタな映画なのに。

まだ16歳と言う事で、幼さが残る顔立ちには、子供らしい無邪気さと純粋さが感じられる。ファッションはポップでとても似合っているのに(スタイル抜群!)、メークはコギャル風で品が悪い。ティーンと言うのは、こんな所まで世界共通なのだろうかと、つくづく感心である。

50点
ハメ撮りプレイのパイオニアの悲惨な末路

実在のテレビスター、ボブ・クレインのスキャンダラスな人生を描いた伝記的ドラマ。謎の死についても、それとなく真相をほのめかしている。

巨乳好き、乱交・相互鑑賞プレイ好き、ハメ撮り大好きというわかりやすい性癖を持つ彼。偶然出会った同好の士(ウィレム・デフォー)のおかげで、女達や機材を揃える手段を得たボブは、どんどん暴走して行く。そして最後は、非業の死を遂げるというわけである。

まあ、この手の性癖を持つ人は、いまではさほど珍しいものではなく、実際経験のある方も多いだろうが、ホームビデオすら普及していなかったこの当時では、彼らはまさに先駆け、パイオニアである。ましてテレビスターがこんなことをしているとわかったら、そりゃもう大変なスキャンダルだったことだろう。

50点
少々都合がいいな、と感じる部分がある

スペイン・カナダ合作の、静かな雰囲気のドラマ。幸せな専業主婦が、余命わずかと診断され、夫にも内緒にして「死ぬまでにしたい事リスト」を作るというストーリー。30〜40代くらいの女性、とくに主婦に向けたお話といっていいだろう。

主人公の主婦は、夫婦仲もいいし、理想的なしあわせ家族だと言うのに、「死ぬまでにしたい事リスト」のなかには、「夫以外の男性とセックスする」などという項目が入っている。ここいらあたりが、冒険欲求を隠し持つ、世のマジメな主婦層の心理をうまくついた設定というわけである。

製作総指揮が『トーク・トゥ・ハー』の監督、ペドロ・アルモドバルという点も、そのへんの客層を引き付ける要素になろう。何しろ今は女性たちの間で、スペイン映画がちょっとしたブームであり、ペドロ氏は、その中でもビッグネームなのだから。このストーリーとスタッフ、キャストを、上手く女性誌が紹介するだけで、そこそこヒットが望めそうな映画である。

50点
歴史の暗部をわかりやすく描いている

アルメニア人の大殺戮という、歴史事実を描いたカナダ製の重厚なドラマ。いわゆる、虐殺の被害者側からのメッセージである。

この映画を作るにあたっては、題材が題材だけに、虐殺の加害者側であるトルコ政府からの圧力があったようで、製作中止を求めて裁判沙汰寸前までいったという。また、アメリカの配給元であるミラマックス社や監督本人にも、脅迫メールが殺到したそうだ。

なにしろ、まだトルコ政府は、公式に虐殺を認めていないのだから、反応も過敏になるというわけである。

50点
中学1年生はタダ! 必見だヨ

警察の特殊部隊スワットを主役に取り上げたアクション映画。いまでは警察特殊部隊の代名詞になっている“S.W.A.T.”発祥の地、ロス市警が舞台になっている。一応、1975年の『特別狙撃隊SWAT』というテレビシリーズが元になっている。

ハリウッドのアクション映画でS.W.A.T.に焦点を当てたものは初めて。というわけで、前半はこの組織についての説明的シーンが続く。本物にこだわった装備品や身のこなしを、ここはたっぷり楽しむとしよう。手首を掴んで銃を撃つような、インチキな動きは一切ない。これならガンマニアも納得の出来だろう。

ただ、映画『S.W.A.T.』の魅力はここまで。そこから先は、組織は描けど人物が描けず、の典型的末路をたどる。

50点
低予算のわりに安っぽさは全く無い、品の良い映画

パリで一人暮らしの老女を主人公に、老いというテーマを、血のつながりの無い中年女性とのつながりのなかで描くドラマ。岩波ホールで公開される事からわかる通り、通好みのしっとりとした、格調高い作品である。

しかし、実はこの映画、かなり低予算で作られたものである。主人公の老婆役は、新聞広告で一般公募して決定。もう一人の主人公である中年女性役は、監督の住むアパートの隣の住人。音楽担当者も、ギターが趣味の同じ住民。撮影場所となるアパートの部屋は、女優の私室を使って撮影したそうである。デジタルビデオ撮影で、編集も自前でやったそうだ。監督自身や息子も出演しており、まさに手作りの映画といえる。

しかし、後から聞かされなければ、そうした金銭面での苦労という事情には気づかなかっただろう。出来あがった映画はちゃんとしており、まったく安っぽさは感じられない。これはパリのもつ街並の美しさと、監督の美的センスのおかげといえよう。

50点
いつもと同じように笑える安心感がある

西田敏行と三國連太郎が主演の、おなじみのコメディシリーズ。

『釣りバカ日誌』は、50代以上の、普段は映画館なんて行った事もないオジさんオバさんが、いつも新聞屋からタダで券をもらえるから、なんていう理由で、これだけは毎年やってくるというシリーズである。

続きに続き、もうpart14(スペシャル等を含めると16作目)であるが、今回もほかの回とまったく同じである。このシリーズの中身を見ただけでパートいくつだとわかったら、きっとTVチャンピオンに出れるだろう。

50点
もうちょいスマートにできなかったものか

高等専門学校ロボットコンテスト(これを略してロボコン)を題材にした、青春ドラマ。

この競技を映画にするというアイデアは、なかなか良かったと思う。ただ、せっかく真新しい題材を得たのだから、もうちょい上手く料理していたらな、と惜しい印象もうけた。

『ロボコン』は、少々マジメ過ぎるのだ。カメラワークはNHKだかのロボコン中継を見ているようで地味だし、若い役者たちの演技はみな優等生っぽいしと、なんだか『中学生日記』みたいな、文部省ご推薦映画をみているような印象である。

50点
まずは、登場人物の顔と名前を一致させること

『ダイ・ハード』『レッド・オクトーバーを追え!』のジョン・マクティアナン監督による、はじめてのサスペンス作品。

『シックス・センス』や『ユージュアル・サスペクツ』といった、最後にドカーン型ではなく、話の途中で新事実が発覚するたびに、二度三度と真相の姿ががらりと変わりゆく『羅生門』型のサスペンスだ。どんでん返しがおこるたびに、ふりだしに戻って真相解明のやりなおしだから、実に疲れる。脳みその酸素必要量の多い映画だ。

そんなわけで、『閉ざされた森』は、頭の調子が良いときに挑むべき映画である。ミステリ好きが本気で真相解明に挑戦する事ができるパズラー的映画であり、普通の人がのほほんと見ていて楽しめる映画ではない。その場合、間違いなく急転直下する展開に置いていかれる。

50点
カメラマンの視点の映像は、じつにたくさんの事を教えてくれる

"ロバート・キャパの魂を受け継ぐ男" ジェームズ・ナクトウェイに密着したドキュメンタリー映画。インドネシア、コソボ、パレスチナ、ニューヨークでの、戦場カメラマンとしての彼の仕事ぶりを描く。

伝統的な手法で作られた、まっとうなドキュメントだ。真新しさは無いものの、戦場カメラマンの仕事という題材は、いままさにタイムリーだから、興味のある方なら楽しめるだろう。

撮影機材の進歩により、いままでは表現しきれなかった細かい部分まで、この映画は見せてくれる。たとえば、ナクトウェイのスチルカメラにくっつけたCCDカメラの映像により、プロのカメラマンの視点は言うに及ばず、どのタイミングで彼がシャッターを押すのかとか、彼がどんな呼吸の仕方をしているのかなど、非常に細かい部分まで観客にわかるようになっている。

50点
ムダ肉ゼロの細いウェストが色っぽい

実際の事件をもとに書かれた松田美智子の『女子高生誘拐飼育事件』を原作にした映画『完全なる飼育』シリーズの新作。

一応、最後には泣かせる感動シーンがあるが、そこまでついていけるかどうかが、ひとつの問題だ。エロ&変態話の過激さに、フツーの方は振り落とされる恐れが大きい。逆に、それを目当てに行く人には、十分満足できよう。

本作は、低予算エロ系映画ながら、美術と、映像のセンスが良い。主演の山本太郎の着るクラシカルなスーツや無国籍な部屋、怪しげな地下室の内装の美しさは、見ていて感じがいい。とくにこの地下室、ゆらゆらゆれるキャンドルの炎が、現実と虚構の区別をあいまいにするかのような効果を生んでいて面白い。

50点
どうせヤラセだろ……と思ったら終わりだ

ジョージクルーニーが初めてメガホンを取り、スティーブン・ソダーバーグ(『オーシャンズ11』)が製作総指揮、チャーリー・カウフマン(『マルコヴィッチの穴』)が脚本、出演者も、チャリエンのドリュー・バリモア、ジュリア・ロバーツなど、豪華なスタッフで作られた実話ドラマ。

なんでも、主人公のTVプロデューサー本人の自伝が原作だそうだが、事の真偽は怪しいというほかない。ただの妄想じゃないの? と思いたいところだが、まあ、その辺を深く追求しない事で、ロマンも芽生え、映画の話題性も上がるというわけである。

こんなストーリーでも、豪華出演者がマジメに演じる事で、高級なドラマ仕立てになっている。サスペンスとして、ラストにちょいと驚きも用意されており、そこそこ楽しめる。

50点
ママも満足、イケメンライダー大活躍

いわずとしれた、恒例の戦隊もの&特撮ヒーローもの映画版である。カップリングを見る限り、男の子向け、ということになるのだろう。だが、本当にこの映画を楽しみにしているのは、イケメン目当てのお母さんかもしれない。

仮面ライダー555は、”ファイズ”と読むわけであるが、TV版とは、キャラクターだけが共通しており、世界設定やストーリーは、完全なオリジナル。映画だけ見て、楽しめる出来になっている。

85分という堂々たる上映時間から見てわかる通り、ちゃんと力を入れて作ってある。男の子たちが、しょっちゅう上半身ハダカになるなど、オトナの女性向けサービスもあるので、奥様方も安心である。

50点
宮村優子の声以外、なにも変わった事は起こらない日常を描く

日本で初めて、撮影から上映まで、全てデジタルで行うという、意欲的な映画。通常の映画は、フィルムにプリントして各映画館別に配るわけだが、これはそれぞれ、せいぜい数百回しか使用する機会が無く、資源面でも無駄が多く、環境によろしくない。また、上映コストを膨らませる原因ともなっているので、今後はフィルム不要のデジタル方式に、徐々に移ることになるのだろう。

上映、製作のコストが下がることで、金はないが才能はある若い製作者も、今までより世に出やすくなるわけで、我々観客にとっても一石二鳥というわけである。

『ハート・オブ・ザ・シー』は、そんなデジタル映画のさきがけとなるものだが、内容はゆったりとした時間のなかで、故郷の良さをほのぼのと描く。劇的な出来事は、1つも起こらない。日常を描いたドラマである。

50点
ドラマは平凡で印象に残らないが、子役とアフリカの自然は見もの

アカデミー外国語映画賞を受賞したドイツ映画。

ナチスの時代、その迫害を逃れるためにアフリカに渡ったユダヤ人一家の物語。その小学生くらいの娘は、アフリカ人に偏見を持っている母親とは違い、なんの差別意識も無く現地のアフリカ人若者と友情を育む。

彼女の目を通して描くアフリカと、その原住民が大変魅力的で、現地に長くすむユダヤ系の人々が、揃って彼らに尊敬の念を持って接する気持ちが、クーラーの効いた劇場に座って見ている我々にも良く伝わってくる。

50点
クォリティは高いが、物語と演出がイマイチ

カンヌ国際映画祭に、日本アニメとして初めて正式出品された、47分間の中編アニメーション映画。劇場では、入場料が1000円均一で公開される。実際に自転車競技を趣味とする高坂監督に、宮崎駿氏が原作コミックをすすめたことをきっかけに、製作が実現された。

「千と千尋の神隠し」(作画監督を担当)をはじめとするスタジオ・ジブリ作品に、深く関わってきた監督だけに、アニメーションとしてのクォリティは高く、47分間の短さとはいえ、単独上映に耐えるだけのものは充分ある。

作中では、競技スポーツとしての自転車を、ディテールにこだわって描いており、隊形における戦術等、集団戦としての側面、水の補給シーンなど、実写よりもある意味リアリティを感じさせる。

50点
あまり手塚らしさは感じない、平凡なこどもアニメ

手塚プロ、6年ぶりの新作アニメ。西遊記を、比較的忠実にアニメーション化した作品である。

本作は、説教臭さの無い、ただ純粋に悟空の大活躍を描いたアニメとなっている。長大な原作を、わずか90分にまとめているわりに、案外無理無く感じられるのは、あまりに有名な話だからか。

ドラマに伏線がないので、話が平坦である。まあ、小学生くらいのお子さんとみるアニメなので、とりわけそれがマイナスという意味では無いのだが。

50点
見事な美術とレトロな雰囲気を楽しむメロドラマ

アカデミー主要4部門にノミネートされた、古典的メロドラマ。

まだ偏見や差別意識がごく普通に存在していた、1957年のコネチカット州が舞台。キャシー・ウィテカーはいわゆる“理想の主婦”。一流企業の重役に就く夫フランクの妻、そして2児の母として、地域でも一目置かれる存在だった。

ところがある日、残業のフランクのもとへ夕食を持って行った彼女は、夫のある秘密を知ってしまう。それ以来、心が不安定になったキャシーは、優しい黒人の庭師レイモンドと交流を深めていくのだが。

50点
スポーツシーンは面白いが、それを見るだけの映画にとどまっている

エクストリーム・スポーツを題材にしたアクション映画。各スポーツのトッププレイヤーを集めた、本物のスタントシーンが売り物。

ストーリーはおまけ程度なので、期待は無用。スノボーとスキーを中心とした、(CGではない)本物のアクションのみを楽しむ映画である。

ただ、そうはいってもアクション映画にとって、ストーリーは意外に大事なものである。いくらアクションシーンが優れていても、ストーリーに上手に組みこまれていないと、観客の驚きや興奮は高まらない。そう感じた経験が、この手のアクション至上主義映画を見たことがある人には、誰しもあるだろう。

50点
挿入曲が好みに合う人にすすめたい

ダスティン・ホフマン、スーザン・サランドン、ホリー・ハンターといった、アカデミー賞の常連俳優が競演する感動ドラマ。

男の子にとっては、彼女や奥さんの父親との関係と言うのは、なかなか微妙でデリケートな人間関係であるが、本作はそこらへんを上手に、リアルに描いてある。ホフマン演じる婚約者の父親は、不器用で、娘の死という現実をいまだに受け止め切れない男だが、さすがにホフマンは上手い。キャスティングをみればわかる通り、『ムーンライトマイル』は、主にこうした俳優陣の演技力を楽しむ映画といえる。

また、タイトルはローリング・ストーンズの同名曲の事であるが、この曲は、アルバムの片隅にひっそりと収録されていたマイナーなもの。映画の舞台は70年代なのだが、決してその時代のヒット曲は使いたくないという、監督の意向をくんだ選曲となっている。監督は、自らサントラのライナーノーツ(解説)まで書いたというほど音楽にはこだわっているので、この点も映画の見所と言えるだろう。

50点
設定は斬新だが中身は退屈

シャネルのモデルをやってるアナ・ムグラリス主演の、一風変わったフランス製恋愛映画。

どう変わっているかというと、『メメント』という映画を見た人ならわかると思うが、男の方があの病気なのである。つまり、数分間しか記憶を保持できない病というやつである。

そんな男とつきあう女も相当変わっていると思うが、映画なので仕方がない。彼女は、どうやら我々の予想をはるかに上回るプラス思考の持ち主のようで、「この彼となら、いつも新鮮なセックスが楽しめるわ!」という事に気付き、毎日やりまくるのである。フランス人の思考がよくわかる瞬間である。

50点
ひねった邦題は良いが、内容はフランス的なヘンさがある映画

砂漠を、ワルどもが大型トラックでただひたすら走るという、フランス製クライムムービー。

自然光を中心としたコントラストの強い画面は、とても乾いた印象がある。横長のシネスコサイズでみると、より殺伐とした印象のある映画だ。

全編砂漠が舞台。撮影は、砂漠のハリウッドこと、ワルザザートで行われた。ここは、『ハムナプトラ2』や『ブラックホーク・タウン』でも使われた事で知られる。

50点
道教に興味のある人ならもっと楽しめる

道教をテーマにしたオカルト・スリラー。

道教をモチーフにした奥行きのある背景世界を持ち、マニア心をくすぐるちょっとした仕掛けが随所にしかけられている。そうしたディテールを拾って、おのおのが解釈を楽しむという、エヴァンゲリオン的な楽しみ方をするリピーター狙いといったところであろう。

しかしながら、日本人は道教なんて知らないよという時点で、本作の敗北は決定している。必死に解説本などを同時販売するなどして、宣伝をてこ入れしているが、どこまで効果が上がるか。私はかなり悲観的である。

50点
セガールはどんどん太っている

スティーブン・セガール主演のアクション映画。つい先日公開された『奪還 アルカトラズ』とあわせ、ただいまソニーピクチャーズでは、セガール祭りを開催中のようである。

あちらに比べると、『撃鉄』のほうが、映画としてはずっと本格的だ。複雑で厚みのあるストーリーは、なかなか見応えがある。とはいえ、所詮はセガール映画であるから、これが評価に良い影響を与えるかどうかは、微妙な所である。

今までのセガール映画と同様に、ノー天気に見ていると、この作品は複雑な話(というか、登場人物の相関関係がややこしい)なので、頭がこんがらかってしまう、御注意を。

50点
ケイト・ウィンスレットの妊婦姿は特殊メーク無しだと思う

第2次世界大戦中のイギリスを舞台にした、軍事サスペンス映画。

前半は会話ばかりで軍事用語に疎い人などには退屈かもしれないが、後半には見せ場の暗号解読シーンがあり、ダイナミックな演出によってエンタ性も高まる。ただ全体としてみると、物語に抑揚がない点は、少々不満の残るところ。

当時の雰囲気を再現した美術は見事で、クラシックな車同士によるカーチェイスまである。ノロノロした動きがまた、ノスタルジックを感じさせる。スピードは遅いが、緊迫感はなかなかのもの。

50点
田舎の方言がいい味を出している、のどかなサスペンス

警官が、ある日起きたら拳銃をなくしたことに気づき、捜索を始めるという中国映画。

なんか、アメリカ人が大都市を舞台に作りそうなストーリーだ。だが、この映画は中国映画だし、舞台はのどかな田舎である。このアンバランス加減は、口では説明しようのない不思議感覚だ。

で、主人公の警官は、昨日出席した村の結婚式の会場に落としたのかと探しにいったり、村人(全員知り合い)に聞きまわったりする。

50点
孤高のデザイナーとしての存在が際立つドキュメンタリー

ファッションデザイナーのジョルジオ・アルマーニを1年間追ったドキュメンタリー。

一言で言えば、ファッション通信拡大版といったところ。オシャレな音楽や、絵作りもなんだか似ている。あの番組が好きな人なら、それなりに楽しめるだろう。

アルマーニの普段の生活や考え方、どんな交友関係があるのかなどが、わかるようになっておりファッション業界に興味ある方には、とくに楽しめる内容になっている。

45点
忠実な実写化だが

「東京喰種 トーキョーグール」は石田スイの原作漫画が大人気なだけでなく、主演の清水富美加が精神を病み出家する原因となったひとつではないかということで、大変な話題になっている。

喰種(グール)とよばれる亜人種たち。彼らは人肉のみを食料とすることから駆逐対象となっていたが、普段は身を隠して人間社会に溶け込み暮らしていた。平凡な大学生のカネキ(窪田正孝)は喫茶あんていくの常連だが、そこで出会ったリゼ(蒼井優)という美少女に惹かれ、やがてデートにこぎつける。

原作でいう3巻くらいだろうか、そのあたりまでを無難にダイジェストした内容となっている。

45点
池内博之が抗日映画化を食い止める

「レイルロード・タイガー」はいかにも中国国内向けに作られた作品だが、今ではこういう映画にジャッキー・チェン&ジェイシー・チェン親子や元EXOのファン・ズータオ、さらにここでは名前を出せない大スターが普通に出演する。映画業界における中国市場の存在感は増すばかり、である。

1941年の中国。レイルロード・タイガースなるゲリラ組織を率いる鉄道員マー・ユエン(ジャッキー・チェン)。もっとも彼らが普段やっていることといえば、鉄道内から日本軍の物資をくすねるくらい。ところがあるとき仲間の負傷兵から軍事的要衝の鉄道橋爆破を託される。これまでとは次元の異なる命がけの大作戦に、はたしてマーとレイルロード・タイガースはどう挑むのか。

中国ではおなじみのストーリーをアレンジした映画化ということで、まあ言ってしまえば抗日映画、ということになる。

45点
無理な設定をうまくカバーしてくれないと

思わずタイトル買いしてしまいそうな目を引く題名だが、肝心のその理由を納得させることができなかったため、最後まで乗り切れずに終わってしまった。

バラエティー番組の放送作家・三村修治(織田裕二)は、末期のすい臓がんで余命半年と宣告されしまう。持ち前のテレビマン精神で、人生の最期をこそ明るく演出したいと考えた修治は、残された家族のため自分の代わりによき夫、よき父となってくれる男を探し始める。

不幸でさえエンタテイメントに変える、変えたい。そういうテレビマンならではの理由付けはギリギリ納得できなくもない。だがそのために浮気の狂言までするのはやりすぎというものだ。

45点
タワーマンション住民間の格差とは

タワーマンション在住といえば聞こえはいいが、じつは住民の間では上層階と低層階で明らかな格差問題が存在する。上の住民は下々の人々を見下し、ありとあらゆる場で低層階住民は劣等感にさいなまれることになる。その見えざる人間関係のドロドロが究極にエスカレートしたら……? 映画「ハイ・ライズ」は、そんなタワマンの悲劇をシニカルに描いた社会派の寓話的ドラマである。

ロンドン郊外にそびえたつタワーマンションの一群。その一つの中層階に越してきた独身医師のラング(トム・ヒドルストン)は、さっそく住民のパーティーに誘われる。だがそんな華やかな暮らしの陰に、住民間で軋轢が生じていることに気付く。生活のあちこちでいざこざが起き、やがてその不満の臨界点を超す日がやってくる。

日本では偶然、同テーマのテレビドラマの放映も予定されていることもあって、これは現代の物語だと思う人がほとんどだろうが実は違う。J・G・バラードの原作は40年以上も前に発表されたものであり、映画もその時代を舞台にしている。

45点
監督の急死が悔やまれる

前作「シンドバッド 空とぶ姫と秘密の島」を私は、幼児から小学生低学年向けの映画としてはきわめて良質だということで各地でオススメした。本作はその続きにあたるが、今回の出来はイマイチである。3部作の真ん中の宿命といえばその通りだが、1作目を強く推してきた身としては、思わず肩を落とした。

魔法族の姫サナ(声 田辺桃子)たちと共にバハル号で海の旅に出たシンドバッド少年(声 村中知)は、悪神殿とから見知らぬ島へと上陸する。やがて彼らはサナの言葉を頼りに、この島で魔法のランプを探すことになるが……。

少年の独立心と母からの旅立ちを重ね合わせ、腰の重い演出で描いた一作目。だが本作は単なる見せ場の連続といった感じで、よくある単純な子供向けアニメになってしまった。

45点
人物に焦点をあてたドキュメンタリー

「一献の系譜」は、能登を舞台に伝統的酒造りを行う杜氏の世界を、人物に焦点を当てて描くオムニバス形式のドキュメンタリーである。

日本人ならば、日本酒の魅力は多かれ少なかれ知っているものだ。お正月や結婚式には、子供たちでさえ杯を持つくらいはするし、独特の香りは原体験として私たちの鼻腔に残っている。

あらゆるお酒の中でも特別なものである上に、その繊細な味わい、酒造りの職人的側面も興味深い。だからドキュメンタリーの素材としては、多くの人が追いかけたいと思っているはずだ。

45点
序盤がもたつく

興行収入がいいからといって、出来がいいとは限らない。要の東西問わずそれは一つの真実だが、全米オープニング興収歴代ダントツトップをたたき出した「ジュラシック・ワールド」ですら例外ではない。

本物の恐竜を再現したジュラシック・ワールド。若き運営者のクレア(ブライス・ダラス・ハワード)はDNAを操作した新種の肉食恐竜をパークの目玉として作り出すが、飼育員オーウェン(クリス・プラット)は自然の摂理を無視したそんな商業主義に強く反対する。

ダメ作の誉れ高いシリーズの途中作をすっ飛ばして、傑作たる一作目の続きからリブートする。「ターミネーター:新起動/ジェニシス」と同じく、最近流行のやり方だ。

45点
不要な原作改変部分が多い

「土竜(モグラ)の唄 潜入捜査官 REIJI」(2014)、「クローズZERO」(2007)などコミック作品の映画化には定評ある三池崇史監督だが、「神さまの言うとおり」では珍しくその腕が鈍った印象である。

高畑瞬(福士蒼汰)が通う高校のクラスで授業中、突然教師の頭が爆発した。その亡骸から登場した謎のダルマは、その場でいきなり「ダルマさん転んだ」を開始。わずかでも動いた生徒たちも次々と爆裂死する。瞬の退屈な日常はその瞬間に終わると同時に、命がけのサバイバルゲームが始まるのだった。

映画版「神さまの言うとおり」には原作からの重要な変更箇所がある。それはいわゆる「小便小僧編」以降の展開で、ここから先は映画オリジナル。結末に至るまでの後半もまるっきり異なる。

45点
意欲作だが失速

アーノルド・シュワルツェネッガーという俳優は昔から、自らの筋肉量に振り回されてきた印象がある。全盛期にはそうしたアクション専門のレッテルを打破するべく、無理やりコメディをやってみたりするが、いまいち乗り切れなかった。

およそ全スポーツの中で、もっとも知識と忍耐力、計画性を問われるであろうボディビルのチャンピオンだった彼にとって、筋肉バカなどと揶揄されるのはたまらないことだったろう。政治家への挑戦もそうした反骨精神が根底にあると思われる。カリフォルニア州知事を経て映画界に復帰した後も、ファンサービスに徹するスタローンとは異なり、新しい挑戦を続けている。

そんな彼が選んだ「サボタージュ」は、なるほど過去の出演作とはずいぶん異なる、相当な異色作であった。

45点
コンセプトが不明瞭

未来の記憶を持ったまま過去にいけば、それはほとんど万能感に近いものがあるだろう。そんな逆ドラえもんとでもいうべき設定の物語はいくつもあるが、「幕末高校生」は、幕末の江戸時代にタイムスリップする歴史SFである。

1868年の江戸にタイムスリップしてしまった高校歴史教師の未香子(石原さとみ)と3人の生徒たち。彼女は勝海舟(玉木宏)と出会うが、毎日することもなさそうに、のほほんとした彼からは危機感がまったく感じられない。歴史上、新政府軍による江戸総攻撃が間近に迫っていると知る未香子は、無血開城のカギとなる勝のそんな能天気さにやがて不安を感じ始める。

どうもいろいろとずれを感じる企画である。あんなにかわいらしい歴史教師を出していながら色気ゼロ。ということは、ようするに男性よりも歴女向けということなのだろうが、かといって男性キャラにさほど魅力的な人物が配されているわけでもなく。

45点
映画らしさがほしいところ

映画とテレビの違い。それをすっきり説明するのは難しい。映像作品という点では同じであり、アメリカと違って日本の場合は出ている役者もほぼ同じだ。だが両者を並べると、やはりどこか違いがあるわけである。

東城医大の田口(伊藤淳史)と厚生労働省の白鳥(仲村トオル)も参加する、日本初のオートプシー・イメージング(Ai)センター発足プロジェクト。それは死因究明を巨大なMRI「リヴァイアサン」の画像などから、これまでにない精度で行うというものだった。ところがそのオープンに合わせ、センターを標的とする犯行予告が届き、関係者は騒然となる。

竹内結子と阿部寛共演の映画版から始まった海堂尊原作の医療ミステリドラマだが、こちらは2作品つくられた映画版とは異なり、同時進行で人気を博したテレビドラマ版の映画化となる。

45点
どうシリーズの個性を出していくか

大勢のヒーローが世界観を共有するマーベル・シネマティック・ユニバースも8作目。ようやくヒーローも出そろった感があるが、一番強いはずのソーが、一番パッとしない印象なのはなぜなのか。

アベンジャーズとして活躍、地球の危機を救ったソー(クリス・ヘムズワース)。あれから1年、今度はロンドンで謎の重力異常が起き、調査に行った恋人の物理学者ジェーン(ナタリー・ポートマン)の身にある事故が起きてしまう。彼女を救うため、ソーは自分の世界であるアスガルドへ連れていくが、その軽率な行動がアスガルドに壊滅的な危機をもたらしてしまう。

北欧神話でハンマー片手に勇ましく立つ戦神トールをモデルとするソーは、このアメコミ設定でも最強の戦神として圧倒的な戦闘力を誇る。演じるクリス・ヘムズワースの肉体もいままさに全盛期で、丸みを帯びた大胸筋に甘いマスクは、マッチョ好き女性の理想形といえるだろう。

45点
日韓合作の良いところも悪いところも

韓流熱は急速に冷え込み、政治家は挑発を繰り返す。かつて無いほどギスギスしている日韓関係だが、映画会は何のその。サントリーミステリー大賞読者賞を受賞した司城志朗のサイエンスミステリ小説『ゲノムハザード』の映画化は、日韓合作、それも企画から配給まで密接に共同作業を行う密着型で製作された。

石神武人(西島秀俊)は帰宅した自室で妻の死体を発見する。ところがそこで鳴った受話器をとると、何も変わらない妻の声が聞こえてくる。混乱する彼のもとに、怪しげな男たちが現れる。危険を察知して逃げる石神は、目の前にいた韓国人女性ジウォン(キム・ヒョジン)の車に乗り込み逃走を図るのだった。

何かの理由で記憶がおかしくなった男の、自分を取り戻す戦いを描くサスペンス。

45点
監督交代でパワーダウン

アメリカ映画において、シリーズものの途中で監督が替わるのはよくあること。一作目を大御所が軌道にのせ、離陸したシリーズを新人や中堅に任せるのは王道でもある。そうして様々なリソースを節約しつつ、人材も育てながら最大限の効果をあげるというわけだ。

「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」(10年、米)の続編である本作もそんなひとつ。はたして吉と出るか凶と出るか。

海神ポセイドンと人間のハーフであるパーシー(ローガン・ラーマン)は、完全なる安全地帯であるはずのハーフ訓練所で結界を破った怪物に襲われる。原因は結界を守る大木が敵の策謀により枯れ始めていること。大木復活のために「黄金の毛皮」が必要だと知ったパーシーとアナベス(アレクサンドラ・ダダリオ)、グローバー(ブランドン・T・ジャクソン)らは魔の海へと旅立つことにしたが、そこに意外な人物が同行を申し出てくる。

45点
お下劣テディベア

全世界の子供たちに愛されるテディベア。あの、もふもふの可愛らしいぬいぐるみとおしゃべりできたらどんなに幸せだろう……。そんな子供たちのささやかな夢が実現する「テッド」は、しかしブラックジョークたっぷりの、決して夢見る子供たちには見せられないきつい一本だ。

少年時代に奇跡が起こり、大好きなぬいぐるみのテディ(声:セス・マクファーレン)と文字通りの親友になれたジョン(マーク・ウォールバーグ)。だが、片時も離れず27年経った今では、テディは不良中年と化し、ジョンも引きずられてダメ人間に成り下がっていた。

持ち主もテディベアも中年になり、毒舌お下品なやりとりを繰り広げる。見た目のかわいらしさとしゃべりのアンバランスに、おもわず顔をしかめながらも笑ってしまう、インパクト抜群のコメディ映画だ。

45点
男女で評価が分かれるスリリングな女性映画

いまは世界中が不安定な時代である。こういうときにはそこに生きる人間も不安になるのか、最近はメンヘラ女子などという言葉まで生まれるほど、精神的に病んだ人々が増えている。「テイク・ディス・ワルツ」は、そうした気質の女の子の悩みや行動原理を、極めてリアルに描いた珍しい映画。理解するためには、現代的な感性が必要となる作品である。

フリーライターのマーゴ(ミシェル・ウィリアムズ)は、取材先でダニエル(ルーク・カービー)という青年に出会う。自分の心を的確に言い当てる彼に好意を持った彼女は、タクシー相乗りで帰宅しようとするが、驚くべきことにダニエルは向かいの家に住む隣人だった。結婚5年目のルー(セス・ローゲン)とは変わらず仲良しだったが、その日以来マーゴの心はさざ波に揺れ始める。

映画の前半は、ごく普通の恋愛ドラマのように進行する。取材先で出会った男の子と偶然隣人だったというロマンチックな展開。夫がいながら新しい男にひかれていくさまが、スリリングに描かれる。

45点
不況時代にはこういうものが受ける

最近アメリカでは、家族の絆を描いた映画が大人気である。ここまで国民にカネがなくなると、無条件で賛美できて誰でも簡単に手に入れることのできる、もしくはすでに持っている家族を賛美しておくのが一番無難。家がなくなっても金がなくなっても家族さえいれば幸せ。そうした主張は、貧乏人の不満をそらしたい金持ちにとっても、家族以外に何も持ち物がなくなってしまった貧乏人にとっても、どちらにとっても都合がいい。結果、そうしたテーマの企画ばかり、グリーンライトをともされる。マーケティングの鬼であるアメリカ映画業界を見ていれば、あの国の本質が透けて見える。そろそろ投資しているみなさんは要注意、である。

由緒ある原住民の末裔としてハワイで暮らすマット(ジョージ・クルーニー)は、こん睡状態で眠り続ける妻が浮気していたことを知りショックを受ける。さらに彼は、先祖から託された土地をどこに売るかという大問題も早急に解決しなくてはならなかった。

主人公が不幸な出来事に直面し、そこから立ち直るため、現代アメリカ人・不動のよりどころたる「家族の絆」に立ち返る物語。舞台がハワイの上流階級の話であるといった以外は取り立てて何の変哲もない話である。

45点
パワーダウン続編

前作「タイタンの戦い」(10年)は、なかなかいい映画だったが3D版がイマイチという弱点があった。もっとも3Dは鑑賞する劇場や席の位置によって印象が大きく変わるもの。そこで今回私は、なるべく良い視聴環境で試してみようとこの続編を都内のIMAX 3D劇場で鑑賞してみた。

全能の神ゼウス(リーアム・ニーソン)と人間の間に生まれた半神の勇者ペルセウス(サム・ワーシントン)は、怪物クラーケンを倒したのち、一人息子と穏やかな日常を送っていた。だがそこにゼウスが現れ、現在天上界のパワーバランスが崩れ、ゼウスらが封じ込めていたクロノスの復活が近いと告げる。人間として、息子と平和な日々を過ごしたいペルセウスはゼウスからの援軍の頼みを断るが、それが取り返しのつかぬ悲劇を招いてしまう。

この映画は冒頭のキメラ戦、クライマックスのクロノス戦ともに重要な戦いの見せ場が昼間の屋外におけるシーンなので、林立するデジタル3Dの中でももっとも画面が明るいとされるIMAX 3Dが適しているだろうと思って鑑賞したのだが、その期待は空振りに終わった。

45点
サッチャーの素顔に迫る

イギリス労働者階級にとって、賃金低下と格差の拡大をもたらした新自由主義は不倶戴天の敵、その評価はボロボロである。その強力な推進者であったマーガレット・サッチャー元首相もまた然り。

しかし、この人物が良くも悪くも世界中に影響を与えた20世紀を代表する大政治家のひとりであることに変わりはない。

だから、彼女を好意的に描いた「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」のような作品ができたとしても、それはそれで形になる。そこが薄味の政治家しかいない日本に住む身としては少々うらやましい。

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