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2121件中 1451~1500件 を表示しています。
50点
反原発派のオールスタームービー

まもなく東日本大震災から1年ということで、関連作品の公開が相次いでいる。その中でも本作は、昨年末にCS放送・朝日ニュースターで放映された番組に新規映像を加えたもの。岩井俊二監督みずから製作・監督した、原発問題に焦点を当てたドキュメンタリーとなっている。

中身は岩井監督が「震災後に仲良くなった」と語る、おもに反原発思想の活動家や文化人に事故後の日本についてインタビューしたもの。被災地にも乗り込んでいるが、良い機材と安定したカメラワークで、これまでの岩井監督作品同様、穏やかなタッチの映像となっていることが特徴的である。この点、先日公開された『311』(森達也監督)が伝える生々しさとは対照的である。

この安定した画と、反原発派の人たちの迷いのない主張によって、震災後の混乱の中撮影されたとは思えない程の完成度の高さを実現している。

50点
≪綺麗ごとの名のもとに大量殺戮≫

来年公開予定の「ジ・アベンジャーズ」をゴールとする幾多のマーベルコミック映画の、単独ヒーローものとしては最後の1本。アイアンマンやハルク、マイティソーらが集結する「ジ・アベンジャーズ」は空前のオールスターヒーロー映画となる予定だが、05年の企画開始から始まる長きこのシリーズも、いよいよ佳境となるわけだ。

ときは1941年、ナチスドイツが欧州でその力をふるっていたころ、正義感の強いアメリカ人青年スティーブ(クリス・エヴァンス)は祖国と自由を守るため軍に志願しては不合格の烙印を押される日々を過ごしていた。というのも、スティーブは女性並みに体が小さく、何も知らない周りからは嘲笑されているほどだった。だがアースキン軍医(スタンリー・トゥッチ)はただ一人、そんな彼の鉄の愛国心を見抜いていたのだった。

さて、そんなもやしっ子のスティーブは、心優しい博士のはからいでスーパー兵士づくりの実験台として採用される。そんなものに採用されて幸せなのかどうかは知らないが、この実験というのがすごい。

50点
≪佐藤寛子の脱ぎ度は文句なし満点≫

女性の過去を知ることで、愛が深まるパターンは多い。その過去が意外で凄惨なほど、愛も深まる。相手の抱える闇が深いほどに、そこから引っ張り出してやりたい、救いたいと思うのが男の常。そんな自分の英雄性に酔っているのか、相手への優越感なのかはわからないが、そういうものを「純愛」と呼ぶことが、言い知れぬ心地よさを生み出すことは確かである。

そして男と女の悲しいすれ違いはこの時点から始まる。「純愛」に酔いしれ、すべてを捨てて女に尽くそうと思った頃、女はそんな男をウザいと感じ始める。これを喜劇とするか、悲劇にするかは描く映画監督次第である。

いったい何が言いたいのかというと、「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」の主演、佐藤寛子のオッパイは最高だよということだ。

50点
アニメ版でなく、大林監督版のファン限定作品

『時をかける少女』にしろ、『サマーウォーズ』にしろ、あるいは『耳をすませば』にしろ、その魅力はどこかノスタルジーを感じさせる点にある。「今では汚れきった俺にも、こういう純情だった時代あったよなぁ」などと感動するわけだ。

だがよくよく考えてみると、自分の学生時代にそんな甘酸っぱい体験などどこにもなかった事に気づく。ある意味、見ただけで欝になりかねない危険な作品群である。

高校3年生のあかり(仲里依紗)の母で薬学者の芳山和子(安田成美)が交通事故で昏睡状態に陥ってしまう。一時的に目を覚ました和子は、あかりに「1972年に行って深町一夫に会わないと……」と謎めいた言葉を残す。そこに母からの願いを読み取ったあかりは、さっそく母が作った薬で過去に戻ろうとするが……。

50点
それでもそこらのB級スプラッターよりはマシか

『ソウ』シリーズは、傑作だった1作目の残滓をどこまで搾り出すつもりなのか、それが個人的には一番気になる「謎」である。

<以下、パート5までの内容を含むため、未見の方はご注意ください>

FBI捜査官ストラムの死体が発見され、状況からジグゾウの後継者は彼ということで事件捜査は一旦終結を見た。だが、ストラムの上司エリクソン(マーク・ロルストン)だけはそれを信じず、いよいよホフマン(コスタス・マンディロア)の正体に迫りつつあった。一方ジョン(トビン・ベル)の妻ジル(ベッツィ・ラッセル)は、その遺品の扱いに頭を悩ませていた。

50点
みるなら3D以外にない

日本でも先日オープンした「IMAX デジタルシアター」のような巨大スクリーンで、立体映画版を見る。そうした楽しみ方でないと、『モンスターVSエイリアン』を十分に堪能することは不可能だ。

隕石に接触したせいで巨大化し、せっかくの結婚式が台無しになってしまったスーザン(声:リース・ウィザースプーン)。彼女はそのまま軍に捕獲され、他のモンスターと共に秘密基地に監禁されてしまう。そんな折、地球にエイリアンが襲来。その圧倒的戦力に困った政府は、スーザンとモンスターたちにエイリアン退治の望みを託す。

巨大化しただけで化け物扱いされてしまったスーザン(いや十分化け物と思うが……)は、当初は「私はモンスターじゃない、人間よ!」と叫んでいるわけだが、人助けしても差別される他のモンスターたちの境遇に同情し、徐々に自らの考えを変えてゆく。かつての婚カツにいそしむ若い女の子ではない、本当の自我に目覚めるという成長物語だ。最近流行の、擬似家族要素も盛り込まれている。

50点
"特別感"はないが、退屈はしない

本作は、テレビ朝日の人気刑事ドラマ『相棒』シリーズのスピンオフ。薄味でいかにもテレビドラマ的ではあるが、「映画」らしさにこだわらない人ならまあいいんじゃないか程度のレベルには仕上がっている。

昨年公開されヒットした『相棒-劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン』のサイドストーリー的内容なので、該当作の鑑賞は必須といえる。

鑑識課の米沢守(六角精児)は、東京ビッグシティマラソン事件の捜査中、ランナーの中に失踪中の元妻・知子(紺野まひる)の姿を見つける。ところが翌日、彼女は死体で発見される。そこに知子のもと夫と名乗る刑事・相原誠(萩原聖人)が現れ、米沢は二人で協力して独自の捜査を開始する。

50点
スッキリしない007最新作

長年続いたシリーズキャラクターが変更になると、何はともあれ当初は批判の嵐となる事が多い。前の人が愛されていた場合はなおさらだ。最近の例を挙げれば、NHK朝の子供番組で、歴代お姉さん史上有数の歌唱力と美貌、そして画力をそなえたはいだしょうこが番組を卒業したときがそうであった。

だが、あれだけ強力な個性の後でありながら、後任の美人音大生は臆することなくフラダンスを踊り、あっさり視聴者の支持を勝ち取った。何事も真摯に打ち込めば、わかってくれる人はいるものなのである。

新ボンドことダニエル・クレイグが、前作「カジノ・ロワイヤル」で抜擢された際も、ジェームズ・ボンドとしてはあまりに異質なその雰囲気に、反対意見が多かった。だが今ではどうか。歴代ボンドの中でも最高とすら言われるほど磐石な人気である。

50点
パニック超大作の数々を、突っ込み不在でボケ倒しまくるパロディムービー

ハリウッド超大作のパロディ映画は、アメリカの若者にある程度のニーズがあるので途絶えることがな

い。「鉄板英雄伝説」(07年)に続くジェイソン・フリードバーグ&アーロン・セルツァー監督作品

『ディザスター・ムービー!おバカは地球を救う』も、同系統のギャグ映画だ。今回はタイトルどおり

50点
セガール20周年記念作

映画デビュー20周年となるスティーヴン・セガールの記念作は、もはや中身を想像することさえ不可能な意味不明なタイトルを持つ、しかしそれでも何の問題もないであろう彼らしいアクション作品である。

警官の職を失ったマット(スティーブン・セガール)は、今夜もギャンブルにおぼれ負けが込んでいた。すっかり首が回らなくなった彼の前に男が現れ、マットの借金をすべて肩代わりしたと告げる。その代償として男は、法で裁けぬ悪党どもを処刑しろとマットに要求するのだった。

今回のセガールは、最初から最後までワルである。やってることはともかく、キャラクターの本質であるワルっぷりが一番の見所と言える。

50点
毎日誰かに殺される男が、理不尽な無限ループから抜け出すには?

08年6月に亡くなったスタン・ウィンストンという特撮マンがいる。『エイリアン2』や『ターミネーター』『シザーハンズ』に『ジュラシック・パーク』といった、そうそうたる経歴で知られるSFX界の巨匠だが、この『今日も僕は殺される』が最後のプロデュース作品となってしまった。

人気ホッケー選手のイアン・ストーン(マイク・ヴォーゲル)は、計測時計の不具合で試合に負け、ふてくされていた。その晩、恋人のジェニー(クリスティナ・コール)を送った彼は、踏切の線路上に誰かが倒れているのを見つける。車を降り、おそるおそる近づいてみると……。

この映画の主人公は、毎日毎日誰かに殺されるという不条理な体験をする。そのたびに違った人生、日常にワープし、何事もなかったかのように暮らし始めるが、前世?の記憶がよみがえると途端に猛烈な違和感にとらわれる。どの日常にも現れる謎の男、悪意を持った集団、そして恋人。この奇妙な出来事の真相とは? 彼の宿命とはなんなのか。サスペンスにもとれるあらすじだが、むしろ現実的な範疇にとどまろうとしているホラームービーと考えた方がよい。

50点
三池崇史監督&柴咲コウ主演『着信アリ』のハリウッドリメイク

和製ホラー『着信アリ』シリーズにおける「携帯電話によって呪いが伝播する」という秋元康のアイデアは、なかなか質の良いお茶っ葉であった。アジア各国でもこの味は受け、結局同じ茶葉で3回も4回も出す事になった。さすがにもう出ないだろうと思ったら、その出がらしを今度はハリウッドに持っていった。どうせアメリカ人は味オンチだから大丈夫、というわけか。

女子大生レアン(アズーラ・スカイ)の携帯に、聞いたこともない着メロが流れる。留守電には3日後の日付で彼女自身の悲鳴のようなものが録音されていた。それを聞いた親友ベス(シャニン・ソサモン)の頭には、つい先日赤いキャンディを口に自宅の庭で溺死した別の友人シェリーの悲劇がよぎるのだった。

ただひとり不気味な着信のことを信じてくれる男性が、この米国版では被害者たちと似た形で妹をなくした警察官だったりする。その程度の違いはあるものの、中盤までの展開はおおむね日本版オリジナルと似通っている(その後どうなるかはお楽しみ)。

50点
逃亡犯を父親に持つ少年の、変わらぬ親子愛

実話を基にした映画というのは、元ネタが強力な吸引力を持っている場合がほとんどで、よほど下手をうたなければそれなりに見られるものになる。──だが同時に、傑作レベルに昇華させるには相当な手腕が必要となる。

佐賀県唐津市の小さな漁港で猟師を営む尾崎修治(時任三郎)は、あるとき偶然人を殺めてしまい、そのまま逃亡する。それから4年、残された妻(工藤夕貴)と息子(小清水一揮)らの消えぬ苦しみを知った新聞記者(西島秀俊)は、これを苦労談として記事にするのだが……。

元となった話というのはこういうものだ。逃亡犯を父に持つ少年がおり、その子は毎年指名手配犯のポスターが貼られるたび交番にやってくる。そしていつまでも写真の父を眺め、「また今年も会えたね」とつぶやく……。

50点
花嫁付添い人を27回も務めたヒロインがウェディングドレスを着る日はくるのか

アメリカの一般的な結婚式には、新婦の身の回りの世話を焼く花嫁付添い人なる存在がいる。日本の場合はほとんど業者のサービスの範疇と思うが、あちらでは知り合いの女性に頼むのが普通らしい。『幸せになるための27のドレス』は、その花嫁付添い人ばかりを27回も繰り返しているお人よしなハイミスの恋愛物語。

少女時代に出席した結婚式に感動して以来、ジェーン(キャサリン・ハイグル)はすすんで花嫁付添い人を引き受け、他人の晴れ舞台を華々しく演出してきた。いつかは自分が主役になりたいと思いながらも、毎回仕立てる付添い人用のドレスでクローゼットはいっぱいいっぱい。密かにあこがれる上司(エドワード・バーンズ)もまるで鈍感で、恋に進展する気配もない。

結婚式なんてのは、夢から覚める前の最後のイベント──だと思うのだが、ジェーンにとっては神聖でロマンティックな人生最大の晴れ舞台。万年引き立て役のヒロインが報われる日ははたしてくるのか?! てな所がポイントのロマンティックコメディ。

50点
夏合宿を経て、若者たちは裸で舞台に立つ

麿赤兒(まろあかじ)といえば、多数の映画に出演するベテラン俳優(先日、江田島塾長役を演じた『魁!!男塾』が公開されたばかりだ)であると同時に、舞踏家であり舞台演出家でもある。本作は彼の主催する舞踏集団「大駱駝艦」(だいらくだかん)が毎年、白馬連峰の麓で開催する夏合宿の様子を追ったドキュメンタリー。舞踏家としての彼と、その考え方に迫る。

この合宿には、踊りの経験者のみならず、まったくの初心者、それも自分探し的な目的を持つ若者までもが参加してくる。麿赤兒の舞踏を体験させるという意図らしいが、これには驚く。若者たちは、彼の舞踏に対する哲学を学び、奇妙な練習法の数々をひたすらこなすことにより、徐々に顔つきが引き締まってくる。踊りの訓練というよりは、これまでの自分を捨て生まれ変わるための、まるで宗教儀式のようだ。

その「変化」は、大駱駝艦の特徴のひとつである「衣装を着けずに舞台に立つ」ことを知らされたときから如実に現れる。合宿の締めくくりに行われる公演で、彼、そして彼女らは文字通り「裸」で観客の前に立つ。そうやって自分の全存在をさらし、踊るのだ。たとえこの合宿にはじめて参加したものであろうと、その条件はまったく同じ。だからとくに女性たちは、ここでひとつの大きな覚悟をする必要がある。カメラに収められたこのときの彼女らの表情、諦めと決意の入り混じったようなそれは、なんともエロティックである。

50点
五輪メダリストの波乱万丈な一生

『子猫の涙』は、メキシコオリンピックで銅メダルを獲得したボクサー、森岡栄治の一生を描く伝記映画。特筆すべきはこれを監督したのが、実の甥である森岡利行という点。

五輪でメダル獲得の快挙を果たした栄治(武田真治)は、しかしプロ転向数戦目で網膜はく離の重傷を追い、早々に引退に追い込まれる。その後はろくに働きもせず、妻には逃げられ、愛人(広末涼子)を家にひっぱりこんで幼い姉弟の面倒を見させる始末。そんな父の姿を娘の治子(藤本七海)は冷めた目で眺めている。ボクサーとしての栄光の時代を見ていない治子にとって栄治は、ただのダメ父でしかないのだった。

伝記映画には大きく分けて二種類ある。ある人物の人生じたいを描くことに重点をおくもの。人生を描くことで、何がしかのメッセージを伝えようとするもの。どの伝記モノもこの二つの要素を、好みの比率でブレンドして作られているといって良いが、本作は比較的前者の濃度が濃い。森岡栄治の波乱万丈な人生から、各自で何か感じ取ってくれ、という風に読み取れる。

50点
甘酸っぱい青春学園もの……だと思っていると?!

日日日(あきら)の人気ライトノベルの映画化『ちーちゃんは悠久の向こう』は、仲里依紗(なかりいさ)主演でエンドロールに奥華子の歌がかかるという、アニメ版「時をかける少女」人気をあてこんだような人材配置となっている。同じせつない系の青春恋愛ものであるこの両者、ファン層も重なっているという読みなのか。

高校生のモンちゃん(林遣都)にとって、幼馴染の同級生ちーちゃん(仲里依紗)は一番の親友。オカルト好きのちーちゃんに、学校の七不思議なんて迷信めぐりを付き合わされるなど、毎日振り回されっぱなしだが、手作りのお弁当を作ってきてくれたりする人なつこさは、どうしても憎めない。やがてそんな二人の間に、何かとモンちゃんに親切にしてくれる弓道部の先輩・武藤(高橋由真)が入ってきて……。

リアル紺野真琴こと仲里依紗は、スウェーデン系の血が入っている分、ちょっと普通の高校生離れしたルックス。その浮き加減が、デンパ的な行動をうまく中和しており、ちょっと不思議なムードの学園ものとして成立させている。まるで中学生の男が考えたような理想の女の子的な、非現実的なキャラクターだが、あのフシギカワイイ顔でやられると、これがなかなかいい感じなのである。

50点
殺人鬼ジョニー・デップが意外な歌声を披露

都市伝説とは、いつの時代も人々の関心を引いてやまないが、さすがに150年間にも渡り、語り継がれるものは珍しい。

無差別殺人を繰り返す理髪師と、その死体をミートパイにして繁盛する食堂の物語「理髪師とパイ屋の話」はまさにそれ。ちなみにミュージカル版は、トニー賞8部門を受賞した。今回は、長年この題材の映画化を願っていたティム・バートン監督(「チャーリーとチョコレート工場」(06年))による実写映画化。

19世紀のロンドン。悪徳判事の策略で無実のまま流刑にされた理髪師のベンジャミン(ジョニー・デップ)が戻ってきた。彼がいぬ間に、判事に無理やり言い寄られた妻は自殺、愛娘も幽閉されていた。絶望したベンジャミンはスウィーニー・トッドと名を変え、客の喉を掻っ切る復讐の鬼と化した。幸い死体は、物資不足で肉を欲していた大家でパイ屋の女主人(ヘレナ・ボナム=カーター)が、無駄なく処理してくれた。美味しい彼女のミートパイは、やがて町中の評判になる。

50点
陰謀論+観光地めぐり+宝探し

『ナショナル・トレジャー』シリーズは、決して本格的なアドベンチャームービーではない。しかしそのお手軽さは、ハリウッドの手練れたエンタメ職人たちが完璧に計算して打ち出したものであり、なかなか心地よい。

リンカーン大統領暗殺犯の日記の一部が発見された。歴史学者兼冒険家のベン・ゲイツ(ニコラス・ケイジ)は、彼の先祖トーマス・ゲイツの名がそこに記されていたと知らされる。トーマスの無実を晴らすため、ベンは恋人(ダイアン・クルーガー)らの協力を得て、カギとなる秘宝探しの旅に出る。

このシリーズを一言で言うと、陰謀論+観光地めぐり+宝探し、のお気楽アドベンチャーだ。日本で言えば、湯けむり殺人ミステリーみたいなもの。それに冗談みたいな金額をつぎ込んで、豪華にしたと考えればいい。せんべいでもかじりながら、こたつで見るのに適している。

50点
ペンギンサーファーのドキュメンタリー風アニメ

『サーフズ・アップ』は、あらゆる点でひねくれたアニメーション映画だ。一風変わったその作風は、子供の観客はむしろオマケで、ちょっぴり大人層に向いている。

イワトビペンギンのコディ(声:小栗旬)は、伝説のサーファー"ビッグZ"に憧れ、氷のボードでサーフィンに明け暮れる日々。17歳になった彼は、故郷南極を離れ、大会で世界チャンピオンを目指すため南国へと向かう。

アニメとはいえ本格的なサーフィンムービー。なのに日本では真冬に公開、登場人物はみなペンギンで明らかに06年の『ハッピー フィート』を意識。しかし中身はコディを取材する形の、奇妙なドキュメンタリー映像風。サーフィンシーンでは葛飾北斎の構図を使い、実在の関係者もキャラクター化。いたるところ、王道から一歩ズレた裏道まっしぐら、といった印象。

50点
人気シリーズもそろそろマンネリ

この映画の配給会社であるソニーピクチャーズの試写室は最近新しくなったが、昼白色の蛍光灯で真っ白に照らされたそこのトイレの内装を見ると、私はポール・W・S・アンダーソン監督が『バイオハザード』で作り上げたあの独特の研究所のそれを思い出してしまう。いつ壁からレーザーがでてくるかと冷や冷やしてから席に戻ると、気分も同時に盛り上がる。

ところがこのパート3ではそんなこれまでの雰囲気がガラリと変わり、見ているだけで口の中が砂っぽくなるような、荒野・砂漠化したアメリカが舞台に。前作からは8年が経過、人々をゾンビに変えるT-ウィルスは世界中に広がり、人類と文明社会はいよいよ滅亡の危機に瀕している。

残りわずかな食料と弾薬、ガソリンを求める生存者たちは、あるものは略奪者となり、別の人々は集団で移動生活を余儀なくされている。まるで『マッドマックス』や『北斗の拳』のごとき世界だ。シリーズの主人公アリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、T-ウィルス対策を研究するアンブレラ社から遺伝子情報を狙われ、偵察衛星等で24時間捜索されている。その目をかいくぐりながら、オートバイで各地の生存者を探して回っている。

50点
『転校生』より上の世代向けの青春?ドラマ

先日公開された『転校生』リメイク版の記憶も新しい大林宣彦監督による、切ない系ドラマである本作は、同時に同監督の『なごり雪』(02年)に続く、昭和フォークの名曲の映画化作品だ。モチーフとなった伊勢正三の『22才の別れ』は、老若男女誰もが知ってるであろう人気曲で、作中でも何度もあの悲しげなメロディが流されている。

福岡で商社マンとして高収入を得ている44歳の川野俊郎(筧利夫)は、もう37にもなる同僚の独身OL(清水美砂)と、結婚するわけでもなくダラダラとした付き合いを続けていた。そんなある日、川野は『22歳の別れ』を口ずさんでいた不思議系コンビニ店員の少女(鈴木聖奈)と、妙に気のあった会話を交わす。すると後日、バイトを辞めた彼女が彼の家の前で待っているのだった。

さて、この不思議ちゃんはあろうことか主人公に、「エンコーしませんか」などと言う。センター街の地べたで座っている、顔の色のコントラストが激しい女の子たちならともかく、どう見てもそういうセリフが似合うティーンではないのだが、はたして彼女の意図やいかに。

50点
ロハスピープルに贈るロマンティックコメディ

若いときに目いっぱい働いて、早期リタイヤを目指すアメリカのパワーエリートのような生き方にあこがれている人が、最近この国でも増えている。そんな人にとって『プロヴァンスの贈りもの』は、さらにモチベーションを引き出す源になるであろう。

日々億単位のカネを動かすロンドンの敏腕トレーダー、マックス(ラッセル・クロウ)の元に、少年時代なついていたヘンリーおじさん(アルバート・フィニー)の訃報が届く。唯一の近親者ということで、マックスはヘンリーが手塩にかけたぶどう園を相続することに。しかしカネしか興味のない彼は、さっさと売り払う事を決めてしまう。

その手続きのため向かったプロヴァンスの田舎町で出会う人情味ある人々、そしてスタイル抜群フランス娘(マリオン・コティヤール)との恋。やがて少年時代の懐かしい思い出がマックスの頭によみがえり、彼は殺伐とした都会暮らしで失ってしまった人間としての心を取り戻す、そんな良くあるお話だ。

50点
まるで中休み

その年の興行収入では必ずトップ候補となるこの超人気シリーズも、はや5本目。これだけ回を重ねれば、水戸黄門的なマンネリズムを獲得するのが一般的だが、この魔法使いものは、最強最後の敵"ヴォルデモート卿"を倒すという目的に向かうサーガ(冒険譚)であり、同時にキャラクター3人の成長物語であるから、常に毎回新鮮な興味を与えてくれる。

ホグワーツ魔法学校5年生となったハリー(ダニエル・ラドクリフ)は、掟を破って人間界で魔法を使ってしまい、退学騒動を巻き起こす。ダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)のはからいで事なきを得たものの、結果的に校長を追い落としたい魔法省に付け入る隙を与えてしまう。ホグワーツには監視役の女教師が送り込まれ、ハリーは彼女の目を盗みつつ、ロン(ルパート・グリント)、ハーマイオニー(エマ・ワトソン)らと共にヴォルデモート卿対策としてのダンブルドア軍団を結成、訓練することになる。

このシリーズ5作目は、あきれるくらい話が進まない。映画版は1作で1年間を描いているはずだが、肝心のヴォルデモート卿が攻め入ってくる気配も恐怖も感じられない。天下の大魔王もずいぶんのんきなものである。

50点
ばかばかしいパロディながら、作り手の本気度が高感度大

『最終絶叫計画』に代表されるようなハリウッド映画のパロディ作品は定期的にリリースされるが、これもそのひとつ。この手のジャンルを得意とする同作品のスタッフが、相変わらず気合の入った構成で送る最新作だ。

主人公は4人の成長した孤児。暗殺されたルーブル美術館長の娘ルーシー(ジャイマ・メイズ)、メキシコのルチャリブレ(プロレス)から逃げてきたエドワード(カル・ペン)、乗ってた飛行機が蛇に襲われたスーザン(フォーン・チェンバース)、そして背中に羽が生えるミュータントのピーター(アダム・キャンベル)。彼ら4人はそれぞれ板チョコの中の黄金チケットを偶然手にし、あるチョコレート工場に集結する。

そんなあらすじから想像できるとおり、今回の元ネタは『チャーリーとチョコレート工場』『ダヴィンチ・コード』『ナチョ・リブレ』『スネーク・フライト』『Xメン』といったところから始まる。日本では公開中の『ボラット』など、少々マニアックなトコもついているが、ほとんどは大ヒット作ばかりだから普段映画をよく見ている人はほとんどのギャグを理解できるだろう。

50点
映像は綺麗だが、心に残るセリフがない

82年生まれの若手作家豊島ミホによる同名の青春小説は、ごく普通の高校生活を瑞々しく描写して同世代の読者の共感を得た。その映画化である本作も、青春映画の王道を堂々と歩む、直球の学園ものとなっている。

自然に囲まれたとある地方の高校。成績優秀、吹奏楽部の指揮者もつとめる学園のアイドル的存在の加代子(榮倉奈々)を、中学以来思い続けている野球部の西(石田法嗣)。しかし彼女はなぜか西には冷たい。その代わり、エースピッチャーの佐々木と急速に接近していく。一方、音楽ライターを密かに目指し、四六時中ポータブルプレイヤーを手放さない恵(谷村美月)は、生まれて初めて自分と趣味がドンピシャの辻本(林直次郎)と出会い、一気に舞い上がる。

この5人の物語を、柔らかに露出した美しい映像とピアノを中心とした繊細な音楽で描き出す。何の変化球も織り交ぜない、ど真ん中を行く高校生青春ムービーだ。

50点
多くの日本人には響きにくいのではないか

タイトルのサムサッカーとは、親指しゃぶりの癖(thumb sucking)からきている。この映画の主人公は、まさにその癖をやめられない17歳。本作は、彼の成長と苦悩を、等身大のエピソード満載で描く青春映画だ。

17歳になってもサムサッキングの癖がやめられない主人公(ルー・プッチ)。唯一話がわかる歯医者(キアヌ・リーヴス)は、癖の原因を不安だと見抜き、催眠術療法をかけてくれたが、不安解消のはけ口だった癖を失った彼は、よけいにひどい症状に。ところがそのせいで精神科医から処方された抗鬱薬が効果てきめん。別人のようにポジティブになった彼は、好きな女の子(ケリ・ガーナー)とも上手くいき始めるが、それはそれでまた別の問題が巻き起こってくるのだった。

この作品は、非常に普遍的なテーマを扱っている青春映画だ。少年は、欠点を無くすのではなく克服すべき、というのがそれ。この映画の彼の場合は、自分の周りに目を向けられるよう、成長を遂げたことで、本来のコンプレックスも改善に向かっていく。ごく当たり前の事を言っているわけだが、その語り口はユニークだ。

50点
個性あふれる意欲作ではあるが、出来栄えは平凡

元陸上自衛隊員で、保守派として知られる俳優今井雅之が、自身の代表作である舞台劇を、自ら脚本を書き、監督して映画化。海外で高い評価を得た舞台の映画化ということで、全編英語による脚本、セリフの意欲作となっている。

NYで活動するお笑いコンビのマイク(ニコラス・ペタス)とキンタ(ウェイン・ドスター)は、まったく才能がなく、ついにライブハウスを首になった。しかも直後に遭遇した交通事故により、二人とも戦中へとタイムスリップ。ときは1945年の8月1日、神風特攻隊。マイクは岸田守海軍中尉(今井雅之)、キンタは福元貴士海軍少尉(松本匠)の体へと転生していた。

現代アメリカ人の二人が、よりにもよって特攻隊員の体に転生するというお話。しかも、現代人としての記憶や人格を保ったままの転生だから大変である。平均程度の歴史知識しかない、ごく普通のアメリカ人である彼らに、特攻隊など理解できるはずもない。案の定、現場を混乱させる彼らの姿を、時にコミカルに、そしてシリアスに描き出す。全編英語によるファンタジーだ。

50点
題材が中島監督のタッチに合わない

以前、このページで『下妻物語』を紹介したとき私は、「これこそ、このページを信頼してくれる読者の方にずっと見てほしいと私が考えていた日本映画の形だ」と書き、絶賛した。その監督、中島哲也(なかしまてつや)の最新作が、この山田宗樹の同名小説の映画化『嫌われ松子の一生』だ。

内容は、タイトルどおり松子(中谷美紀)という風変わりな女の一生を描くもの。この女性が何者かに殺害されたというところから話が始まる。彼女はゴミ屋敷のようなアパートに住んでおり、周囲との交渉もほぼゼロ。引きこもりで、不健康に太った不気味な女として登場する。

彼女が殺された原因は何なのか、どんな一生を送っていたのか、それを、残された親類の少年が回想するという展開になる。

50点
ジャッキー異色作

ジャッキー・チェンといえば、クンフー映画やコミカルな現代劇で、独特のアクションを見せてくれる大スター。ところが、意外なことに歴史もの、特に武侠アクションといわれるジャンルは未踏であった。『THE MYTH 神話』は、そんな彼がはじめて挑戦した、香港=中国合作の武侠アクション映画だ。

映画は、2200年前、秦の始皇帝の時代に生きるジャッキー(皇帝の将軍役)と、現代のジャッキー(考古学者役)のストーリーが交互に展開する。2200年前の物語は、考古学者が見る奇妙な夢の物語として描かれる。二つのストーリーは、2200年前のジャッキーが警護していた姫(キム・ヒソン)の存在により、最終的に一つにまとまり、感動のラストを迎える。なかなか壮大な構成で、一言でいうと、数千年にわたる愛の物語となっている。

歴史ものと、現代アクションを同時に見られるようなもので、なかなかお得感がある一本だ。まず、まじめで行動的な考古学者役のジャッキーは、寺院で大立ち回りを演じたり、インドの美女(マリカ・シェラワットという、人気上昇中のナイスバディなインド人女優が演じている)に助けられたりと、相変わらずの大活躍。

50点
さわやかで勢いのある野球ドラマ

『ピーナッツ』は、ウッチャンナンチャンの内村光良が、初めて監督した映画作品である。野球を題材にした人間ドラマで、コメディ色もたっぷり(しかしやりすぎてはいない)、万人むけの娯楽映画に仕上がっている。

そのウッチャン演じる主人公は、スポーツものを得意とするライター。かつて自身が所属した草野球チーム「ピーナッツ」について書いたドキュメンタリーが、好評を得たこともあったが、今はスランプ中だ。そんな彼が、何かを思って故郷に戻ってきた。しかし地元商店街は大規模再開発の波にもまれ崩壊寸前、かつてのチームメイトたちも、バラバラになっていた。

さて、そこから先は、仲間たちを集めてチームを再結成、ある目的のために、背水の陣で試合に臨むという王道の展開。オジサンたちの再奮起、やればできるんだという"みんなガンバろうぜ!"式の青春(?)ドラマになっている。

50点
安全パイの塊

年末恒例の長編ディズニーアニメーション。……とはいえ、『チキン・リトル』には、これまでのディズニー作品とは大きく異なる点がある。それは、この作品は、はじめてディズニーが自前で製作した、フルCGアニメ映画ということだ。

ちなみに、大ヒットした『ファインディング・ニモ』や『Mr.インクレディブル』は、3D-CGの技術に定評があるアニメスタジオ、ピクサー社が製作し、ディズニーの名前を冠して配給された。今回はじめて、ピクサーのネームバリューに頼らない、ディズニー純正CGアニメの実力が試される。要注目である。

のんびりした小さな町で暮らすニワトリの少年(声:ザック・ブラフ)は、ある日"空の破片"が落下してくるのを発見する。町中をひっくり返すような大騒ぎに発展したものの、結局破片は見つからず、皆から笑い者になる始末だった。大好きな父親の信頼もなくし、失意の中、再び彼は"空の破片"を目撃する。

50点
アメリカ人の気持ちを考えて楽しむコメディ

アメリカ人は、コメディ映画が大好きだ。最近の日本人は、純粋なコメディを映画館で見るという習慣があまりないので、ともするとこれが日米映画業界における、最大の相違かもしれない。ちなみにそのアメリカで、コメディ映画史上、興収ナンバー1を取ったものすごい作品がこの『ミート・ザ・ペアレンツ2』だったりする。

ストーリーは前作の続きから始まる。ようやく恋人の父親(ロバート・デ・ニーロ)から結婚の承諾を得た主人公(ベン・スティラー)。しかし、次は自分の両親に、彼女側の家族を引き合わせるという試練が待っていた。

主人公の両親を演じるのが、ダスティン・ホフマン&バーブラ・ストライサンドという、前作に出てきたカノジョ側のお父上を上回る個性派キャラ。この二人はいわゆるユダヤ系ラジカルリベラルというやつで、たとえばお母さんはセックステラピーなんて講座を自宅で開いており、そうした話題(両親の間のセックスライフとか)も家族の間ではまったくタブーなし。さらに父親は、なんと専業主夫。とにかく開放的で反権力という、典型的な自由主義家庭である。

50点
いち労働者の美しい姿を描いたお話

実在のボクサー、ジム・ブラドックの半生を描いた伝記映画。監督、主演は『ビューティフル・マインド』と同じくロン・ハワード&ラッセル・クロウ。

主人公のジム(ラッセル・クロウ)は愛する妻、3人の子供と幸せに暮らしながら、将来を期待されるボクサーだった。ところが拳の負傷から負けが込み、やがてライセンスを剥奪され失業者となってしまう。経済的な困窮から家族はやがて離れ離れになってしまうが、ある日元マネージャーから一夜限りの復帰選の話がくる。強豪ボクサーの相手がおらず、ジムに白羽の矢が立ったのだった。しかしそれは、単にKO経験の無い彼が滅多打ちにされるという筋書きを期待されてのことだった。

さて、しかしそこでジムは一念発起、噛ませ犬どころかそのボクサーを食ってやろうと猛トレーニングを開始する。そしてその意外な試合結果とは……。ボクシングを題材にした非常にマジメな伝記映画だ。144分間かけ、誠実にジム・ブラドックの人生や思想を描いている。

50点
呪いモノは平凡

SF・ホラー作家リチャード・マシスンの名作『渦まく谺』を、「スパイダーマン」「宇宙戦争」の脚本家デヴィッド・コープが監督して映画化。主演は「インビジブル」「ミスティックリバー」などで知られる性格俳優ケビン・ベーコン。

ある配線工(K・ベーコン)は、妻と息子の平凡な3人家族で幸せに暮らしていた。ところがある日、お遊びで受けた催眠術により予知夢や霊魂の存在を感じるように体質が一変してしまう。やがて彼はその能力で、半年前に行方不明となった少女サマンサが、実は何者かに殺されていたことを知る。

「エコーズ」は不思議な映画である。なにしろ本国アメリカでは1999年に公開された作品ということで、なんと6年近くも前の映画なのである。そんな映画をわざわざ公開するからには、相当な傑作なのかと思いきや、どこからどうみても平凡そのものといったホラー映画である。なぜ今これを公開する必要があるのかとまずは思う。

50点
一部のお年寄り向け映画

女性の陰な内情をありのままに描くことで定評のある岩井志麻子の、島清恋愛文学賞受賞作品を映画化したもの。

舞台は大正初期の日本。女学生時代には「自由恋愛を貫こう」と誓い合った生徒たちだが、しかし現実はそう簡単にはいかなかった。とはいえヒロインの明子(長谷川京子)は磐井商会の次男坊・磐井優一郎(豊川悦司)の妻となり、優雅な暮らしを満喫していた。明子はある日同級生であった千鳥(瀬戸カトリーヌ)と再会し、友人だった清子(木村佳乃)が離縁したとのうわさを聞く。同情した彼女は清子を磐井商会で雇ってやろうと重い、面接用の着物まで調達してやる。その無邪気な親切は清子のプライドをいたく傷つけたが、結局その着物を身につけ面接に挑んだ彼女は、その美貌で明子の夫を魅了してしまうのだった。

大正時代、まだ男女関係が保守的な考えに支配されていたころのお話である。「自由恋愛」を誰よりも強く標榜していた主人公が専業主婦になってしまうといところから物語は始まる。このヒロインは無邪気というかのんきというか、不幸な境遇にたっている同級生に対し、おせっかいにも夫の会社を紹介したばかりか、貧乏な彼女に面接用の立派な着物まで貸してしまうのだ。ところがどっこい、その女性はもとが綺麗なものだから、立派な着物なんぞを着た瞬間、女の魅力を最大限発揮、明子はあわれ夫を寝取られてしまう。

50点
二人の子供が登場

人形が殺戮を繰り広げる人気ホラーシリーズの第五弾。監督はこれまでシリーズの脚本を担当していたドン・マンシーニで、前作で生まれたチャッキーの子供を登場させ、シリーズのファンを楽しませる。

英国の見世物小屋で、インチキ腹話術師の道具としてこき使われていた人形(声:ビリー・ボイド)は、TVでハリウッドの都市伝説=チャッキーとティファニーという名の人形による大量殺戮、を知る。チャッキーの腕に自分と同じ文字があるのを見て彼らが自分の両親だと確信した彼は、見世物小屋を脱走してハリウッドに向かうのだった。

シリーズも回を重ねてきて、いよいよコメディに近いものとなってきた。この第5作は、シリーズ中もっともばかばかしく、ふざけていて、品が悪い。映画の冒頭は女性器内を泳ぎ回る精子の映像から始まり、エンドロールもまたじつにえげつない。シリーズを見てきた人たちが楽しめるための仕掛けが随所に見られ、笑えるようになっている。

50点
社会派ドラマとしてはまあまあ、スポーツ感動ものではない

カルフォルニアのリッチモンド高校に実在するバスケットコーチの実話に基づいた教育ドラマ。そのコーチ・カーターを、個性派黒人俳優サミュエル・L・ジャクソンが演じる。

立地する街は治安が悪く、生徒の進学率も悪いリッチモンド高校。バスケ部の成績も惨憺たるものだった。そんなチームを立て直すため、かつて同校で名選手といわれたコーチ(サミュエル・L・ジャクソン)がやってきた。ところが彼がもっとも重視したのはバスケットボールではなく、学業をしっかりやれという事だった。

この映画はいわゆるスポ根とは違う。米国のある社会問題を鋭く描いた社会派のドラマである。その問題とは、かの国における多くの貧しい地域では、この映画に出てくるほど才能豊かなスポーツ選手でも、そのほとんどは高校を卒業すると生きる道がなく、刑務所行きの悲惨な人生を送るという過酷な現実である。

50点
ある意味、ありえない“内容”に泣けなくないが……

『アイス・エイジ』のスタッフによるCGアニメーション長編映画の最新作。オリジナルの世界観によるロボット社会を舞台に、ひとりの少年ロボットの成長と他のロボたちとの友情を描く。

貧しい家庭に育ち、体も中古部品の集まりで出来た主人公のロドニーは、偉大な発明家になるのが夢。やがて大都会に旅立った彼は、幼いころから憧れる大発明家に会いに行くが、彼の会社では儲け主義一辺倒の新経営者が、町にあふれる中古ロボの一掃を狙う陰謀を画策していた。

この映画の世界には、人間が出てこない。というよりは、人間社会をロボット社会に投影した構図になっている。主人公ら貧乏ロボットは、いつも中古のオンボロ部品で体を構成していてみすぼらしく、一部の金持ちロボットは、最新のピカピカでデザインもかっこいい体を持っている。まあ、貧富の激しい現在のどこかの先進国を誇張して表現したものと思っていい。

50点
この手のお気楽娯楽にしては平均的

『パール・ハーバー』『アルマゲドン』など豪華なアクション大作で知られるマイケル・ベイ監督による近未来SF大作。主演は公開中の『スター・ウォーズ エピソード3』でオビワンを演じているユアン・マクレガー。

舞台は近未来。地上は汚染され、生き残った主人公らは徹底的に管理されたコロニーで暮らしている。そこで暮らす人々の唯一の夢は、地上でただ一箇所汚染されずに残された自然たっぷりの島“アイランド”へ移住すること。そして今日もまたアイランド当選者の抽選が行われるのだった。

さて、主人公らは妙に清潔で完璧に管理された生活をしているが、観客同様「これって変だぞ」と疑問を持つようになる。そりゃそうだ、多少清潔なだけで、これでは刑務所暮らしとかわらない。誰だってギモンに思うだろう。やがて彼は、映画進行上の理由から仲良くなった女の子(スカーレット・ヨハンソン)と一緒にその“施設”の真相に挑むというわけである。

50点
毒にも薬にもならない平凡な一本

ウディ・アレン監督によるニューヨークを舞台にしたラブコメディ。ここんところ、日本では結構短い間隔で彼の作品が公開されている。さすがは多作でしられるアレン監督といった印象で、ファンにはうれしいところだろう。

舞台はあるレストランから始まる。そこでは劇作家とその仲間たちが激論を交わしている。その内容は「人生は悲劇か喜劇か」というたわいもないものだったが、それをめぐって彼らは一人の女性メリンダを主人公にした物語を別々の切り口で語り始めるのだった。

映画は、悲劇版メリンダの物語と、喜劇版メリンダの物語が交互に展開され、それぞれにオチがつくという「一本の映画に二本の劇中劇」の構成になっている。なかなかしゃれたアイデアで、それぞれが監督の得意な小粋なラブコメディとなっている。

50点
テレビ版のファンにおくる第1章

伝説的な人気を誇るテレビアニメ「機動戦士ガンダム」の続編となる「機動戦士Zガンダム」全50話を、ダイジェストとして3部作の映画にしたその1作目。

主にエリート階級の支持をうける地球連邦軍内の組織「ティターンズ」と、スペースノイドの独立自治権運動組織「エゥーゴ」の対立が深まる中、反骨精神あふれる主人公の少年カミーユ(声:飛田展男)は、ふとしたトラブルからティターンズの新型モビルスーツをハイジャックしてしまう。彼はクワトロ(池田秀一)と名乗る男の言うままに、やがてエゥーゴに身を投じていく。

テレビ版は今となっては驚異的な全50話という長編で、この映画版ではそれを編集、新カットも加えてあらたに3部作に組みなおすという。前作『機動戦士ガンダム』も同様に3部作で映画化され、爆発的なヒットを記録した。私としても、リアルタイムで楽しんだガンダムはこの『Z』までなので、懐かしい思いでスクリーンに没頭した。確かテレビ版の最初(注)の主題歌は、森口博子のデビュー曲だった気がする。注…5/24追加:前期でなく後期のオープニング曲でした(とある読者様より)

50点
なぜナタリー・ポートマンのヌードをカットしてしまうのか

全米の各映画賞をにぎわせた、ジュリア・ロバーツ(「プリティ・ウーマン」ほか)主演の大人向け恋愛ドラマ。英国発、日本を含む世界中で人気を博した舞台劇の映画化だ。

小説家志望の男(ジュード・ロウ)は、ロンドンで出会ったストリッパー(ナタリー・ポートマン)と恋に落ち、同棲をはじめる。しかし、やがて彼は魅力的な写真家(J・ロバーツ)に出会い、そちらにひかれてゆく。

さらにもう一名、写真家と出会う医者の男(クライヴ・オーウェン)という人物が後から出てきて、この合計4人の恋愛ドロドロ模様が描かれるというお話だ。

50点
国連ロケが切っ先を鈍らせたか

トップ女優ニコール・キッドマン(「ムーラン・ルージュ」ほか)が演技派ショーン・ペン(「アイ・アム・サム」の父親役など)と競演した政治サスペンスドラマ。

主人公の国連通訳(N・キッドマン)は、某国の大統領暗殺計画を国連本部内で偶然耳にする。通報を受けやってきたシークレットサービス(S・ペン)は早速彼女の警護にあたるが、やがて彼女が何か隠していることを察知する。

いくつもの言語を操る通訳である事から、言葉による平和解決を信じる主人公と、力による解決を信奉する現実派のボディガード。この二人の対照的な登場人物のぶつかり合いを軸に、暗殺計画を防ぐストーリーが進行していくのかと思いきや、主人公の過去が徐々に明らかになるにつれ、話は意外な方向に進展していく。

50点
少年虐待の描写が残酷かつ衝撃的

J.T.リロイの同名小説を、アーシア・アルジェントが監督、主演で映画化。J.T.リロイという人は、わずか10代で衝撃的な自伝的小説を発表し、ハリウッドスターら著名人から多くの尊敬を受ける天才的な作家として知られている。そして彼の熱狂的ファンの一人でもある監督アーシア・アルジェントは、同時に「トリプルX」のヒロイン役などで知られる女優でもあり、数々のホラー作品で知られるダリオ・アルジェント監督の娘さんだ。

やさしい里親に恵まれ、幸せに暮らしていた主人公の少年(7歳)。ところがある日、見るからにあばずれな母親(A・アルジェント)がやってきて、彼を強引に引き取ってしまう。ドラッグや売春に明け暮れる母親の姿にショックを受けながらも、やがて少年は実母への愛を自覚していく。

この映画の原作は、小説でいうと2作目にあたる。小説の1作目は男娼である主人公の生活が描かれており、2作目でその過去が描かれるという流れになっている。ところが映画版ではその2作目からはじまるので、与えるインパクトの種類が変わってしまっている。

50点
子供向けファンタジー、そつのない作り

世界中で3000万部の大ベストセラー「世にも不幸なできごと」の実写映画化。子供向けファンタジー大作だ。

富豪のボードレール一家の3人姉弟は幼いながらも賢く仲がいい。長女は発明の天才で、その弟は桁外れの読書家、末っ子の妹は何であろうと一度噛んだら離さない赤ちゃん。幸せに暮らしてた3人だが、ある日自宅が火事になり両親が死亡、莫大な遺産を目当てに後見人になろうとするオラフ伯爵(ジム・キャリー)に狙われることになる。

特殊効果や豪華な衣装、セット……とにかくお金をかけたファンタジー超大作だ。内容は3人の個性的な子供たちにふりかかる災難と、彼らがそれをうまい事くぐりぬけていく様子を、ユーモアを交えて見せる娯楽作品。その災難てのは、悪役のオラフ伯爵があの手この手で彼らの遺産を横取りするために起こしている。しかし3人の子供たちの方が常に上手なので、そのたびに地団太を踏むのは伯爵の方、という構図になっている。

50点
テニスには期待せず、お気軽ロマコメとして見るべき

『スパイダーマン』シリーズで主人公の恋人を演じる若手女優キルスティン・ダンストをヒロインにしたロマンティック・コメディ。主演はイギリスの個性派俳優ポール・ベタニー(「マスター・アンド・コマンダー」の船医役など)。

かつて世界ランキング11位だったベテランテニス選手(P・ベタニー)は、今では119位まで落ち込んでいた。招待選手として参加する今回のウィンブルドン選手権を最後に引退を決意した彼は、ふとしたきっかけで女子テニス界の風雲児、優勝候補の若手選手(K・ダンスト)と出会い、一夜を共にする。

ヒロインの方は、いかにも上り調子で怖いもの知らずといった若手選手で、ベテラン主人公とはただの遊びで寝たつもりだったが、彼は違っていた。しかもそれがきっかけなのか、本業のテニスも絶好調、見事に初戦を勝ち抜いてしまったからさあ大変。鬼コーチでもある彼女の父親の目をすりぬけて、なんとか再びデートに誘おうとするのであるが……という展開。

50点
杉本彩には“旬”を感じる

極道の世界を、妻たちの視点から描いた家田荘子の原作を映画化した人気シリーズの最新作。「情炎」は、4年ぶり15作目となる。主演はこのシリーズ5作目となる高島礼子。共演には「花と蛇」でのエロティックな熱演が記憶に新しい杉本彩。

夫である菅沼組若頭の不審な死の真相には、組の跡目争いの怨恨が絡んでいるはずと波美子(高島礼子)はにらんでいた。組長が病に伏したいま、菅沼組の水面下では跡目をめぐる熾烈な争いが繰り広げられていたのだ。

東映らしい泥臭いアクションあり、血の噴出する残酷描写あり、適度なお色気ありと、シリーズの構成要素を適切に入れ込んだ最新作。高島の姐さん役は板についていて、たんかをきる姿などはずいぶんと似合う。とりまく極道たちの、ファミリーを思う姿も魅力たっぷりに描かれ、この手の映画のファンには喜ばしいところ。

50点
意外にもそこそこ見れる低予算ドラマ

集団強盗(?)疑惑で話題のアイドルあびる優主演、ニッポン放送買収で話題のホリエモンこと堀江貴文(ライブドア社長)プロデュースという、偶然にも時の人ダブルネームとなった話題作ホラー。

主人公(あびる優)が転入してきてからというもの、彼女のクラスメートが次々と失踪する事件が起きる。彼女は霊感が強く、やがて校内で謎の幽霊をチラチラと見ることになる。その幽霊はどうやら1年前に無念の自殺を遂げた女生徒ということがわかったのだが……。

『恋骨』は、都心の大型ビジョンで各5分の連続ドラマとして放映されたものをまとめて映画化したものであるが、そうした背景うんぬんよりも、主演のあびる優と製作者のホリエモンの二人に注目が集まってしまった作品である。

50点
あの美しい世界にもう一度、って方へ

若手女優アン・ハサウェイと往年のミュージカルスター、ジュリー・アンドリュース(「メリー・ポピンズ」)共演のティーン向けロマンティックコメディ。タイトルのとおり「プリティ・プリンセス」の続編となる。

ただのドン臭いアメリカ少女だったミア(A・ハサウェイ)がプリンセスとしてジェノヴィア国にやってきてから5年、彼女はゴージャスな暮らしを満喫していた。ところが、21歳になったミアが王位を継承するためには、なんと「30日以内に相手を探して結婚する」という条件がつけられていた。

監督が大ヒット作『プリティ・ウーマン』のゲイリー・マーシャルなので、本作もプリティな邦題がつけられ、確信犯的な宣伝マンによって「プリティシリーズ3作目」なんていわれているが、原題は「THE PRINCESS DIARIES 2」なので当然なんの関連もない。関連があるのは前作「プリティ・プリンセス」だけで、これはもう完全な続編だ。舞台は前作のラストから5年後ということで、キャストも設定も丸ごと受け継いでいる。

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