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55点
一人の女性をシェアする男性たちの心理とは

3人の男性と暮らす女性と、その奇妙な同居生活を描いたブラジル映画。カンヌなど、各地の映画祭で評判になった。

この女性、決して美人というわけではなく、失礼ながらただの太ったオバサンにみえる。それでも母性豊かで明るい彼女のもとには、年齢も見た目もまったく違う3人の男が集まってくる。やがて彼らが共同生活を送りはじめるというのは、我々の目にはかなり奇妙に写るだろう。

ちなみにこの女性、もちろん3人全部と肉体関係があり、最初の一人とは子供もいるが、その実際の父親は実は二人目の男で……と、なかなか複雑だ。

55点
アイドル映画としてはまあまあ

松田聖子の娘のSAYAKAちゃんが初主演したSF映画。同名のベストセラーマンガの映画化である。なかなか高い点数の理由は、特撮含む映像の出来が良いというのが理由だ。逆にいうと、それ以外は……、という事でもある。

オールウズベキスタンロケということで、日本での撮影では難しい、スケールの大きな映像が出来あがった。爆発シーン1つとっても、日本の法律に縛られないので、火薬の量なども大盤振る舞いできたそうである。また、まるごと新幹線や、渋谷駅前の街並を、セットで作ったというのもすごい。迫力満点である。

ストーリーも、「修学旅行中に新幹線がトンネルで事故った。生き残ったカップル(SAYAKA&妻夫木聡)がトンネルの外に出てみたら、世界が崩壊してた」というアイデアが抜群で、一気に観客の興味を引きこむ。

55点
役者もプロットも同じに作ったロマンティック・コメディ

ハリウッドでは、ロマンティック・コメディというジャンルが、ドル箱として昔から大人気であるが、現在までに作られたそのジャンルの作品全部を足して、総作品数で割ると出来あがるのが、この『トゥー・ウィークス・ノーティス』である。

主演は、38歳にはとても見えないサンドラ・ブロック。この人の事を、私は昔から隣のお姉さんと呼んでいるが、それくらい嫌味の無いルックスで、感じのいいひとである。

相手役は、ヒュー・グラントという、ロマコメの87%くらいに出演しているんじゃないかといわれる、タレ目のナイスガイだ。

55点
字幕で見る日本人にはすすめにくい

本年度アカデミー賞の主演女優賞を取った、ニコール・キッドマン主演のドラマ。その他もメリル・ストリープ、ジュリアン・ムーアといった芝居上手の役者がそろう。

実際、彼女らの演技力には惚れ惚れするものがあり、特にニコールなどは、本物のうつ病患者じゃないかと見まがうほどの役作り。演技に対するその真摯な態度が伝わってくる。

しかし、だからといって面白くなるとも限らないのが映画の難しいところ。英国エセックスの風景、美術、音楽、どれも魅力たっぷりだが、筋書きに華がなく、すべてぶち壊しになりかねない勢いだ。しっとりとしたムードに浸りながら画面を見ていても、どうも先の展開に対する興味が湧いてこない。

55点
俳優が上手いので、なかなか泣ける

現代中国を舞台に、ヴァイオリンを通じて父と子の強い絆を描いた感動ドラマ

中国のある田舎町が舞台。父と2人暮らしのチュンは、幼いころに亡くした母の形見であるバイオリンを上手に弾き、周囲で好評を得ていた。父はそんな息子に本格的な教育を受けさせ、なんとか一流の演奏者してやろうと、貧しいながらも必死に貯金に励んでいた。やがて2人は、コンクール出場のため北京へと向かう。優勝こそ逃したチュンだったが、その才能を確信した父は、有名な音楽教師に預けるため、北京への移住を決意する。

あまり細部にこだわらず観るべき映画だ。そうでないと、終盤に出てくる重要キャラであるリンの問題が未消化だったり、なんでバイオリンを隠していたのかなど、細かい不審点が気になって後味が悪い。

55点
前作よりは相当劣るが前半の緊迫感は楽しい

『CUBE2』は、14週ロングランヒットを記録したショック・ホラーの5年ぶりの続編。

ケイト(ケリー・マチェット)は、目覚めると立方体の部屋にいた。6つの面には一つずつ扉があり、先には全く同じ部屋が続いている。やがて7名の見知らぬ男女と出会うが、ここがどこで、なぜここにいるのかは誰も知らない。出口を求める彼らに、やがて死の罠が襲いかかる。

理由もわからず、襲いくるトラップに一人一人殺されてゆく恐怖、わずかなヒントから脱出法を探る面白さ。そんな前作の魅力を、ほぼ同じストーリーで踏襲する。

55点
ベッカムもワンシーンだけ出る

インド系のパーミンダ・ナーグラ主演の青春映画。いきなりだが、ひどい邦題だと思う。まあ、確かに主人公の女の子の憧れの人はベッカムだが、別に彼に恋しているってわけじゃないと思うのだが。実際別の男との恋愛沙汰もあるわけで。

まあ、それはいいとして、この映画はかなりサッカーシーンに力を入れている。新アイデアの撮影機械を使った、超ローアングルの映像は、なかなか新鮮で、最初に見たときは「おやっ」と思う。

迫力もあるし、いい絵だと思うのだが、少々これに頼りすぎている。多用しすぎなので、こちらの目がだんだん慣れてくる。俳優にサッカーのテクニックを教えるのは大変だと思うが、やはりボールを蹴る瞬間のショットが無くては迫力は出ない。インパクトの瞬間にシーンが切り替わってしまうと、客としては欲求不満になる。

55点
キングの小説世界を忠実に再現したホラー大作

スティーブン・キングが原作の、オカルトホラー。といっても、予告編だけではジャンルすら特定できないと思った人は多かっただろう。テレビ版の予告ではそうでもないが、劇場版の予告は本当に意味不明だった。

『ドリームキャッチャー』は、自分の原作映画を絶対誉めない事で有名なS・キングが、「今までの私の小説の映画化では1番いい」とまでいったという、とんでもない映画だ。

確かに、彼の小説の持つあの独特の雰囲気、どこかこの世から隔絶されたような不思議な世界(実際、メイン州とはいえ舞台は架空の街なのだが)を、この映画は非常に忠実に映像化していると感じる。私もキングの小説のファンだから、これはよくわかる。

55点
SF映画の定番商品

37年も続くスタートレックシリーズの、劇場版最新作(10作目)。ピカード艦長が活躍するネクストジェネレーションシリーズの完結編にあたる。

原題にあるスタートレックの文字が邦題では省略されている事から考えてもわかる通り、基本的に、スタートレックシリーズについて知らない人でも楽しめるような作りになっている。

ただ、今回の舞台となるロミュラス星というのは、シリーズに詳しい人なら「あ、あの星か!」とぴんとくる名前であるし、シリーズキャラクター同士がついにめでたく結婚したり、重要なキャラがお亡くなりになってしまったりと、それなりに内輪なネタも混じってはいる。

50点
他人の赤ん坊を育てるということ

罪と赦しをテーマに人間の葛藤を描くドラマ「光をくれた人」は、スウェーデンの国民的女優アリシア・ヴィカンダーとその恋人マイケル・ファスベンダーの大型カップルが夫婦役で主演ということで映画ファンに話題である。

1918年のオーストラリア。第一次世界大戦から帰ったトム(マイケル・ファスベンダー)は、人間付き合いをしないで済むことから孤島の灯台守の仕事に志願する。使用期間が終わりいったん町に戻ったトムは、土地の名士の娘イザベル(アリシア・ヴィキャンデル)と意気投合。結婚して二人きりで再び島に戻るのだった。

無人の孤島で二人きり。そんな結婚生活へ逆プロポーズで飛び込んだイザベルというヒロインの行動にまずは面食らう。この突飛な行動、性格が、のちに起きる事件における彼女の異様な主張に説得力を生みだす重要な伏線となっている。

50点
ダメ若者がダメ中年になった

前作「トレインスポッティング」は、当時オサレ人が集まる渋谷ミニシアターの中心だったシネマライズで連続33週ロングランの最高記録を叩き出した大ヒット作。「T2 トレインスポッティング」は、それから現実と同じ約20年が過ぎた設定の、正当なる続編である。

麻薬の売買で得た大金を持ち逃げしたレントン(ユアン・マクレガー)が20年ぶりに故郷スコットランドのエディンバラに戻ってきた。悪友4人組の中で、レントンがその人柄の良さから唯一深い友情を感じていたスパッド(ユエン・ブレムナー)を訪ねると、驚くべきことに彼は今まさに自殺を図ろうとしていた。

前作には、ヘロインに溺れるダメ若者たちが、それでもあがきながら停滞感を打ち破る痛快さと、ほのかな希望を鑑賞後に残すさわやかな青春ドラマの一面があった。

50点
黒木瞳初監督は普通の女性映画

女優・黒木瞳の初監督作品が「嫌な女」と聞けば、なんの自虐ギャグかと思いそうになるが、これは桂望実の同名ベストセラーの実写映画化である。

弁護士の石田徹子(吉田羊)は、学生時代にしっかり勉強をして司法試験にもすんなり合格、20代のうちに結婚もした。だが、はたからみると順風満帆な彼女の人生は、実際には孤独と満たされぬ日々であった。そこに、同い年の従姉・小谷夏子(木村佳乃)が突然現れる。聞くと、婚約破棄したら多額の慰謝料を要求されたたからてっちゃん助けて、と身勝手な理屈を振り回す。堅物だった徹子は、じつはこの従姉が昔から大の苦手であった。

久々の嫌な女との再会は、ヒロインの人生を一体どう変えるのか。ちょっとしたスリルとコメディを楽しめる軽快なドラマである。

50点
ディオールらしからぬ?

第一次大戦の物資不足の中、やっとこさ手に入ったジャージー生地で婦人服を作り、活動する=自立する女のブランドイメージを作り上げたのがココ・シャネル。一方、第二次大戦後に颯爽と登場したクリスチャン・ディオールは、同じ物資不足をふきとばす大量の生地使いのドレスで、対照的なゴージャス世界観を表現した。

「ディオールと私」はそんなディオール謹製のドキュメンタリーだが、スポットライトを当てられたのは裏方のお針子たち。これにまず驚かされる。

通常ファッション映画といえば、ヴォーグの名物編集者だとかモデルやセレブ、そういった人たちのインタビューで彩られる。ところがこれは、裏で縫っている、洋服を作っている人の証言、ドキュメントだ。絢爛豪華なディオールが、こういう裏方の地味なドキュメンタリーを作る。こんな泥臭いイメージをつけてしまっていいのか?!

50点
オサレなエロ映画

日本では、ガラケー全盛時代にケータイ小説なるジャンルが一時期はやったことがある。解像度の低い画面と、解像度の低いオンナノコの頭にぴったりな、エログロ満載文学的表現皆無の娯楽作品で、いくつかは映画化されたこともあった。

時は過ぎ、一周まわってその傾向はアメリカで「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」として花開いた。原作は主婦の間で大ヒット、電子書籍でこっそり読める「ママたちのポルノ」として一世を風靡した。映画「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」は、満を持したその映画版である。

女子大生アナ・スティール(ダコタ・ジョンソン)は、ルームメイトの代理で若き大富豪クリスチャン・グレイ(ジェイミー・ドーナン)のゴージャスなオフィスに出向く。学校新聞の取材インタビューだったが、ドジばかりふむアナに興味を持ったクリスから、やがて奇妙な契約を持ち出される。

50点
海賊の夢、再びとはいかないか

米映画業界には、長らく「海賊映画は当たらない」とのジンクスがあった。その最たるものが「カットスロート・アイランド」(95年、米)で、100億円超の製作費に対し興収わずか10億円。あわれ製作会社は倒産、冗談みたいな損失額は、ギネスにまで載った。

それを「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズで覆したのがゴア・ヴァービンスキー監督とジョニー・デップだったわけだが、「ローン・レンジャー」はそれと同じことを西部劇ジャンルでやってやろうという意欲作である。二人にとっては前作「ランゴ」(11年、米)も同じジャンルであり、これは満を持しての実写大作ウエスタン、ということになる。

正義感あふれる郡検事ジョン(アーミー・ハマー)は、無法者ブッチの凶弾に倒れたところをインディアンの悪霊ハンター、トント(ジョニー・デップ)の怪しげな術に救われる。ジョンは死んだこととし、マスクをかぶったローン・レンジャーとなった彼は、トントにとっても不倶戴天の敵であるブッチを追いかけるが……。

50点
3Dで例の世界観をツアー

最近の娯楽映画は続編ばかりとよく揶揄される。ヒット作なら無条件で見に行く固定客が見込めるし、話題性があるからパブリシティも楽。そうした作り手側にとっての安定志向が背景にはあるわけだが、「サイレントヒル:リベレーション3D」はちょいと異なる。

19歳になるヘザー(アデレイド・クレメンス)は、かつて父母の手によりサイレントヒルから救い出された経験を持つ。教団の追っ手を撒くため父(ショーン・ビーン)と各地を転々としてきた彼女はいまだ悪夢にうなされている。そんなある日、ついに父親が失踪。そしてあのおぞましい、サイレントヒルへ来いとのメッセージが残されていた。

日本のゲーム会社コナミによるホラーゲームを原作に、仏米加で作り上げた本作は、たしかに出来のいい一作目を持っている続編。だがその公開からは6年もたっており、先述した固定客も話題性もさほど望めない。ハリウッドのメジャー会社なら難色を示しそうな企画だが、やはりその不安を跳ね返すところまではいっていない。

50点
父親、娘、どちらに感情移入してみるか

この映画の舞台となる南大東島というのは、沖縄からさらに400kmも東にある離島。島に高校がないから、この島の若者は中学校を卒業すると必然的に島を出る。ある意味、ドラマチックな場所である。

中学二年生の優奈(三吉彩花)はさとうきび農家の父(小林薫)のもと暮らしている。高校生の姉とともに母親が島を出てから家庭内の空気は変わった。それでも民謡グループのリーダーとして、あるいは島人として生きることを決めた同級生と恋をするなど地域と密接にかかわりながら、1年後の進路について優奈は悩み続ける。

舞台となる島はなんともすごい場所で、外洋に面しているからアオリイカのような高級食材があたりまえのようにポンポン釣れるし、沖縄県とはいっても、住民はもともと小笠原からの開拓民だから文化のベースは本土のそれ。中盤で出てくる相撲大会の場面には、そういう背景があるわけだ。

50点
心の弱った女の子に

「きいろいゾウ」は、開始1秒で宮崎あおいの全裸走りがみられる史上初の映画だが、だからといって世のスケベな紳士たちに積極的にすすめられるというわけではない。

植物や動物の声が聞こえる力を持つツマ(宮崎あおい)と、売れない小説家の夫ムコ(向井理)は、出会ってすぐに意気投合、結婚したため互いの過去については疎かった。ツマはムコの背中の刺青の理由もよくは知らない。だからムコに差出人不明の手紙が届いたとき、仲良し夫婦のはずの彼らの間に、不穏な空気が流れ始めるのだった。

愛し合う男と女。相手の過去は知りたいけれど、全部知るには勇気が必要。私ほどのレベルになればそれはむしろ珠玉の金脈であり、内容豊富で波乱万丈なほど楽しめるわけだが、普通の男女は相手があまりにとっぴな経験を積んできた事を知ったらドン引きする。そのまま別れとなってしまうことも珍しくはない。

50点
反原発派のオールスタームービー

まもなく東日本大震災から1年ということで、関連作品の公開が相次いでいる。その中でも本作は、昨年末にCS放送・朝日ニュースターで放映された番組に新規映像を加えたもの。岩井俊二監督みずから製作・監督した、原発問題に焦点を当てたドキュメンタリーとなっている。

中身は岩井監督が「震災後に仲良くなった」と語る、おもに反原発思想の活動家や文化人に事故後の日本についてインタビューしたもの。被災地にも乗り込んでいるが、良い機材と安定したカメラワークで、これまでの岩井監督作品同様、穏やかなタッチの映像となっていることが特徴的である。この点、先日公開された『311』(森達也監督)が伝える生々しさとは対照的である。

この安定した画と、反原発派の人たちの迷いのない主張によって、震災後の混乱の中撮影されたとは思えない程の完成度の高さを実現している。

50点
≪綺麗ごとの名のもとに大量殺戮≫

来年公開予定の「ジ・アベンジャーズ」をゴールとする幾多のマーベルコミック映画の、単独ヒーローものとしては最後の1本。アイアンマンやハルク、マイティソーらが集結する「ジ・アベンジャーズ」は空前のオールスターヒーロー映画となる予定だが、05年の企画開始から始まる長きこのシリーズも、いよいよ佳境となるわけだ。

ときは1941年、ナチスドイツが欧州でその力をふるっていたころ、正義感の強いアメリカ人青年スティーブ(クリス・エヴァンス)は祖国と自由を守るため軍に志願しては不合格の烙印を押される日々を過ごしていた。というのも、スティーブは女性並みに体が小さく、何も知らない周りからは嘲笑されているほどだった。だがアースキン軍医(スタンリー・トゥッチ)はただ一人、そんな彼の鉄の愛国心を見抜いていたのだった。

さて、そんなもやしっ子のスティーブは、心優しい博士のはからいでスーパー兵士づくりの実験台として採用される。そんなものに採用されて幸せなのかどうかは知らないが、この実験というのがすごい。

50点
≪佐藤寛子の脱ぎ度は文句なし満点≫

女性の過去を知ることで、愛が深まるパターンは多い。その過去が意外で凄惨なほど、愛も深まる。相手の抱える闇が深いほどに、そこから引っ張り出してやりたい、救いたいと思うのが男の常。そんな自分の英雄性に酔っているのか、相手への優越感なのかはわからないが、そういうものを「純愛」と呼ぶことが、言い知れぬ心地よさを生み出すことは確かである。

そして男と女の悲しいすれ違いはこの時点から始まる。「純愛」に酔いしれ、すべてを捨てて女に尽くそうと思った頃、女はそんな男をウザいと感じ始める。これを喜劇とするか、悲劇にするかは描く映画監督次第である。

いったい何が言いたいのかというと、「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」の主演、佐藤寛子のオッパイは最高だよということだ。

50点
アニメ版でなく、大林監督版のファン限定作品

『時をかける少女』にしろ、『サマーウォーズ』にしろ、あるいは『耳をすませば』にしろ、その魅力はどこかノスタルジーを感じさせる点にある。「今では汚れきった俺にも、こういう純情だった時代あったよなぁ」などと感動するわけだ。

だがよくよく考えてみると、自分の学生時代にそんな甘酸っぱい体験などどこにもなかった事に気づく。ある意味、見ただけで欝になりかねない危険な作品群である。

高校3年生のあかり(仲里依紗)の母で薬学者の芳山和子(安田成美)が交通事故で昏睡状態に陥ってしまう。一時的に目を覚ました和子は、あかりに「1972年に行って深町一夫に会わないと……」と謎めいた言葉を残す。そこに母からの願いを読み取ったあかりは、さっそく母が作った薬で過去に戻ろうとするが……。

50点
それでもそこらのB級スプラッターよりはマシか

『ソウ』シリーズは、傑作だった1作目の残滓をどこまで搾り出すつもりなのか、それが個人的には一番気になる「謎」である。

<以下、パート5までの内容を含むため、未見の方はご注意ください>

FBI捜査官ストラムの死体が発見され、状況からジグゾウの後継者は彼ということで事件捜査は一旦終結を見た。だが、ストラムの上司エリクソン(マーク・ロルストン)だけはそれを信じず、いよいよホフマン(コスタス・マンディロア)の正体に迫りつつあった。一方ジョン(トビン・ベル)の妻ジル(ベッツィ・ラッセル)は、その遺品の扱いに頭を悩ませていた。

50点
みるなら3D以外にない

日本でも先日オープンした「IMAX デジタルシアター」のような巨大スクリーンで、立体映画版を見る。そうした楽しみ方でないと、『モンスターVSエイリアン』を十分に堪能することは不可能だ。

隕石に接触したせいで巨大化し、せっかくの結婚式が台無しになってしまったスーザン(声:リース・ウィザースプーン)。彼女はそのまま軍に捕獲され、他のモンスターと共に秘密基地に監禁されてしまう。そんな折、地球にエイリアンが襲来。その圧倒的戦力に困った政府は、スーザンとモンスターたちにエイリアン退治の望みを託す。

巨大化しただけで化け物扱いされてしまったスーザン(いや十分化け物と思うが……)は、当初は「私はモンスターじゃない、人間よ!」と叫んでいるわけだが、人助けしても差別される他のモンスターたちの境遇に同情し、徐々に自らの考えを変えてゆく。かつての婚カツにいそしむ若い女の子ではない、本当の自我に目覚めるという成長物語だ。最近流行の、擬似家族要素も盛り込まれている。

50点
"特別感"はないが、退屈はしない

本作は、テレビ朝日の人気刑事ドラマ『相棒』シリーズのスピンオフ。薄味でいかにもテレビドラマ的ではあるが、「映画」らしさにこだわらない人ならまあいいんじゃないか程度のレベルには仕上がっている。

昨年公開されヒットした『相棒-劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン』のサイドストーリー的内容なので、該当作の鑑賞は必須といえる。

鑑識課の米沢守(六角精児)は、東京ビッグシティマラソン事件の捜査中、ランナーの中に失踪中の元妻・知子(紺野まひる)の姿を見つける。ところが翌日、彼女は死体で発見される。そこに知子のもと夫と名乗る刑事・相原誠(萩原聖人)が現れ、米沢は二人で協力して独自の捜査を開始する。

50点
スッキリしない007最新作

長年続いたシリーズキャラクターが変更になると、何はともあれ当初は批判の嵐となる事が多い。前の人が愛されていた場合はなおさらだ。最近の例を挙げれば、NHK朝の子供番組で、歴代お姉さん史上有数の歌唱力と美貌、そして画力をそなえたはいだしょうこが番組を卒業したときがそうであった。

だが、あれだけ強力な個性の後でありながら、後任の美人音大生は臆することなくフラダンスを踊り、あっさり視聴者の支持を勝ち取った。何事も真摯に打ち込めば、わかってくれる人はいるものなのである。

新ボンドことダニエル・クレイグが、前作「カジノ・ロワイヤル」で抜擢された際も、ジェームズ・ボンドとしてはあまりに異質なその雰囲気に、反対意見が多かった。だが今ではどうか。歴代ボンドの中でも最高とすら言われるほど磐石な人気である。

50点
パニック超大作の数々を、突っ込み不在でボケ倒しまくるパロディムービー

ハリウッド超大作のパロディ映画は、アメリカの若者にある程度のニーズがあるので途絶えることがな

い。「鉄板英雄伝説」(07年)に続くジェイソン・フリードバーグ&アーロン・セルツァー監督作品

『ディザスター・ムービー!おバカは地球を救う』も、同系統のギャグ映画だ。今回はタイトルどおり

50点
セガール20周年記念作

映画デビュー20周年となるスティーヴン・セガールの記念作は、もはや中身を想像することさえ不可能な意味不明なタイトルを持つ、しかしそれでも何の問題もないであろう彼らしいアクション作品である。

警官の職を失ったマット(スティーブン・セガール)は、今夜もギャンブルにおぼれ負けが込んでいた。すっかり首が回らなくなった彼の前に男が現れ、マットの借金をすべて肩代わりしたと告げる。その代償として男は、法で裁けぬ悪党どもを処刑しろとマットに要求するのだった。

今回のセガールは、最初から最後までワルである。やってることはともかく、キャラクターの本質であるワルっぷりが一番の見所と言える。

50点
毎日誰かに殺される男が、理不尽な無限ループから抜け出すには?

08年6月に亡くなったスタン・ウィンストンという特撮マンがいる。『エイリアン2』や『ターミネーター』『シザーハンズ』に『ジュラシック・パーク』といった、そうそうたる経歴で知られるSFX界の巨匠だが、この『今日も僕は殺される』が最後のプロデュース作品となってしまった。

人気ホッケー選手のイアン・ストーン(マイク・ヴォーゲル)は、計測時計の不具合で試合に負け、ふてくされていた。その晩、恋人のジェニー(クリスティナ・コール)を送った彼は、踏切の線路上に誰かが倒れているのを見つける。車を降り、おそるおそる近づいてみると……。

この映画の主人公は、毎日毎日誰かに殺されるという不条理な体験をする。そのたびに違った人生、日常にワープし、何事もなかったかのように暮らし始めるが、前世?の記憶がよみがえると途端に猛烈な違和感にとらわれる。どの日常にも現れる謎の男、悪意を持った集団、そして恋人。この奇妙な出来事の真相とは? 彼の宿命とはなんなのか。サスペンスにもとれるあらすじだが、むしろ現実的な範疇にとどまろうとしているホラームービーと考えた方がよい。

50点
三池崇史監督&柴咲コウ主演『着信アリ』のハリウッドリメイク

和製ホラー『着信アリ』シリーズにおける「携帯電話によって呪いが伝播する」という秋元康のアイデアは、なかなか質の良いお茶っ葉であった。アジア各国でもこの味は受け、結局同じ茶葉で3回も4回も出す事になった。さすがにもう出ないだろうと思ったら、その出がらしを今度はハリウッドに持っていった。どうせアメリカ人は味オンチだから大丈夫、というわけか。

女子大生レアン(アズーラ・スカイ)の携帯に、聞いたこともない着メロが流れる。留守電には3日後の日付で彼女自身の悲鳴のようなものが録音されていた。それを聞いた親友ベス(シャニン・ソサモン)の頭には、つい先日赤いキャンディを口に自宅の庭で溺死した別の友人シェリーの悲劇がよぎるのだった。

ただひとり不気味な着信のことを信じてくれる男性が、この米国版では被害者たちと似た形で妹をなくした警察官だったりする。その程度の違いはあるものの、中盤までの展開はおおむね日本版オリジナルと似通っている(その後どうなるかはお楽しみ)。

50点
逃亡犯を父親に持つ少年の、変わらぬ親子愛

実話を基にした映画というのは、元ネタが強力な吸引力を持っている場合がほとんどで、よほど下手をうたなければそれなりに見られるものになる。──だが同時に、傑作レベルに昇華させるには相当な手腕が必要となる。

佐賀県唐津市の小さな漁港で猟師を営む尾崎修治(時任三郎)は、あるとき偶然人を殺めてしまい、そのまま逃亡する。それから4年、残された妻(工藤夕貴)と息子(小清水一揮)らの消えぬ苦しみを知った新聞記者(西島秀俊)は、これを苦労談として記事にするのだが……。

元となった話というのはこういうものだ。逃亡犯を父に持つ少年がおり、その子は毎年指名手配犯のポスターが貼られるたび交番にやってくる。そしていつまでも写真の父を眺め、「また今年も会えたね」とつぶやく……。

50点
花嫁付添い人を27回も務めたヒロインがウェディングドレスを着る日はくるのか

アメリカの一般的な結婚式には、新婦の身の回りの世話を焼く花嫁付添い人なる存在がいる。日本の場合はほとんど業者のサービスの範疇と思うが、あちらでは知り合いの女性に頼むのが普通らしい。『幸せになるための27のドレス』は、その花嫁付添い人ばかりを27回も繰り返しているお人よしなハイミスの恋愛物語。

少女時代に出席した結婚式に感動して以来、ジェーン(キャサリン・ハイグル)はすすんで花嫁付添い人を引き受け、他人の晴れ舞台を華々しく演出してきた。いつかは自分が主役になりたいと思いながらも、毎回仕立てる付添い人用のドレスでクローゼットはいっぱいいっぱい。密かにあこがれる上司(エドワード・バーンズ)もまるで鈍感で、恋に進展する気配もない。

結婚式なんてのは、夢から覚める前の最後のイベント──だと思うのだが、ジェーンにとっては神聖でロマンティックな人生最大の晴れ舞台。万年引き立て役のヒロインが報われる日ははたしてくるのか?! てな所がポイントのロマンティックコメディ。

50点
夏合宿を経て、若者たちは裸で舞台に立つ

麿赤兒(まろあかじ)といえば、多数の映画に出演するベテラン俳優(先日、江田島塾長役を演じた『魁!!男塾』が公開されたばかりだ)であると同時に、舞踏家であり舞台演出家でもある。本作は彼の主催する舞踏集団「大駱駝艦」(だいらくだかん)が毎年、白馬連峰の麓で開催する夏合宿の様子を追ったドキュメンタリー。舞踏家としての彼と、その考え方に迫る。

この合宿には、踊りの経験者のみならず、まったくの初心者、それも自分探し的な目的を持つ若者までもが参加してくる。麿赤兒の舞踏を体験させるという意図らしいが、これには驚く。若者たちは、彼の舞踏に対する哲学を学び、奇妙な練習法の数々をひたすらこなすことにより、徐々に顔つきが引き締まってくる。踊りの訓練というよりは、これまでの自分を捨て生まれ変わるための、まるで宗教儀式のようだ。

その「変化」は、大駱駝艦の特徴のひとつである「衣装を着けずに舞台に立つ」ことを知らされたときから如実に現れる。合宿の締めくくりに行われる公演で、彼、そして彼女らは文字通り「裸」で観客の前に立つ。そうやって自分の全存在をさらし、踊るのだ。たとえこの合宿にはじめて参加したものであろうと、その条件はまったく同じ。だからとくに女性たちは、ここでひとつの大きな覚悟をする必要がある。カメラに収められたこのときの彼女らの表情、諦めと決意の入り混じったようなそれは、なんともエロティックである。

50点
五輪メダリストの波乱万丈な一生

『子猫の涙』は、メキシコオリンピックで銅メダルを獲得したボクサー、森岡栄治の一生を描く伝記映画。特筆すべきはこれを監督したのが、実の甥である森岡利行という点。

五輪でメダル獲得の快挙を果たした栄治(武田真治)は、しかしプロ転向数戦目で網膜はく離の重傷を追い、早々に引退に追い込まれる。その後はろくに働きもせず、妻には逃げられ、愛人(広末涼子)を家にひっぱりこんで幼い姉弟の面倒を見させる始末。そんな父の姿を娘の治子(藤本七海)は冷めた目で眺めている。ボクサーとしての栄光の時代を見ていない治子にとって栄治は、ただのダメ父でしかないのだった。

伝記映画には大きく分けて二種類ある。ある人物の人生じたいを描くことに重点をおくもの。人生を描くことで、何がしかのメッセージを伝えようとするもの。どの伝記モノもこの二つの要素を、好みの比率でブレンドして作られているといって良いが、本作は比較的前者の濃度が濃い。森岡栄治の波乱万丈な人生から、各自で何か感じ取ってくれ、という風に読み取れる。

50点
甘酸っぱい青春学園もの……だと思っていると?!

日日日(あきら)の人気ライトノベルの映画化『ちーちゃんは悠久の向こう』は、仲里依紗(なかりいさ)主演でエンドロールに奥華子の歌がかかるという、アニメ版「時をかける少女」人気をあてこんだような人材配置となっている。同じせつない系の青春恋愛ものであるこの両者、ファン層も重なっているという読みなのか。

高校生のモンちゃん(林遣都)にとって、幼馴染の同級生ちーちゃん(仲里依紗)は一番の親友。オカルト好きのちーちゃんに、学校の七不思議なんて迷信めぐりを付き合わされるなど、毎日振り回されっぱなしだが、手作りのお弁当を作ってきてくれたりする人なつこさは、どうしても憎めない。やがてそんな二人の間に、何かとモンちゃんに親切にしてくれる弓道部の先輩・武藤(高橋由真)が入ってきて……。

リアル紺野真琴こと仲里依紗は、スウェーデン系の血が入っている分、ちょっと普通の高校生離れしたルックス。その浮き加減が、デンパ的な行動をうまく中和しており、ちょっと不思議なムードの学園ものとして成立させている。まるで中学生の男が考えたような理想の女の子的な、非現実的なキャラクターだが、あのフシギカワイイ顔でやられると、これがなかなかいい感じなのである。

50点
殺人鬼ジョニー・デップが意外な歌声を披露

都市伝説とは、いつの時代も人々の関心を引いてやまないが、さすがに150年間にも渡り、語り継がれるものは珍しい。

無差別殺人を繰り返す理髪師と、その死体をミートパイにして繁盛する食堂の物語「理髪師とパイ屋の話」はまさにそれ。ちなみにミュージカル版は、トニー賞8部門を受賞した。今回は、長年この題材の映画化を願っていたティム・バートン監督(「チャーリーとチョコレート工場」(06年))による実写映画化。

19世紀のロンドン。悪徳判事の策略で無実のまま流刑にされた理髪師のベンジャミン(ジョニー・デップ)が戻ってきた。彼がいぬ間に、判事に無理やり言い寄られた妻は自殺、愛娘も幽閉されていた。絶望したベンジャミンはスウィーニー・トッドと名を変え、客の喉を掻っ切る復讐の鬼と化した。幸い死体は、物資不足で肉を欲していた大家でパイ屋の女主人(ヘレナ・ボナム=カーター)が、無駄なく処理してくれた。美味しい彼女のミートパイは、やがて町中の評判になる。

50点
陰謀論+観光地めぐり+宝探し

『ナショナル・トレジャー』シリーズは、決して本格的なアドベンチャームービーではない。しかしそのお手軽さは、ハリウッドの手練れたエンタメ職人たちが完璧に計算して打ち出したものであり、なかなか心地よい。

リンカーン大統領暗殺犯の日記の一部が発見された。歴史学者兼冒険家のベン・ゲイツ(ニコラス・ケイジ)は、彼の先祖トーマス・ゲイツの名がそこに記されていたと知らされる。トーマスの無実を晴らすため、ベンは恋人(ダイアン・クルーガー)らの協力を得て、カギとなる秘宝探しの旅に出る。

このシリーズを一言で言うと、陰謀論+観光地めぐり+宝探し、のお気楽アドベンチャーだ。日本で言えば、湯けむり殺人ミステリーみたいなもの。それに冗談みたいな金額をつぎ込んで、豪華にしたと考えればいい。せんべいでもかじりながら、こたつで見るのに適している。

50点
ペンギンサーファーのドキュメンタリー風アニメ

『サーフズ・アップ』は、あらゆる点でひねくれたアニメーション映画だ。一風変わったその作風は、子供の観客はむしろオマケで、ちょっぴり大人層に向いている。

イワトビペンギンのコディ(声:小栗旬)は、伝説のサーファー"ビッグZ"に憧れ、氷のボードでサーフィンに明け暮れる日々。17歳になった彼は、故郷南極を離れ、大会で世界チャンピオンを目指すため南国へと向かう。

アニメとはいえ本格的なサーフィンムービー。なのに日本では真冬に公開、登場人物はみなペンギンで明らかに06年の『ハッピー フィート』を意識。しかし中身はコディを取材する形の、奇妙なドキュメンタリー映像風。サーフィンシーンでは葛飾北斎の構図を使い、実在の関係者もキャラクター化。いたるところ、王道から一歩ズレた裏道まっしぐら、といった印象。

50点
人気シリーズもそろそろマンネリ

この映画の配給会社であるソニーピクチャーズの試写室は最近新しくなったが、昼白色の蛍光灯で真っ白に照らされたそこのトイレの内装を見ると、私はポール・W・S・アンダーソン監督が『バイオハザード』で作り上げたあの独特の研究所のそれを思い出してしまう。いつ壁からレーザーがでてくるかと冷や冷やしてから席に戻ると、気分も同時に盛り上がる。

ところがこのパート3ではそんなこれまでの雰囲気がガラリと変わり、見ているだけで口の中が砂っぽくなるような、荒野・砂漠化したアメリカが舞台に。前作からは8年が経過、人々をゾンビに変えるT-ウィルスは世界中に広がり、人類と文明社会はいよいよ滅亡の危機に瀕している。

残りわずかな食料と弾薬、ガソリンを求める生存者たちは、あるものは略奪者となり、別の人々は集団で移動生活を余儀なくされている。まるで『マッドマックス』や『北斗の拳』のごとき世界だ。シリーズの主人公アリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、T-ウィルス対策を研究するアンブレラ社から遺伝子情報を狙われ、偵察衛星等で24時間捜索されている。その目をかいくぐりながら、オートバイで各地の生存者を探して回っている。

50点
『転校生』より上の世代向けの青春?ドラマ

先日公開された『転校生』リメイク版の記憶も新しい大林宣彦監督による、切ない系ドラマである本作は、同時に同監督の『なごり雪』(02年)に続く、昭和フォークの名曲の映画化作品だ。モチーフとなった伊勢正三の『22才の別れ』は、老若男女誰もが知ってるであろう人気曲で、作中でも何度もあの悲しげなメロディが流されている。

福岡で商社マンとして高収入を得ている44歳の川野俊郎(筧利夫)は、もう37にもなる同僚の独身OL(清水美砂)と、結婚するわけでもなくダラダラとした付き合いを続けていた。そんなある日、川野は『22歳の別れ』を口ずさんでいた不思議系コンビニ店員の少女(鈴木聖奈)と、妙に気のあった会話を交わす。すると後日、バイトを辞めた彼女が彼の家の前で待っているのだった。

さて、この不思議ちゃんはあろうことか主人公に、「エンコーしませんか」などと言う。センター街の地べたで座っている、顔の色のコントラストが激しい女の子たちならともかく、どう見てもそういうセリフが似合うティーンではないのだが、はたして彼女の意図やいかに。

50点
ロハスピープルに贈るロマンティックコメディ

若いときに目いっぱい働いて、早期リタイヤを目指すアメリカのパワーエリートのような生き方にあこがれている人が、最近この国でも増えている。そんな人にとって『プロヴァンスの贈りもの』は、さらにモチベーションを引き出す源になるであろう。

日々億単位のカネを動かすロンドンの敏腕トレーダー、マックス(ラッセル・クロウ)の元に、少年時代なついていたヘンリーおじさん(アルバート・フィニー)の訃報が届く。唯一の近親者ということで、マックスはヘンリーが手塩にかけたぶどう園を相続することに。しかしカネしか興味のない彼は、さっさと売り払う事を決めてしまう。

その手続きのため向かったプロヴァンスの田舎町で出会う人情味ある人々、そしてスタイル抜群フランス娘(マリオン・コティヤール)との恋。やがて少年時代の懐かしい思い出がマックスの頭によみがえり、彼は殺伐とした都会暮らしで失ってしまった人間としての心を取り戻す、そんな良くあるお話だ。

50点
まるで中休み

その年の興行収入では必ずトップ候補となるこの超人気シリーズも、はや5本目。これだけ回を重ねれば、水戸黄門的なマンネリズムを獲得するのが一般的だが、この魔法使いものは、最強最後の敵"ヴォルデモート卿"を倒すという目的に向かうサーガ(冒険譚)であり、同時にキャラクター3人の成長物語であるから、常に毎回新鮮な興味を与えてくれる。

ホグワーツ魔法学校5年生となったハリー(ダニエル・ラドクリフ)は、掟を破って人間界で魔法を使ってしまい、退学騒動を巻き起こす。ダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)のはからいで事なきを得たものの、結果的に校長を追い落としたい魔法省に付け入る隙を与えてしまう。ホグワーツには監視役の女教師が送り込まれ、ハリーは彼女の目を盗みつつ、ロン(ルパート・グリント)、ハーマイオニー(エマ・ワトソン)らと共にヴォルデモート卿対策としてのダンブルドア軍団を結成、訓練することになる。

このシリーズ5作目は、あきれるくらい話が進まない。映画版は1作で1年間を描いているはずだが、肝心のヴォルデモート卿が攻め入ってくる気配も恐怖も感じられない。天下の大魔王もずいぶんのんきなものである。

50点
ばかばかしいパロディながら、作り手の本気度が高感度大

『最終絶叫計画』に代表されるようなハリウッド映画のパロディ作品は定期的にリリースされるが、これもそのひとつ。この手のジャンルを得意とする同作品のスタッフが、相変わらず気合の入った構成で送る最新作だ。

主人公は4人の成長した孤児。暗殺されたルーブル美術館長の娘ルーシー(ジャイマ・メイズ)、メキシコのルチャリブレ(プロレス)から逃げてきたエドワード(カル・ペン)、乗ってた飛行機が蛇に襲われたスーザン(フォーン・チェンバース)、そして背中に羽が生えるミュータントのピーター(アダム・キャンベル)。彼ら4人はそれぞれ板チョコの中の黄金チケットを偶然手にし、あるチョコレート工場に集結する。

そんなあらすじから想像できるとおり、今回の元ネタは『チャーリーとチョコレート工場』『ダヴィンチ・コード』『ナチョ・リブレ』『スネーク・フライト』『Xメン』といったところから始まる。日本では公開中の『ボラット』など、少々マニアックなトコもついているが、ほとんどは大ヒット作ばかりだから普段映画をよく見ている人はほとんどのギャグを理解できるだろう。

50点
映像は綺麗だが、心に残るセリフがない

82年生まれの若手作家豊島ミホによる同名の青春小説は、ごく普通の高校生活を瑞々しく描写して同世代の読者の共感を得た。その映画化である本作も、青春映画の王道を堂々と歩む、直球の学園ものとなっている。

自然に囲まれたとある地方の高校。成績優秀、吹奏楽部の指揮者もつとめる学園のアイドル的存在の加代子(榮倉奈々)を、中学以来思い続けている野球部の西(石田法嗣)。しかし彼女はなぜか西には冷たい。その代わり、エースピッチャーの佐々木と急速に接近していく。一方、音楽ライターを密かに目指し、四六時中ポータブルプレイヤーを手放さない恵(谷村美月)は、生まれて初めて自分と趣味がドンピシャの辻本(林直次郎)と出会い、一気に舞い上がる。

この5人の物語を、柔らかに露出した美しい映像とピアノを中心とした繊細な音楽で描き出す。何の変化球も織り交ぜない、ど真ん中を行く高校生青春ムービーだ。

50点
多くの日本人には響きにくいのではないか

タイトルのサムサッカーとは、親指しゃぶりの癖(thumb sucking)からきている。この映画の主人公は、まさにその癖をやめられない17歳。本作は、彼の成長と苦悩を、等身大のエピソード満載で描く青春映画だ。

17歳になってもサムサッキングの癖がやめられない主人公(ルー・プッチ)。唯一話がわかる歯医者(キアヌ・リーヴス)は、癖の原因を不安だと見抜き、催眠術療法をかけてくれたが、不安解消のはけ口だった癖を失った彼は、よけいにひどい症状に。ところがそのせいで精神科医から処方された抗鬱薬が効果てきめん。別人のようにポジティブになった彼は、好きな女の子(ケリ・ガーナー)とも上手くいき始めるが、それはそれでまた別の問題が巻き起こってくるのだった。

この作品は、非常に普遍的なテーマを扱っている青春映画だ。少年は、欠点を無くすのではなく克服すべき、というのがそれ。この映画の彼の場合は、自分の周りに目を向けられるよう、成長を遂げたことで、本来のコンプレックスも改善に向かっていく。ごく当たり前の事を言っているわけだが、その語り口はユニークだ。

50点
個性あふれる意欲作ではあるが、出来栄えは平凡

元陸上自衛隊員で、保守派として知られる俳優今井雅之が、自身の代表作である舞台劇を、自ら脚本を書き、監督して映画化。海外で高い評価を得た舞台の映画化ということで、全編英語による脚本、セリフの意欲作となっている。

NYで活動するお笑いコンビのマイク(ニコラス・ペタス)とキンタ(ウェイン・ドスター)は、まったく才能がなく、ついにライブハウスを首になった。しかも直後に遭遇した交通事故により、二人とも戦中へとタイムスリップ。ときは1945年の8月1日、神風特攻隊。マイクは岸田守海軍中尉(今井雅之)、キンタは福元貴士海軍少尉(松本匠)の体へと転生していた。

現代アメリカ人の二人が、よりにもよって特攻隊員の体に転生するというお話。しかも、現代人としての記憶や人格を保ったままの転生だから大変である。平均程度の歴史知識しかない、ごく普通のアメリカ人である彼らに、特攻隊など理解できるはずもない。案の定、現場を混乱させる彼らの姿を、時にコミカルに、そしてシリアスに描き出す。全編英語によるファンタジーだ。

50点
題材が中島監督のタッチに合わない

以前、このページで『下妻物語』を紹介したとき私は、「これこそ、このページを信頼してくれる読者の方にずっと見てほしいと私が考えていた日本映画の形だ」と書き、絶賛した。その監督、中島哲也(なかしまてつや)の最新作が、この山田宗樹の同名小説の映画化『嫌われ松子の一生』だ。

内容は、タイトルどおり松子(中谷美紀)という風変わりな女の一生を描くもの。この女性が何者かに殺害されたというところから話が始まる。彼女はゴミ屋敷のようなアパートに住んでおり、周囲との交渉もほぼゼロ。引きこもりで、不健康に太った不気味な女として登場する。

彼女が殺された原因は何なのか、どんな一生を送っていたのか、それを、残された親類の少年が回想するという展開になる。

50点
ジャッキー異色作

ジャッキー・チェンといえば、クンフー映画やコミカルな現代劇で、独特のアクションを見せてくれる大スター。ところが、意外なことに歴史もの、特に武侠アクションといわれるジャンルは未踏であった。『THE MYTH 神話』は、そんな彼がはじめて挑戦した、香港=中国合作の武侠アクション映画だ。

映画は、2200年前、秦の始皇帝の時代に生きるジャッキー(皇帝の将軍役)と、現代のジャッキー(考古学者役)のストーリーが交互に展開する。2200年前の物語は、考古学者が見る奇妙な夢の物語として描かれる。二つのストーリーは、2200年前のジャッキーが警護していた姫(キム・ヒソン)の存在により、最終的に一つにまとまり、感動のラストを迎える。なかなか壮大な構成で、一言でいうと、数千年にわたる愛の物語となっている。

歴史ものと、現代アクションを同時に見られるようなもので、なかなかお得感がある一本だ。まず、まじめで行動的な考古学者役のジャッキーは、寺院で大立ち回りを演じたり、インドの美女(マリカ・シェラワットという、人気上昇中のナイスバディなインド人女優が演じている)に助けられたりと、相変わらずの大活躍。

50点
さわやかで勢いのある野球ドラマ

『ピーナッツ』は、ウッチャンナンチャンの内村光良が、初めて監督した映画作品である。野球を題材にした人間ドラマで、コメディ色もたっぷり(しかしやりすぎてはいない)、万人むけの娯楽映画に仕上がっている。

そのウッチャン演じる主人公は、スポーツものを得意とするライター。かつて自身が所属した草野球チーム「ピーナッツ」について書いたドキュメンタリーが、好評を得たこともあったが、今はスランプ中だ。そんな彼が、何かを思って故郷に戻ってきた。しかし地元商店街は大規模再開発の波にもまれ崩壊寸前、かつてのチームメイトたちも、バラバラになっていた。

さて、そこから先は、仲間たちを集めてチームを再結成、ある目的のために、背水の陣で試合に臨むという王道の展開。オジサンたちの再奮起、やればできるんだという"みんなガンバろうぜ!"式の青春(?)ドラマになっている。

50点
安全パイの塊

年末恒例の長編ディズニーアニメーション。……とはいえ、『チキン・リトル』には、これまでのディズニー作品とは大きく異なる点がある。それは、この作品は、はじめてディズニーが自前で製作した、フルCGアニメ映画ということだ。

ちなみに、大ヒットした『ファインディング・ニモ』や『Mr.インクレディブル』は、3D-CGの技術に定評があるアニメスタジオ、ピクサー社が製作し、ディズニーの名前を冠して配給された。今回はじめて、ピクサーのネームバリューに頼らない、ディズニー純正CGアニメの実力が試される。要注目である。

のんびりした小さな町で暮らすニワトリの少年(声:ザック・ブラフ)は、ある日"空の破片"が落下してくるのを発見する。町中をひっくり返すような大騒ぎに発展したものの、結局破片は見つからず、皆から笑い者になる始末だった。大好きな父親の信頼もなくし、失意の中、再び彼は"空の破片"を目撃する。

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