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2121件中 1251~1300件 を表示しています。
55点
初ヌード村川絵梨の頑張りが光る

花芯とは子宮の意味があるそうだが、そのタイトルが示唆するように、映画「花芯」は女としての本能を大切に生きたヒロインの半生を描く文芸作品である。

園子(村川絵梨)は親が決めた夫の雨宮(林遣都)と結婚した。雨宮は園子にぞっこんだったが園子はどこか日々の暮らしに満たされぬものを感じていた。そんなとき、夫とは違ったタイプの上司である越智(安藤政信)に強く惹かれてしまう。

文春に見つかると大変な、まさに今はやりの不倫ものである。

55点
セクシーな新ターザン

ジェーンと結ばれた後の物語である「ターザン:REBORN」は、奇しくも小説版ターザンが参考にしたという「ジャングル・ブック」と同時期に日本公開される。

19世紀末のロンドン。貴族生まれの野生児ターザン(アレキサンダー・スカルスガルド)は、家督を継ぎジョン・クレイトンとして妻ジェーンと暮らしていた。あるとき彼は外交の仕事で故郷のコンゴを訪れるが、そこでジェーンが連れ去られてしまう。再びジャングルへ戻る羽目になったジョンは、すぐにターザンとしての力を取り戻すが……。

ターザンはこれまで何度も映像化されてきた。とくに往年のファンにはジョニー・ワイズミュラーが演じたターザンが有名だろう。開催中のリオ五輪の競泳選手を見てもわかるとおり、ワイズミュラーのように(元)水泳選手の身体というのは行き過ぎたセパレーションやストリエーションが見られない自然な体つきなので、野生動物的なターザン役としてはイメージ通りというわけだ。

55点
本格山岳映画になり切れなかった

山岳映画には本格的なものが少なくないが、「エヴェレスト 神々の山嶺」は世界最高峰エベレストという舞台をえながら、いまひとつ高みに登り切れなかった。

イギリス人登山家ジョージ・マロリーはエベレスト登頂を果たしたのか否か……。登山愛好家の永遠の謎を解き明かすカギである彼のカメラが発見された。それを見つけたカメラマンの深町誠(岡田准一

)は、その謎を追ううちに登山家の羽生丈二(阿部寛)という人物に突き当たる。

55点
金融映画版ブラックホークダウン

アカデミー作品賞こそ「スポットライト 世紀のスクープ」にさらわれたが、欧州、米国、中国、そして日本と世界中が金融危機前夜の様相を呈しているいま、タイムリーさなら「マネー・ショート 華麗なる大逆転」も負けていない。

まるで観光客かヒッピーのような風体のトレーダー、マイケル(クリスチャン・ベイル)は信用度の低いサブプライムローンがそうは見えないよう、金融商品に組み込まれていることを見抜く。自分の判断に絶対的自信を持ってきた彼は、正規の空売りを仕掛けるが、それは祖国アメリカの崩壊に賭けるという意味でもあった。そして同じころウォール街の片隅には、マイケルと同じくわずかながら崩壊の兆しを嗅ぎ取った男たちがいた。

経済用語が躊躇なく飛び交うため、非専門家が予習なしで挑むのはなかなか難しい。少なくともリーマンショックのメカニズム、クレジット・デフォルト・スワップ、デリバティブ取引といった基礎的な部分についてはある程度仕組みを理解していないと、内容についていくのは困難だろう。

55点
そんな大事なモン郵送するな

石井あゆみの漫画をテレビドラマ化した、その映画版である本作は、TVドラマの映画化にありがちな悪い部分がふんだんに出てはいるが、歴史好きならギリギリ許せるレベルに仕上がっている。

戦国時代にタイムスリップし、信長を演じることになってしまった高校生サブロー(小栗旬)。彼は知らず知らずのうちに史実通りの道を歩んでいく。やがて妻・帰蝶(柴咲コウ)との結婚式をどうするかで頭を悩ますサブローだったが、その裏で明智光秀こと本物の信長は、サブローの命を狙い始めていたのだった。

さて、本能寺の変は起きるのか否か、というお話だが、誰が一体何歳の設定で、今が何年なのかさっぱりわからないまま話が進むという、たいへんな力技である。

55点
古きよき、昭和は遠くなりにけり

50代以上くらいのチョイワルな元若者たちをターゲットにした刑事ドラマシリーズの、正真正銘完結編。

潔い終わり方は、一抹の寂しさと共に清々しささえ感じさせる。

問題児と言われながらも、命がけで横浜の治安を守り続けてきたタカ(舘ひろし)とユージ(柴田恭

55点
何か月で、このカラダ?

『眠りなき狙撃者』81年と、ちょいと古い原作をもとにした「ザ・ガンマン」だが、めっぽう強い主人公を演じたショーン・ペンが異様なまでの身体づくりをしているせいで、妙に本格感あふれる異色作に仕上がった。

コンゴ共和国で大臣暗殺の任務を終えたジム(ショーン・ペン)は、恋人アニー(ジャスミン・トリンカ)を置いたまま、涙を呑んで国外へと去る。8年がたち、殺しの仕事の贖罪のためNGOで井戸掘りの重労働にいそしんでいた彼は、明らかにプロとみられる連中の襲撃を受けるのだった。

映画の舞台となる昔のコンゴを今のどこかに当てはめて、そこで儲ける多国籍企業や利権にうごめく怪しい勢力の謎解きをすることもできなくはないが、そんなことより見るべきはショーン・ペンの肉体である。

55点
ドイツも戦後70年

今年は戦後70年だから、ドイツにおいても過去を振り返る戦争映画がたくさん作られている。ドイツであの戦争といえば、ヒトラー映画になるのは当然だが、ことこのネタについて彼らと我々外国人では基礎的な教養に大きな差がある。よって本作も、相当ヒトラーとかナチスというものに詳しい人でないと、十分に理解できない。

39年の11月。恒例のミュンヘンにおけるヒトラーの演説で、爆発物による暗殺未遂事件が起こった。偶然13分間早く切り上げたためヒトラーは難を逃れた。この事件の犯人は、平凡な家具職人のゲオルク・エルザー(クリスティアン・フリーデル)いったいなぜ彼はこんなことをしたのか。その過去がいま明らかになる。

欧州とくにドイツ人の、この問題に興味がある人をターゲットにしている映画なのでとにかく説明が少ない。

55点
前シリーズより下

マーベルヒーローの中でも登場が早く、ほとんど元祖的存在でありながら、映画化権を持つ会社が違うため映画界ではマイナーな存在に甘んじている「ファンタスティック・フォー」。05年から2作作られた前シリーズは、ジェシカ・アルバなど人気者をそろえ、それなりに出来のいいアクション映画だったが、結局尻すぼみでシリーズ消滅。しかしアイアンマンはじめ(映画版他社の)ライバルヒーローたちの大商いを見て、リブートという形で再び土俵に上がってきた。

発明少年だったリードは、小5にして親友ベンとともに物質転送装置の原型を発明する。ところが周囲ははなからバカにしてその本質を見ることもしない。唯一、バクスター財団のストーム博士のチームはその発明を高く評価し、リードを財団にスカウトするのだった。

さて、成長したリードはみずから仲間と転送装置に入り、異次元空間に行くわけだが、そこでトラブルが起き、おかしな能力を身に着けることになってしまう。同時に宿敵も誕生するわけだが詳しくは劇場で。

55点
ややアイデアに負けているが

「パージ」は55点と微妙な点数だが、このあと来月公開される続編の出来がすこぶる良いため、できれば皆さんに見てほしい。そんな映画である。

一年に一夜、12時間だけあらゆる犯罪行為が合法となる日を定めた「パージ法」が施行されたアメリカ。やがて治安は劇的によくなり、日常の暴力行為はゼロとなった。いまでは国民の多くがパージ法を支持して受け入れている。そして今夜、パージの日。一家の良き父ジェームズ・サンディン(イーサン・ホーク)は、防犯システムを導入したばかりの自宅で家族そろい、安心の夜を過ごすつもりだったが……。

さて、パージが始まるといろいろなことがわかってくる。その最たるものは、どうやらパージの特権を悪用して、殺人を楽しんでいる輩がいるらしいことだ。そして運命の時はやってくる。そんなキチガイ集団に追われた傷だらけの黒人が、家の前に現れたのだ。

55点
高齢者になるまでラブコメをやる気か

平均視聴率34%超えという人気を誇るテレビドラマ「HERO」。14年のセカンドシーズンはかなり数字を落としたが、それでも20%を超えてくるのだからあなどれない人気ぶりである。

映画版二作目となる「HERO」も、タイトルをまったく変えないことからも、作り手が相当な自信を本作に持っていることがうかがえる、東宝夏のキラーコンテンツである。

コンパニオンの女が交通事故死した事件を調べていた検事・久利生公平(木村拓哉)の前に、いまは大阪で検事をつとめるかつての部下、雨宮舞子(松たか子)が現れる。彼女の登場により、死んだ女が重要証人だったこと、現場がネウストリア大使館の裏だったことが判明し、事件は予想外の展開をたどる。

55点
小さい子を持つ父親の理想像

前作「おおかみこどもの雨と雪」で出産と育児の喜びを母親目線で描き、女性たちの絶大な支持を得た細田守監督は、新作「バケモノの子」でこんどは父子関係の映画を作った。「おおかみこどもの雨と雪」の次回作としては、無難な企画といってよい。

あてもなくうろつく家出少年(声:宮崎あおい)は、渋谷の路地で熊徹(声:役所広司)なる化け物に出会う。彼の言葉にひかれるように追いかけた少年は、いつしか「渋天街」というバケモノの世界へと迷い込むのだった。

「おおかみこどもの雨と雪」を見て期待してやってきたようなライトユーザーであれば、そこそこの満足と感動の涙を流して帰路につけるであろう、安定した出来のアニメーション映画である。

55点
後半は超難解

俳優の全身をスキャンし、その後はデジタル俳優としてスタジオ側がその権利を所有する──そんな恐

るべき設定のSF映画「コングレス未来学会議」は、しかしそのとっつきやすさと裏腹に、きわめて解釈

困難でシュールな難解映画である。

55点
最後の楽曲がいまいち

合唱映画は個性的なものが多いが、大学のアカペラ部で奮闘する女の子の成長もの「ピッチ・パーフェクト」もそのひとつ。現在パート2が本国で爆発的人気となっており、遅ればせながら日本でも1作目から公開されることになった。

大学教授の父を持つ音楽好きのベッカ(アナ・ケンドリック)は、父親の強い要望で父の大学に入ることになった。DJのバイトに精を出し、大学生活などつゆほどにも興味も持てないベッカだったが、シャワー中の鼻歌をアカペラ部のクロエ(ブリタニー・スノウ)に聞かれ、半ば強引にスカウトされてしまう。

続編も年内日本公開予定なので、とりあえずこのビッグウェーブに乗りたいひとは本作からみないといけない。

55点
よく盛り返した

期待をやや裏切る出来映えだった前編公開から5か月。早くも登場する完結編は、スタッフの頑張りによってかなかなかの盛り返しを見せた。

新一(染谷将太)は、広川市長(北村一輝)率いるパラサイトたちの組織だった動きに、ミギー(阿部サダヲ)とともに抗っていた。だがそのブレーンたる田宮良子(深津絵里)は、人間の子を出産、育児する流れの中で、人類との共存を模索していた。

この後編では、原作同様「寄生獣」の真の正体が明らかになる。現実世界へとつながるその哲学的なテーマと、ドラマチックな最終戦闘への流れをいかに盛り上げることができるかが、本作最大の期待ポイントといえる。

55点
インフレ一段落

17年ぶりに復活した劇場版前作「DRAGON BALL Z 神と神」(13年)が、興収およそ30億円の大ヒットとなったのを受けて今年も作られたドラゴンボールZ最新作。タイトル通り、人気悪役フリーザが復活する。

フリーザの復活を狙うフリーザ軍の残党ソルベとタゴマは、ドラゴンボールを擁する地球へと向かっていた。おりしも孫悟空(声:野沢雅子)とベジータ(声:堀川りょう)は破壊神ビルスの付き人ウイスのもとで修行中で留守であった。

ドラゴンボールと言えば、アベノミクスがうらやむほどの敵インフレ路線を堂々と突き進む、まさに週刊少年ジャンプイズム最強の具現者である。

55点
作品賞だが地雷映画

米アカデミー賞は設立時からねぎらい空気というか、功労賞としての役割が強い賞である。ならば12年間も企画を継続させた「6才のボクが、大人になるまで。」でもいいだろうと予想していたが、結果としてはそれ以上にマイケル・キートンをねぎらう空気が盛り上がったようだ。

娯楽映画『バードマン』でスターになったリーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、その後イメージチェンジに失敗し、いまや落ちぶれていた。再起をかけるべく彼が力を入れているのが自ら脚色した舞台「愛について語るときに我々の語ること」。だが、他のキャストや娘との確執に苦しむ彼は、本番を前にさらに追い詰められていくのだった。

撮影賞もとった本作だが、巷で言われているほどワンカット長回しをほめたたえる気にはならない。ヒッチコックの昔ならいざ知らず、デジタル技術全盛の今、こうしたルックの映画を作るのはそれほど難しいことではあるまい。

55点
演技や映像はいいのだが

原作ものの映画化において、監督以下スタッフは当然ながら原作を読んでから挑む。それが有名だったりベストセラーだったり大御所の作品だったりするほど、そのエッセンスをどう映像化しようと頭を悩ませることになる。そしてそこに、ぽっかりと落とし穴があいている。

雪のクリスマスの朝。登校した涼子(藤野涼子)は同級生・柏木卓也(望月歩)の落下死体を発見する。警察や学校の調査により自殺かと思われたが、何者かによる告発状は、彼の死が同級生によるイジメ殺人であることを示唆していた。

原作を読み込めば読み込むほど、未読者の気持ちからは離れていく。これはやむを得ないことだが「ソロモンの偽証 前篇・事件」はその落とし穴に片足が落ちており、未読者が映画版だけを見るといろいろな不具合に遭遇する。

55点
ヒロイン二人ががんばる

モノクロパートカラーのスタイリッシュな映像美で世界を揺るがした「シン・シティ」から9年。革新的だったビジュアルも、いまやどことなくレトロを感じさせるようになった。なかなか趣きある続編である。

荒くれ者が集う街シン・シティの癒しの女神、ナンシー(ジェシカ・アルバ)は、かつて自分を救ってくれた刑事ハーティガンの仇をうつため、密かに怒りをたぎらせていた。だがその相手、ロアーク上院議員(パワーズ・ブース)の勢力は拡大する一方で、街の腐敗も進んでいくのだった。

まず、悪党どもの中で魅力を振りまくヒロイン陣の中でエヴァ・グリーンのはじけっぷりが群を抜く。ハードボイルドな探偵ドワイト・マッカーシーをセックスで翻弄する悪女役。ヌードも辞さず、どころか脱ぎまくりで男どもを虜にする。かつての超ナイスバディも30代半ばに差し掛かり、私には断じてよくわからない分野ではあるが、いわゆる熟女ファンにはたまらないところであろう。

55点
原作のいいところ全部入りだが

ピクサー超えまで視野にいれ、日本最良というべき原作のCGアニメ化に挑んだ「STAND BY ME ドラえもん」だが、彼らの前にはピクサー以前に藤子・F・不二雄という高い壁が立ちふさがっていた。

ダメ少年のび太(声・大原めぐみ)の前に、22世紀から子孫を名乗るセワシ(声・松本さち)がタイムマシンに乗って現れた。なんでも大人になったのび太のこしらえた借金のせいでひどい目に合っているのだという。そこで彼は、嫌がるネコ型ロボットドラえもん(声・水田わさび)を強制的にプログラムしてのび太の世話役に置いていくというのだった。

この映画の問題点ははっきりしていて、それは総集編では決してないのに総集編感がきわめて強く感じられるという一点にある。

55点
大人の気晴らしでしかない

「アナと雪の女王」が空前の代ヒットを記録したディズニーアニメーションの、注目された次回作「ベイマックス」は、海外市場で群を抜いた興収を記録した日本に感謝するかのごとき、日本推しの内容である。

14歳のヒロ(声:ライアン・ポッター)は、愛するキャスおばさんのもと、兄のタダシ(声:ダニエル・ヘニー)と幸せに暮らしていた。ヒロには天才的な科学の才能があり、兄の通う大学の研究室でも仲間たちの研究に目を輝かせていた。ところがあるときタダシの身に大変なことが起こり、彼の運命は一変する。

日本スタッフ主導の主題歌推しプロモーションでアナ雪が大ヒットしたため、個人的には「ベイマックス」の宣伝戦略に注目していたが、意外なほどにアメコミ色を消した宣伝に再び驚かされることになった

55点
イブ専用映画

「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」は、恋愛映画の名手・犬童一心監督と、クリスマスソングの代名詞・山下達郎(音楽監修)、中村航(「100回泣くこと」ほか)の原作、そして相葉雅紀&榮倉奈々主演という、まさに対カップル完全武装によるクリスマス専用ラブストーリー。

漫画家の夢を持ちながら書店バイトでくすぶっている光(相葉雅紀)。そんな彼が偶然街で出会い、恋をした相手は自分とは不釣り合いなセレブで照明アーティストのソヨン(ハン・ヒョジュ)だった。そんな話を幼馴染でオブジェ作家の卵の杏奈(榮倉奈々)に相談すると、彼女は複雑な表情を見せつつも彼の恋に協力を申し出てくれるのだった。

クリスマスデート専用というコンセプトがこれだけはっきりしているのに、肝心のユーザーの動線への思いが至らない点が、本作のダメなところである。

55点
足るを知らない大国人

クリストファー・ノーラン監督はデビュー作「フォロウィング」(98年)以来、「メメント」(00年)から、超大作であるバットマン三部作に至るまで凝りに凝った──ひらたくいえば少々ややこしい作風を続けている映画監督である。製作費170億円クラスの「インターステラー」にしても、それは変わらないのだから凄いことだ。

未来の地球では、かつての肥沃なアメリカ大陸でさえ、食糧難と環境破壊で居住環境が著しく低下していた。そこで、宇宙に新天地を求めるミッションが計画され、元テストパイロットのクーパー(マシュー・マコノヒー)らが抜擢される。彼には幼い娘と息子がいたが、高速航行する宇宙時間よりはるかに早く流れる地球時間との差を考えると、子供たちが存命中に地球に戻れるかどうかはかなり微妙なところだった。

「インターステラー」は、理論物理学者キップ・ソーンを製作総指揮に迎え、彼の最新理論によるブラックホールほか宇宙の風景を楽しめる本格SF作品である。フィルム撮影などアナログ&ローテクを好むこの監督らしく、宇宙船や同行するナビゲーションロボットなど、普通ならCGで処理するようなものも、セットや小道具を製作して撮影。そのため、「2001年宇宙の旅」(68年)はじめ往年のSFの傑作をほうふつとさせるルックスの、どこか懐かしい不思議な最新作となっている。

55点
勇気あるラストと及川奈央の温泉シーン

SF作品「ヲ乃ガワ-WONOGAWA-」は、低予算ながらなかなかよくできたディストピアものである。

21世紀におきた、大崩壊と呼ばれるカタストロフィを経た31世紀。残存する人類はそれぞれ小さなコミュニティで暮らしていた。ある温泉地に建設された小国家「ヲ乃ガワ」の考古学者・月山ヲノガ(前田希美)は禁じられた前文明の遺跡調査中、古い携帯電話と画像データを発見する。だがそのとたん、彼女たちは命を狙われ始めるのだった。

おそらく映画はハリウッド作品しか見ない、なんて人がこれを見たら仰天するほどチープに見えることだろう。

55点
Vシネマ25周年記念作

Vシネマを劇場で見るニーズがどれほどあるのかは読みにくい。昔は極道ものを皆で映画館に見に行ったりしたが、今の日本人にそうした習慣はないだろう。リアリティや豪華な映像を見たいわけではない。あえていえば、フィルムに込められた情熱。そんなものを共有したいと考える人々の足が、東映Vシネマ25周年記念作品「25 NIJYU-GO」に向いているのだろう。

西池袋警察署の桜井慎太郎(哀川翔)と日影光一(寺島進)は、自他ともに認める悪徳警官。今日も押収した金が足りないと上司に呼び出されている。その返済を暗に強制されたことで追い詰められた二人だが、偶然にも巨額横領事件の容疑者・九十九信夫(温水洋一)を発見、色めきだつ。九十九はいまだ残金25億を隠していたが、しかしそれを狙うのは刑事二人だけではないのだった。

哀川翔はワルっぽい見た目とは裏腹に家族主義で知られ、子供が小さい頃から子供の方が疲れて眠るくらい遊びにつきあうという、良き父親である。

55点
女優のカリスマに頼りすぎ

ほんの数年の間にわずか11本の映画に出ただけなのに、その名を永遠としたオスカー女優がいる。「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」の主人公グレイス・ケリーのことだが、いわずと知れたのちのモナコ公妃であり、若くして交通事故で世を去った、まさに映画のような人生を生きた女、でもある。

モナコ大公レーニエ3世(ティム・ロス)と結婚した女優グレース・ケリー(ニコール・キッドマン)は、二人の子供に恵まれながらも王室内に友人もなく孤立していた。それでも変わらず接してくれるヒッチコック(ロジャー・アシュトン=グリフィス)と再会し、久しぶりに笑顔を取り戻した彼女に、この映画監督は自作の主演と復帰話を持ちかけるが……。

古い時代の女優の中でもグレース・ケリーの美貌は別格で、「裏窓」あたりの彼女はスチールで見ても動画でみても非の打ちどころのない美人女優といえる。ヒッチコックが愛したブロンドの中でも群を抜いていて、だから本物の姫様になった逸話も納得であろう。

55点
肩透かしを食らおうとセガールについていく男のためだけの映画

スティーヴン・セガールといえば世界最強。ハリウッドの枠を、いやフィクションの枠すら悠々と乗り越え、いまや恐怖のメキシコマフィアから国境を警備する警官、保安官として、あるいはアリゾナの州知事候補として現実の悪と戦う男である。

そんなセガールの沈黙シリーズといえば、泣く子も黙る痛快アクション。むしろ悪党が気の毒になったり、どう見てもお前のほうが多く殺しているだろうと誰もが突っ込みたくなる彼の代表シリーズである。各作品の内容にまったくつながりはないし、セガール演じる主人公の職業もまちまちだが、コックだろうが環境運動家だろうがとにかく強くて、悪を全滅させるのは同じである。

そんなセガールにはもうひとつ、ローマ字題名シリーズ(?)といって、こちらもセガールが相手をコテンパンにぶちのめすアクションシリーズがあるわけだが、「沈黙のSHINGEKI/進撃」はなんとその両者を融合させた話題作。これはどう考えても、歴代セガール出演作の中でも必見の、何かが起こる予感プンプンの最新作と言わざるを得ない。

55点
エメリッヒ版とは雲泥の差だが

日本版一作目「ゴジラ」(54年)の「そのうち行き過ぎた科学技術によりしっぺ返しを食らうぞ」とのメッセージはまぎれもなく先見性があるものであったが、それをハリウッドが二度目の実写化でようやく言及したからといって、日本の愛国的映画批評家たる私が手放しで傑作と褒め称えるなどと思ったら大間違いである。

科学者ジョー(ブライアン・クランストン)は、職場である日本の原発事故で愛する妻を失った。15年後、米海軍の爆発物処理隊員である息子のフォード(アーロン・テイラー=ジョンソン)は父とその事故現場を訪れることになるが、そこでは原発の廃墟どころか、想像を絶する極秘研究が行われていたのだった。

98年のローランド・エメリッヒ監督版「GODZILLA ゴジラ」こと、トカゲ捕獲ムービーの出来があんまりだったがために、今回のギャレス・エドワーズ監督版を見るオールドファンの多くは、随所に感じられる日本版への愛情表現を喜ぶことだろう。たしかに前作(?)にくらべると雲泥の差、よくできている。

55点
腹筋より大事なものがある

アメリカ人は旧日本軍の特攻隊に対する劣等感が根強いため、ハリウッド映画では登場人物が自己犠牲を選ぶ展開が多い。自分たちがやれないことを目の前でやられたので、戦勝国だというのにコンプレックスを抱いているのである。

こうした苦手意識は100年たっても消えるものではない。確かにある意味、常軌を逸した作戦であり、単純に美化していいものではないが、結果的に子孫たちに誇りと「日本」継続への鉄の意志を遺した点においては、現代日本人は彼らに感謝し続けなくてはなるまい。

強大なペルシャ軍にわずかな精鋭を率いてスパルタのレオニダス王が対峙しているころ、アテナイのテミストクレス将軍(サリヴァン・ステイプルトン)は、一般市民の寄せ集め兵ながらギリシャ連合軍を組織し、同じく立ち向かおうとしていた。だが、ペルシャ海軍指揮官アルテミシア(エヴァ・グリーン)は冷酷な女戦士。戦況は不利きわまりない様子であった。

55点
宣伝が最大の問題

「ミッション:15」の何が一番いけないかといえば、上映開始後45分間も伏せられている重要事項のネタバレを、宣伝効果のために映画会社が連呼している点である。

このジャンルで有名なカルト作のタイトルを宣伝に使いたい気持ちは痛いほど分かる。少しでも周知しないとこの手の小さな映画のビジネスは厳しい。そうした事情は承知しているものの、私は批評家だから申し訳ないが無視する。やはり大事な秘密を事前に伝えてしまっては、観客の楽しみの多くは減ってしまう。

首都ワシントンにある米軍医療施設に、3人のPTSD患者である兵士が通院している。診療の帰り、偶然同じエレベーターに乗り合わせたのは、中東で拷問を受けた女性士官のホワイト(ジェニファー・モリソン)、誤爆のトラウマを持つ無人機操縦士オールズマン(ジョシュ・スチュワート)、仲間を見殺しにせざるを得なかったディエゴ(スティーヴン・ライダー)。3人を乗せた箱は、途中で突然停止。慌てる三人だが、やがて断片的情報からワシントンが核攻撃を受けたらしいことを知る……。

55点
ローランドゴリラがプロ野球で大活躍

野球映画には傑作が多い。同時に、変化球というべき変わった作品も多い。日本でいえば、かわいい女の子が中日ドラゴンズのピッチャーになって活躍する話とか、そんな感じだ。

だが韓国は違った。彼らは美少女の代わりに、ゴリラを助っ人外人として活躍させる野球映画を作った。

中国の僻地に、つぶれかけの雑技団があった。そこでゴリラに芸を仕込む少女ウェイウェイ(シュー・チャオ)は、ゴリラと話せるとのふれこみだったが、それを見た敏腕スカウトのソン(ソン・ドンイル)は、そのゴリラを斗山ベアーズの助っ人としてスカウトする。かくして韓国球界にあらわれたゴリラの"ミスターゴー"は、打率9割9分、長打率10割の代打の切り札として、とてつもない活躍を見せるのだが……。

55点
うまくマンネリを打破した

もはや何匹目のどじょう、いや蛇なのかわからぬほど繰り返し映画化されてきた団鬼六「花と蛇」だが、こうした作品群を監督する人も大変だろうと思う。なにしろ杉本彩が過激さではすでに頂点を極めてしまっている。いったいその後に何を付け足せばいいというのだろう。

女性を監禁・調教する闇SMサイト。そこで人気の人妻・静子(濱田のり子)は夫の借金のカタにはめられたということだ。そしてそのサイトの過激さに、ズブズブとはまる欲求不満の主婦・瑠璃(桜木梨奈)。さらには違法行為を見逃す気のない女性警部・雨宮美咲(天乃舞衣子)。3人の運命は、やがて闇サイトを交点に激しく交わっていく。

さて「花と蛇 ZERO」だが、トリプルヒロインでマンネリ打破に挑むコンセプトを持ってきた。清楚な静子さんが縛られ落ちていくおなじみの展開はそのうち一つにさらりと潜り込ませ、残り2名のお色気担当で楽しませながら、驚愕のどんでん返しに持っていく荒技を見せてくれる。

55点
杉下右京がネトウヨ批判

該当記事に書いた通り「テルマエ・ロマエII」はいまの流行に沿った愛国保守ムービーだが、同週公開にその逆の思想背景を持つ「相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ」があるというのは面白い。どちらもそれぞれの映画会社のキラーコンテンツであり、GWにガチンコ対決というわけだ。

警視庁特命係の杉下右京(水谷豊)と甲斐享(成宮寛貴)は、かつて杉下の相棒だった神戸尊(及川光博)の誘いで太平洋の孤島でおきた死亡事故の調査に向かう。杉下にとっては取るに足らない案件と思われたが、神戸の真の目的は、この島で軍事訓練体験ツアーを行っている民兵グループの調査であった。

日本にも軍事訓練を体験できるツアーが現実にあるが、この映画のそれはさらに本格的。伊原剛志や釈由美子らが演じる民兵グループは元自衛隊との設定。人目につかない、この場合は孤島でサバイバル的共同生活をしている様子は、なんだか連合赤軍ぽい? なんて思ったりもするが、あくまで国防の一環たる行動だから思想的には逆だ。

55点
縮小再生産

東京で暮らしているとわかりにくいが、ちょっと地方に行くと今でも時代が止まったような風景に出くわし驚かされる。たとえば先日映画祭の取材で滞在した沖縄本島では、レッドカーペットの最前列でキャーキャーいう東京と大差ないオサレな夏ギャルがいたかと思うと、いつの昭和だよと思わせる暴走族が夜中の国道をかっ飛ばしていた。その服はいったいどこで売っているのかと思うようなファッションだが、少なくともこうしたマーケットは確実に、それもかなりのボリュームで存在するのである。

激しい抗争から時がたち、鈴蘭高校では新たなトップ争いが勃発していた。実力は折り紙つきながらそこから距離を置く鏑木旋風雄(東出昌大)は、凶暴な新入生・加賀美遼平(早乙女太一)とのいざこざからやがて戦いに巻き込まれていく。

「クローズEXPLODE」は高橋ヒロシの人気コミックを原作とする学園アクションドラマ。こうした不良もの作品は、ストリートレースを題材にしたクルマ映画などと共に、地方都市のヤンキー文化層の市場を視野に入れていると、以前関係者に聞いたことがある。劇場公開後もDVD市場で高稼働するのが特徴だという。

55点
ビールでも飲みながら

あらすじからは、ただのおバカえいがにしかみえない「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」は、しかしそう単純なものではない。だが、あえてそうした先入観をもってみる程度がちょうどいい。

イギリス郊外で生まれ育ったゲイリー・キング(サイモン・ペッグ)は、学生時代に失敗した12軒のバーのはしごに再び挑戦しようとかつての悪友たちを招集した。すでにアラフォーとなった中年男たちのバカげた挑戦が、いま再び始まる。

大して笑えないし、笑わそうともしていない。なんだこりゃ、と観客は戸惑うだろう。逆に言えば、この序盤を大笑いしている人よりは、そんな違和感を持った観客はするどい。やがて4軒目のバーから、ストーリーは仰天の大転換をみせる。

55点
現実のインパクトにもっと近づきたい

人気女優が風俗嬢などを演じることが、この日本でもよくある。だが本人に役柄のことを聞こうとすると、偉い人からそのことはあんまり聞かないでくださいねー、などと言われたりするそうだ。じゃあ何を聞けばいいのかと思ってしまうが、色々と大人の事情があるのでどうしようもないらしい。

敬虔なカトリックの家で育った21歳のリンダ(アマンダ・セイフライド)は、バーを経営するチャック(ピーター・サースガード)と出会い、あっという間に恋に落ちる。と同時にめくるめく性の世界を教えられた彼女は、よりチャックにはまり込んでいくが、やがて彼の金銭問題に巻き込まれる。

さすがはアメリカ、アマンダ・セイフライドほどの人気女優が、伝説のポルノ女優ラヴレースを、ヌードなど当然よといわんばかりにひょうひょうと演じきっている。

55点
どこまでもピントが合う世界

三部作の2作目はしっかりオチない宿命にあるが、それにしても「ホビット 竜に奪われた王国」の尻切れ感はひどい。

ホビット族のビルボ・バギンズ(マーティン・フリーマン)は、魔法使いガンダルフ(イアン・マッケラン)に誘われドワーフたち一行とともに旅を続けていた。彼らは邪悪なドラゴンが待つはなれ山に向かうが、途中でオークらの襲撃によりピンチに陥るのだった。

ドワーフの王国を取り戻す旅のくせに、ドワーフのほとんどがその他大勢扱いだったり、大ボスであるドラゴンがどこか大味で怖さを感じなかったりと、上映時間が161分もあるわりには前作同様、首を傾げるクオリティ。

55点
猪瀬事件も早く映画化したら

法律や慣例、常識といったものは、長い間の社会生活の中で人が暮らしやすく、トラブルを防止して穏やかに過ごせるよう、工夫を重ねられた結果生まれたものだ。

だからほとんどの場合、それらは有効に機能するが完全ではない。いつの世もそれら「きまりごと」の枠をはみ出す人間が存在し、彼らは自らの価値観にあわない「きまりごと」からの攻撃に耐えながら生きている。

詐欺師アーヴィン(クリスチャン・ベイル)と愛人のシドニー(エイミー・アダムス)は、ついに年貢の納め時でFBIに逮捕されるが、担当捜査官リッチー(ブラッドリー・クーパー)は彼らに意外な提案をする。それは、罪のおとがめなしを条件に、カジノ利権に群がる政治家とマフィアを架空の投資話に引き込み、一斉逮捕するおとり捜査への協力であった。

55点
不完全な世界で生きている人間たち

男の子には、成長の過程で師匠が必要なのだという。それは父親ではない、外部の人でなくてはならない。だとするならば、父親と息子の距離というものは、人生において一度は必ず離れるということなのか。

ピアニストとして成功したティモ(サムリ・エデルマン)は、しかし代償として家庭を失ってしまった。そこに3歳で生き別れて以来の父親レオ(ヴェサ=マッティ・ロイリ)がいきなり訪ねてくる。会わせたい人物がいると強引にドライブに連れ出すレオに、当初はうんざりするティモだったが、飲んだくれのダメ人間ながら底抜けに明るく前向きなその姿に、徐々に影響を受けていく。

この映画の二人のように、一度は離れた父子が再び近づくのは考えてみれば幸運なことだ。ほとんどは巣立った鳥のように、息子は勝手に遠くに飛んでいくだけ。それを邪魔しないのが粋な父親というもの、というわけだ。

55点
予算規模の割には魅せる

ウエンツ瑛士が主演でタイガーマスクを実写化する。そんな企画案を聞いて真っ先に思うのは、プロレスシーンをどうするつもりなんだ、という点であろう。その後、ビジュアルイメージで全身を衣装で覆ったタイガーマスクの姿が発表されたときは、なるほどこれなら身体を見せずにすむよね、と妙な説得力を感じた人も多いはずだ。本物の初代タイガーだっていまや全身タイツだし、まあいいかと、そんなところだ。

ミスターXお手製のマスクをつけると潜在能力の多くが引き出され、超人的な戦いを繰り広げる。そんな虎の穴の戦士として頭角を現してきた伊達直人(ウエンツ瑛士)。児童養護施設ちびっこハウスで育った彼は、それでも優しい心を失わずにいたが、あるとき非道なやり方で親友を奪われてしまう。

この映画を実際に見て驚いたのは、そもそもプロレス設定が消え去っているということだ。考えてみれば、初の実写版タイガーマスクとはいうものの、佐山タイガーの一連の活躍こそが実写版そのものと考えているファンは多い。いまさら普通に映画にしたところで、その二番煎じは免れない。そんな作り手の認識は、確かに間違ってはいまい。

55点
チェーン店のランチセット

アメリカ映画はいまでも人種差別問題の映画を作り続けている。だがそれを見たからといって、昔はひどかったけど今はよくなったね、と思えないところが一番の皮肉である。

ブルックリン・ドジャースのGMであるブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)は、戦力補強をニグロリーグに求めた。若く、差別に対して強い反抗心をもつタフガイであるジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)を気に入ったリッキーは、さっそくスカウト。だが時代は黒人差別が強く残っていた1947年。MLB初の黒人選手となるジャッキーのまえに立ちはだかる苦難は、予想を超える激しいものであった。

メジャーリーグが白人だけでおこなわれていた時代、史上初の黒人選手として迫害を受けながらも不屈の闘志で乗り切った野球殿堂入りのスター、ジャッキー・ロビンソンの伝記ドラマ。

55点
消費者レベルでできることはあまりない

公開中の「もったいない!」といい、ゴミ問題の映画が花盛りである。いまや、世界に名だたる放射性ゴミ排出国家に落ちぶれてしまったこの日本で、こういう公開ブームが起きるのもやむなし。ここは謙虚にお・も・て・な・し、の心で歓迎するべきであろう。

廃棄食品にスポットを当てた「もったいない!」と比べ、こちらはもう少し広い意味での廃棄物、ゴミ問題を追いかける。世界中に存在するこうした話題を集めて紹介し、こちらをたっぷりと絶望させたあとに、いくらかの画期的な挑戦を紹介することでほのかな希望をいだかせる。社会問題ドキュメンタリーとしては王道のつくりである。

驚くのは、まるでパニック大作かアクション映画のようなオープニング。本編も出ずっぱりで各地を取材して回る名優・ジェレミー・アイアンズのナレーションがじつにシブい。さらに、エイリアンか何かの大規模侵略を受け人類は壊滅寸前……なんてシチュエーションを思わせるスリリングなスコアは、なんと「南極物語」(1983)や「ブレードランナー」(1982)、「炎のランナー」(1981)でおなじみのヴァンゲリスときた。根本的にドキュメンタリー映画の人選じゃないだろうと、思わず苦笑する。

55点
ファン向け限定品

フジテレビ「ノイタミナ」枠は、深夜ということもあって視聴者が大人に限定されるため、意欲的な企画が出てくることで評価されている。「あの花」「花の名前」などと略される本作もそこから出てきた人気作で、なかなか異色のドラマながら泣けると評判。この映画版も期待通りの大ヒットとなっている。

じんたん(入野自由)、めんま(茅野愛衣)ら仲良し6人組は超平和バスターズと名乗り、山の中の秘密基地で遊んでいた。ところがめんまが急死したことで、残りのメンバーの間には修復しきれぬ亀裂が入る。時は過ぎ、高校生となったじんたんはひきこもりとなっていたが、突然目の前にあの時のめんまが現れる。自分以外に見えないめんまはじんたんに、願いをかなえてほしいというが、彼にはその願いがなんなのかが思い出せないのだった。

テレビ版ストーリーの集大成に加えさらなる感動のエンディングを擁すると評判の本作。テレビ版を見ていないものにとっては謎だらけの展開となる。

55点
肯定されたい人に

運命や境遇はそれとして前向きに受け入れ、気楽にいこうぜ──との価値観はラテン的とされるが、案外世界中のあちこちにあるものという気がする。なんくるないさーとか、ケセラセラとか、似たようなニュアンスの言葉もいろいろあるが、最近ではSCIALLA!、とのスラングがイタリアあたりで流行中らしい。本作は、そのシャッラ!をタイトルに持つ、国境をこえて広く受け入れられた、観客に愛されるタイプの作品である。

元教師で、いまはしがないゴーストライターにまで落ちぶれた男ブルーノ(ファブリッツィオ・ベンティヴォリオ)は、あるとき日銭稼ぎの家庭教師で教えているルカ(フィリッポ・シッキターノ)の母親から、留守にする半年間ルカを預かってくれとのぶしつけな依頼をされる。彼女によると、なんとルカは15年前にブルーノとの間にできた実の息子だというのだ。

主人公はもう老境だというのに、社会に反発していつも不満ばかり抱えて生きている。その結果、生活はツケすら満足に支払えぬほど困窮。そのくせ自らの悪いところを決して認めない、じつに面倒くさい頑固老人である。かつては高い理想のもとに学問の道に進んだというのに、今ではポルノ女優の伝記本を、彼女の尻に敷かれつつ書かされる始末で、だれがどう見てもこの人生が好転する気配はない。そこに持ってきて、子供ができたことを15年も知らなかったとの絶望的な事実まで知らされる。こりゃひどい、とだれもが感じる序盤である。

55点
評価は高いが停滞を感じさせる

今年のアカデミー賞はCIAイヤーだと別の記事で書いたが、「奴隷制度を扱った映画」が複数ノミネートされている点も特徴的だった。「ジャンゴ 繋がれざる者」もその一つで、異才クエンティン・タランティーノが10年間も構想を続けたマカロニ・ウェスタン(風)冒険活劇である。

南北戦争の直前、1859年のアメリカ南部。ドイツ人賞金稼ぎのキング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)は、道中で奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)を半ば強引に我が物とする。当初は彼の持つターゲットの情報が目当てだったが、聡明かつ行動力にあふれたジャンゴを気に入ったシュルツは、彼をパートナーとして扱うようになる。

さて、シュルツは合理主義のドイツ出身なので、アメリカ南部の風習など屁とも思わず、当時この地で劣等人種とさげすまれていた黒人ジャンゴの才能をいち早く見抜く。一方ジャンゴは、別れた妻を何としても探し出したいとの執念を心に秘めている。二人の活躍を、タランティーノ得意の容赦ない、だけどどこかコミカルなバイオレンス描写で描く。

55点
青春小説は映画化が難しい

意外と映画にすると難しいのが青春小説で、『パレード』『悪人』の原作者・吉田修一による「横道世之介」を映画化した本作もその一つ。平均以上の出来栄えなのに、どこかもやっとした印象なのはなぜなのか。

横道世之介(高良健吾)は、東京の大学に通うべく生まれ故郷の長崎県から上京してきた。素朴で純粋で、憎めない魅力のある彼の周りには多くの個性的な人物が集まってきた。お嬢様なのに貧乏金なしの世之介にべったりな祥子(吉高由里子)もその一人だが、彼には彼で片思いの年上女性がおり、二人の恋はあきれるほどに進展しないのだった。

若者の日常を描くこの手の小説は、作中のあちこちに共感を覚えながら読者の脳内で心地よい世界観として最終的に仕上げていくのが魅力である。だから映画のように、最初から完成品をビジュアルとしてバーンと目の前に出されてしまうと、どこか戸惑ってしまう。

55点
ディープなインドを疑似体験

世界を旅する人たちに聞くと、インドは特別な国らしい。たとえば人生で行き詰った時、ひきこもりになったりニートになったり、あるいはうつ病になったり。そういうときはインドに行くと何かに開眼し、生き返るらしい。

なにしろ川に遺体が流れてくる国である。欧米とも、日本を含む東アジアともまったく異なるその価値観が、結果的に自分自身の寛容と肯定感を与えてくれるというわけだ。

そんな憧れのインド旅行だが、その生まれ変わりを疑似体験させてくれるのが「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(11年、英・米・アラブ)。しかもインドを訪れるのが、英国人の老人グループときた。ガチガチの頑固者の英国人とくれば、世界で一番変わりそうにない人種。そこに本作の設定の面白さがあるわけだ。

55点
悪くはないが、アレはティム・バートンにとっても苦渋の選択だったのでは

最近、いろいろと復活する人が多い。自民党の総裁とか、コケても高得点なフィギュアの金メダリストとか、麻薬と逃亡劇でおなじみの美人タレントとか枚挙にいとまがない。

そんな中公開されるディズニーアニメ冬の勝負作「フランケンウィニー」のテーマもまさに「復活」。先ほど挙げたのは永遠に戻ってこないほうがいい連中ばかりだが、本作で復活するのは交通事故で死んだ愛犬。そのせつないファンタジーは、あなたの心の中にさざ波を立てるだろう。

アメリカのどこか、郊外の住宅街。科学が大好きな少年ヴィクターは、友達はいなかったが愛犬スパーキーがいたので寂しくはなかった。だが、不幸なことに交通事故でスパーキーはこの世から去ってしまう。悲観に暮れる中、学校の授業で筋肉が電気で動くことを知った彼は、ある方法をひらめき、スパーキーを甦らせようと決意する。

55点
豪華コスプレ劇

原稿を書き上げておきながらアップロードが遅れたせいで、渾身の書き出しを全部削除することほどむなしいものはない。ともあれ本作も公開後、かなり時間がたっているので速やかに本題に入ろう。

幕末の戦場で「人斬り抜刀斎」と恐れられた剣客、緋村剣心(佐藤健)は、しかし新しい時代の訪れとともに殺さずの誓いをたて、逆刃刀を腰に旅を続けていた。そんな折、神谷道場の若き師範代、薫(武井咲)を助けたことで、彼はそこに居候することになる。

5000万部突破の大ヒットコミック、待望の実写映画化である。しかし真っ先に思うのは、なぜ今ごろになってコイツを実写映画化するのかという点。その納得いく理由を描いてくれなければ、10年前でもよかったじゃんという事になってしまう。

55点
レイトショーにはいい感じだが

同じ映画鑑賞でもレイトショーにおける期待というのはちょっぴり他と異なる。残業で遅くなった男性や、デートで少し飲んだカップルなどがその途中で立ち寄る。そんな気軽さというものがレイトショー鑑賞にはある。

何人もの美女がロンドンとニューヨークの街をかけ巡るお気楽なサスペンスは、そうした用途にピッタリではないかと期待しつつ「4.3.2.1」を鑑賞した。

シャノン(オフィリア・ラヴィボンド)は家庭内環境の悪化に耐えかね、衝動的に自殺を考えている。いままさに飛び降りようというそのとき、彼女の手にはなぜか大量のダイヤモンドが握られていた。次の瞬間、シャノンの3人の女友達が現場に到着。いったいなぜ今夜はこんなコトになってしまったのか。4人それぞれの、複雑に絡み合った謎解きの物語がいま始まる。

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