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2166件中 1051~1100件 を表示しています。
60点
アンハッピーフライト

新鮮味ある題材とスペクタクル、役者たちの本格的な役作りで日本映画離れしたブロックバスターとしてスタートした海猿シリーズ。だが、ここへきていよいよ終焉を迎えようとしている。前作「THE LAST MESSAGE 海猿」(10年)の際に打ち出した伝家の宝刀、終わる終わる詐欺、とういわけではもちろんない。それとは別に、単にシリーズの賞味期限が切れつつあるということだ。

海保救助部隊の最高峰、特殊救難隊の仙崎(伊藤英明)は、相棒の吉岡(佐藤隆太)の恋人(仲里依紗)が乗った旅客機のエンジントラブルの報を受ける。たとえ海上に不時着できたとしても浮かんでいられるのはわずか20分間。とても「海猿」だけで多数の乗員乗客すべてを救助はできない。仙崎と仲間たちの、史上最も困難な救助劇がいま、始まろうとしていた。

本作は、ローマ風呂映画の意外なまでの大ヒットを受けたあとでも、それを上回る興収(年間1位)を

60点
パリの老舗クラブへ疑似潜入

キャバレーとはフランス語で、本来はショーのあるレストラン等のことだ。パリにある「クレイジーホース」はその老舗で、そこで提供されるヌードショーは、私が行うおっぱい批評に匹敵するほど芸術性の高いエンターテイメントとして知られている。

「クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち」は、そんな老舗のショーに密着したドキュメンタリー。これを見れば、フランスのキャバレー文化というものを存分に疑似体験しつつ理解できる。

監督はフレデリック・ワイズマン、世界有数のドキュメンタリーの巨匠だ。ナレーションなど言葉で説明しようとはせず、対象に寄り添うような撮影とリズム感ある編集が特徴で、本作でもそれは踏襲される。キャバレービジネスを真面目にお勉強しようという人には向かないかもしれないが、お店のど真ん中に入り込む錯覚というか、そういう楽しみを味わいたい人にはぴったりだ。

60点
本人が語る我が人生

ファッション映画に外れなし。そんな風に長年感じてきたとおり本作も確かに面白いドキュメンタリー映画ではあるのだが、正直あまりタイムリーではないし、わざわざ今作って見せるようなものではないなというのが率直な感想であった。

ところが、日本公開直前、サスーン本人が亡くなったことで、この映画はその唯一足りないものを手に入れた。映画は、本人へのインタビューを中心に、周辺の人々の証言で補強したドキュメンタリー。正統派の作りだから、暴露話的な内容はほとんどない。

彼の名は、多くの日本人にとってはシャンプーのブランド名程度の認識だろうが、美容業界ではまさに偉人級の実績を残している。サスーンカットと称される革新的な技術、その実業家としての成功の詳細を改めて見ることができて面白い。

60点
変態キャメロン健在

もうすぐ40歳になるキャメロン・ディアスは、しかしいまだにお下劣かつセクシーキャラを演じられることを本作で見せつけた。

金目当ての婚約がものの見事にバレて、古巣の中学校教師へ復帰したエリザベス(キャメロン・ディアス)。懲りない彼女は代理教師のスコット(ジャスティン・ティンバーレイク)の実家が大金持ちとの情報をつかむと、彼を落とすための豊胸手術代を稼ぐことに奔走する。

さすがの日教組も腰を抜かす、たいへん教育に悪い不良教師が主人公のブラックコメディー。

60点
中高年のための学園もの

『幸せの教室』は、世にも珍しい中高年向き学園ムービーである。アメリカにおけるこの映画の客層は、過半数が50代以降。これは極めて珍しい事態といえる。

本作はトップスターのトム・ハンクスが自分の好きなものをぎっしり詰め込んだ映画で、自分と同世代以上の観客を強く意識したであろうつくりになっている。だからハリウッド的な能天気なオチにはならないし、そういったところが、子供じみた映画に飽き飽きする観客を映画館に呼び寄せることに繋がったのであろう。映画館に知性ある中高年をまったく呼べない日本の映画企画者にとっては、これは必見の一本である。

ラリー・クラウン(トム・ハンクス)は長年つとめたショッピングモールを首になってしまう。再就職のためコミュニティーカレッジに通いだした彼にとっては、どこかやる気のない教師メルセデス(ジュリア・ロバーツ)のスピーチ授業も含め、すべてが新鮮。若い同級生たちとも積極的につきあう彼の世界は、日に日に大きく広がってゆくのだった。

60点
フランス&アメリカ版・3年目の浮気

この映画は、配偶者が留守にするある夜を舞台に一晩限りの男女関係を描いたスリリングなドラマである。女性監督らしいというべきか、痛々しいリアルさが散見される、そのあたりが魅力といえる。

結婚3年目。ジョアンナ(キーラ・ナイトレイ)は夫マイケル(サム・ワーシントン)が美人同僚ローラ(エヴァ・メンデス)にただならぬ好意を抱いていることを知り焦りを隠せない。しかも今夜、彼女と泊りがけ出張にいくというのだ。疑念が晴れるまま夫は出発してしまったが、そんなとき元彼アレックス(ギョーム・カネ)と偶然再会、ジョアンナは食事に誘われる。

どんなにラブラブなカップルでも、おそらく300回ほど愛しあえば、いい加減相手への執着はなくなり、落ち着くべきところに落ち着くものだが、少なくともその間は、相手が浮気するのではないかなどとハラハラ楽しい時間を過ごすことができる。

60点
はやぶさよりは高く飛んだが

何十番煎じだからやめとけばいいのに各社そろってはやぶさ美談に手を出し、枕を並べて討死にしている今日この頃。邦画最大手の東宝だけは、そんな使いふるしの題材には見向きもせず、人気コミック「宇宙兄弟」を映画化した。

しょせん、良くできた事実にフィクションは勝てない、勝てるだけのフィクションを作る能力も今の映画界には望み薄。ならばそこそこのフィクションで勝負しようじゃないの。そんな身の程を理解したかのごとき選択は、少々さびしいが正解である。さすがボックスオフィス独占が当たり前の、最強の映画会社だけのことはある。

小さい頃、UFOをみてから宇宙飛行士を目指そうと誓い合った兄弟。その弟ヒビト(岡田将生)は2025年、みごと夢をかなえて月へと飛び立とうとしていた。一方兄ムッタ(小栗旬)は職を失うどん底状態。だがそこに、なぜかJAXA(宇宙航空研究開発機構)から覚えのない宇宙飛行士選考通過の通知が届く。

60点
猫萌えムービー

「シュレック」シリーズの人気キャラクター、長靴をはいた猫は、その可愛らしい外見に野太い声というギャップにより、主人公を超える程の人気とインパクトを与えてくれた。「長ぐつをはいたネコ」は、その人気にあやかったスピンオフ作品である。

猫のプス(声:アントニオ・バンデラス)は、怪物のシュレックに出会うずっと前からお尋ね者として追われていた。だがもともとプスは、育った村で英雄としてたたえられていた存在だった。当時彼が相棒として信頼していたハンプティ・ダンプティ(声:ザック・ガリフィナーキス)とも、いまや犬猿の仲。いったいプスの過去に何があったのだろうか。

本作はまず第一にキャラクター重視のコンセプトで作られただけあって、主人公の猫は魅力たっぷり。正義感が強く剣の腕もたつが、人を信じすぎてしまうきらいがあり、意外にも簡単にだまされてしまったりする。そんなちょっと脇の甘いヒーロー、それがプスだ。

60点
セックス依存症を描いた衝撃作

一般的に、男にとってセックスというのは、毎晩求められても、あるいは毎晩断られても辛いものである。求める相手も求められる相手もいない読者諸氏からは、こんな前ふりを読むのもつらいよと突っ込まれそうだが、「SHAME -シェイム-」はまさにその悩みの種=セックスが主題なのでやむを得ない。

ニューヨークで人もうらやむエリートとして一見何不自由なく暮らすブランドン(マイケル・ファスベンダー)は、しかしセックス依存症に悩まされていた。会社での理性的な態度を維持する代償に、彼は日に何度も無為なる射精をするほかないのだった。

まずよくある誤解として、本作はスティーヴ・マックィーン監督と映倫が局部の修正についてバトルを繰り広げたという前評判から想像するほど、エロ重視な内容ではない。

60点
法廷バトルに特化した映画

映画「逆転裁判」は、法廷映画を作るとき映画監督が悩む様々な問題点を、斬新な方法で解決した作品である。

日本によく似た世界。正義感の強い新米弁護士の成歩堂(成宮寛貴)は、ライバル検事の御剣(斎藤工)が起訴される事態を受け、果敢に弁護を引き受ける。だが今回の相手は無敗の最強ベテラン検事・狩魔(石橋凌)。証拠集めの期限はわずか3日間。はたして成歩堂はこの圧倒的不利な対決を制し、依頼人を救うことができるのだろうか。

裁判映画を作るとき、真っ先に起こる問題点はリアリティをどこまで追い求めるか、であろう。というのも、実際の裁判とはあまり面白いものではないからである。裁判場面を本当にリアルに描けばたぶんその映画は退屈にすぎ、その逆をやればフィクションすぎると文句を言われる。さじ加減が難しい。

60点
オヤジが突然カミングアウト

「カミングアウト」とは、じつに心踊る言葉である。大好きだったあの子のおっぱいが、詰め物たっぷりの改造品であった──そんなカミングアウトをされた日には、それは一見大ショックであるが、そこまでする程コンプレックスに思っていたのかと思えば、むしろ色っぽいものである。オトコのためにそこまでしてくれたのだと考えれば、余計に愛も深まるというもの。だから、これを読んでいる女性読者たちは今すぐ秘密を私宛にメールするように。

映画の話に戻すと……というよりまだ映画の話なんてしていないような気もするが、ともあれ「人生はビギナーズ」は、特大級の「カミングアウト」をテーマにした作品である。ただし、おっぱいを整形した女の子は出て来ない。

 39歳のイラストレーター(ユアン・マクレガー)は、老境に入った父親(クリストファー・プラマー)から突然、自分がゲイだったことを告白される。狼狽する息子をよそに、父親は若い同性の恋人を自宅に招いてイチャつく毎日。おまけに癌に蝕まれているくせに、日夜パーティーでゲイ仲間と楽しそうに過ごしている。死んだ母親との結婚生活とはいったいなんだったのか、息子としての自分の立場は……? 残り少ない父子の時間の中で、息子は父親を理解しようと真剣に向き合い始める。

60点
≪キャラクターの魅力は描けているが≫

自分の彼女はモデルの○○に似てる、などとのろける男性は意外に多い。自己暗示をかけることで恋の喜びを脳内増殖しようという高等テクニックなのかもしれないが、第三者から見るとギャグでも言ってるのかと誤認することも多い。

人間の目は主観次第でどうにでもごまかせる一例だが、ごくまれに誰が見てもそっくりな人間というのがいるものだ。『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』は、悲しいかな稀代の独裁者に見そめられてしまった元影武者の回想記である。

サダム・フセインの長男ウダイ(ドミニク・クーパー)は、圧倒的な権力をバックにやりたい放題のドラ息子として知られていた。町で美人学生を見つければ拉致して暴行、そのまま通りに捨てていくなどサディスティックな異常性質で恐れられる彼は、あるとき同級生のラティフ(ドミニク・クーパー:二役)を呼び出す。背格好が似ているラティフが予想以上に自分に似た風貌に成長しているのを見て上機嫌なウダイは、「微調整」を施した末に自分の影武者にならないかと持ちかける。

60点
≪くだらなさの極みをほのぼのと描く≫

飯を食わないグルメ漫画という、究極のキワモノ系として人気の高い原作が、ついに実写映画になった。なぜ飯を食わないかというと、舞台が刑務所の雑居房だからだ。ということでまずストーリー。

年の瀬も近いこの刑務所のある一室では、毎年恒例のあるゲームが行われていた。それは、一人ずつ「自分の人生で忘れられない料理」を語り、一番うまそうだった料理を語った者が優勝賞品として、全員の正月おせちから1品ずつゲットできるというもの。刑務所では、年に一度のおせちは何よりのごちそうであり、最大の楽しみ。語り始めた男たちの目は真剣そのものだ……。

当然ながら現実の食事シーンでは、ぱさぱさの刑務所メシしか出てこない。一方で彼らが語る「思い出のウマメシ」は、回想シーンながらどれもこれも美味しそう。そのギャップがいいアクセントとなっている。むらなくやけた真円のホットケーキはほとんど職人技だし、すき焼きのしめの○○○の、みるからにこってりしたビジュアルなど、食前に見たらたまらない。料理がうまそうに見えるという、グルメ映画の基本線はとりあえずクリヤーしている。

60点
≪上海租界の諜報員たちの恋のドラマ≫

映画『シャンハイ』は上海租界における壮大な歴史ロマンスだが、当事国同士で見解が一致しないこの時代の歴史を舞台にすることの難しさを感じさせる、どこかすっきりしない後味であった。

1941年の上海では、日本と欧米列強がひしめき合い、諜報員たちが暗躍していた。開戦前夜の緊張感が高まるこのころ、米国諜報員の殺害事件がおきる。その真相を追うポール(ジョン・キューザック)は、事件に日米中の様々な男女が絡んでいることを知る。やがて裏社会の大物ランティン(チョウ・ユンファ)の妻アンナ(コン・リー)に惹かれゆくポールは、彼女と交流を深める中でタナカ大佐(渡辺謙)とスミコ(菊地凛子)という娼婦が解決のカギを握っている事に行き着く。

「南京で親がひどい目にあった」ヒロインと、心優しい米国人諜報員のロマンスが主軸。日本軍は悪役として、悲劇の舞台を盛り上げる役回りを与えられる。

60点
≪アイデア切れと3Dへの不慣れさ≫

米軍の全面協力を得て作られているこのシリーズは、ウォッチ対象としては抜群に面白い愛国ムービーだが、さすがに3作目ともなるとマンネリ感が強く、前作の残りダシで作った余りもの料理の印象が否めない。

命がけの冒険をしたわりには平凡な社会人生活を始めたサム(シャイア・ラブーフ)。オートボットたちは相変わらず米政府と手を組んで世界の平和を守っていたが、サムはそこに参加できない疎外感を感じていた。だが平和は束の間、かつてない激しい悪の侵略が始まり、その策略によって米軍とオートボットたちの絆もついにほころびが生じはじめた。

日銀砲がじつは豆鉄砲程度の威力しか持たないことがわかり、もはや誰もドル安を止められぬ事がわかりつつある今日この頃。このドル安状況で米国経済を上向かせるには、最大の輸出産業である軍需産業に公共事業大セールをプレゼントすべきと考える人は少なくない。

60点
≪出し惜しみはやめろ≫

『ムカデ人間』は、あるマッドドクターが人間3人を直列に縫い合わせてムカデ状にしてしまうお話である。しかもそれは、一人目の尻の穴に次の人間の口をガッチリ縫い合わせる形で、一人目がご飯を食べるだけで3人が養えるという画期的なシステムである。

私などは、黒髪ロングのやせてる女の子とならいくらでもつながっていたい性格だが、それにしてもこのシステムはまずい。そもそもつながっていたい部位が当方の希望とはだいぶ異なっている。参加は辞退したい。

ドイツ郊外でレンタカーがパンクしたアメリカ人旅行客二人。車のことなどまったくわからない若いギャルである彼女たちは、森の中を民家を求めてさまよい、やがて外科医のヨーゼフ・ハイター博士(ディーター・ラーザー)が一人暮らす屋敷へとたどり着く。だが悪いことに、博士はちょうどムカデ人間研究の実験台を探していたところだった。

60点
≪だいぶ器用になってきた≫

この仕事をしていると、やがて試写室ボケの症状が出る。それは端的にいうと、批評家にとって重要な「一般のお客さんの感覚」を失うこと。

私は試写室で何百本みようが「映画」を味わったことにはならないと考えている。小さいスクリーンにささやかな音響設備、客席には一人で来場するプロばかり。それはあくまで「映画館」とよく似た別物である。

愛する恋人や家族友人とやってきた人々の、作品への期待にあふれた空気の中、大スクリーンで見る。それは試写室とは大違いである。その誤差を修正するため、私は話題作のいくつかは一般の劇場で見ることにしている。

60点
≪ほとんど笑いがでるほどのヒーロー量≫

いまの日本の不況の原因ははっきりしていて、どの経済学者に聞いても需要不足と回答が来る。こういうときは政府が無理にでも需要を作り出すべきと主張する人も多い。国債発行や信用創造量を増やし、積極的に内需を喚起して経済のエンジンをぶん回せというわけである。

そう考えると、投票権めあてに何千枚もCDを買って聞かずに捨てるAKB48ファンというのも案外悪くないのかもしれない。考えてみれば、これぞまさにケインズ経済学の成功例。菅総理は消費税アップの代わりに秋元康を財務大臣に迎えるべきであろう。

さて、AKB48の優位性を強引に明らかにしたところで「ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」の話である。

60点
≪前田敦子の魅力爆発、これで1位は確実か≫

絶賛開催中のAKB48第3回選抜総選挙では、グループの代名詞的存在として引っ張ってきた前田敦子が2位に甘んじるという意外な途中結果が発表された。やはり顔より胸なのかと全女子を落胆させるところであったが、ミスター5500枚こと熱烈な大島優子ファンの存在が明らかになるなど、その要因はいまだ明らかではない。

もっとも武道館で行われる6月9日の最終開票日直前には、前田敦子初主演作『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』が公開となるので、ここで彼女が逆転勝利を収めれば映画の興行も選挙も大変盛り上がること必至である。おそらくそんなシナリオになるのではないかと科学的に予想するが、これは私があっちゃん推しであるなどといった根も葉もない噂とはまったく関係がない。

友達思いの女子高生、川島みなみ(前田敦子)は、病弱な親友の代わりにマネージャーとして弱小野球部に入部した。だらけた部員や煮え切らない監督を前に思わず「あんたたちを甲子園に連れて行く」と宣言してしまったみなみは、マネージャー業務を勉強しようと本屋で指南書を探してもらう。ところが書店員(石塚英彦)の勘違いで経営学者ピーター・ドラッカーの「マネジメント」を買う羽目に。だがそのエッセンスを生かした野球部改革は、意外なことに目覚ましい成果を上げてゆく。

60点
≪美しい複葉機が舞い散るノスタルジック空中戦≫

日本という国は主に米国による洗脳プロパガンダの壮大な実験場であると同時に、見事な成功例でもある。

それは具体的には戦後、有名なルース・ベネディクトの研究などをもとに被占領地のコントロールを目的に始まった。戦時中の行為について過度な罪悪感を受け付ける教育や、非武装平和主義のような現実性ゼロの主張をする団体をひそかに財政支援するなど、彼らの行為は多岐にわたる。

すべては、自主独立を目指すまともな現実主義者を根絶させるためであった。米国にとっては、無防備マンを信奉する無邪気な反米平和主義者は大歓迎(むしろ一定の勢力を得てほしい)だが、自主防衛を言い出す勢力は国益に反する。親米保守なる珍妙な方向に言論の主流が流れるよう、彼らが望んでいることは明らかである。

60点
≪日本人のリハビリにちょうどいい≫

震災後、延期されたり上映中止された作品というのが結構あって、排泄物ぶちまけ映像が売りの「ジャッカス3D」などはその最たるもの。この空気の中、そういう笑いはさすがに不謹慎との判断については、否定のしようがない。

だが逆に、今だからこそ見るべき作品というものもいくつかあり、『まほろ駅前多田便利軒』もそのひとつ。ほかにも「阪急電車 片道15分の奇跡」とか「名前のない少年、脚のない少女」がそれにあたる。これらの作品群は、日本人の心のリハビリにぴったりなものばかりといえる。

まほろ駅前(と自称するがじつは徒歩数分)で便利屋を営む多田啓介(瑛太)の前に、中学生時代の同級生、行天春彦(松田龍平)がぶらりと現れる。多田は中学生時代、自分の不注意で彼の指に傷が残る大けがをさせた経験があり、その負い目もあって宿無しの彼と共同生活を始める羽目になる。

60点
≪アトラクションとしてはそこそこだが≫

寝室にビデオをしかけたら大変なものが映ってました、で知られる「パラノーマル・アクティビティ」(07年)は、生産者側にとってトップクラスのコストパフォーマンスを記録した作品で、当然ながらさっそく続編の話が持ち上がった。

『パラノーマル・アクティビティ2』がそれだが、本作の前にも前作の配給会社が続編製作権を買って作った「パラノーマル・アクティビティ 第2章/TOKYO NIGHT」なる日本版の関連作品が公開されたばかり。このシリーズ自体、劇中のお屋敷同様なにやら騒がしいことになっている。もっともわが日本にはすでに「アブノーマルアクティビティ」なる作品もあるのだが、本稿で触れることはない。

空き巣の被害にあったレイ一家は、自宅内にいくつもの防犯用カメラを設置することにした。ところがその晩から、原因不明の怪奇現象に彼らは悩まされる。防犯カメラは原因究明のため使われることになったが、そこに映っていたのは……。

60点
≪現代的なテーマを生かしきれてないのが残念≫

これはドイツ映画「es [エス]」(01年)のハリウッドリメイクだが、今では禁じられている心理実験の顛末を描いたサスペンスだ。「es [エス]」がカルト的人気を博するまでは、そんな実験があったことは一般人はあまり知らなかった。だからあの映画が実話だったと聞いて、人々はいいしれぬ不安と恐怖、不気味さを感じた。ようするに、リアルな都市伝説を聞いた時のような、アンダーグラウンドの知識に触れた喜び、面白さのようなものが受けたのである。

失職したばかりのトラヴィス(エイドリアン・ブロディ)は、何気なく参加した平和デモ中に魅力的な女性と知り合う。しかし金がないために彼女との旅行に行けなかった彼は、日給1000ドルという破格の被験バイトに身を投じる。集められた24人の被験者を看守役と囚人役に分け、疑似監獄の中で2週間すごさせる大学の実験だ。トラヴィスはそこで気のいい黒人労働者バリス(フォレスト・ウィッテカー)と意気投合。楽なバイトと思った矢先、実験を始めた彼らの間に、予想外かつ不穏な空気が流れ始める。

71年にスタンフォード大学で行われた実験の結果や、「es [エス]」を見ている人にはあまり新味のないストーリーであることは否めない。実験者側を一切うつさず、観客にいやおうなしに被験者の疑似体験をさせる試みはユニークだが、それにしてもオチがわかっていたら面白さは半減以下だろう。

60点
≪人生とはワインづくりのごときもの≫

この映画の監督ニキ・カーロは、「映画作りはワイン造りと似ている」と言ったが、人生そのものも似ているよ、とのテーマも同時に込めたのだろう。とっぴでばかげた設定だととられかねない難しい原作を、重厚な人間ドラマに仕立てたその手腕は健在であった。

1808年、フランスのブルゴーニュ地方。若きブドウ農家ソブラン(ジェレミー・レニエ)は、いつか自分の手で最高のワインをつくろうと考えている野心家。そんな彼の前に、翼をもった天使ザス(ギャスパー・ウリエル)が現れ、的確なアドバイスを送る。ソブランは彼の助言どおり、思い人のセレスト(ケイシャ・キャッスル=ヒューズ)に告白し、みごと妻とする。それ以来、ザスと手を取り合ってめきめきと醸造技術を磨いていくソブランだったが……。

ワインづくりにかけた醸造家の一生を描くドラマかと思ったら、いきなり生々しい半裸の天使が出てくるので観客は腰を抜かす。CGではなくあえて実体のある巨大な羽をくっつけたこの美男子は、まずは土を味わえといきなりワイン造りのヒントを教える。鉱物だのミネラルだのが場所によって微妙に含有量が違うからと熱く語る。まるでワイン博士である。

60点
≪女性を誘えるAVドラマ≫

アダルトビデオには、男女とも興味を持っている。もっとも、その方向には多少の違いがある。男性は出来上がった作品をみればそれで終わりだが、女性はむしろ「なんであんなコトをカメラの前で出来ちゃうんだろう」といった疑問から、女優さんの心境や出演に至った経緯、境遇といった内面の部分にまで興味を持つのではなかろうか。

つまり、女性たちは男どものように卑猥なエロ心だけでAVを見ているのではない。むろん、単なる技術的探究心およびエロ心のみで鑑賞する女性がいるならば、今後の研究のため携帯番号と暇な曜日を添えて当方までお知らせ頂きたい。

ともあれ、引退したトップAV女優みひろの自伝的小説を映画化した『nude』のプレス試写会に、タレントを中心に女性ばかりが押し掛けたというのもうなづける話である。私は見る前からこれは女性のための女性映画だと認識していたが、どうやら世間でもそのように正しく認識されそうだ。

60点
≪美しい映像でみせる等身大の恋愛模様≫

人間は美しいものが好きである。花にしても美術品にしても、美しいから人は惹かれるわけだ。

もちろん、美しさには目に見えないものもある。女性と付き合うときだって、さりげなく皆に料理をとりわけてあげる姿や、一途にメールを返信するなど、思いやりの心が現れるのを思わず見かけた瞬間、男は恋をするのだ。むろん、意地悪でも浮気性でも、結局のところ黒髪ロングで細身の美人なら恋をすることもあるが、それは決して表に出してはいけない極秘事項である。

家業の電気工事の仕事をしている守(片山亨)は、最近友人たちが続けざまに恋人や婚約者をみつけるのを見て、自分にそんな相手が全くいないことを痛感している。仕事先の親切な女性、雨宮さん(古川りか)にちょっとした憧れを抱いているが、ささやかな仕事上のサービスをするくらいで、思いを伝える勇気もない。そんなある日、守はなぜか友人のカノジョの親友(玲奈)に気に入られ、強引に押し倒されて交際を始めるが……。

60点
≪自称「実話」のトンデモ軍隊話≫

右だろうが左だろうが、極端に行き過ぎれば似たようなもの。まず、人は何か政治運動をはじめると、たいてい最後は自分の無力感に気づかされる事になる。ここで理想と現実の折り合いをつけ路線修正できればいいが、それができない一部の人間はどんどん先鋭、過激化し、やがて誰からも支持されなくなる。

世間はバカだ、マスコミはバカだ、なぜ誰も気づいてくれないんだ、わかってくれないんだ。そんな風に思い出したらもう末期である。

そういうテンパった人たちは一度、街で黒髪ロングの痩せた女の子をナンパして楽しく恋をして、脳みそをリフレッシュしたほうがいい。そうすれば、現実社会と自分の距離感を正確につかみなおすこともできる。ちなみに黒髪うんぬんは単なる私の好みであり、本記事の主張とは何の関連も無い。

60点
≪竹島防衛キャンペーンなんかに利用しなきゃ可愛げがあるのだが≫

「あんなオトコ大嫌いよ」といいながら、別れた男の影響を受け続ける女性がたまにいる。音楽の好みだったり、服装のセンスだったり、あるいは性癖だったり。嫌よ嫌よといいながら、高いプライドと自己愛の結果、影響を受けた自分を変えられない。日本と韓国の関係は、そんな滑稽な男女関係に似ている。

テコンドー選手のフン(声:キム・ボミ)は、並み居る強敵を倒してついに世界大会を制した。彼の父キム博士は、ガールフレンドのヨンヒやその父らと共に、正義の巨大ロボットテコンVの開発に精を出していた。だがその影では、テコンVの設計図を奪い世界征服をたくらむ謎の組織の魔の手がキム博士に迫っていた。

『テコンV』は76年に韓国で公開され、国民的人気を博したアニメ映画。このたびデジタル処理で綺麗なフィルムへと生まれ変わり、めでたく公開となった。

60点
≪好きな女性を思うと何も手につかない男性にすすめたい≫

仕事すら手につかない状態になるほど、誰かを好きになる人がいる。

本当は好きな人のことを思うだけで生活にハリがでて元気が出る、なんて「白い恋」が理想かもしれない。だが、思えば思うほど活動意欲を失い、前に進めなくなる「黒い恋」もそう悪いものではない。そのくらい誰かを思える恋を一度くらいしなければ人生は味気ない。人を愛するのも一種の才能。自分の中にそれほどの恋愛意欲があったことを、まずは肯定してやるべきであろう。

そうした情熱的、猪突猛進的な恋心が抑えられなくなると、相手の事をとにかく知りたくてたまらなくなる。知らない事すなわち不安。こうなると、いわゆるストーカーとの違いがあまりなくなってくる。恋人ストーカー状態である。

60点
≪高品質ではあれど、どうもスッキリしない≫

スタジオジブリのアニメーション作品の質の高さはいまさら言うまでもないが、宮崎駿監督作品のとっつきにくさだけは別格だと私は思っている。ぱっと見そうはみえないものの、この監督の作品はきわめて作家性が強く、毎回解釈に頭を悩まされる羽目になる。それでも物語をおろそかにせず、若々しい感性と高い娯楽性を兼ね備えていたジブリ初期あたりまでの作品は良かったが、最近のものはどうもスッキリ楽しめないというのが私の大まかな印象である。

その点『借りぐらしのアリエッティ』は、ジブリの誇る実力派アニメーター米林宏昌監督の初監督作品。聞くところによれば、この監督は強い政治的思想性などを持たない人らしい。なるほど、それならジブリの美しい美術とアニメーション技術だけを、純粋に楽しむことが出来るだろう。私はそんな期待を抱いてこれを見に行った。

祖母(声:竹下景子)がお手伝いさん(声:樹木希林)と暮らす郊外の大きな家へ、心臓病の療養をかねてやってきた少年、翔(声:神木隆之介)。死と隣り合わせの日々をすごす感受性豊かな彼は、誰も気づかないような小人がこの家の中に住んでいることに気づく。アリエッティ(声:志田未来)という名のその小さな少女は、一家でこの家の地下に暮らしており、必要な物資を時折「借りにくる」事で生存していた。決して人間に見つかってはならぬという掟を破る形になったアリエッティは、思い切って翔に説明しに行こうと決意するが……。

60点
≪偽善者ホイホイ≫

和歌山県・太地町で行われているイルカの追い込み漁を止めようとする、反捕鯨活動家たちのアウトローな活躍の姿を、けれん味たっぷりの演出で描いたドキュメンタリー。冗談好きなオスカー会員たちの悪ふざけか何かで、アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞した話題作だ。多数の捕鯨反対派へのインタビューと、太地町のイルカ捕殺現場への侵入アクションで構成されている。

なおこの点数はトンデモ映画として見た場合のものであり、内容の正確性への評価は一切含まれていない。

いきなりだが、私と「ザ・コーヴ」のかかわりは案外古い。まだこの作品がアカデミー賞にノミネーションすらされない頃、すでに権利元は日本での公開を目指し、あちこちに打診をかけていた。私の周辺にもその話が来て、じゃあとりあえず見てみるかと皆で見たのが最初である。

60点
自分を好きになれない女の子へ

『プレシャス』は、究極のいじめられっこのお話である。主人公は16歳の女の子で、プレシャスという素敵な名前を持っているが、見た目は猛烈な肥満体。アメリカといえば、世界からプロフェッショナルなデブたちが集う地上最強のデブ大国だが、彼女の場合はそこでデブデブばかにされるのだから筋金入り。日本人には到底太刀打ちできないそんなぽっちゃり少女の、悲惨な半生のドラマである。

87年のニューヨーク。黒人文化の中心地ハーレムで気性の激しい母親と暮らす16歳のプレシャス(ガボレイ・シディベ)は、妊娠が明らかになり高校をドロップアウトしてしまう。しかし彼女の真の悲劇はそのあとにあった。子供の父親はいったい誰なのか、彼女が長く受け続けてきた虐待とはどんなものなのだろうか。

ケータイ小説1本分ほどの悲劇フルコースが明らかになったとき、ふと時計を見るとまだ上映開始後13分。そこからプレシャスの希望なき転落の日々と、それでもたくましくあがき、いき続ける姿が感動的に描かれる。とはいえ、無理に泣かせる演出は皆無なので、わざとらしいものが嫌いな人でも大丈夫。どんな人生でも、あきらめさえしなければ今より多少はよくなるよと、そんな自己肯定のテーマを伝える作品である。

60点
意外にも3Dがすごい

立体映画元年などともてはやされるデジタル3Dだが、『コララインとボタンの魔女 3D』はそれに昔ながらのストップモーション・アニメーションを組み合わせた一品。ストップモーション・アニメとは、被写体を1コマずつ撮影することで、粘土人形やぬいぐるみなどを、あたかも動いているように見せかける特撮技法のこと。CGで何でも動かせる現代においても、撮影者の技術や個性によって独特の「味」が出るこの手法の愛好者は多く、こうしてときおり新作が登場する。

新しく越してきた家の中で、忙しい両親から取り残され退屈を感じる少女コラライン(声:ダコタ・ファニング)は、あるとき家の中に隠された扉を発見する。その扉の反対側にはそっくり同じ家と両親が存在し、本物以上にコララインにとってもやさしくかまってくれる。ただ気になるのは、彼らの目がなぜかボタンになっていること。それでもすっかりこの世界に居心地のよさを感じてしまうコララインだったが……。

願いをかなえる代わりに悪魔に魂を──式の物語はキリスト教圏で散見されるものだが、コララインの場合は「眼」を要求される。とはいえ、ボタン縫い付けを強制されてるわけでもないし、とりあえず楽しく過ごしますか〜などと思っていると、だんだん恐ろしいこの世界の正体が見えてきて……という展開。原作者ニール・ゲイマンがヒューゴー賞(SF界の最高賞)を受賞したベストセラーの映画化である。

60点
デヴィッド・リンチの反対を押し切った監督

鬼才デヴィッド・リンチ(製作総指揮)と、それに負けないくらい個性的な娘のジェニファー・リンチ監督が、父子協力して黒澤明の「羅生門」を撮る。そう聞いただけで、いいようのない疲労感を感じさせる、マニアにはたまらない一品。それが『サベイランス』だ。

サンタフェの田舎町でおきた殺人事件を捜査する二人のFBI捜査官、エリザベス(ジュリア・オーモンド)とサム(ビル・プルマン)は、現場に居合わせた3人の目撃者を聴取する。悪徳警官、麻薬中毒の女、8歳の少女と、どの証言者も一筋縄では行かない。それぞれが不都合な「真実」を懐に隠し持っている状況で、二人ははたして真実に迫れるのだろうか。

のっけから無音で、断片的な不気味映像、そして残酷シーンからはじまる。そんなところから、すでに異常な空気の映画だが、出てくる連中も一人残らず変な人間ばかりで、「リンチ映画」に身構えている観客をニヤリとさせる。ふむふむ、この程度ならなんてことはない。

60点
水問題を、おどろおどろしい編集で危機感をあおりまくる

石油をめぐり、世界の国々が戦争も辞さぬ獲得競争をしていることは常識だが、そうした時代が永遠に続くことはない。エネルギー源としてのみ見るならば、石油の代替になるものはすでにいくつもあり、あとはコスト次第というところまで来ている。

一方、どう考えても今後は足りなくなる重要な物質として、投資家や政治家に注目されているのが「水」である。石油がなくとも人は生きていけるが、水がなければ無理。考えてみれば良質な飲料水は、すでにガソリンよりも高い値段で売られている。「007」シリーズの最新作がこの問題を扱ったことでもわかるとおり、いまや水資源をめぐる話題はきわめて重要かつホット。石油よりも、水のほうがはるかに大事なのである。

『ブルー・ゴールド 狙われた水の真実』は、そんな水問題を扱うドキュメンタリー。世界中でおきている水の奪い合い、水ビジネスに群がる人々の実態を、危機感あおりまくりの恐怖演出で見せる。

60点
凄い映画だが、その凄さが伝わることはないだろう

「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督、構想15年の大作「アバター」を見て思うのは、こういう作品を普通の映画館でみてもダメだな、という事だ。

下半身不随の重傷を追った海兵隊員ジェイク(サム・ワーシントン)は、事故死した双子の兄の代わりに惑星パンドラに派遣される。そこで彼は、神経レベルでリンクする人造の肉体「アバター」を操り、パンドラの原住民と交流、彼らの秘密を探る任務を命ぜられた。

「もう3D以外の映画はつくらない」と語る監督が、満を持して送る162分の超大作。私はこれをXpanD社の液晶シャッター方式のメガネをかけて見たが、これがどうにも難ありの代物であった。もともとこの方式のメガネは重いし、おまけに形がフィットせずかけにくい。同行した小顔の女性も、自前の眼鏡の上にかけていたのに大きすぎて落ちてきて弱ったと言っていた。作品に集中したい身として、これはつらい。このあたりは個人差があるが、私には合わなかった。

60点
カリスマブロガーの美味しい挑戦

最近若い女の子と食事をすると、みなこぞって料理の写真をとる。合コン中だろうが一流レストランだろうが、彼女たちはおかまいなしだ。対面にいるこちらが相手にされていないという事実は置いておいて、可愛い若い子たちにも、その中にはあつかましいオバサンの要素が含まれるということかと思う瞬間である。

1949年、夫とパリにやってきたアメリカ人女性ジュリア・チャイルド(メリル・ストリープ)。ほがらかで、何より食べることが大好きな彼女は、フランス料理の繊細かつ深い味わいにハマる。早速ル・コルドン・ブルー(世界的に有名な料理学校)に通いはじめたジュリアは、やがてズボラなアメリカ人でもカンタンに作れるフランス料理の本を執筆し始める。

冒頭の女の子たちの撮った写真は、彼女たちの書くブログの材料となるわけだが、アメリカにもそんな「今日たべたもの日記」を書いて、有名になってしまった女性がいる。それが『ジュリー&ジュリア』のもう一人のヒロインであるジュリー・パウエル(エイミー・アダムス)。

60点
なぜかいつも裸のマッチョくん

若い女性の皆さんが思い切り感情移入して楽しむファンタジック・ラブストーリーのパート2である本作は、相変わらず障害だらけの恋にイケメン&美少女が悩まされる胸キュンな展開が楽しめる。

18歳の誕生日を迎えたベラ(クリステン・スチュワート)は、普段なら楽しいバースデーを憂鬱な気分で迎えた。なにしろ恋人のヴァンパイア、エドワード(ロバート・パティンソン)は不老不死な上、外見は永遠に17歳で止まったまま。このままでは、自分だけが老いてしまう。はたしてそれでもエドワードは変わらず愛してくれるだろうか。そもそも、そんないびつな恋に自分自身が耐えられるのか。悩めるベラを支えたのは幼馴染のジェイコブ(テイラー・ロートナー)。献身的かつ積極的な彼は、やがてベラとエドワードの間に割り込んでいく。

前作「トワイライト〜初恋〜」で主演の二人が大ブレイクした上、私生活でも噂になっていることもあり、観客の期待と話題性は段違いの第二弾。監督が変更になったため、作風が多少変わってしまったのがやや残念。パート1の、常に雨雲に包まれどこかロマンティックな独特の作品世界は、無味乾燥な灰色世界になってしまった。

60点
ナチス兵がぶち殺されるさまを皆で楽しむ

ロッテリアの絶品バーガーのヒットを受け、本作も「つまらなくて途中退場した人は無料」キャンペーン(公開から4日間限定)を行うという。

同バーガーは、もしまずかったら半分食べる前なら返品可能、なる触れ込みで話題を呼んだが、この映画は5章立てなので、3章まで見てつまらなかったらどうぞご退場くださいということらしい。クエンティン・タランティーノ監督にとっても自信作だから、快く承諾したそうだ。

実のところ私が食べた絶品バーガーは、絶品というより絶句ものの味だったが、さすがに返金を言い出す気にはなれなかった。幸いにして『イングロリアス・バスターズ』はそれとは違い、タランティーノファンであれば、間違いなく楽しめるだろう。

60点
独裁制の発生原理を実験したら大変なことに

ある大学の実験で、募集して集めた人間たちをそれぞれ囚人役と看守役に分け、擬似刑務所を運営することになった。だが何日もたたぬ内に虐待行為など、シャレにならない変化がおきたので、実験は急遽中止されたという。

有名な都市伝説……というわけではなくこれは実際にあったことで、スタンフォード監獄実験と呼ばれ71年に行われた。それを大幅にフィクションを加えて映画化した『es [エス]』(01年、独)は、怖いもの好きな人々の間で大いに人気がある。

その同じドイツ映画界から、スタンフォード監獄実験より以前に行われた、もっと恐るべき心理実験の映画が登場した。もとになった実話は、67年にやはりアメリカの高校で行われた、ある実習授業である。映画は舞台をドイツに移し、衝撃の実験結果を余すところなく伝える。

60点
作り手の高い技量を感じさせるコメディ

『なくもんか』は、タイトルから想像できるとおり最後にホロリと泣かせるコメディドラマであり、作り手、役者の高いテクニックを感じられる作品である。しかしながら、あるいは、だからこそというべきか、その手法は時にあざとさのようなものを強く感じさせる。大きく好みが分かれそうな作品といえるだろう。

祐太(阿部サダヲ)は、幼いころ父に捨てられたが、親切な「デリカの山ちゃん」店主一家にわが子のように愛され、幸せに育った。そのためか、彼は絶対に頼まれごとを断らず、どんな仕事でも、たとえ無償でも喜んで働いた。やがて商店街の名物となった祐太だが、彼には生き別れた弟といつか会いたいという長年の願いがあった。

この映画の手練れたつくりは、個人的には相当苦手な部類であるのだが、その上手さ、良さはもちろん理解できる。クドカン脚本らしい強引気味なギャグにノれる人であれば、気分良く楽しんで帰ってこれるだろう。泣かせるシーンの直後に笑いを入れるタイミングなど、完璧すぎてコメディのお手本のようだ。ようはそれを素直に笑えるかどうか、である。

60点
東野圭吾の社会派ミステリを映画化

手元にはあるのだが、あまりの分厚さにいまだ原作を読んでいない。だから映画との違いはわからないが、なんとなく想像がついてきた。というのはすなわち、なぜこの映画がイマイチなのか、という理由についてである。

長峰重樹(寺尾聰)にとって、妻が死んで以来、唯一の家族で希望そのものだった高校生の娘、絵摩(伊東遥)が殺された。絶望に打ちひしがれる重樹の元に、ある日匿名で電話が入る。それは、犯人の名前と住所を密告する内容だった。

愛するものを奪った犯人に、警察も法も届かない。そんなとき人間は何を考え、どう事態(と自らの心)に決着をつけようとするのか。重いテーマをもつ犯罪ドラマだ。その主題に合わせるように、映像も重苦しい質感。深い悲しみを内に秘める中年男、といった人物は、主演の寺尾聰にとってもハマり役だろう。

60点
ヒロインはいい女だが、だからこそ男は耐えられない

同じ週に公開される『カイジ 人生逆転ゲーム』が新世代のだめ人間を描いているとしたら、『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』の主人公は元祖ダメ人間。生誕100年となる太宰治による短編『ヴィヨンの妻』をベースに、他のさまざまな作品の内容を組み込んだ、太宰文学(の中のダメ的側面)集大成のごとき内容となっている。

敗戦の混乱が収まらぬ時代の東京。才能あふれる小説家、大谷(浅野忠信)は、しかし精神的な重圧に抵抗しきれず、酒と女に溺れ、自殺のことばかり考えている。仕事もせず飲み歩くばかりで金もない彼は、ついに行きつけの小料理屋から大金を盗みだす。それを知った大谷の妻、佐知(松たか子)は、小料理屋の店主夫妻に頼み込み、とりあえず店で働き出すが、その朗らかな性格と美貌から、一躍人気者になってしまう。

傍目にはダメ夫の尻拭いをしてくれる最高の奥さんであるが、主人公は逆に嫉妬に狂い、さらに欝へと落ち込んでいく。

60点
へんな映画

松本人志監督の『大日本人』に続く第二弾は、試写会を行わなかった前回より、ある意味で秘密主義の宣伝戦略がなされた。ようは、一応マスコミに見せはするが、あれは書くなこれは書くなと細かい注文をつけ、監督のメディア露出も謎のパジャマ姿のみという、視聴者の興味を引く作戦だ。

このパジャマ姿の男は、2つのストーリーが同時進行する本作の、作品世界の根幹を成す側の主人公。年齢不詳、国籍不詳、四面を真っ白な壁と天井に囲まれた何もない部屋で、彼は目覚める。どこかから拉致されて監禁されているのか? それとも夢の中か。あるいはあの世なのか。いや、そもそもここは"死後"の世界ではなくむしろ……。

ともかく、観客にも男にもそれはわからない。ただ彼は生物としての本能か、とにかく脱出しようと試みる。ただしできることはほとんどない。「あること」をするのみだ。それが何かは見ればわかるし、もう公開日を過ぎているのだから律儀に宣伝会社のNGリストなど守る必要はありゃしないが、知らないほうが楽しめると判断し、あえて伏せておきたい。

60点
ライアン・レイノルズに猛省と筋トレを勧告する

東京メトロの壁には大きなヒュー・ジャックマンの宣伝ポスターが張ってあり、「今度はオレが主役だ」とのコピーが書いてある※前公開作へからの交代、という意味の絵柄でしたのでこの後の箇所を訂正しました(2009/09/14)。そんなわけでスピンオフ超大作『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』である。

舞台は19世紀。不死身の能力を持つ少年ローガンは、同じ力を持つ兄ビクターと家を飛び出し、二人きりで生きることに。彼らはあらゆる戦場でその能力を生かし、やがて他の追随を許さぬ戦闘能力を身に着ける。その活躍を知った軍人ストライカーは、兄弟を特殊部隊「チームX」にスカウトする。

ウルヴァリン誕生までを描く本作のストーリーは、やがてX-MENシリーズの一作目へとつながる。よって、映画でおなじみのキャラクターもチラと出るし、ガンビットやデッドプールなどこれまで原作限定だった人気キャラクターも続々と登場してくる。

60点
普通の刺激じゃ感じないアナタに

どの映画紹介をみても、これ以上ないほど煽りまくっている『マーターズ』だが、確かに強烈なグロ描写、容赦ない「痛み」の疑似体験効果は映画というジャンルの中では最高レベル。

しかしながら、その内容は一般的なホラームービーとは180度異なる、きわめて真面目・真剣なもので、描くテーマは笑って見られるようなものではまったくない。残酷スプラッターB級ホラーでは決してなので、ご注意を。

70年代のフランス、食肉加工工場跡に監禁されていた少女リュシーは、孤児院に保護される。そこでの親友アンナ(モルジャーナ・アラウィ)の存在によってトラウマを癒し、やがて彼女は美しい娘(ミレーヌ・ジャンパノイ)へと成長する。だが、アンナはリュシーの内面を、いまだ完全には理解していなかった。

60点
ワニ川に取り残された一家の悲劇

外洋でダイビングを楽しんで水上に出たら、船がいなくなっておりました。で知られる『オープン・ウォーター』シリーズは、しゃれにならない実話ものとしてそこそこの成功を収めたが、本作もその系統の実話もの。今回犠牲になるあわれな3人は、世にも恐ろしい、ワニだらけの水泳大会を体験することになる。

バカンスでオーストラリアにやってきた姉妹グレース(ダイアナ・グレン)とリー(メーヴ・ダーモディ)、姉グレースの恋人アダム(アンディー・ロドレーダ)。3人は楽しみにしていた「野生動物見学ツアー」の船に乗り遅れ、やむなく小船で川釣りに出る。ところがそこは巨大ワニ、クロコダイル(体長3メートル)の巣窟だった。

初デートで井の頭公園のボートに乗ると別れる、なんて都市伝説があるが、そんなカップル用ボートに毛がはえたような小船で出かけたのが運のつき。観客の期待、いや危惧通り、3人とガイドを乗せたボートはワニくんの体当たりでひっくり返る。

60点
スケールアップした続編に、アメリカ人の気弱な本音が垣間見える

『ナイト ミュージアム2』は、全米興行ランキングで本命視されていた『ターミネーター4』を打ち破り、堂々のトップを飾った。確かにこれを見ると、いまどきのアメリカ人の心理、何を求めているのかがわかるようで興味深い。

前作から数年後。相変わらず毎夜動き回るNY自然史博物館の展示物たちは、改装のためワシントンのスミソニアン博物館へと移送されることになった。ところが例の魔法の石版のせいで、スミソニアンの展示物まで動き始めたからさあ大変。元警備員のラリー(ベン・スティラー)は再び騒動を静めるべく、現地に向かうが……。

石版の力で博物館の展示物が動き出すというアイデアの第二弾。世界最大の博物館(群)、スミソニアンに舞台を移したことにより、スケールは大幅アップ。世界的に有名な博物館であるから、アメリカ人以外にもおなじみのあれやこれやが動き出す姿に、私たちは驚かされる。ハリウッドにとっても世界中の博物館の数だけ続編ができる、いい鉱脈が見つかったというわけだ。次はぜひ上野の山に来ていただきたい。

60点
オーガニック生活に誘う入門編

先日ある経済学者が、俗に言う「食糧安全保障」の考え方を否定し、穀物自給率にこだわる愚かさを指摘していた。たとえば農業には石油も必要だし、生活には他の物資も不可欠だ。なのに食糧の自給率ばかり気にしてどうするのかと、そんな主張だった。

これが机上の空論というやつかと、しばし呆然とした。

論には事実(ファクト)で反論するのが原則というが、学者が何を言おうと世界の国々は「食糧は最強の武器」(=食糧安全保障)との認識で動いている。

60点
泣ける度は100

『HACHI 約束の犬』の主人公ハチ役は秋田犬、いわば日本人だから、この映画がアカデミー主演男優賞をとれば初の日本人受賞。

そんな冗談を飛ばしたくなるほど、この犬の演技はすごい。とくに老犬バージョン、いったい誰があんなメークをしたんだと叫びたくなるほど、出てきた瞬間「これはヤバい」と思わせる。いずれにしてもこの映画、泣ける度だけなら100点。フジテレビ開局50周年記念、『ハチ公物語』(87年)のアメリカ映画版リメイクの名にふさわしい、号泣実話動物映画である。

舞台はアメリカ郊外のベッドリッジ駅。迷い犬の子犬を拾ったウィルソン教授(リチャード・ギア)はハチと名づけ、家族の反対を押し切って自宅で飼うことに。強い絆で結ばれた教授のため、ハチは毎日駅まで送迎するほどで、駅前の人々の間でも有名であった。ところがあるとき、勤務先の大学で教授の身に事件がおきる。

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