「前田有一の超映画批評」をランキング形式で紹介するサイトです。 週末の映画選びなどにご利用ください。

2121件中 1001~1050件 を表示しています。
60点
時代性という意味では正反対

「四十九日のレシピ」は女性監督らしく、細やかな人間観察によるエピソードが心に響くドラマだが、まだまだ不器用で細部が荒っぽいのと、時代をみる大局的な視点が少々ずれているので傑作になれずにいる、惜しい一本である。

妻の乙美を失い気落ちしていた熱田良平(石橋蓮司)のもとに、乙美から面倒を見てくれと頼まれたと派手な少女イモ(二階堂ふみ)がやってくる。その異様な明るさに振り回されていると、ほどなく娘の百合子(永作博美)も戻ってくる。百合子は不妊治療中の夫(原田泰造)がよりにもよって不倫相手を妊娠させたことで深く傷つき、離婚届をおいて出てきたのだった。

傷ついた家族のもとに、死んだ妻からのメッセンジャーというべき少女がおかしな遺言を届けに来る。「四十九日の法要は思い切り楽しい宴会に」との非常識なそれをどうするか、残された人が頭を悩ませるのが大筋となる。

60点
細かいことを気にしなければ結構いける

ヨーロッパ発のトークゲームで、いまや日本の合コンシーンでもブームとなりつつある人狼ゲーム。テレビ番組などでその存在を知った人も多いだろうが、低予算映画にうってつけの素材だと気付いた映画人がいたのだろう。同時期に2本の実写映画が公開される、こちらはその一つ。デビュー作「パーク アンド ラブホテル」(07年)が好印象だった熊坂出監督作品ということで、私も期待して見てみた。

高校2年生の愛梨(桜庭ななみ)は、目覚めると見知らぬ建物の一室にいた。やがて同じ境遇の若者男女計10名が集まってくると、テレビモニターに不気味なメッセージが現れる。それによると、これから彼らは「人狼ゲーム」を行う必要があるらしい。だがこのゲームでは、実際に人狼か村人を「殺す」必要があるというのだった。

人狼ゲームとは、まず最初に各人の役割が記されたカードが伏せて配られる。「村人」の中に紛れ込んだ「人狼」を、全員のディスカッションで見つけ出し処刑せねば、毎晩一人ひとり村人が殺されていく。村人、人狼どちらが最後まで残るか。ある種のチーム戦が魅力の推理ゲームである。

60点
おもしろいが、業界人やよほど興味ある人以外には厳しい

デパートのドキュメンタリーとはなんとも珍しいが、この映画で描かれるデパートはなにからなにまで規格はずれ。アメリカが誇る最高級デパートことバーグドルフグッドマン。本作は、その紹介映像だが、ファッション好きにはたまらないことだろう。

バーグドルフグッドマンは、NYの老舗百貨店にしてあらゆるデザイナーがテナントを望むステイタスシンボルである。その審査はきわめて厳しく、ここに店を構えられればなによりの信用となる。とくに新興ブランドにとってみれば未来を約束されたようなもので、ある種のアメリカンドリームの到達点ともいえる。

もっとも、そうした予備知識なくでかけても、あなたがファッション好きならばそこそこ楽しめる映画である。ファッション映画のひな形通りというべき、派手な音楽にテンポのいい編集、めまぐるしく動くカメラ。これぞスタイリッシュでござい、といわばんかりの、見るのに体力がいるポップな映像美。椅子に座っているだけで心がうきうきしてくるだろう。

60点
おもしろいが終盤息切れ

狭い範囲内で物語を作るというのは、誰もが考えつくサスペンス映画のセオリーである。「フォーン・ブース」(02年)は電話ボックス、「ブレーキ」(12年)は車のトランク、「[リミット]」(10年)にいたっては棺桶の中と、その舞台の「狭さ」はエスカレートするばかりだ。

「アブダクティ」はそんな流れの中に現れた日本製ワンシチュエーションスリラー。うだつのあがらない中年男が、貨物輸送用コンテナに拉致監禁される不条理ドラマだ。

気の弱い中年男の千葉厚志(温水洋一)はガードマンの仕事中、拉致されコンテナの中に監禁される。移動しているようだが場所は全く分からない。身の回りの品はあるが、脱出に役立ちそうなのは携帯電話だけ。だが110番通報すると、なぜか奇妙な応対をされてしまう。

60点
やっかいすぎる最新作

松本人志監督最新作「R100」の興行成績が芳しくないと、あちこちで話題である。アクの強い映画を作って、うまいこと当たればなお良しと期待する部分も無いことはないだろうが、普通に考えればこれだけハチャメチャやり続けている松本映画に一般受けは期待できない。そんなことは業界人なら100も承知で、大コケ報道それ自体がパブリシティの一環ではとか、監督自身を追い込むMプレイじゃないかとか、いろいろと考えてしまう奇妙な事態である。

中年サラリーマン片山貴文(大森南朋)は、怪しげなSMクラブに入会する。それは、契約期間1年間の間は24時間いつ女王様がやってきてプレイ開始となるかわからないという、究極のプレイであった。さまざまなタイプの女王さまがやってきて過激プレイを繰り広げるサービスに、当初はM心を満足させられていた片山だが、やがて日常生活に支障が出るタイミングで彼女らが現れるようになってしまい……。

大森南朋演じるM男の前に現れる女王役は、大地真央、寺島しのぶ、片桐はいり、冨永愛、佐藤江梨子、渡辺直美と、様々なタイプがそろっている。露出やセクシーな場面はさほど期待できないが、その分、シュールな笑いに満ちた不条理ドラマである。

60点
二階堂ふみフェチの映画

映画監督の中には、一貫して同じ態度で映画作りを続ける者もいる。だがそんな彼らとて、突然息抜きのように、毛色の異なる作品を発表することがある。原発問題や東日本大震災、自殺問題など、社会派のテーマで映画作りを続けてきた園子温監督による、この娯楽一本やりなアクション映画「地獄でなぜ悪い」も、まさにそんな一本である。

池上(堤真一)率いるライバルの組と抗争を続けるヤクザの武藤(國村隼)。彼は愛する妻がシャバに戻る日を前にいま、焦りを感じていた。なぜなら彼女は元子役CMタレントの娘(二階堂ふみ)が主演する映画を武藤が制作していると思い込んでおり、それだけを希望に日々過ごしていたからだ。万策尽きかけた武藤の前に現れた平田(長谷川博己)は、実際はただの映画マニアだったがこれをチャンスととらえ、とんでもない映画の企画を武藤に話し始める。

かつて人気を博したCM子役の愛らしさに魅せられた男たちと、成長した彼女に魅せられた男たち。彼らがハチャメチャな争いを繰り広げる、問答無用の暴力アクションコメディである。

60点
映画の脚本という感じではない

NHKドラマ「あまちゃん」最終回という絶好のタイミングをねらって公開される「謝罪の王様」は、その宮藤官九郎のオリジナル脚本が話題のコメディードラマ。さらに水田伸生監督、阿部サダヲ主演という、「舞妓 Haaaan!!!」「なくもんか」に続くおなじみのチームは、まさに3匹目のどじょうを狙う布陣といえる。

やくざ相手のトラブルを見事解決してやった縁で、東京謝罪センター所長で「謝罪のプロ」こと黒島(阿部サダヲ)は典子(井上真央)を助手として雇うことになった。彼らのもとには、既存のやり方では解決が難しいトラブルが、次々と舞い込んでくる。黒島の鮮やかな謝罪テクニックは、はたしてどこまで通用するのだろうか。

似た設定の漫画があるということで公開前から少々揉めていたものの、「謝罪師」とはなかなか新鮮なアイデアである。通常ならばお手上げの「やくざ相手の交通事故」を、頭を下げるだけで解決に導く冒頭の土下座アクション(?)など、見せ場としてもじつにおもしろい。阿部サダヲの演技も、このキャラクターにぴったりで、思わず笑いを誘う。

60点
劇場版らしい何かがほしい

「事件は現場で起きてるんだ」といったのは青島刑事だが、会議ばかりしている上層部でなく現場で這いつくばる名もなき戦士たちに視線を向けたそのコンセプトは、「踊る大捜査線」シリーズを歴史に残るヒット作へと導いた。

NHKのドラマ「劇場版タイムスクープハンター」は、文字通り歴史ものでそんな視点を取り入れたヒット作。そのうえでフェイクドキュメンタリーの体裁をとりつつSF要素も盛り込むという、相当な異色作となっている。本作はその初の劇場版となる。

時空ジャーナリストの沢嶋(要潤)は、"本能寺の変"直後の京都へ取材に行く。ところが名もなき侍(時任三郎)に取材中、歴史上重要な意味を持つ茶器が未来人と思しき人物に奪われる事件が発生。沢嶋は急きょ新人ジャーナリストの細野ヒカリ(夏帆)と協力して事に当たるが……。

60点
まるで日本

住民の反対を押し退けゴミの処分場が建設されてしまう──。トルコの名もなき村でそんな騒動が起きていたなんて、この映画を見なければ一生知ることはなかったろう。もっというならば、ファティ・アキン監督がこの村にルーツを持ち、故郷が汚されるのをいてもたっても居られずカメラを回すことがなければ、である。

このドキュメンタリーは、90年代半ばに計画されやがて建設、運用、そして寿命を迎える直前までのあるゴミ埋め立て処分施設について、足掛け5年にわたってその顛末を追いかけた記録である。

見るといろいろなことがわかるが、興味深いのは一つのゴミ処理場ができると、すべてがリンクして次々とダメになるという一連の流れ。たとえば集められた大量のゴミを、どこからともなくやってきた鳥の大群があさりはじめる。やがて鳥たちはそこいらじゅうにフンをする。すると村の特産品だった茶畑もフンだらけになって壊滅する、といった具合だ。

60点
逆境からいかに立ち直るか

何度ケンカしても、いつの間にか元に戻るカップルがいるが、ほとんど年中行事になっている場合もあるので喧嘩中は仲が悪いように見えても、軽々しく「別れたら」などとアドバイスをしない方が良い。死ぬか生きるかの騒ぎでも、翌朝にはケロリとしているのがいつものパターンである。

しかしそんなしなやかな関係でさえ、限度を越えれば壊れることもある。『ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜』はそんな「壊れるはずのないものが壊れたとき」どうすればいいのか、その対処のヒントとなるかもしれない映画である。

ここは文明による秩序がまだほとんど届かぬ小さなコミュニティ。誰が呼んだのか、バスタブ島と称されるこの場所で、6歳の少女ハッシュパピーは大地の生き物の声を聴きつつ元気に生きていた。ところがあるときやってきた激しい嵐は、ささやかな集落を水没させてしまうのだった。

60点
偽善的にみえるがさにあらず

米民主党の熱心な支持者であるスティーヴン・スピルバーグが12年間の構想を経て、共和党最初の大統領であるエイブラハム・リンカーンの伝記映画をとる。いかにも政治的な匂いがプンプンする企画といえる。しかし終わってみれば、これが意外なほど公平性を感じさせる映画であった。

4年目に突入した南北戦争において、日々若者が犠牲になることに心を痛めるリンカーン大統領(ダニエル・デイ=ルイス)だったが、戦争の終結は奴隷制度継続を望む南軍に妥協することであり、コトは単純に進まないのであった。しかも奴隷制度撤廃を定めた憲法修正第13条の批准は、議会工作の不調によりさらに困難を極めていた。

思想的立ち位置を表明している身ゆえだろうが、政治的な問題についての描写はきわめて慎重。アカデミー主演男優賞をとったダニエル・デイ=ルイスの重厚感ある演技と面構えもあって、一見中立的な、偏りを感じさせない作品となっている。

60点
男優側に焦点を当てる

AVについて映画を作ろうというとき、まず女優に目が行くのが普通だ。だが、本当に面白いドラマが隠されているのは男優の側だろう。苦労も難しさもはるかにこちらが上なのに、世間(というか視聴者)からの目は冷たい。そんな報われない男たちの物語は、きっと味わい深いはずである。

「セックスの向こう側 AV男優という生き方」は、まさにそのAV男優についてのドキュメンタリー。総勢19名のさまざまな男優たちに、共通の質問をぶつけていく形式の回答集である。

登場する男優陣は上記データ箇所や公式サイトなどを見ていただきたいと思うが、顔ぶれも年齢もバラエティに富んでいる。若い人では80年生まれ。古くは50年生まれまで。父子共演をしたという、ほとんど家業みたいな男優もいれば、どこにニーズがあるのかと思いつつもあるかもしれないと思わされるブサメン男優等々、この業界の懐の深さを感じてしまう布陣である。

60点
再出発と癒しのメッセージ

躁鬱気質の女の子というのは厄介なもので、美人だったり、かわいらしいところがあったりと一見魅力的である。男としては、下手にはまると身を亡ぼすことになるわけだが「世界にひとつのプレイブック」を見ると、こうした男女関係の基本的常識というのはもしかして万国共通なのか、とうならされる。

妻に浮気され心が壊れたパット(ブラッドリー・クーパー)は、教職も住むところも失い両親のもとで療養中。だが、それでも妻を愛しなんとか元サヤを狙っている。そんな折、親友の奥さんの妹ティファニー(ジェニファー・ローレンス)と知り合うが、彼女も夫を亡くしたばかりで精神を病んでいた。奇妙なところで共通項を見出した二人だが、さっそく意気投合というわけにはいかず……。

この映画のヒロインティファニーは、美人なうえに巨乳であり、ルックスは男なら思わず視線が行ってしまうレベル。だが、行動は完全にメンヘラなそれ。寂しさとかなしみを紛らわすため、会社の同僚全員と寝てしまうような女である。

60点
ボートにトラと二人きり

漂流ものというのは、人気ジャンルというわけではあるまいが時折作られる定番ものである。「流されて…」(74年、伊)に「青い珊瑚礁」(80年、米)「キャスト・アウェイ」(00年、米)、最近では「東京島」(10年、日)などいろいろとある。

モノがあふれる現代人にとって、著しく物資が制限された状況下でのサバイバルは、もっとも実感しやすい非日常。映画があたえる興奮としては、理にかなっているというわけだ。

同時に、人にあふれた都会に住むものとしては、ブルック・シールズのごときかわいこちゃんと二人きりで無人島生活というのは、この上ない幸せな妄想、理想郷といえる。

60点
やや安直ながら確実に泣かせる

願いや望みは人それぞれである。最近では、やってもいないiPS細胞の手術をやったと言い張る自称研究員もいた。偉大なるノーベル賞の名誉が欲しかったか、あるいは賞品の冷蔵庫が欲しかったのかは不明だが、あれほど馬鹿げた嘘をつくからにはよほど強い動機があったのだろう。

「ツナグ」は、そんな人間の願望の中でもおよそ最強というべき「死んだ人に会いたい」希望をかなえる男の話。2週目で興収1位に輝いた、上り調子のファンタジック感動ドラマだ。

癌で死んだ母(八千草薫)に、ある事情からどうしても会いたかった中年男・畠田(遠藤憲一)は、半信半疑で「ツナグ」にコンタクトをとる。「ツナグ」とは、死んだ者を呼び出し会わせてくれる不思議な能力を持った者。だが、畠田の前に現れたのは華奢な男子高校生・歩美(松坂桃李)。あきれて帰ろうとする畠田を引き留め、歩美は説明を開始する。料金は不要、死者会うチャンスが行使できるのは一生に一度のみ。ただし死者側が拒否したら会えない。会えるのは満月の夜、夜明けまでの一晩きり──。

60点
オジサン感涙

日本では中高年が楽しめる映画が少ないと、かねてから言われている。確かに、海で救助ばかりしている体育会系男子の話とか、テレビ局みたいな警察署の話を彼らに楽しめといっても微妙なところか。

だが、ここに決定版が登場した。「エクスペンダブルズ2」がそれだ。

東欧の山中に墜落した輸送機からデータを回収する楽な仕事──。だがそこには落とし穴があった。バーニー(シルヴェスター・スタローン)が率いる傭兵部隊エクスペンタブルズは、この仕事で仲間を一人失ってしまう。殺ったのはヴィラン(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)率いる地元の武装グループ。バーニーは奪われた物資と仲間の復讐のため、ヴィランを追う。

60点
現代的に生まれ変わった

この原作と類似点を指摘されている寺沢武一の「コブラ」、映画「TIME/タイム」(11年)、そしてこの「トータル・リコール」と、最近映画化されるSF作品には、ある種の共通項があるように思う。特にこのリメイク版を前作と比較すると、よりそれらの作品と近いテーマに変更されていることがわかる。そこにこの映画を読みとく鍵があるといえるかもしれない。

近未来の地球は荒廃しており、人が住めるのはブリテン連邦とその裏側のコロニーの2か所のみ。両者をつなぐ直通エレベーターのごとき「フォール」を使い、労働者たちは日々地球内部を移動しては戻ってくる日々だ。その一人である工場労働者ダグラス(コリン・ファレル)は、そんな日々のストレスから逃れるため心躍る旅行の記憶を売るリコール社に出向くが、望むストーリーの記憶を買おうとしたまさにそのとき、連邦警察の襲撃を受ける。

さて、まず目を引くのはこの突飛な世界観。富裕層がくらすイギリス周辺地域と、奴隷のような労働者たちが暮らすオーストラリア大陸。この二つをつなぐ地球規模の縦断エレベーター。突拍子もない大がかりなシステムだが、地球を金持ち地区と貧乏人地区に物理的に分けるこの設定によって、映画が語りたいことをこれ以上なく明確に示している。

60点
現代に通じるものがある

今となっては信じがたい話だが、かつて終戦直後、ブラジルの日本人移民社会ではかなりの長期間、日本が戦争に勝ったと本気で思い込んでいた人たちがいた。

彼らは「勝ち組」と呼ばれ、真実の情報を得て日本が負けたとことを知っていた「負け組」と深く対立した。その対立と抗争はとどまるところを知らず、勝ち組は負け組を非国民と罵り、やがて悲惨な結末を招くことになる。

こうした史実は、現代の日本人にはあまり知られていない。だがブラジルではこの問題を扱った書籍がベストセラーになったこともあり、そこそこホットなテーマである。

60点
海開き前にぴったり

最近は自然派ドキュメンタリーが人気だが、「シャーク・ナイト」は46種類のサメが見られるというの

が売りのサメ映画。ただし、ネイチャードキュメンタリー好きの純粋な女のコを連れて行くと、間違い

なくアナタとの関係は崩壊する。

60点
ハイパーおっぱいクリエーター

アイドルや女優とは大変な職業である。目が出る人は少ないし、人気者になっても様々なプレッシャーとの戦いがある。人気を維持するためには壮絶な体作りをしなくてはいけないし、ライバルは次から次へと現れる。なかには元彼にH写真を流されて大宰府送りになる自滅型アイドルもいたりするが「ヘルタースケルター」のヒロインはさらに壮絶な体験をすることになる。

芸能界の頂点に立つ人気モデルりりこ(沢尻エリカ)には、重大な秘密があった。彼女の美貌のすべては、全身整形と多量の薬剤投与によって維持されていたのだ。だがあるときりりこは、自分の肉体がその後遺症で崩れ始めたことを知る。強力なライバルとなりそうな後輩モデル(水原希子)の登場による焦燥感もあって、精神のバランスまで崩壊しつつある彼女は、マネージャー(寺島しのぶ)にサディスティックな仕打ちをするなどおかしな行動をとり始める。

毎度お騒がせの沢尻エリカが、脱ぐ脱ぐ詐欺ではないかとの事前の心配をよそにすべてをさらけ出し、男性週刊誌界隈を騒がせている話題作。

60点
アンハッピーフライト

新鮮味ある題材とスペクタクル、役者たちの本格的な役作りで日本映画離れしたブロックバスターとしてスタートした海猿シリーズ。だが、ここへきていよいよ終焉を迎えようとしている。前作「THE LAST MESSAGE 海猿」(10年)の際に打ち出した伝家の宝刀、終わる終わる詐欺、とういわけではもちろんない。それとは別に、単にシリーズの賞味期限が切れつつあるということだ。

海保救助部隊の最高峰、特殊救難隊の仙崎(伊藤英明)は、相棒の吉岡(佐藤隆太)の恋人(仲里依紗)が乗った旅客機のエンジントラブルの報を受ける。たとえ海上に不時着できたとしても浮かんでいられるのはわずか20分間。とても「海猿」だけで多数の乗員乗客すべてを救助はできない。仙崎と仲間たちの、史上最も困難な救助劇がいま、始まろうとしていた。

本作は、ローマ風呂映画の意外なまでの大ヒットを受けたあとでも、それを上回る興収(年間1位)を

60点
パリの老舗クラブへ疑似潜入

キャバレーとはフランス語で、本来はショーのあるレストラン等のことだ。パリにある「クレイジーホース」はその老舗で、そこで提供されるヌードショーは、私が行うおっぱい批評に匹敵するほど芸術性の高いエンターテイメントとして知られている。

「クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち」は、そんな老舗のショーに密着したドキュメンタリー。これを見れば、フランスのキャバレー文化というものを存分に疑似体験しつつ理解できる。

監督はフレデリック・ワイズマン、世界有数のドキュメンタリーの巨匠だ。ナレーションなど言葉で説明しようとはせず、対象に寄り添うような撮影とリズム感ある編集が特徴で、本作でもそれは踏襲される。キャバレービジネスを真面目にお勉強しようという人には向かないかもしれないが、お店のど真ん中に入り込む錯覚というか、そういう楽しみを味わいたい人にはぴったりだ。

60点
本人が語る我が人生

ファッション映画に外れなし。そんな風に長年感じてきたとおり本作も確かに面白いドキュメンタリー映画ではあるのだが、正直あまりタイムリーではないし、わざわざ今作って見せるようなものではないなというのが率直な感想であった。

ところが、日本公開直前、サスーン本人が亡くなったことで、この映画はその唯一足りないものを手に入れた。映画は、本人へのインタビューを中心に、周辺の人々の証言で補強したドキュメンタリー。正統派の作りだから、暴露話的な内容はほとんどない。

彼の名は、多くの日本人にとってはシャンプーのブランド名程度の認識だろうが、美容業界ではまさに偉人級の実績を残している。サスーンカットと称される革新的な技術、その実業家としての成功の詳細を改めて見ることができて面白い。

60点
変態キャメロン健在

もうすぐ40歳になるキャメロン・ディアスは、しかしいまだにお下劣かつセクシーキャラを演じられることを本作で見せつけた。

金目当ての婚約がものの見事にバレて、古巣の中学校教師へ復帰したエリザベス(キャメロン・ディアス)。懲りない彼女は代理教師のスコット(ジャスティン・ティンバーレイク)の実家が大金持ちとの情報をつかむと、彼を落とすための豊胸手術代を稼ぐことに奔走する。

さすがの日教組も腰を抜かす、たいへん教育に悪い不良教師が主人公のブラックコメディー。

60点
中高年のための学園もの

『幸せの教室』は、世にも珍しい中高年向き学園ムービーである。アメリカにおけるこの映画の客層は、過半数が50代以降。これは極めて珍しい事態といえる。

本作はトップスターのトム・ハンクスが自分の好きなものをぎっしり詰め込んだ映画で、自分と同世代以上の観客を強く意識したであろうつくりになっている。だからハリウッド的な能天気なオチにはならないし、そういったところが、子供じみた映画に飽き飽きする観客を映画館に呼び寄せることに繋がったのであろう。映画館に知性ある中高年をまったく呼べない日本の映画企画者にとっては、これは必見の一本である。

ラリー・クラウン(トム・ハンクス)は長年つとめたショッピングモールを首になってしまう。再就職のためコミュニティーカレッジに通いだした彼にとっては、どこかやる気のない教師メルセデス(ジュリア・ロバーツ)のスピーチ授業も含め、すべてが新鮮。若い同級生たちとも積極的につきあう彼の世界は、日に日に大きく広がってゆくのだった。

60点
フランス&アメリカ版・3年目の浮気

この映画は、配偶者が留守にするある夜を舞台に一晩限りの男女関係を描いたスリリングなドラマである。女性監督らしいというべきか、痛々しいリアルさが散見される、そのあたりが魅力といえる。

結婚3年目。ジョアンナ(キーラ・ナイトレイ)は夫マイケル(サム・ワーシントン)が美人同僚ローラ(エヴァ・メンデス)にただならぬ好意を抱いていることを知り焦りを隠せない。しかも今夜、彼女と泊りがけ出張にいくというのだ。疑念が晴れるまま夫は出発してしまったが、そんなとき元彼アレックス(ギョーム・カネ)と偶然再会、ジョアンナは食事に誘われる。

どんなにラブラブなカップルでも、おそらく300回ほど愛しあえば、いい加減相手への執着はなくなり、落ち着くべきところに落ち着くものだが、少なくともその間は、相手が浮気するのではないかなどとハラハラ楽しい時間を過ごすことができる。

60点
はやぶさよりは高く飛んだが

何十番煎じだからやめとけばいいのに各社そろってはやぶさ美談に手を出し、枕を並べて討死にしている今日この頃。邦画最大手の東宝だけは、そんな使いふるしの題材には見向きもせず、人気コミック「宇宙兄弟」を映画化した。

しょせん、良くできた事実にフィクションは勝てない、勝てるだけのフィクションを作る能力も今の映画界には望み薄。ならばそこそこのフィクションで勝負しようじゃないの。そんな身の程を理解したかのごとき選択は、少々さびしいが正解である。さすがボックスオフィス独占が当たり前の、最強の映画会社だけのことはある。

小さい頃、UFOをみてから宇宙飛行士を目指そうと誓い合った兄弟。その弟ヒビト(岡田将生)は2025年、みごと夢をかなえて月へと飛び立とうとしていた。一方兄ムッタ(小栗旬)は職を失うどん底状態。だがそこに、なぜかJAXA(宇宙航空研究開発機構)から覚えのない宇宙飛行士選考通過の通知が届く。

60点
猫萌えムービー

「シュレック」シリーズの人気キャラクター、長靴をはいた猫は、その可愛らしい外見に野太い声というギャップにより、主人公を超える程の人気とインパクトを与えてくれた。「長ぐつをはいたネコ」は、その人気にあやかったスピンオフ作品である。

猫のプス(声:アントニオ・バンデラス)は、怪物のシュレックに出会うずっと前からお尋ね者として追われていた。だがもともとプスは、育った村で英雄としてたたえられていた存在だった。当時彼が相棒として信頼していたハンプティ・ダンプティ(声:ザック・ガリフィナーキス)とも、いまや犬猿の仲。いったいプスの過去に何があったのだろうか。

本作はまず第一にキャラクター重視のコンセプトで作られただけあって、主人公の猫は魅力たっぷり。正義感が強く剣の腕もたつが、人を信じすぎてしまうきらいがあり、意外にも簡単にだまされてしまったりする。そんなちょっと脇の甘いヒーロー、それがプスだ。

60点
セックス依存症を描いた衝撃作

一般的に、男にとってセックスというのは、毎晩求められても、あるいは毎晩断られても辛いものである。求める相手も求められる相手もいない読者諸氏からは、こんな前ふりを読むのもつらいよと突っ込まれそうだが、「SHAME -シェイム-」はまさにその悩みの種=セックスが主題なのでやむを得ない。

ニューヨークで人もうらやむエリートとして一見何不自由なく暮らすブランドン(マイケル・ファスベンダー)は、しかしセックス依存症に悩まされていた。会社での理性的な態度を維持する代償に、彼は日に何度も無為なる射精をするほかないのだった。

まずよくある誤解として、本作はスティーヴ・マックィーン監督と映倫が局部の修正についてバトルを繰り広げたという前評判から想像するほど、エロ重視な内容ではない。

60点
法廷バトルに特化した映画

映画「逆転裁判」は、法廷映画を作るとき映画監督が悩む様々な問題点を、斬新な方法で解決した作品である。

日本によく似た世界。正義感の強い新米弁護士の成歩堂(成宮寛貴)は、ライバル検事の御剣(斎藤工)が起訴される事態を受け、果敢に弁護を引き受ける。だが今回の相手は無敗の最強ベテラン検事・狩魔(石橋凌)。証拠集めの期限はわずか3日間。はたして成歩堂はこの圧倒的不利な対決を制し、依頼人を救うことができるのだろうか。

裁判映画を作るとき、真っ先に起こる問題点はリアリティをどこまで追い求めるか、であろう。というのも、実際の裁判とはあまり面白いものではないからである。裁判場面を本当にリアルに描けばたぶんその映画は退屈にすぎ、その逆をやればフィクションすぎると文句を言われる。さじ加減が難しい。

60点
オヤジが突然カミングアウト

「カミングアウト」とは、じつに心踊る言葉である。大好きだったあの子のおっぱいが、詰め物たっぷりの改造品であった──そんなカミングアウトをされた日には、それは一見大ショックであるが、そこまでする程コンプレックスに思っていたのかと思えば、むしろ色っぽいものである。オトコのためにそこまでしてくれたのだと考えれば、余計に愛も深まるというもの。だから、これを読んでいる女性読者たちは今すぐ秘密を私宛にメールするように。

映画の話に戻すと……というよりまだ映画の話なんてしていないような気もするが、ともあれ「人生はビギナーズ」は、特大級の「カミングアウト」をテーマにした作品である。ただし、おっぱいを整形した女の子は出て来ない。

 39歳のイラストレーター(ユアン・マクレガー)は、老境に入った父親(クリストファー・プラマー)から突然、自分がゲイだったことを告白される。狼狽する息子をよそに、父親は若い同性の恋人を自宅に招いてイチャつく毎日。おまけに癌に蝕まれているくせに、日夜パーティーでゲイ仲間と楽しそうに過ごしている。死んだ母親との結婚生活とはいったいなんだったのか、息子としての自分の立場は……? 残り少ない父子の時間の中で、息子は父親を理解しようと真剣に向き合い始める。

60点
≪キャラクターの魅力は描けているが≫

自分の彼女はモデルの○○に似てる、などとのろける男性は意外に多い。自己暗示をかけることで恋の喜びを脳内増殖しようという高等テクニックなのかもしれないが、第三者から見るとギャグでも言ってるのかと誤認することも多い。

人間の目は主観次第でどうにでもごまかせる一例だが、ごくまれに誰が見てもそっくりな人間というのがいるものだ。『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』は、悲しいかな稀代の独裁者に見そめられてしまった元影武者の回想記である。

サダム・フセインの長男ウダイ(ドミニク・クーパー)は、圧倒的な権力をバックにやりたい放題のドラ息子として知られていた。町で美人学生を見つければ拉致して暴行、そのまま通りに捨てていくなどサディスティックな異常性質で恐れられる彼は、あるとき同級生のラティフ(ドミニク・クーパー:二役)を呼び出す。背格好が似ているラティフが予想以上に自分に似た風貌に成長しているのを見て上機嫌なウダイは、「微調整」を施した末に自分の影武者にならないかと持ちかける。

60点
≪くだらなさの極みをほのぼのと描く≫

飯を食わないグルメ漫画という、究極のキワモノ系として人気の高い原作が、ついに実写映画になった。なぜ飯を食わないかというと、舞台が刑務所の雑居房だからだ。ということでまずストーリー。

年の瀬も近いこの刑務所のある一室では、毎年恒例のあるゲームが行われていた。それは、一人ずつ「自分の人生で忘れられない料理」を語り、一番うまそうだった料理を語った者が優勝賞品として、全員の正月おせちから1品ずつゲットできるというもの。刑務所では、年に一度のおせちは何よりのごちそうであり、最大の楽しみ。語り始めた男たちの目は真剣そのものだ……。

当然ながら現実の食事シーンでは、ぱさぱさの刑務所メシしか出てこない。一方で彼らが語る「思い出のウマメシ」は、回想シーンながらどれもこれも美味しそう。そのギャップがいいアクセントとなっている。むらなくやけた真円のホットケーキはほとんど職人技だし、すき焼きのしめの○○○の、みるからにこってりしたビジュアルなど、食前に見たらたまらない。料理がうまそうに見えるという、グルメ映画の基本線はとりあえずクリヤーしている。

60点
≪上海租界の諜報員たちの恋のドラマ≫

映画『シャンハイ』は上海租界における壮大な歴史ロマンスだが、当事国同士で見解が一致しないこの時代の歴史を舞台にすることの難しさを感じさせる、どこかすっきりしない後味であった。

1941年の上海では、日本と欧米列強がひしめき合い、諜報員たちが暗躍していた。開戦前夜の緊張感が高まるこのころ、米国諜報員の殺害事件がおきる。その真相を追うポール(ジョン・キューザック)は、事件に日米中の様々な男女が絡んでいることを知る。やがて裏社会の大物ランティン(チョウ・ユンファ)の妻アンナ(コン・リー)に惹かれゆくポールは、彼女と交流を深める中でタナカ大佐(渡辺謙)とスミコ(菊地凛子)という娼婦が解決のカギを握っている事に行き着く。

「南京で親がひどい目にあった」ヒロインと、心優しい米国人諜報員のロマンスが主軸。日本軍は悪役として、悲劇の舞台を盛り上げる役回りを与えられる。

60点
≪アイデア切れと3Dへの不慣れさ≫

米軍の全面協力を得て作られているこのシリーズは、ウォッチ対象としては抜群に面白い愛国ムービーだが、さすがに3作目ともなるとマンネリ感が強く、前作の残りダシで作った余りもの料理の印象が否めない。

命がけの冒険をしたわりには平凡な社会人生活を始めたサム(シャイア・ラブーフ)。オートボットたちは相変わらず米政府と手を組んで世界の平和を守っていたが、サムはそこに参加できない疎外感を感じていた。だが平和は束の間、かつてない激しい悪の侵略が始まり、その策略によって米軍とオートボットたちの絆もついにほころびが生じはじめた。

日銀砲がじつは豆鉄砲程度の威力しか持たないことがわかり、もはや誰もドル安を止められぬ事がわかりつつある今日この頃。このドル安状況で米国経済を上向かせるには、最大の輸出産業である軍需産業に公共事業大セールをプレゼントすべきと考える人は少なくない。

60点
≪出し惜しみはやめろ≫

『ムカデ人間』は、あるマッドドクターが人間3人を直列に縫い合わせてムカデ状にしてしまうお話である。しかもそれは、一人目の尻の穴に次の人間の口をガッチリ縫い合わせる形で、一人目がご飯を食べるだけで3人が養えるという画期的なシステムである。

私などは、黒髪ロングのやせてる女の子とならいくらでもつながっていたい性格だが、それにしてもこのシステムはまずい。そもそもつながっていたい部位が当方の希望とはだいぶ異なっている。参加は辞退したい。

ドイツ郊外でレンタカーがパンクしたアメリカ人旅行客二人。車のことなどまったくわからない若いギャルである彼女たちは、森の中を民家を求めてさまよい、やがて外科医のヨーゼフ・ハイター博士(ディーター・ラーザー)が一人暮らす屋敷へとたどり着く。だが悪いことに、博士はちょうどムカデ人間研究の実験台を探していたところだった。

60点
≪だいぶ器用になってきた≫

この仕事をしていると、やがて試写室ボケの症状が出る。それは端的にいうと、批評家にとって重要な「一般のお客さんの感覚」を失うこと。

私は試写室で何百本みようが「映画」を味わったことにはならないと考えている。小さいスクリーンにささやかな音響設備、客席には一人で来場するプロばかり。それはあくまで「映画館」とよく似た別物である。

愛する恋人や家族友人とやってきた人々の、作品への期待にあふれた空気の中、大スクリーンで見る。それは試写室とは大違いである。その誤差を修正するため、私は話題作のいくつかは一般の劇場で見ることにしている。

60点
≪ほとんど笑いがでるほどのヒーロー量≫

いまの日本の不況の原因ははっきりしていて、どの経済学者に聞いても需要不足と回答が来る。こういうときは政府が無理にでも需要を作り出すべきと主張する人も多い。国債発行や信用創造量を増やし、積極的に内需を喚起して経済のエンジンをぶん回せというわけである。

そう考えると、投票権めあてに何千枚もCDを買って聞かずに捨てるAKB48ファンというのも案外悪くないのかもしれない。考えてみれば、これぞまさにケインズ経済学の成功例。菅総理は消費税アップの代わりに秋元康を財務大臣に迎えるべきであろう。

さて、AKB48の優位性を強引に明らかにしたところで「ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」の話である。

60点
≪前田敦子の魅力爆発、これで1位は確実か≫

絶賛開催中のAKB48第3回選抜総選挙では、グループの代名詞的存在として引っ張ってきた前田敦子が2位に甘んじるという意外な途中結果が発表された。やはり顔より胸なのかと全女子を落胆させるところであったが、ミスター5500枚こと熱烈な大島優子ファンの存在が明らかになるなど、その要因はいまだ明らかではない。

もっとも武道館で行われる6月9日の最終開票日直前には、前田敦子初主演作『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』が公開となるので、ここで彼女が逆転勝利を収めれば映画の興行も選挙も大変盛り上がること必至である。おそらくそんなシナリオになるのではないかと科学的に予想するが、これは私があっちゃん推しであるなどといった根も葉もない噂とはまったく関係がない。

友達思いの女子高生、川島みなみ(前田敦子)は、病弱な親友の代わりにマネージャーとして弱小野球部に入部した。だらけた部員や煮え切らない監督を前に思わず「あんたたちを甲子園に連れて行く」と宣言してしまったみなみは、マネージャー業務を勉強しようと本屋で指南書を探してもらう。ところが書店員(石塚英彦)の勘違いで経営学者ピーター・ドラッカーの「マネジメント」を買う羽目に。だがそのエッセンスを生かした野球部改革は、意外なことに目覚ましい成果を上げてゆく。

60点
≪美しい複葉機が舞い散るノスタルジック空中戦≫

日本という国は主に米国による洗脳プロパガンダの壮大な実験場であると同時に、見事な成功例でもある。

それは具体的には戦後、有名なルース・ベネディクトの研究などをもとに被占領地のコントロールを目的に始まった。戦時中の行為について過度な罪悪感を受け付ける教育や、非武装平和主義のような現実性ゼロの主張をする団体をひそかに財政支援するなど、彼らの行為は多岐にわたる。

すべては、自主独立を目指すまともな現実主義者を根絶させるためであった。米国にとっては、無防備マンを信奉する無邪気な反米平和主義者は大歓迎(むしろ一定の勢力を得てほしい)だが、自主防衛を言い出す勢力は国益に反する。親米保守なる珍妙な方向に言論の主流が流れるよう、彼らが望んでいることは明らかである。

60点
≪日本人のリハビリにちょうどいい≫

震災後、延期されたり上映中止された作品というのが結構あって、排泄物ぶちまけ映像が売りの「ジャッカス3D」などはその最たるもの。この空気の中、そういう笑いはさすがに不謹慎との判断については、否定のしようがない。

だが逆に、今だからこそ見るべき作品というものもいくつかあり、『まほろ駅前多田便利軒』もそのひとつ。ほかにも「阪急電車 片道15分の奇跡」とか「名前のない少年、脚のない少女」がそれにあたる。これらの作品群は、日本人の心のリハビリにぴったりなものばかりといえる。

まほろ駅前(と自称するがじつは徒歩数分)で便利屋を営む多田啓介(瑛太)の前に、中学生時代の同級生、行天春彦(松田龍平)がぶらりと現れる。多田は中学生時代、自分の不注意で彼の指に傷が残る大けがをさせた経験があり、その負い目もあって宿無しの彼と共同生活を始める羽目になる。

60点
≪アトラクションとしてはそこそこだが≫

寝室にビデオをしかけたら大変なものが映ってました、で知られる「パラノーマル・アクティビティ」(07年)は、生産者側にとってトップクラスのコストパフォーマンスを記録した作品で、当然ながらさっそく続編の話が持ち上がった。

『パラノーマル・アクティビティ2』がそれだが、本作の前にも前作の配給会社が続編製作権を買って作った「パラノーマル・アクティビティ 第2章/TOKYO NIGHT」なる日本版の関連作品が公開されたばかり。このシリーズ自体、劇中のお屋敷同様なにやら騒がしいことになっている。もっともわが日本にはすでに「アブノーマルアクティビティ」なる作品もあるのだが、本稿で触れることはない。

空き巣の被害にあったレイ一家は、自宅内にいくつもの防犯用カメラを設置することにした。ところがその晩から、原因不明の怪奇現象に彼らは悩まされる。防犯カメラは原因究明のため使われることになったが、そこに映っていたのは……。

60点
≪現代的なテーマを生かしきれてないのが残念≫

これはドイツ映画「es [エス]」(01年)のハリウッドリメイクだが、今では禁じられている心理実験の顛末を描いたサスペンスだ。「es [エス]」がカルト的人気を博するまでは、そんな実験があったことは一般人はあまり知らなかった。だからあの映画が実話だったと聞いて、人々はいいしれぬ不安と恐怖、不気味さを感じた。ようするに、リアルな都市伝説を聞いた時のような、アンダーグラウンドの知識に触れた喜び、面白さのようなものが受けたのである。

失職したばかりのトラヴィス(エイドリアン・ブロディ)は、何気なく参加した平和デモ中に魅力的な女性と知り合う。しかし金がないために彼女との旅行に行けなかった彼は、日給1000ドルという破格の被験バイトに身を投じる。集められた24人の被験者を看守役と囚人役に分け、疑似監獄の中で2週間すごさせる大学の実験だ。トラヴィスはそこで気のいい黒人労働者バリス(フォレスト・ウィッテカー)と意気投合。楽なバイトと思った矢先、実験を始めた彼らの間に、予想外かつ不穏な空気が流れ始める。

71年にスタンフォード大学で行われた実験の結果や、「es [エス]」を見ている人にはあまり新味のないストーリーであることは否めない。実験者側を一切うつさず、観客にいやおうなしに被験者の疑似体験をさせる試みはユニークだが、それにしてもオチがわかっていたら面白さは半減以下だろう。

60点
≪人生とはワインづくりのごときもの≫

この映画の監督ニキ・カーロは、「映画作りはワイン造りと似ている」と言ったが、人生そのものも似ているよ、とのテーマも同時に込めたのだろう。とっぴでばかげた設定だととられかねない難しい原作を、重厚な人間ドラマに仕立てたその手腕は健在であった。

1808年、フランスのブルゴーニュ地方。若きブドウ農家ソブラン(ジェレミー・レニエ)は、いつか自分の手で最高のワインをつくろうと考えている野心家。そんな彼の前に、翼をもった天使ザス(ギャスパー・ウリエル)が現れ、的確なアドバイスを送る。ソブランは彼の助言どおり、思い人のセレスト(ケイシャ・キャッスル=ヒューズ)に告白し、みごと妻とする。それ以来、ザスと手を取り合ってめきめきと醸造技術を磨いていくソブランだったが……。

ワインづくりにかけた醸造家の一生を描くドラマかと思ったら、いきなり生々しい半裸の天使が出てくるので観客は腰を抜かす。CGではなくあえて実体のある巨大な羽をくっつけたこの美男子は、まずは土を味わえといきなりワイン造りのヒントを教える。鉱物だのミネラルだのが場所によって微妙に含有量が違うからと熱く語る。まるでワイン博士である。

60点
≪女性を誘えるAVドラマ≫

アダルトビデオには、男女とも興味を持っている。もっとも、その方向には多少の違いがある。男性は出来上がった作品をみればそれで終わりだが、女性はむしろ「なんであんなコトをカメラの前で出来ちゃうんだろう」といった疑問から、女優さんの心境や出演に至った経緯、境遇といった内面の部分にまで興味を持つのではなかろうか。

つまり、女性たちは男どものように卑猥なエロ心だけでAVを見ているのではない。むろん、単なる技術的探究心およびエロ心のみで鑑賞する女性がいるならば、今後の研究のため携帯番号と暇な曜日を添えて当方までお知らせ頂きたい。

ともあれ、引退したトップAV女優みひろの自伝的小説を映画化した『nude』のプレス試写会に、タレントを中心に女性ばかりが押し掛けたというのもうなづける話である。私は見る前からこれは女性のための女性映画だと認識していたが、どうやら世間でもそのように正しく認識されそうだ。

60点
≪美しい映像でみせる等身大の恋愛模様≫

人間は美しいものが好きである。花にしても美術品にしても、美しいから人は惹かれるわけだ。

もちろん、美しさには目に見えないものもある。女性と付き合うときだって、さりげなく皆に料理をとりわけてあげる姿や、一途にメールを返信するなど、思いやりの心が現れるのを思わず見かけた瞬間、男は恋をするのだ。むろん、意地悪でも浮気性でも、結局のところ黒髪ロングで細身の美人なら恋をすることもあるが、それは決して表に出してはいけない極秘事項である。

家業の電気工事の仕事をしている守(片山亨)は、最近友人たちが続けざまに恋人や婚約者をみつけるのを見て、自分にそんな相手が全くいないことを痛感している。仕事先の親切な女性、雨宮さん(古川りか)にちょっとした憧れを抱いているが、ささやかな仕事上のサービスをするくらいで、思いを伝える勇気もない。そんなある日、守はなぜか友人のカノジョの親友(玲奈)に気に入られ、強引に押し倒されて交際を始めるが……。

60点
≪自称「実話」のトンデモ軍隊話≫

右だろうが左だろうが、極端に行き過ぎれば似たようなもの。まず、人は何か政治運動をはじめると、たいてい最後は自分の無力感に気づかされる事になる。ここで理想と現実の折り合いをつけ路線修正できればいいが、それができない一部の人間はどんどん先鋭、過激化し、やがて誰からも支持されなくなる。

世間はバカだ、マスコミはバカだ、なぜ誰も気づいてくれないんだ、わかってくれないんだ。そんな風に思い出したらもう末期である。

そういうテンパった人たちは一度、街で黒髪ロングの痩せた女の子をナンパして楽しく恋をして、脳みそをリフレッシュしたほうがいい。そうすれば、現実社会と自分の距離感を正確につかみなおすこともできる。ちなみに黒髪うんぬんは単なる私の好みであり、本記事の主張とは何の関連も無い。

60点
≪竹島防衛キャンペーンなんかに利用しなきゃ可愛げがあるのだが≫

「あんなオトコ大嫌いよ」といいながら、別れた男の影響を受け続ける女性がたまにいる。音楽の好みだったり、服装のセンスだったり、あるいは性癖だったり。嫌よ嫌よといいながら、高いプライドと自己愛の結果、影響を受けた自分を変えられない。日本と韓国の関係は、そんな滑稽な男女関係に似ている。

テコンドー選手のフン(声:キム・ボミ)は、並み居る強敵を倒してついに世界大会を制した。彼の父キム博士は、ガールフレンドのヨンヒやその父らと共に、正義の巨大ロボットテコンVの開発に精を出していた。だがその影では、テコンVの設計図を奪い世界征服をたくらむ謎の組織の魔の手がキム博士に迫っていた。

『テコンV』は76年に韓国で公開され、国民的人気を博したアニメ映画。このたびデジタル処理で綺麗なフィルムへと生まれ変わり、めでたく公開となった。

60点
≪好きな女性を思うと何も手につかない男性にすすめたい≫

仕事すら手につかない状態になるほど、誰かを好きになる人がいる。

本当は好きな人のことを思うだけで生活にハリがでて元気が出る、なんて「白い恋」が理想かもしれない。だが、思えば思うほど活動意欲を失い、前に進めなくなる「黒い恋」もそう悪いものではない。そのくらい誰かを思える恋を一度くらいしなければ人生は味気ない。人を愛するのも一種の才能。自分の中にそれほどの恋愛意欲があったことを、まずは肯定してやるべきであろう。

そうした情熱的、猪突猛進的な恋心が抑えられなくなると、相手の事をとにかく知りたくてたまらなくなる。知らない事すなわち不安。こうなると、いわゆるストーカーとの違いがあまりなくなってくる。恋人ストーカー状態である。

60点
≪高品質ではあれど、どうもスッキリしない≫

スタジオジブリのアニメーション作品の質の高さはいまさら言うまでもないが、宮崎駿監督作品のとっつきにくさだけは別格だと私は思っている。ぱっと見そうはみえないものの、この監督の作品はきわめて作家性が強く、毎回解釈に頭を悩まされる羽目になる。それでも物語をおろそかにせず、若々しい感性と高い娯楽性を兼ね備えていたジブリ初期あたりまでの作品は良かったが、最近のものはどうもスッキリ楽しめないというのが私の大まかな印象である。

その点『借りぐらしのアリエッティ』は、ジブリの誇る実力派アニメーター米林宏昌監督の初監督作品。聞くところによれば、この監督は強い政治的思想性などを持たない人らしい。なるほど、それならジブリの美しい美術とアニメーション技術だけを、純粋に楽しむことが出来るだろう。私はそんな期待を抱いてこれを見に行った。

祖母(声:竹下景子)がお手伝いさん(声:樹木希林)と暮らす郊外の大きな家へ、心臓病の療養をかねてやってきた少年、翔(声:神木隆之介)。死と隣り合わせの日々をすごす感受性豊かな彼は、誰も気づかないような小人がこの家の中に住んでいることに気づく。アリエッティ(声:志田未来)という名のその小さな少女は、一家でこの家の地下に暮らしており、必要な物資を時折「借りにくる」事で生存していた。決して人間に見つかってはならぬという掟を破る形になったアリエッティは、思い切って翔に説明しに行こうと決意するが……。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  11. 11
  12. 12
  13. 13
  14. 14
  15. 15
  16. 16
  17. 17
  18. 18
  19. 19
  20. 20
  21. 21
  22. 22
  23. 23
  24. 24
  25. 25
  26. 26
  27. 27
  28. 28
  29. 29
  30. 30
  31. 31
  32. 32
  33. 33
  34. 34
  35. 35
  36. 36
  37. 37
  38. 38
  39. 39
  40. 40
  41. 41
  42. 42
  43. 43