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2192件中 751~800件 を表示しています。
70点
美しい映像と感動のラスト

ダニエル・ウォレスのベストセラー小説の映画化。父の真実の姿を息子が理解するまでを描く感動ドラマ。

父親は、自分の過去をまるで冒険小説のように演出して語る性格の持ち主。子供のころはそんな荒唐無稽な作り話に夢中になった息子も、やがて大人になると、「真実」を教えてくれない父を毛嫌うようになる。そんな息子が、父の病気が悪化したと聞き、父を理解する最後のチャンスに賭けるというストーリー。

映画は、父親の語る過去の冒険談の部分と、現実の部分が交互に展開される構成。父親の冒険談のほうはソフトフォーカスやカラフルなセットが使用され、ファンタジックな映像美で描かれる。

70点
主演二人の魅力が成功の要因

母親の再婚を目前に気持ちがゆれるティーンエイジャーの娘と、その口うるさい母親が、ひょんな事から入れ替わってしまうコメディドラマ。『フリーキー・フライデー』(日本未公開)のタイトルで以前映画化された作品のリメイク。

設定からわかるように、明るくてほほえましい、マンガ的なコメディだ。若者の事など、見るからに理解できそうにない厳格ママと、ロックギターを愛するティーンの娘。彼女らが入れ替わってお互いの苦労を身をもって知るくだりは、ありがちではあるが笑える。

二人が徐々にお互いの立場というものを理解していくあたりは思い切り感動的に演出され、お客さんの期待を裏切らない。普通に笑って普通になける、定番コメディとしての体を成している。

70点
洋楽ロック大好きな方に

破天荒なロックギタリストが、滞納した家賃を返すため、教員を装って名門小学校のクラスを受け持つというコメディ。厳格な校風のなかで、子供らしい自由な姿を失っている生徒たちに、どこからどうみても“良い大人”ではないロックミュージシャンが“ロックの魂”を教え込む。最初は戸惑う子供たちも、やがて“自由”の意味を学び、主人公とともに成長して行く。

これもまたありがちなパターンの映画ではあるが、まとまりは良い。何より主人公である中年ギタリスト(ジャック・ブラック)の個性が強烈。何度も披露するギターを含めとても芸達者だし、多大なインパクトを観客に残すに違いない。そして、その相手役たる“子供たち”もまた個性豊か。これら登場人物のキャラクターがはっきりしている分、字幕を必死に追わなくともとてもわかりやすい。

劇中で行われる授業には、“ロックの歴史”や“バンド相関図”など、洋楽ロック好きならたまらない趣向が満載。最初はただのニセ教師だった彼が、そんな授業をやっているうちに、マトモな先生の顔になっていくあたりが楽しい。

70点
ホラー史上もっとも悲しく、魅力的なヒロイン

「ホラー映画史上、もっとも悲しいヒロイン」とのふれこみで宣伝されている作品。並み居る話題作に埋もれさせるにはもったいない作品だが、どこの媒体でもノーマーク、宣伝がまったく浸透していないため、しょうがないから私がここでプッシュしようと思う。

ヒロインのメイは、強い斜視治療のため、巨大な黒い眼帯をして少女時代を過ごさざるを得なかった過去を持つ若い女性だ。現在は小さな町の獣医のもとで助手の仕事をしているが、今だに一度も“友達”を持ったことがない気の毒な女性である。

メイは、その風貌から常にいじめられて育ったようだが、そんな娘を不憫に思った母が、「これを友達だと思ってね」と手作り人形をプレゼントする。……が、これがまたえらく奇妙な人形で、暗い色の布を使ったパッチワークによる、薄気味悪いことこの上ない一品である。

70点
浮気というテーマに興味がある人にオススメ

低予算映画ながら、ブラッド・ピットの奥さんが主演して高い評価を得た作品。貧しい田舎町のショッピングセンターを舞台に、平凡な家庭の主婦をヒロインにしたドラマが展開する。

夫以外の男性二人が、彼女をめぐってすったもんだするが、3人とも”どこかにいそうな人”ばっかり。主演のジェニファー・アニストンは、もともと可愛い顔をした女優だが、彼女でさえ華のないメイクやヘアスタイル、洗練のかけらもないファッションのおかげで、見事に(?)田舎の地味な主婦になりきっている。そして、そんな彼らの行動や心情には、妙にリアルなものが感じられ、グイグイ物語に引き込まれるのだ。浮気する人間の行動パターンや心理というのは、どうやら万国共通らしい。

先ほど紹介したジェニファーの主婦姿なども、地味でいてどこか魅力を感じさせる。なんというか、男心をくすぐる雰囲気がある。これがはたして彼女の魅力なのか、演技力なのかは判断がつきかねるが、大したものである。この映画では、小さ目の綺麗なムネもちらっと見せてくれる。

70点
オリジナリティ溢れる映像に、日本アニメの未来の姿が見える

斬新な見た目と迫力あるアクションが特徴の、SF長編アニメーション。原作は今でもファンの間で高い人気を持つ。

『アップルシード』は、従来のアニメーション映画とは大きく異なるルックスを持つ作品だ。この独特の映像は、簡単に説明すると以下のように撮影された。まず、各キャラクターの動きを、体型が似通った人間の俳優が演じる。それをモーションキャプチャーで取りこみ、CGアニメ化する。そしてこうして作られた立体的なキャラクターを、伝統的なセルアニメ風に彩色するのである。背景やメカのみならず、キャラクターを含めたすべてにこの技術を適用した映画としては、『アップルシード』は世界初の作品となる。

完成したキャラクターたちは、動きは3D-CGアニメ独特の無段階で滑らかな動き(人間の動きをそのままトレースしているのだから当然だが)で、見た目は従来のセルアニメ調という、インパクトのあるものとなった。肌の質感等にも、旧来の3D-CGにありがちな無機的な冷たさはない。

70点
新鮮な世界との出会いに満足できる作品

大学のマーチングバンドという真新しい題材をメインに扱った青春ドラマ。凄腕のドラマーである主人公の活躍と成長を描く。

とはいうものの、青春ドラマのほうを期待しちゃいけない。スポ根ドラマだが、泣けはしない。

『ドラムライン』唯一にして最大のウリは、ド迫力のマーチング・バンド演奏シーン。アメリカン・フットボールの試合などを見に行くと、こうしたバンドがスティックさばきや行進の隊列の美しさなどを見せてくれるものだが、それだけをここまで深く突っ込んで紹介した映画は初めてではなかろうか。

70点
すばらしい音楽とともに送る青春の一幕

就職時期を目前にしながら、進むべき道がいまだに見えていない主人公の青年が、ひょんな事から留学する事になったスペインで、人生の真の目的を見つけるまでの青春ドラマ。

人妻との恋愛や、国籍も人種も違うルームメイトたちとのエピソードを豊富にちりばめ、意外で感動的なラストまで一気に見せる。ときにおかしく、ときにせつない物語。主人公のように進路に悩む若い人が見ても、若いころ進路に悩んだ大人が見ても、もしくは現在行き詰まっている大人が見ても、きっと何か心に響くものがあるに違いないと思わせる佳作。

日本ではあまりなじみがないが、主人公が何人ものルームメイトと共同生活を送るアパートが、タイトルの由来になっている。その不思議な暮らしぶりは、生活者の目線でリアルに、かつ魅力的に描かれており、ルームシェアや留学の経験者などは共感を覚えるはずだ。もちろん、そうでない観客にとってもその魅力は存分に伝わってくる。

70点
ディズニーらしい手堅い一本

ディズニーが送る春の新作アニメーション映画。ユーモアあふれるキャラ、教訓的なストーリー、感動的なラストと、いつもながら手堅くまとめた一品だ。フィル・コリンズによる音楽もなかなかだ。

ちょっと面白いと思うのは、ストーリーがアメリカ的な「正義・勝利のお話」ではなく、「赦しの物語」になっている点だろうか。憎むべき敵であるクマの姿に変えられてしまった人間の主人公は、クマさんたちと過ごすうち、彼らを理解するようになる。これは、クマと人間の関係を「対立する国家・民族・宗教」にたとえれば、そのまま反戦映画になるわけで、なかなか興味深い。

こういうネタは、アニメでやると比較的説教くささが薄れ、すんなり受け入れられる。ミュージカル風に途中で歌や踊りが入る展開も、アニメだと案外楽しめるものだ。真新しい要素はないものの、大人が子供たちを連れて見に行くならば、今週はこれを選ぶのが正解だ。

70点
最初の一秒で感じる圧倒的なクォリティ

押井守監督、待望の新作アニメーション超大作。タイトルは『イノセンス』だが、中身は『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』の完全なる続編。情報量が類を見ないくらい多く、本格的なSF作品のなかでもとりわけ難解な部類に入るといわれる原作を持つ。この続編も、最低限前作を見ていないと理解するのは困難。抽象的な形で哲学的主張が描かれる。一度見て意味不明なのは当たり前、10回でも20回でも見てほしい……というのが、監督の本音であろうと思わせる作品だ。

ところで、2004年はアニメーション映画の年で、このあとには大友克洋監督『スチームボーイ』、宮崎駿監督『ハウルの動く城』と、日本のみならず世界から注目を浴びる超大作が公開を予定されている。そんな中、先陣を切って世界に向けて公開されるのがこの『イノセンス』というわけだ。

その期待に応えるべく、本作はとてつもなく気合の入った仕上がりになっている。映画が始まった1秒目から、その圧倒的なクォリティの高さに驚かされる。最初のシークエンスが終わり一息ついたとき、周りから「すっげぇー……」という声が聞こえてきたが同感だ。

70点
シリーズのファンにとっては、出来がどうあれ、たまらない時間のはず

説明するまでもない、今年上半期最大の話題作。ファンタジー3部作の完結編だ。長い旅路に、いよいよ決着がつく。

この完結編を見にくる人は、1と2合わせて6時間もこの映画を見て、さらに3時間半近くあるこの3本目を見ようというのだから、もう準備万端整って、前座もなにも不要な人々ばかりだ。最初の1秒から、このファンタジーの世界に入り込む事ができるに違いない。

そのような思い入れの強いファンにとって、この最後の3時間半は珠玉のように感じられよう。1年ぶりに見ても、この圧倒的な映像体験は”最高”というほかはない。暗い映画館の中で完璧に作り上げられるロード・オブ・ザ・リングの世界は、この上なく居心地がよい。

70点
つまらない部分がまったくないあっという間の53分

わずか53分間の、主にレイトショーで興行されるアクションアニメーション。エログロたくさんありという、まさに不純なオトナ向きの内容だ。原色使いでオシャレなキャラクターデザインは、大人向けアニメというジャンルにつきまとう暗さをまったく感じさせない物で、仲のいいカップルのデートにも向く一品である。適度なセクシーさが夜見るにふさわしい。

監督さんも、「酒を飲んでから見てください」と、なんだかレイトショー作品のときに私がいつも言っているようなことを言っている。それほど、ばかばかしい笑いに満ちた作品というわけだ。

53分間は、すべて笑いとアクションに費やされ、無駄なシーンは1秒として存在しない。日本の誇るリミテッドアニメ独特のその恐るべきスピード感、心地よいテンポに存分に酔える力作である。全部のシーンが抜群に面白く、爽快だ。ジェットコースターのような、とはまさに『デッドリーブス』に対してこそふさわしい文句だ。

70点
コピーを読んで吹き出した

妙に動きのいい僧侶が活躍するアクション映画。この映画の宣伝コピーが笑える。『そこの坊主 まるで弾丸』とは、まさにいい得て妙。言葉自体のインパクトにも、深く感心する。何しろ大スターのチョウ・ユンファにたいして、「そこの坊主」扱いである。テレビでこの予告編(とコピー)が流れるたびに、笑いが止まらない。

邦題は『バレットモンク』だから、「まるで弾丸」というのはぴったりだが、原題を直訳すれば『防弾坊主』。こちらも実は、この映画の主人公にピッタリだ。

映画は、オープニングのアクションからして爆笑。ワイヤーワークという技術は、使えば使うほどお笑いに近づいていくものと私は認識しているが、本作はまさに使いすぎもいいところ。CGでワイヤーを消してはいても、客の目には間違いなくその存在が丸見えという、重力無視のふわふわアクションが展開される。

70点
前作から大幅に良くなった「実写版エヴァ」?

2002年の『ゴジラ×メカゴジラ』と同じ監督による、純粋なる続編。前作に引き続き、自衛隊全面協力による迫力映像と、修理を終えた機龍(メカゴジラ)とゴジラとの再戦が見所だ。

前作は、自衛隊の協力を得て撮影した本物の兵器群の映像と、特撮映像の見た目の落差が激しく、興ざめしてしまう部分が最大の弱点であったが、今回はそれに関しては何も感じなかった。前作での良くない部分を研究した成果が見えるようで、非常に好感が持てる。結果、全体的なリアリティが増し、なかなか見ごたえのある娯楽作品に仕上がった。

チラッと出演するだけの釈由美子に比べ、新しいヒロインの吉岡美穂はかなり影が薄いが、モスラを歌声で呼ぶ(旧作のファンには)おなじみの二人組の女の子役がなかなか可愛らしく、お客さんの目を楽しませる。割れた腹直筋がまぶしい。

70点
わかりやすいキャラたちがわかりやすいストーリーを突っ走る大衆娯楽映画

大きなスケールと迫力のアクションで、大ヒットを記録した韓国映画。

『MUSA─武士─』は、邦画ではあまり見られない、徹頭徹尾大衆娯楽に徹した作品である。2時間13分、余計な退屈ドラマへ脱線することは一切なく、凄みのある映像と単純なストーリーで一気に見せる豪快な作品である。深みはないがインパクトは十分。日本でもこういうのを作ればいいのにとつくづく思う。

ストーリー展開は、『七人の侍』から綿々と続くコテコテのパターンで、いい奴が仲間のために一人一人倒れていくというわかりやすいもの。主役の2人には飛び切りハンサムな役者をそろえ、『ロード・オブ・ザ・リング』のレゴラスそのまんまなキャラもしっかり配置するなど、大変にわかりやすいキャラの立たせ方が微笑ましい。

70点
心に余韻を残す佳作

都市で暮らす孤独な拒食症の女性を主人公にしたドラマ。彼女が、コンビニで若いトラック運転手にナンパされ、その車で新潟まで向かうという話。

ナンパされていきなり見知らぬ男のトラックに乗る? その日のうちに後部座席でセックス? そのまま運送の仕事に付き合ってはるばる新潟までいく? ありえねえよ……と思うだろうか。

映画を見ると、まったくそんな風には感じない。そこに描かれる女性の心理、特に彼から与えられたある感情に対する喜びは、恐ろしいほど実感を伴って感じられる。私は原作小説は未読であるが、この映画には深く共感できた。

70点
ハリウッドが本気で作ったニッポンバンザイ映画

ハリウッドのトップスター、トム・クルーズが多数の日本人キャストと競演した、武士道精神の美しさを描く時代劇。

アメリカ映画を見ていると、「アメリカバンザイ映画」とも言うべきジャンルに属する作品を目にする機会が多い。UFOを米軍主体で撃退する『インディペンデンス・デイ』や、トンチンカンな考証が笑える『パール・ハーバー』、そして公開中の『ティアーズ・オブ・ザ・サン』などはその典型だ。

『ラストサムライ』は、いわばそんなアメリカの映画業界が日本人に向けて贈る、ニッポンバンザイ映画。非常に珍しい作品だ。しかも大作として莫大な予算を投入し、主演には世界が認めるトップスターを起用、スタッフにもアカデミー賞の常連が顔を並べている。あのハリウッドが本気で作っている。

70点
フェミニストが飛び付きそうな題名だがさにあらず

平凡な主婦が、謎の娼婦と衝撃的な出会いをし、女として、人間としての生き方を再考してゆく過程を、ユーモアたっぷりに描いたフランス製コメディ。

ずいぶんとまあ、すごい邦題を付けたものである。映画の内容が、男の支配下にあるかのような専業主婦業に疑問を持ち、自由にひとり立ちしている娼婦の生き方に憧れてゆく主婦の話であるからか、実にフェミニズム的な印象を受けるタイトルだ。

実際、この映画の監督(女性)は、30年間も事実婚で子供も3人いるそうで、だからかどうか知らないが、映画自体からもフェミ臭がぷんぷんする。これで、結末までそういう単純な思想のもとに作られた映画であれば、一刀両断、斬り捨てる所だが、実はこの映画、そうそう捨てたものではない。ここを突っ込んで行くと、未見の方の興味をそぐので、残念ながら今はやめておくが。とにかく言えることは、フェミニストが喜ぶような、単純なジェンダーなんたらという内容ではないと言うことだ。

70点
徐々に、以前の本物志向に戻ってきている

ハリウッド進出後のジャッキーのアクションには、「上手さ」はあれど「凄み」は無いというのが私の思いである。本作のメインアクションは、『プロジェクトA』にオマージュを捧げたと言う時計台ジャンプであるが、これもCGらしき演出効果が目に付き、「凄み」はない。

同じ時計台からの飛び降りにしても、VFX技術が発達していなかったころ(『プロジェクトA』)のものは、本物の香り、すなわち「凄み」があって迫力が違った。それがたとえスタントマンやトリックを使っているにしてもだ。そう考えると、時代が進むほど、本物を売りにするジャッキーにとっては不利になってきたというわけか。

ハリウッド・ジャッキーのヒット要因であった『バディ・コメディ』路線も、さすがにマンネリ気味。個人的には、『ファースト・ミッション』のような、ストーリー重視のアクション映画を、莫大な予算をかけて作ってほしいのであるが。

70点
ばかばかしいが面白い

村上龍原作の、オバサンと若者が殺しあうナンセンスな娯楽映画。ややチープ感のあるCGも要所に使って、両者の殺し合い、復習劇を興味深く見せる。

お互いのグループをひとりひとり殺し合いながら、成功するたびにパーティを開いたりするブラックな登場人物たち。やがて戦いはエスカレートして、ロケット砲やらなにやらの兵器まで入手しだすという、おバカな感覚の映画である。ラストには、想像を超える結末がまっている。

私はこの原作は未読なのだが、さぞ面白かろう。もちろん、映画だけ見ても、充分楽しめる。とくに俳優達が、実に見事に役作りをした。たとえば私は、森尾由美本人を見た事があるが、「こんな美人が世の中にいるものか……」と、当時は衝撃を受けたものだ。だが、『昭和歌謡大全集』の彼女は、どこからどうみても街のオバサンだ。あまり目立たないことだが、こうした事はとても大事な事だ。

70点
これだからアメリカという国が私は好きだ

ブルース・ウィリスとモニカ・ベルッチ2大スター競演の軍事アクション&感動ドラマ。

いやー、これは凄い映画であった。私達のように、毎日3本も4本も映画を見ていると、大抵のものには心を動かされる事も無くなってしまうのだが、『ティアーズ・オブ・ザ・サン』は、久々に「これだよこれ!」と叫びたくなる作品であった。

ブルース・ウィリス率いる特殊部隊SEALSが、ある女性医師(モニカ・ベルッチ)を戦地から救出せよとの命令を受ける。ところが、彼女のもとにいる、あわれでいたいけな現地民(女子供&年寄り)たちを見捨てられず、彼らはなんと司令部からの命令を無視し、命を捨てる覚悟でつれだす事を決定するのである。

70点
大爆笑の映画だが、後半が惜しい

『ハリーポッター』シリーズのロン役の男の子が主演の、イギリス製コメディ。これも『スパイキッズ3-D:ゲームオーバー』同様、やや子供向けの映画と言えるだろう。ただ、こちらの方が、大人が見ても楽しめる要素が多い。

それにしても、映画が始まって1分間で、いきなりオナラを10発以上聞かせるとは、おそらくギネスブック級の記録であろう。のっけから笑わせてくれる。

オナラがですぎるという主人公の病気(?)は、オナラを動力に変換する親友の発明品(サンダーパンツ)により、やがて世界の危機を救うところまで行ってしまう。

70点
安心して見る事ができる、傑作ホームドラマ

28才の新人監督、西川美和が、「雨上がり決死隊」の宮迫博之を主演に、ある家族の混乱と崩壊、そして再生への兆しを描くハートウォーミングドラマ。役者陣の見事な演技力と、超リアルな人物描写のおかげで、抜群に面白いドラマにしあがっている。

とくに、彼女の両親の前で結婚の報告をする夕食のシーン、ここは見所である。手塚とおるの本領発揮というべきキモチ悪さがすごい。これは他の役者じゃ真似できまい。

それにしてもこの場面、各登場人物の心理描写のディテールへのこだわりがすごい。独特のうすら寒い会話と気まずい雰囲気。こんなのは、体験者じゃなければ絶対描けないと思うのだが。これを28歳の女性監督が演出したかと思うと、恐るべき才能である。

70点
斬新な殺陣に、非凡なセンスを感じさせる

北野武監督が、勝新太郎の代表作を再映画化。監督本人による記者会見によると、「勝さんのとはまったく違った物にするけど、それでいいなら」という事で、監督を引きうけたそうである。ベネチア映画祭に出品したそうだが、中身は賞狙いなど無縁のエンタテイメントだ。余計な事は考えず、ただ見て楽しむという映画である。

そんな『座頭市』であるが、なかなかイケているというのが私の感想である。もちろん、日本の映画関係者にとって、北野作品けなしがタブーだからそう言ってるわけではない。(まぁ、私がそんなタブーなどを気にする人間でないことくらい、このサイトを読んでいる方なら、先刻承知かもしれないが)

では、何が良いのかといえば、それは殺陣である。世にアクション時代劇は数あれど、今回の『座頭市』ほどスタイリッシュで斬新な殺陣を見せてくれる映画はそうそうない。

70点
よく出来た人類滅亡系ホラー映画だ

本国イギリスで大ヒットした、終末ホラー。……といっても、明確にジャンル分けしにくい内容で、戦争映画やSFの要素も含む、ユニークな作品である。

ただ、純粋な人類滅亡系ホラーとしてみても、充分に面白い。シリアスなので、見ていて気が抜けないのである。描写もリアル志向だから、男の局部もノーカットで出るし、目玉を突き刺す場面もそのままモロに写す。追いかけてくるゾンビ役は、陸上選手が演じてるから脚が早いし、兵士役の役者たちは、皆1週間、本物の新兵キャンプに参加して、銃の扱いや軍人としての立ち居振舞いを勉強している。

つまり、決してノー天気に作ったわけではない、性根の座った映画なのである。こういう映画は、たとえ素人の観客が見ても、「なにか違うな」とわかるものだ。

70点
ニコラス・ケイジがハゲハゲ言うたびに、笑っていいんだか悪いんだか微妙に迷う

『マルコヴィッチの穴』の監督&脚本家コンビと、ニコラス・ケイジ(『ウィンド・トーカーズ』)の一人二役主演で送る、奇想天外な構成のドラマ。実在の本の脚本化を依頼されたが、上手く出来ずに悩んでいるうちに、ヘンな事件に巻き込まれる実在の脚本家の話。

主人公のチャーリー・カウフマン(N・ケイジが演じる)をはじめ、実在の人物がぞろぞろ実名で登場する。物語は、現実とフィクションの入れ子構造になっており、この2つが交互に展開するプロットは、非常に凝っている。こんなストーリーを思い付く、カウフマンの頭の中を1度見てみたい。さすが、ハリウッドで当代一の脚本家といわれるだけのことはある。

本作には、『蘭に魅せられた男』という原作があるのだが、タイトル(アダプテーション=脚色)の名の通り、映画の中身は、原作者が脚本を読んでビックリしたというほどの、独自性に富んだものになっている。まあ、何しろ原作者が実名で、しかもメインキャラで登場するのだから、驚くのも当然だろうが……。

70点
なにも考えずに笑い飛ばすギャグアクション映画

インターネット上で公開されていたアニメが原作のコメディアクション。

主人公は、アフロヘアにロンドンブーツと言う、ファンキーな黒人。彼が、アメリカを支配する、白人至上主義者たちの秘密結社と戦うという、ハチャメチャなストーリーのギャグ映画である。

スケベで、アホなことばかりいっている主人公だが、冒頭のドライビングシーンで360度ターンをきっちり決めるあたり、シビれるカッコ良さである。このシーンで、彼は一気に観客の心を掴み取る。

70点
この映画について何も知らないなら、とりあえず見る事をすすめる

香港のスラム(?)の焼き豚屋を舞台にしたお話。もし、この映画のチラシだけをみて、なんとなく「行こうかな」と思っている方がいたら、この先は読まずに、早く行って来なさいとアドバイスしておこう。あのチラシをみて、この映画が出てきたら、大変な衝撃を受けるはずである。それは、とても羨ましい経験である。

さて、そうでない普通の方には、通常のガイドをするとしよう。

実はこの作品は、私としてはあまりジャンルを教えたくない映画なのである。というのは、私自身もあまり前知識無しに見たのであるが、あまりに素っ頓狂な展開に、のけぞってしまったからである。

70点
アリGのキャラが親しみやすく、ギャグも大爆笑

イギリスのTVシリーズの人気キャラクターアリ・Gを主人公にした、お下劣コメディ映画。

いわゆる、ゲラゲラ笑って、ハイ終わり、という映画である。となれば、おのずと評価のポイントは、ギャグが笑えるかどうか、にかかってくる。

その点、アリ・Gなんてキャラクターを知らない、我々日本人にとっても、本作はバッチリ合格点である。下品なギャグの連発は、そういうのが好きな人にはたまらないだろうし、そうした爆笑ポイントは、とってもたくさんある。バカ系コメディとしては、かなりイケている。

70点
気軽に、なにも期待せずにいったらいい

本国では史上最大のヒットを飛ばしたという、ドイツのドタバタ・コメディ映画。

舞台は、西部開拓時代のアメリカ西部。そこで、ひょんな事から義兄弟になったアメリカ人カウボーイとインディアンが、ハチャメチャな騒動と大冒険を繰り広げる。西部劇風のコメディである。

10秒に1つはギャグがあるというような、ホントにバカバカしい、くだらないギャグ映画である。そのくせ、音楽だけはムダに壮大で、そこがまた笑える。

70点
構成がしっかりしており、オチにも驚く

実際にスラム出身の作者による小説を映画化した群像劇。ブラジル映画だが、本国では大統領までもが「この映画おもろいから、みんな見ときなさい」と演説したというほどで、当然大ヒットを記録。

かの国の実在のスラムを舞台に、その裏側をリアルに、残酷に、でも独特の明るさでカラッと描いており、非常に新鮮。

原作の小説は、えらいボリュームのある話だそうで、その内容を聞くと、よくもこんな短時間に(といっても130分だが)まとめられたものだと感心する。何しろ、10年単位の年月を描く話なのである。

70点
出演女優リストを見てから出かけよう

ショウビズ界有数の俳優一家の長女、ロザンナ・アークエットが初監督したドキュメンタリー。「女優業と母親業の両立に悩む」ロザンナ自身が、主に40代以上のハリウッド女優34名にインタビューしつつ、最後に憧れの女優、デブラ・ウィンガーにたどりつくまでを描く。

ロザンナの親しみやすさのせいか、名だたる女優たちが、彼女の前だと実によくしゃべる。まるでこうした話題を語る場を待っていたかのようである。話題はエスカレートし、男の事やら美容整形の噂などにまで及ぶ事もある。

インタビューの場は、彼女らの私室だったり、食事中だったり、ときにはトイレの中だったりする。セレブたちの普段の表情が覗き見れるようで面白い。カメラは主に手持ちで、時にはピンぼけもあるが、それが逆にいい味になっている。

70点
エロシーンに思い切りが無いが、見所の多い作品

かなりの低予算で作られたと思われる、ストーカー写真家と露出オナニー女と、潔癖インポ男の話だ。

邦画の小品のなかには、本作のように良質な作品が結構ある。『六月の蛇』も、万人向けでは無いが、チャレンジ精神溢れるいい映画にしあがっている。

画面は、テレビの比率に近いスタンダードサイズで、青っぽい色調のモノクロだが、この特徴を存分に生かし、フレーム全体を上手く使っている印象を受ける。監督さんは、当初正方形の画面で公開したかったようだが、さすがにそれは実現しなかった。ちょっとそちらも見てみたかったと思う。

70点
美人のヌード付きオススメ恋愛映画

強盗団のリーダーをつとめる悪女と、公務員として教師をしている真面目な男の奇妙な出会いと恋を描く話。『トリプルX』の主演女優アーシア・アルジェント主演。

どちらかというと地味めの、リアルタッチの恋愛ものだが、これがなかなか面白い。主人公の女は犯罪者で、強盗としては凄腕。荒くれ男を率いるリーダーでもある。ところが、恋は下手くそという設定。それは、いわゆるセックスシーンなどでも、わかりやすくこちらに伝わってくる。つまり、彼女のH下手な様子を見て、男とのコミュニケーションの取り方もそうなのだなと、観客は直感的に感じるわけである。心憎い演出だ。

しかし彼女は純粋な心を持つ女だから、愛する男のため、彼の憧れの車を盗んで来たり、彼の仕事上の問題を(犯罪的な方法で)裏で解決したりする。

70点
強烈な個性とセンスのいい「テキトーさ」がいい

ヒップホップ界のスター、ラッパ我リヤが主演した近未来スポーツ・アクション映画。

まあ見るからに低予算で、そのクォリティはビデオ映画並。だが、決してつまらない映画ではない。そこが実に意外だった。(失礼)

まず、ふんだんに使っているCGが面白い。嘘っぽいのをわかった上で、確信犯的に楽しく使っている。こういうのは非常に好感が持てる。

70点
ディズニーランドのアトラクションそのもの、サントラが最高

ディズニーランドの同名アトラクションの映画化。カリブの海賊やホーンテッド・マンションなど、映画化を予定されているディズニーランドのアトラクションは数多い。ハリウッド映画界のちょっとしたブームといえよう。

クマさんたちが、アメリカ中を旅しながらカントリー・ミュージックを演奏する、ほのぼのしたミュージカルである。家族愛や友情といった定番のテーマを描き、最後にはほろっとさせるという、いかにもハリウッド的な、王道の一本である。

サントラがとにかくいい。私は、あまりにこの映画の楽曲が気に入ったので、いまだにCDを何度も聞いている。

70点
邦画で1番面白いんじゃないか?

笑いすぎ。笑い疲れる。88分と短いが、あと15分短くしてくれ! といいたくなる。

というのも今回のクレヨンしんちゃんは、ギャグに徹した作りになっているのだ。水島監督は、今まで主に劇場版の予告編や、ギャグシーンのコンテを描いていた人で、いわばクレしんギャグのスペシャリスト。彼の繰り出すギャグは当然の事、爆笑保証付きなのだ。

ところでマスコミ試写というのは、普通オジサンたちを中心に、どう考えてもこういう映画をみるはずのない客層がやってくる。

70点
ガチンコの歌と踊りが見所だ

アカデミー6部門を受賞した超話題作。でも実は、1度も全米興行チャート1位になってないという、不思議な作品。有名なブロードウェイ・ミュージカルの映画化である。

見所は、やはりきらびやかなミュージカルシーン。でも、案外ドラマ部分も面白い。

従来のミュージカル映画と違うのは、突然何の脈絡も無く踊り出すという、あの独特の「御約束」的な演出が無い事。ダンスシーンは、基本的に主人公の妄想という設定になっている。

70点
新感覚のガン・アクションが素晴らしい

映画業界のかきいれ時であるゴールデン・ウィークをあえて外し、その直前に公開するSF映画という事で、当初はあまり期待せずに観にいった作品。

ところがどっこい、面白い映画というのは、えてしてそういう時に出会うものである。『リベリオン』は、新しい映像を観たい人には、是非お勧めしたい一本だ。

この監督は、長年自分の頭のなかで、オリジナルのSF世界を作り上げてきており、今回ようやくそれを映画化することになったのだという。つまり、企画最初にありきで、設定その他は後から適当に作り上げたというお手軽SFではない。一応、監督が子供時代から考え(別名:妄想)ていた、かなり奥行きのある世界観を持っているのである。

65点
≪オスロ監督の世界観の集大成≫

フランスのベテランアニメ監督ミッシェル・オスロは、独特の絵柄と教訓的なストーリーのアニメ作品で高く評価されている。本作でも日本初登場『キリクと魔女』(98年)以来、はずれのない監督として紹介してきたが、最新作『ディリリとパリの時間旅行』の出来ははたしてどうか。

ニューカレドニアからパリにやってきたハーフの少女ディリリ。科学と芸術が花開いたベル・エポック時代のパリには、彼女に刺激を与えてくれる才能が街にあふれていた。知り合った配達人のオレルの自転車の前かごにのって街じゅうを回るディリリは、そうした人々と交流しつつ、ちまたで話題の少女誘拐事件の謎を追うのだった。

監督らが4年間ロケハンをして撮りためた写真をもとにした背景に、「女性がロングドレスを着た最後の時代」を呼ばれる当時の服飾文化を再現したキャラクターが跋扈する、非常に芸術性の高いアニメーション。切り絵調とでもいうべき素朴な動きともよくマッチした、いつものオスロ節が味わえる。

65点
≪革新性は文句なし100点≫

ジョン・ファヴロー監督は、『ジャングル・ブック』の撮影中、あることを思いついたという。それは、今この目の前にある技術を使って『ライオン・キング』をリメイクできないかというアイデアだ。

『ジャングル・ブック』は、主人公の少年モーグリ以外は全部CGという、アニメなんだか実写なんだかよくわからない(つまり、とんでもなく高度な技術による)作品だったが、なるほどあの映画からモーグリを抜けば、そのまま『ライオン・キング』になるというわけだ。

サバンナのプライドランドに暮らすライオンの子シンバは、偉大なる王にして父ムファサが自分のせいで倒れたと思い込む。それは父の弟スカーによる策略だったのだが、シンバはプライドランドを追われてしまう。やがてイボイノシシのプンバァやミーアキャットのティモンと知り合ったシンバは、争いとは無縁な暮らしの中で成長を遂げる。だが、王となる宿命は彼に大きな試練を与えるのであった。

65点
異色のボクシング映画

実話の映画化である「ビニー/信じる男」は、数あるボクシング映画の中でも怪我による挫折をテーマにした作品。スポーツ映画としては特殊だが、その特殊性が世の中の病や怪我に苦しむすべての人にとっては普遍性となっている。

血気盛んなボクサーのビニー・パジェンサ(マイルズ・テラー)は、十分すぎる闘志が空回りして引退目前まで落ちぶれていた。新たに雇ったトレーナーのケビン(アーロン・エッカート)はそんな彼を鍛えなおし、ビニーは見事に復活を遂げる。だがその直後、彼は交通事故に遭遇、頚椎骨折の重傷を負ってしまう。

ボクサーにとってメジャーだが致命的な怪我といえば網膜剥離だが、ビニーの頚椎骨折というのはそれ以上の衝撃である。ボクシングどころではない、二度と歩けないといわれてしまうほどの重傷。よくぞ生きていたと思うような重大事故である。

65点
さすが、ひねっているが

製作中の「トイ・ストーリー4」にしろこの「カーズ/クロスロード」(シリーズ3作目)にしろ、そんなに皆続きを求めているものかね……という気がしないでもない。私などには、かのピクサーも続編依存症に陥っているかのように見えるわけだが、じっさい「カーズ/クロスロード」のパッとしない出来を見ると、尚更その思いを強くする。

ライトニング・マックィーンは、徐々に勝てなくなっていた。ハイテクを駆使した最新型レーサーたちの台頭に追いつくのは簡単ではなかった。焦る彼は激しいクラッシュ事故を起こしてしまう。果たしてマックィーンは復帰できるのか、それとも引退を決意するのか……。

かつては最新鋭の若いレーサーマシンだったライトニング・マックィーンも、あっという間に陳腐化していまやロートル扱い。それこそ新型の車にはまったくかなわないわけである。

65点
情熱がこもっている

俳優が映画監督業に乗り出すケースは決して珍しくない。だが水谷豊ほどのベテランが初めて監督するとなると特別な興味を掻き立てる。そこには何かよほどの動機があると思われるからである。

かつて天才と称された元タップダンサーの渡真二郎(水谷豊)は、30年前の事故で足の自由を失い、いまだ酒浸りの日々を過ごしている。そんな彼のもとに、劇場を閉めることを決めた支配人の毛利(岸部一徳)がやってくる。人生をかけてタップを愛した者として、最後のショウを決めて終幕としたいと語る毛利は、その振付と監督を渡に託すのだった。

「TAP THE LAST SHOW」は冒頭に書いた期待通り、作り手の、この場合は水谷豊だがその伝えたいもの、大好きなものがつまった好感度の高い作品であった。

65点
主に米国民と被害関係者むけ

アメリカで重大事件が発生すると、さほど間を置かずに映画化されることが珍しくない。先日もUSエアウェイズの不時着事件を映画化したクリント・イーストウッド監督の「ハドソン川の奇跡」が公開され好評を得たばかり。あれもまだ10年もたっていない。

2013年4月15日、ボストンマラソンの開催中、コースわきで爆発が起きた。混乱と悲鳴の中、ボストン警察のトミー(マーク・ウォールバーグ)は必死に事態の収拾にあたる。現場にはほどなくFBI捜査官リック(ケヴィン・ベーコン)もやってくる。トミーは現場を最もよく知るものとして、リックのもとで、ときに彼らと衝突しながらも犯人捜査に尽力する。

USエアウェイズは09年だが今度は13年。ボストンマラソン爆弾テロ事件の映画化である。発生はまだほんの数年前。被害者たちが一体どんな気持ちでこれを見るのかと心配になるが、「パトリオット・デイ」は幸い、単なる下世話な興味で作られた映画ではなかった。

65点
子供お断りの完結編

「X-MEN」シリーズを支えてきた主人公ウルヴァリンにとっての完結編「LOGAN/ローガン」について、ジェームズ・マンゴールド監督は当初からR指定を条件にスタジオ側と交渉していたという。一方演じるヒュー・ジャックマンも自身のギャラを減らしてまで、その点にこだわった。この二人にとって、子供の観客を切り捨てないと描けないことが、どうしてもあったということである。

ミュータントが滅びつつある近未来。ローガン(ヒュー・ジャックマン)の治癒能力はほぼ失われ、チャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)ももはや能力の制御が困難となっていた。かつての仲間たちもすでになく、チャールズは最後の願いとして幼い少女ローラ(ダフネ・キーン)を守り切れとローガンに託す。

この少女に隠された謎、チャールズの思いとは何なのか。戦闘力のほとんどを失ったローガン、ウルヴァリンは彼らを守りきることができるのか。正真正銘、最後の一本である。

65点
ポール・ウォーカーは去ったが……

ポールウォーカーが撮影途中で事故死したため様々な工夫でなんとか完成させた前作「ワイルド・スピード SKY MISSION」。あれから2年、続編となる本作は、徹頭徹尾ポールへの愛情が感じられる好編となった。

遠く離れた地で暮らすドミニク(ヴィン・ディーゼル)のもとに、ある任務の協力要請が入る。ホブス(ドウェイン・ジョンソン)や仲間たちが集められ、無事任務遂行と思いきや、ファミリーは信じられないものを見ることになる。

主演クラスのキャストを途中で失ったトラウマを払拭するがごとく、ファミリーの絆を強調する第8作である。昨日の敵は今日の友な週刊少年ジャンプ展開も繰り返し、いまや自動車版アベンジャーズといった様相を呈してきた。

65点
しっかりとした映画

長い間、岡田准一の主演映画をいくつも見てきたが、そのたび思うのはこの人の映画は内容の良し悪しに関わらず客を満足させるものがある、ということだ。これはおそらく、まだ映画スターと言うものが存在した時代に、人々が抱いた感情に近いのではないか。

富山県の漁港で殺人事件が起きた。被害者の川端悟(柄本佑)は、刑事の四方篤(岡田准一)の旧友、しかも容疑者の田所啓太(小栗旬)を加えた3人は、幼いころある秘密を共有した特別な関係であった。篤は過去のつらいしがらみを引きずりつつ、自分の半生と事件に向き合うことを余儀なくされる。

「追憶」はミステリドラマだが、ミステリとして特段優れているわけではない。ダメというわけではないが、ストーリーだけなら平均より多少良くできている、といったところだ。世の中には、お話だけならこれ以上のものはゴロゴロしている。幼馴染が成長して、容疑者と警官として再会する設定とか、子供時代に忘れられないトラウマを受けたとか、真新しさは皆無であろう。

65点
初期作のファンへ

スプリットは「シックス・センス」や「アンブレイカブル」といったM・ナイト・シャマラン監督の初期作に夢中になった人こそが一番楽しめる、原点回帰のスリラーである。

女子高生のケイシー(アニャ・テイラー=ジョイ)は同級生のクレア、マルシアとともにパーティーから車で帰る途中、男(ジェームズ・マカヴォイ)に拉致される。そして目覚めるとそこは密室だった。

監督初期作のファンこそが一番楽しめると書いたものの、それ以外の人も十分行ける。

65点
トランプもヒラリーも一網打尽

一年に一晩、12時間だけどんな犯罪も合法になる。そんな「パージ法」が施行された米国を舞台にしたスリラーシリーズの第3弾。

このシリーズは一見突飛な設定でありながら、現実のアメリカが抱える問題を浮き彫りにする社会派な作風で、私としても高く評価している。とくにこの「パージ:大統領令」は、シリーズ中もっとも色濃くそうしたテーマ性を感じさせる面白い一本である。

犯罪抑制のためとうたわれたパージ法の欺瞞がばれ始めていた。中でもかつて家族がこの法律による殺戮の犠牲となったローン上院議員(エリザベス・ミッチェル)はパージ廃止の急先鋒。次期大統領候補の彼女のもとには志を同じくする人々が結集しつつあった。だがそれを快く思わぬ政権側は、議員もパージの対象に含まれるようパージ法を改正し、2日後のパージの夜にローン暗殺を謀る計画を立てていた。

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