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2166件中 701~750件 を表示しています。
70点
綿密な取材で明らかになった怪奇実話作家の失踪事件、驚愕の真実

ある怪奇実話作家の失踪事件の謎に迫る、ドキュメントタッチのオカルト映画。

2004年4月、ある怪奇実話作家の自宅が全焼し、妻の焼死体が発見される事件がおきた。作家本人もそれ以来行方不明となった。この事件の謎を探るため、彼が完成させたばかりのビデオ「ノロイ」の検証がはじまった。

映画はこの作家、小林雅文のこれまでの仕事の軌跡をたどるとともに、最後のビデオ作品「ノロイ」を詳しく観客とともに検証する形になっている。小林雅文という作家(ビデオには出演もしている)の独特の落ち着いたムードがなかなか魅力的で、各地のオカルト現象を彼がカメラマンを引き連れ探求していくビデオの内容自体が非常に面白い。

70点
テレビアニメの映画版としてはかなり本格的な出来

週刊少年ジャンプに連載中で、TVアニメも大人気の『NARUTO−ナルト−』映画版第二弾。

舞台は“火の国”と“風の国”の国境。主人公のうずまきナルトは迷子のペットをある村に届けるという、いつにもまして間抜けな任務の途中、何者かに襲われる。激しい戦闘の末、敵とナルトはがけ下に転落する。残された仲間の奈良シカマルと春野サクラは、ナルト捜索に出かけるが、そこで巨大な移動要塞に遭遇する。

さて、短編をあわせると3本目の劇場版NARUTOだが、今回はかなり本格的な冒険アクションを送り出してきた。ちなみに前作で大活躍だったカカシ先生は今回登場せず、その代わりに風の国「砂隠れの里」の我愛羅、カンクロウといったシリーズキャラクターの忍者たちが登場する。普段のライバルたちと、より巨大な敵を前に共闘するというのはジャンプ漫画伝統のパターンでなかなか胸踊る。

70点
日常的な舞台で繰り広げられる恐怖演出に腰が抜ける

地下鉄を舞台にしたイギリス製現代ホラー。マイナーな作品だが、舞台設定と恐怖演出がうまく、相当恐ろしい一本だ。

舞台はイギリスのロンドン。パーティーを抜け出したヒロイン(フランカ・ポテンテ)は、地下鉄の駅にやってきた。ところが彼女は、思わずベンチで居眠りをして終電を逃してしまう。あきらめて外にでようとするが、かたく閉ざされた入り口をみて自分が閉じ込められてしまったことを知る。だがそこへ、なぜか一本の電車がやってくる。彼女は不思議に思いながらも乗り込んでしまうのだが……。

ガチで怖いホラー映画である。特にこの映画の前半の恐ろしさといったらない。まぶしいほど明るい地下鉄駅構内と、光の届かないトンネル内の落差。もしくは普段、人にあふれる駅内と、終電後、駅員すらいなくなってしまった無人の構内の落差。都市に生きるものにとって、あたりまえにあるものがなくなった時の恐怖は半端ではない。怨霊だ幽霊だといったものより、実感できる怖さというものが一番怖い。

70点
原作を読んでない人でも楽しめる楽しいギャグ映画

熱血スポ根マンガの傑作(?)とされる島本和彦の同名原作を、突き抜けたお馬鹿映画として実写映画化したもの。超映画批評ブレーンの、とある島本和彦ファン(21歳大学生 男)によると、「ムダに熱い漫画を描き続けている熱血漫画家」による、「無理とデタラメから構成され、女子供はすっこんでろ! といわんばかりの世界を熱く描いた伝説的な原作」の実写化だ。

校長(藤岡弘)から廃部勧告をうけた全力学園野球部キャプテン不屈闘志(玉山鉄二)は、持ち前の逆境に強い精神から猛反発、思わず甲子園出場を宣言してしまう。彼の熱い魂に感化された野球部員たちも、よくわからない猛練習を重ね、いよいよ試合当日を迎えるのだが……。

映画版『逆境ナイン』は徹底したおバカ映画として実写化された。とはいえ、漫☆画太郎原作の『地獄甲子園』のような異様なまでのチープさ、ばかばかしさはなく、カメラも音楽もきちんとした、比較的まともな映画になっている。撮影中は作者ご本人も現場に現れ、おとなしく見学して帰っていったという。(新刊「新・吼えろペン」の1巻にも作者から見た撮影風景が描かれている)

70点
ネタバレ食らう前に早く見に行きましょう

日本ではさほどでもないが、アメリカでは文句なしのトップスター、アダム・サンドラー主演のロマンティックコメディ。物語のアイデアの核となっている特殊な役柄を演じるヒロインは、ドリュー・バリモア(「チャーリーズエンジェル」ほか)。

ハワイで働くプレイボーイの獣医(A・サンドラー)は、ある朝カフェで魅力的な女の子(D・バリモア)を見かける。いつものゲーム感覚で見事に彼女の気を引くことに成功し、楽しい時間を過ごした彼は、いつしか彼女に特別な魅力を感じていた。翌朝も約束どおりカフェで待ち合わせた彼だったが、一夜明けた彼女は別人のように冷たい態度をとるのだった。

はてさて、どうして彼女は一変してしまったのか。その日彼は、彼女に隠されたあまりにも悲しい事実を知るのだった。

70点
何も信じられなくなった男の悲劇

70年代におきたハイジャック事件をもとにした人間ドラマ。主演はアメリカを代表する演技派ショーン・ペン。

一年前から別居中の妻子と再びやり直すため、主人公(S・ペン)は事務機器の営業マンという慣れない仕事に就いた。しかし、思うように成績をあげられぬ彼は、職場や上司、やがてはこの不公平な社会を作った国に対する不満を募らせていく。

しかしそれでも主人公は最後まで必死に適応しようとし、親友との起業など、なんとか世間の不公平から逃れて、まっすぐに生きる道を模索する。そんな不器用きわまる彼が、徹底的に追い詰められ、テロ行為を決意するまでの様子をじっくりと描いたドラマだ。

70点
オリジナルとは別ものとして楽しむべき

79年に千葉真一主演で映画化された、半村良原作『戦国自衛隊』をもとに、ストーリーを新たにした最新作。原作は最近人気の福井晴敏(「終戦のローレライ」ほか)、陸上自衛隊全面協力の軍事SFアクション大作だ。

かつて陸自の特殊部隊で実力トップだった主人公(江口洋介)は、今では居酒屋の店長としてのんびり暮らしていたが、突然現れた隊員らにより半ば強引に召集される。神崎怜2尉(鈴木京香)らの説明によると、先日予期せぬ事故で460年前にタイムスリップしてしまった中隊が、歴史に干渉し始めたため、現代の世界が消えつつあるという。主人公はかつて直属の上司だったその中隊長が作成した作戦シミュレーションを、ただ一人クリアしていた実績を買われ、戦国時代の彼らを止める新たな作戦メンバーに選ばれていたのだった。

前作とのもっとも大きな違いは、タイムスリップした主人公の自衛隊が戦う相手が、「現地の武士」ではなく「暴走した別の自衛隊」であるという点だろう。圧倒的な火力を持つ近代兵器と、刀や槍の物量軍団との戦いの構図は捨てがたいが、本作ではあえてそのメインアイデアを捨て、自衛隊同士のド迫力バトルの魅力を取った。

70点
35センチのペニスを持つ男

アメリカの伝説的ポルノキング、ジョン・ホームズがかかわったとされる未解決殺人事件の真相に迫ったドラマ。

1981年、ロスのワンダーランド通りで殺人事件が起こった。捜査が進むうちに、かつてポルノ王と呼ばれた男優(ヴァル・キルマー)が関与しているらしいことがわかる。が、関係者の証言はそれぞれ行き違い、謎はより深まっていく。

迷宮入りした実際の事件を、関係者に取材して描いたドラマだ。主人公となるのは実在のポルノスター、ジョン・ホームズで、彼は映画『ブギーナイツ』の主人公としても有名だ。この『ワンダーランド』を見る際も、先に『ブギーナイツ』を見るなどしてある程度この男についての予備知識を持っておくと、何倍も楽しめること間違いない。何しろこの映画を一言でいえば「もうひとつのブギーナイツ」とでもいった按配なのだから。

70点
重厚なドラマ、監督と役者の技量に感服

クリント・イーストウッドが主演・監督し、アカデミー賞主要4部門を受賞した話題作。

主人公は元ボクシングチャンピオンの老トレーナー(C・イーストウッド)。彼は親友(モーガン・フリーマン)とともに貧乏なジムを切り盛りしていたが、そこに一人、熱心に練習する若い女性(ヒラリー・スワンク)がいた。しきりに指導を受けたがる彼女に対し、主人公は当初、相手にもしなかったのだが……。

話題作『ミリオンダラー・ベイビー』は、ボクシングを題材にした人間ドラマだ。『ロッキー』のようなスポ根を期待するとガクっとはずされるが、精緻かつリアルな人間描写は見ごたえたっぷりだ。

70点
明日を生きる活力が沸いてくる映画

右翼チックな演説芸で一部にカルト的人気を誇る芸人、鳥肌実を主演にしたシュールな日常ドラマ。

かつら工場に勤める平凡極まりない男、タナカヒロシ(鳥肌実)。32歳で独身、友人も恋人もおらず、実家にパラサイトする退屈な彼の人生が、父の急死をきっかけに急転落しはじめる。ありえない程の不幸の連続に見舞われ、平穏だった日々は終わりを告げるのだが……。

『タナカヒロシのすべて』は、不幸すぎる男に訪れるちょっといい話、というやつだ。淡々とした日常を描くところから始まり、徐々にろくでもない不幸に巻き込まれる主人公の哀れなエピソードの連続へと物語は展開する。その流れの中にさりげなく、心地良い登場人物やイベントを織り交ぜ、決して飽きさせない演出が心憎い。

70点
戦争の本質をよく描けている

『エイリアン』『ブレードランナー』から『グラディエイター』まで、ムードある映像表現の評価が高いリドリー・スコット監督が、オーランド・ブルームを主演にして作った歴史大作。エルサレムを巡る十字軍とイスラム帝国の戦争を描いた人間ドラマだ。ちなみにオーランド・ブルームとは、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズに出てくる旅の仲間のなかで、弓矢で戦うハンサムなエルフ役を演じて人気爆発した役者だ。

舞台は12世紀のフランス。妻子を失い悲観にくれる主人公の若き鍛冶屋(O・ブルーム)の前に、十字軍の騎士が現れる。騎士は自分をかつて生き別れた父親だと名乗り、主人公をエルサレムへの行軍へ連れて行く。いくつかの修羅場をくぐりぬけ、やがて主人公も一人前の騎士へと成長していく。

この時代のエルサレムは、ハンセン氏病に犯されたキリスト教側のエルサレム王と、イスラム帝国(サラセン帝国)側の指導者サラディンとの、危うい均衡のもとにつかの間の休戦状態を維持していた。

70点
二番煎じかと思いきや、なかなか本格的

フジテレビの人気TVドラマ『踊る大捜査線』シリーズのいち登場人物であった真下正義を主人公にした番外編。このように、ある映画の脇役をメインにした外伝を作ることを専門用語でスピンオフという。またの名を二番煎じ。

地下鉄用最新鋭ハイテク試験車両が何者かにハイジャックされた。犯人は、警視庁初の交渉人でロス市警帰りの真下(ユースケ・サンタマリア)を交渉相手に指名した。東京の地下鉄網を荒らしまくるハイジャック車両の目的は何なのか、やがて関係者に戦慄が走る。

『踊る大捜査線』の映画版は、1,2あわせてのべ2000万人が見たお化けシリーズだ。実写邦画の興行新記録も持っている。そういう膨大なマーケットがあるから、『交渉人 真下正義』もそこそこ話題を呼ぶだろう。

70点
日本版にかなり忠実だが、肝心な部分にお国柄が現れるのが興味深い

役所広司&草刈民代主演で一大ムーブメントを引き起こした周防正行監督の傑作『Shall We ダンス?』のハリウッド版リメイク作品。こちらの主演はリチャード・ギア&J.LOことジェニファー・ロペスというセレブなお二人。

シカゴで働く弁護士(R・ギア)は、妻と二人の子供に囲まれ幸せに暮らしていたが、同時にどこか物足りなさを感じている。そんなある日、通勤電車から偶然見えたダンス教室の窓辺に佇む美しい女性(J・ロペス)に引かれ、彼は思わず途中下車してしまうのだった。

96年に公開された日本版のヒットは、当時巻き起こっていた中高年のダンスブームを過熱させた。町にはダンスホールのあるお店がたくさん増え、ダンス教室も盛況であった。彼らは伝統的なやり方にこだわらず、自分なりにダンスを楽しむやり方を作り上げていった。石原裕次郎でルンバを踊る国は、世界広しといえど日本だけであろう。

70点
英語に苦労した人なら爆笑の、明るく楽しいラブコメディ

英会話学校を舞台にした韓国のロマンティックコメディ。

ヒロイン(イ・ナヨン)は地味な公務員。職場命令で英会話を習う羽目になったが、教室で出会った優しげな男の子(チャン・ヒョク)にひと目ぼれ。彼に何とか振り返ってもらうため、苦手な英会話にも精を出すのだが……。

『僕の彼女を紹介します』が日本で大ヒットしたチャン・ヒョクの人気にあやかって公開される2003年の主演作がコレ。中身はぶっ飛んだ女性が主人公のロマコメで、雰囲気としては日本でもファンの多い『猟奇的な彼女』に近いものがある。

70点
大画面で見る価値のあるサバイバルムービー

脱出モノ映画の傑作『飛べ!フェニックス』(1965)をリメイクしたもの。

閉鎖された石油探掘所のクルーをのせた輸送機が、砂漠のど真ん中に不時着した。生き残った10人の乗員乗客は、状況から救助の望みが薄いと知る。やがて偶然乗り合わせた設計士の男は、残った部品で小型の飛行機を組み立てるという奇想天外な提案をする。

ジェームズ・スチュワートら個性豊かな当時のスターキャストをそろえ、145分間という長尺で男くさいドラマを展開したオリジナルにくらべ、このリメイク版にはメンバーに女性(ミランダ・オットー)もいるし、上映時間も2時間足らずとコンパクトだ。そして、CGを駆使した冒頭の墜落シーンの恐るべき迫力で観客の度肝を抜き、まずは40年間の映像技術の進歩を印象付ける。ちなみにこの場面の撮影は、実際に座席の動くセットで行われ、俳優たちによると「ディズニーランドのアトラクションとは比較にならない」怖さだったそうだ。

70点
残酷描写がクセになる危険な一本

アルゼンチン製の大人向け長編アニメーション。

火星人のメルカーノは、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで暮らす無職の宇宙人。ホームシックの彼は、盗んだノートパソコンでネットに接続、ウェブ上にバーチャル火星コミュニティを作った。やがてメルカーノはそこで大手IT企業社長のオタク息子フリアンと出会い、チャットで盛り上がる。すっかり仲良くなったころ、フリアンの父がメルカーノのバーチャル火星に目をつける。社長は火星人の技術力を悪用して、大もうけを企んでいたのだ。

『火星人メルカーノ』は素朴な絵柄ながら、内容は社会風刺を含んだ強烈なブラックコメディで、多数登場する残酷描写も非常に激しい。失業問題をはじめとするアルゼンチンの社会問題を火星人の視点から描いており、かの国のことをあまりよく知らない日本人にとっては興味深い内容が盛りだくさんだ。

70点
友達が死ぬとわかっているのにロープを切る勇気があるか?

実在の登山家ジョー・シンプソンとサイモン・イェーツが史上初めてシウラ・グランデに登頂した際に経験した、壮絶極まりない事故からの生還を描いたドキュメント・ドラマ。

1985年、ペルーのアンデス山脈の未踏峰シウラ・グランデの西壁。見事その登頂に成功した二人のクライマーだが、帰り道で遭難してしまう。互いの体をザイルで結び、ゆっくりと進んでいた二人だが、片方が転落、宙吊りになってしまう。共倒れを避けるため、主人公はついにザイルを切断する。

『運命を分けたザイル』は、いわゆる再現型ドキュメンタリーだ。再現ドラマを役者が演じ、本人へのインタビュー映像と交互に構成される。ナレーションも登山家本人が行っている。テレビでよくある企画だがテレビ番組と違うのは、再現ドラマ部分を実際に雪山でロケ撮影し、かつてないほどの映像を作り上げた点。

70点
ディテールにこだわったスパイ映画の佳作第二弾

マット・デイモン主演のアクション映画「ボーン・アイデンティティー」の続編。ロバート・ラドラム原作小説3部作の第2作にあたる。

前作のラストから2年、無事逃げ切ったボーン(M・デイモン)とその恋人マリー(フランカ・ポテンテ)は、インドのゴアでひっそりと幸せに暮らしている。だが、ボーンはいまだに過去の忌まわしい記憶から逃れられず、悪夢にうなされていた。そしてついに、彼の平穏な生活は刺客の手により破られてしまう。

極力銃は使用せず(使えば達人並)、知恵と身体能力で敵に対抗するヒーロー、ジェイソン・ボーンシリーズのPART2だ。前作では記憶喪失で登場したボーン、体が勝手に動いて敵をやっつけていたが、今回は最初からエンジン全開。全力のボーンのアクションが楽しめる。

70点
冒頭のセリフなし追跡劇に引き込まれる

フランス核実験への反対運動中だった環境保護団体グリーンピースのクルーザー「虹の戦士」号を、フランスの情報機関DGSEのエージェントがニュージーランド沖で沈めたという、1985年に実際に起きた事件を元に作られたフランス製スパイ映画。

男が追跡されている。追う側、逃げる側、どちらもプロだと一目でわかる。車での激しい追跡劇、そして銃撃の末、男は射殺された。やがて死体はフランス対外安全保障総管理局(DGSE)に搬送されるが、その体内からは男が死ぬ前に飲み込んだマイクロチップが発見された。

夫婦を装って船舶の爆破作戦を行う主人公スパイを、ヴァンサン・カッセル(「オーシャンズ12」など)、モニカ・ベルッチ(「マトリックス リローデッド」など)が演じている。現実ではご夫婦のこの二人、映画でもしょっちゅう共演しているが、相変わらず息のあった様子だ。モニカさんなど、ご自慢の巨乳を1シーンだけ披露するというサービスぶり(お約束?)だ。

70点
ビックリ結末!ミステリ好きが満足できる映画化だ

日本を代表する(といってもよかろう)ミステリ作家の東野圭吾原作『レイクサイド』の映画化。

中学お受験を控えた3家族が集まり、湖畔の別荘で合宿を行うことに。主人公(役所広司)と妻(薬師丸ひろ子)は別居中で冷め切っているが、娘のために不仲を隠し参加している。冷静な塾講師(豊川悦司)の見事な指導の元、勉強に励む子供たち。ところが、突然現れた主人公の愛人が殺されたことで、状況は一変する。

人里離れた湖畔の別荘、お受験合宿などといった非現実的な設定、みな一癖もふた癖もありそうな怪しげな登場人物。登場するのはわずか11人。どの要素もミステリファンの心をくすぐるものだろう。いわゆる本格ミステリの醍醐味というやつだ。この映画はその魅力を余すところ無く映像化しており、まずは「抜群に面白い!」と言っておこう。

70点
勝ったのは案外マクドナルド側か?

マクドナルドを朝昼晩30日間食べつづけるという人体実験ドキュメンタリー。普段はかわいいカノジョ(米国によくいる健康オタク)の自然食で暮らしているモーガン・スパーロック監督が、「マックのようなファストフードは本当に体に悪いのか」を証明するため、自らこの暴挙に出た。

監督は、この実験をするにあたり、入念な準備をした。医師やパーソナルトレーナーの指示を仰ぎ、変化を数値で表すために定期的に健康診断を行った。そして、「絶対残さない」「マックのメニュー以外食べてはだめ」「すべてのメニューをたべる」「スーパーサイズをすすめられたら断らない」などという、ばかばかしいルールを自分に課し、実験に挑むのである。

ちなみにスーパーサイズというのは米国ならではの巨大サイズのことで、頼むとバケツのような紙コップでコーラやら何やらが出てくる。ポテトも異常にデカいサイズの容器に入っている。

70点
登場する戦車は、なんと個人が所有する本物

ドイツ・イギリス合作の反戦ブラックコメディ。トロント映画祭で絶賛された直後にアメリカで同時多発テロが起こり、その関係で5回も全米公開が延期されたという、時代に翻弄された作品。

舞台はベルリンの壁崩壊直前の西ドイツ、駐留米軍のとある補給部隊。平和でやることのないこの軍隊は、倫理観がすっかり麻痺してしまっている。主人公のエルウッド(ホアキン・フェニックス)は、物資をちょろまかして横流ししたり、軍の機材でヘロインを精製してブラックマーケットに流すなどやりたい放題だ。そこにやってきたのが新任の鬼軍曹(スコット・グレン)。今までと違い徹底的に不正を取り締まる彼に対し、エルウッドは彼の娘(アンナ・パキン)をナンパして憂さ晴らししようとするのだが……。

なぜ『戦争のはじめかた』がアメリカで公開延期されたかといえば、徹底的に軍隊をおちょくったその過激な内容に原因がある。実際にドイツで聞いた話を元にしたという米軍の腐敗エピソードの数々は、テロ後にナショナリズムが高まったアメリカでは到底受け入れられそうにないものであるというのはよくわかる。

70点
笑っていたのにいつのまにか泣けてくる、センスのよい恋愛映画

ジョージ朝倉の人気漫画を原作を元に映画化した作品。それぞれ別の監督による、4話オムニバスのラブストーリー。

1本の短編を4分割し、その間にそれぞれ3つの独立したストーリーを挟むという構成。最後まで見ると、これがまた絶妙な効果をあげていることがわかるだろう。それぞれの物語は別の監督によるというが、全体のテーマとして「恋文」というものがあり、ムードはほぼ統一されているので違和感はない。

新進監督と若手中心の俳優による4つのストーリーはどれも非常に優れている。肩に無駄な力が入っていない、とてもセンスがよい演出には好感が持てる。たとえばラブストーリーだからシリアスで凝った場面があるが、直後にそれを茶化して笑わせるといった感じで、見ていて気恥ずかしくなることがない。私はこのスマートな映画を、コテコテ演出の韓国ドラマに食傷気味の方や都会のカップルに、ぜひ強くオススメしたい。

70点
設定と展開が抜群に面白い

土屋ガロンのコミックを韓国が実写映画化し、見事カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した作品。主人公を演じるのは韓国映画界の誇る演技派スターのチェ・ミンシク(『シュリ』の北朝鮮兵など)。

平凡な暮らしを送っていた主人公(チェ・ミンシク)は、ある日拉致監禁され、なんと15年後に釈放された。いったいなぜ自分はこんな目にあったのか。男は開放時に持たされたいくらかの金と偶然出会った若い女の助けを得て、執念の追跡を開始する。

抜群に面白い設定のエンタテイメントの登場だ。あまりに理不尽な15年間の監禁。主人公はその真実を知るために、あらゆる方面から犯人を探し出す。徐々に明らかになっていく真相を観客が知るとき、そこには驚愕のどんでん返しが待っている。

70点
猫の恩返し

ナイスバディ女優ハル・ベリーが、露出の多いボンデージファッションで活躍するアクション映画。

ヒロインの化粧品会社広告デザイナー(ハル・ベリー)は、芸術的才能があるくせに仕事でそれを生かせない、引っ込み思案の地味な女性。ある日、偶然にも社内の重大機密を知ってしまった彼女は、口封じのため殺されてしまう。ところがそのとき、謎めいた猫に命を吹きこまれ、彼女はクールで気まぐれな性格と卓越した身体能力を持った“キャットウーマン”として生まれ変わる。

『キャットウーマン』はもともと『バットマン』シリーズに登場するサブキャラクターを主人公にした、いわゆるスピンオフと呼ばれるタイプの映画だ。人気女優のハル・ベリーをヒロインにしてうまいこと一大シリーズに育て、大商いをできれば……という戦略だ。ビッグバジェットの期待作だったが、残念ながら本国アメリカでは商業的にうまくいかなかった。ちなみに宣伝側が「バットマン」のバの字も出していないことからわかるように、『バットマン』シリーズの知識ゼロの方でもまったく問題なく見る事ができる。

70点
過剰な演出が無い良質な感動ドラマだ

母娘3代の親子愛を描いた人間ドラマ。

グルジアの首都で、貧しいながらも幸せに暮らす祖母、母、娘の3代3人。祖母の唯一の楽しみは、パリで暮らす息子から定期的に届く手紙を、フランス語が堪能な孫娘に読んでもらうこと。そんなある日、その息子が交通事故死した知らせが届くが、母と娘は祖母にそれを伝えることができない。二人はやがて、手紙の続きを創作し始めるのだが……。

3人の女たちが、それぞれひとつずつ嘘をつく話だ。それは互いを思いやる「やさしい嘘」であり、その美しい心には心洗われる思いがする。大げさな演出はひとつもなく、静かにストーリーは進んでゆく。おかげでじっくりと、3名の役者のすばらしい演技を堪能することができる。祖母役の女優は、なんと85歳で映画デビューを飾った人。人生あきらめなければ夢はかなうというわけだ。

70点
期待していない人にとっては意外な掘り出し物

マイク・ミニョーラによるアメコミ原作の映画化。その他のアメコミ映画の例に漏れず、お金やCGをたくさん使って作られたアクション娯楽大作だ。

ナチス・ドイツの時代に生まれた魔界の生物ヘルボーイは、今は成長して怪物ハンターとしてアメリカ・超常現象捜査局に所属している。そして、その頑健な肉体と超能力で日々戦いに明け暮れていた。だが、邪神の復活を狙う怪僧ラスプーチンが魔界から復活したことで、かつてない死闘が始まった。

日本では原作がほとんど一般には知られていないし、著名な大スターが出ているというわけでもないので、市場からはまったくマークされていない。ただ、あちらでは大人気コミックの映画化ということで高額な予算がついているので、堂々大作として製作された一本というわけだ。

70点
現実とリンクした大企画に驚く

“戦うジャーナリスト”ことマイケル・ムーア監督によるブッシュ批判のドキュメンタリー映画。あの権威あるカンヌ映画祭にてパルムドール(最高賞)を受賞し、ドキュメンタリーとしては史上初めて全米興行成績第一位を記録した超話題作。

マイケル・ムーアとは『ボウリング・フォー・コロンバイン』の大ヒットで日本でもよく知られる、映画監督にして左派の活動家。ユーモラスな雰囲気漂う巨大な体に野球帽をかぶる労働者階級を表現したスタイルで、あくどい大企業や政府にアポなし突撃インタビューするという、過激な取材スタイルが大人気だ。

しかし、『華氏911』ではお得意のアポなし突撃はやや少なめ。彼が画面に出ることはあまりなく、ほとんどナレーションのみの登場となる。

70点
リアリティあふれる描写と心に残る子役の演技

主演の柳楽優弥が、2004年カンヌ国際映画祭で、最優秀男優賞を史上最年少で受賞して話題になった作品。親からは半ば捨てられ、社会から孤立して生きる4人兄妹の過酷な運命を、ドキュメントタッチで淡々と描く141分間。監督が、実際に起きた事件から着想を得た後、15年かけて作り上げた渾身の一本だ。

若い母親と4人の子供たちが小さなアパートに引っ越してきた。大家には母子家庭であることを隠し、長男の明(柳楽)以外の子供たちの存在さえ秘密にして契約した。子供たちの父親はすべて違い、学校にすら通ったことがない。つまり社会的に「存在しない」存在だった。部屋の中でも声すらあげられぬ秘密の暮らしが続く中、母は明に「今、好きな人がいるの」と告げる。

末っ子がスーツケースに入れられて新居に搬入されるというショッキングな引越しの場面から物語は始まる。だが、母子は意外なほど仲がよく、相当変わってはいるがそれなりに秩序の取れた生活である。

70点
事前に必要な情報はこれだけで十分

イギリス=スペイン合作のミステリードラマ。「dot the i」とは、「細かいトコに気を使う」という英語の慣用句からきている。この大胆なプロットのミステリーにふさわしい、意味深なタイトルだ。

主人公カルメンは、ストーカーから逃げてきたロンドンで、優しくてハンサムなお金持ちの男性と婚約を交わす。ところが、その晩開かれた女友達とのパーティで出会った男性キットに心引かれてしまう。さらに、それと前後して彼女は、何者かに監視されているような不気味な不安を感じ始める。

ヒロインが女友達と仮装してバカ騒ぎするパーティは、イギリスで俗に「ヘンナイト・パーティー」と呼ばれるもので、この映画では主人公の独身最後のキスを、そのレストランに偶然来ていた男性の誰かを選んでするという企画になっている。そして、その名誉ある相手に選ばれた男性に、ヒロインが思わず本気でひかれてしまうというのが序盤のストーリーである。

70点
男性にこそ見てほしい、少年と老人の友情ドラマ

『シックスセンス』の天才子役ハーレイ・ジョエル・オスメントが、二人のベテランオスカー男優と競演した人間ドラマ。

舞台は1960年代のテキサス。主人公は、老人二人暮らしの親類宅に母の勝手な都合で一夏預けられることになった少年。父親がいない彼は、気難しい二人の老人の態度に最初は戸惑うが、屋根裏で見つけた古い写真についての思い出話を聞き出しながら、やがて心を通わせていく。

父親を知らない少年は、男らしい生き方と人生哲学を初めて彼らから学び、長いこと二人暮らしを続けてきたジジイたちは、その排他的な生活に少年という全く新しい風を入れることによって、忘れていた大切な価値観を取り戻す。3人の感動的な成長物語である。

70点
低予算ながら大健闘

7年前に人気を博したSFアクション映画の続編。といってもこれ、アメリカではビデオ・DVD用として低予算で作られた作品。日本では前作の人気が高いので、劇場公開されるというものだ。

テレビモニターで見ることを前提に作ってあるから画面はスタンダード・サイズだし、大作だったPART1と比べるとみるからに超低予算だ。製作側によると、「低予算だが個性的な1と、超大作アクションである2を持つ『エイリアン』シリーズの逆をやってやろうと思った」そうだ。

内容は、辺境の惑星で孤立した部隊が徐々に敵の昆虫型生物に追い詰められてゆくというもので、戦闘シーンが連続する激しいアクションが売りとなっている。よって、ドンパチが大好きな人に向くだろう。同時に、部隊内部に裏切りものの存在が示唆され、サスペンスとしての魅力もある。きれいなお姉さんの、よく生理食塩水パックで形が整えられた美乳サービスもある。

70点
「米軍万歳映画」に飽きたらこの「弱者万歳映画」をどうぞ

地球に氷河期がやってくる大災害を描いたパニック映画。VFX満載で人間賛歌のテーマを描くという、この監督(ローランド・エメリッヒ)お得意の娯楽超大作だ。

洪水や竜巻が世界の街を襲うスペクタクルシーンは映画の前半に惜しげなく集中される。そのすべてに観客お目当ての特殊効果が使われており、さながらCG大会とでもいったところ。お客さんがお腹いっぱいになったあたりからは、主人公の高校生らのサバイバル劇となる。一方父親も息子を救くため、凍りついたアメリカ大陸をひたすら歩きつづける。果たして彼らの運命やいかに!

科学的な薀蓄を適当にちりばめ、それなりにリアリティを持たせたあとは、怒涛の見せ場で突っ走るというわかりやすい作り。後半は、すべての「物」を失った人々が「愛」だけを守ろうとする感動ドラマが演出されている。

70点
誰もが楽しめるホラー映画の王道

70年代ホラーの名作『ゾンビ』のリメイク作品。ノロノロ歩く古典的なゾンビと違って、『ドーン・オブ・ザ・デッド』に出てくる奴らはスピードも速いので恐怖も倍増。その他にも随所に現代的なアレンジが施されている。もともとの骨格がよいから、いまどきのホラー映画としても十分に通用する作品になったといえる。また、オリジナルを知らない人々が見ても、普通に面白いゾンビ映画となっている。

特に秀逸なのは、最初に寝室でゾンビに遭遇したヒロインが、自分の家から逃げ出したときのシーン。観客に作品の世界観を理解させると同時に、軽いパニックに引き込むという、この場面のショック効果は絶大だ。

何が何やらわからないまま、ショッピングモールに立てこもることになる主人公たち。ショッピングモールの商品を自由に使える有利があるとはいえ、いったいどうやって事態を打開するのか。

70点
美しい映像と感動のラスト

ダニエル・ウォレスのベストセラー小説の映画化。父の真実の姿を息子が理解するまでを描く感動ドラマ。

父親は、自分の過去をまるで冒険小説のように演出して語る性格の持ち主。子供のころはそんな荒唐無稽な作り話に夢中になった息子も、やがて大人になると、「真実」を教えてくれない父を毛嫌うようになる。そんな息子が、父の病気が悪化したと聞き、父を理解する最後のチャンスに賭けるというストーリー。

映画は、父親の語る過去の冒険談の部分と、現実の部分が交互に展開される構成。父親の冒険談のほうはソフトフォーカスやカラフルなセットが使用され、ファンタジックな映像美で描かれる。

70点
主演二人の魅力が成功の要因

母親の再婚を目前に気持ちがゆれるティーンエイジャーの娘と、その口うるさい母親が、ひょんな事から入れ替わってしまうコメディドラマ。『フリーキー・フライデー』(日本未公開)のタイトルで以前映画化された作品のリメイク。

設定からわかるように、明るくてほほえましい、マンガ的なコメディだ。若者の事など、見るからに理解できそうにない厳格ママと、ロックギターを愛するティーンの娘。彼女らが入れ替わってお互いの苦労を身をもって知るくだりは、ありがちではあるが笑える。

二人が徐々にお互いの立場というものを理解していくあたりは思い切り感動的に演出され、お客さんの期待を裏切らない。普通に笑って普通になける、定番コメディとしての体を成している。

70点
洋楽ロック大好きな方に

破天荒なロックギタリストが、滞納した家賃を返すため、教員を装って名門小学校のクラスを受け持つというコメディ。厳格な校風のなかで、子供らしい自由な姿を失っている生徒たちに、どこからどうみても“良い大人”ではないロックミュージシャンが“ロックの魂”を教え込む。最初は戸惑う子供たちも、やがて“自由”の意味を学び、主人公とともに成長して行く。

これもまたありがちなパターンの映画ではあるが、まとまりは良い。何より主人公である中年ギタリスト(ジャック・ブラック)の個性が強烈。何度も披露するギターを含めとても芸達者だし、多大なインパクトを観客に残すに違いない。そして、その相手役たる“子供たち”もまた個性豊か。これら登場人物のキャラクターがはっきりしている分、字幕を必死に追わなくともとてもわかりやすい。

劇中で行われる授業には、“ロックの歴史”や“バンド相関図”など、洋楽ロック好きならたまらない趣向が満載。最初はただのニセ教師だった彼が、そんな授業をやっているうちに、マトモな先生の顔になっていくあたりが楽しい。

70点
ホラー史上もっとも悲しく、魅力的なヒロイン

「ホラー映画史上、もっとも悲しいヒロイン」とのふれこみで宣伝されている作品。並み居る話題作に埋もれさせるにはもったいない作品だが、どこの媒体でもノーマーク、宣伝がまったく浸透していないため、しょうがないから私がここでプッシュしようと思う。

ヒロインのメイは、強い斜視治療のため、巨大な黒い眼帯をして少女時代を過ごさざるを得なかった過去を持つ若い女性だ。現在は小さな町の獣医のもとで助手の仕事をしているが、今だに一度も“友達”を持ったことがない気の毒な女性である。

メイは、その風貌から常にいじめられて育ったようだが、そんな娘を不憫に思った母が、「これを友達だと思ってね」と手作り人形をプレゼントする。……が、これがまたえらく奇妙な人形で、暗い色の布を使ったパッチワークによる、薄気味悪いことこの上ない一品である。

70点
浮気というテーマに興味がある人にオススメ

低予算映画ながら、ブラッド・ピットの奥さんが主演して高い評価を得た作品。貧しい田舎町のショッピングセンターを舞台に、平凡な家庭の主婦をヒロインにしたドラマが展開する。

夫以外の男性二人が、彼女をめぐってすったもんだするが、3人とも”どこかにいそうな人”ばっかり。主演のジェニファー・アニストンは、もともと可愛い顔をした女優だが、彼女でさえ華のないメイクやヘアスタイル、洗練のかけらもないファッションのおかげで、見事に(?)田舎の地味な主婦になりきっている。そして、そんな彼らの行動や心情には、妙にリアルなものが感じられ、グイグイ物語に引き込まれるのだ。浮気する人間の行動パターンや心理というのは、どうやら万国共通らしい。

先ほど紹介したジェニファーの主婦姿なども、地味でいてどこか魅力を感じさせる。なんというか、男心をくすぐる雰囲気がある。これがはたして彼女の魅力なのか、演技力なのかは判断がつきかねるが、大したものである。この映画では、小さ目の綺麗なムネもちらっと見せてくれる。

70点
オリジナリティ溢れる映像に、日本アニメの未来の姿が見える

斬新な見た目と迫力あるアクションが特徴の、SF長編アニメーション。原作は今でもファンの間で高い人気を持つ。

『アップルシード』は、従来のアニメーション映画とは大きく異なるルックスを持つ作品だ。この独特の映像は、簡単に説明すると以下のように撮影された。まず、各キャラクターの動きを、体型が似通った人間の俳優が演じる。それをモーションキャプチャーで取りこみ、CGアニメ化する。そしてこうして作られた立体的なキャラクターを、伝統的なセルアニメ風に彩色するのである。背景やメカのみならず、キャラクターを含めたすべてにこの技術を適用した映画としては、『アップルシード』は世界初の作品となる。

完成したキャラクターたちは、動きは3D-CGアニメ独特の無段階で滑らかな動き(人間の動きをそのままトレースしているのだから当然だが)で、見た目は従来のセルアニメ調という、インパクトのあるものとなった。肌の質感等にも、旧来の3D-CGにありがちな無機的な冷たさはない。

70点
新鮮な世界との出会いに満足できる作品

大学のマーチングバンドという真新しい題材をメインに扱った青春ドラマ。凄腕のドラマーである主人公の活躍と成長を描く。

とはいうものの、青春ドラマのほうを期待しちゃいけない。スポ根ドラマだが、泣けはしない。

『ドラムライン』唯一にして最大のウリは、ド迫力のマーチング・バンド演奏シーン。アメリカン・フットボールの試合などを見に行くと、こうしたバンドがスティックさばきや行進の隊列の美しさなどを見せてくれるものだが、それだけをここまで深く突っ込んで紹介した映画は初めてではなかろうか。

70点
すばらしい音楽とともに送る青春の一幕

就職時期を目前にしながら、進むべき道がいまだに見えていない主人公の青年が、ひょんな事から留学する事になったスペインで、人生の真の目的を見つけるまでの青春ドラマ。

人妻との恋愛や、国籍も人種も違うルームメイトたちとのエピソードを豊富にちりばめ、意外で感動的なラストまで一気に見せる。ときにおかしく、ときにせつない物語。主人公のように進路に悩む若い人が見ても、若いころ進路に悩んだ大人が見ても、もしくは現在行き詰まっている大人が見ても、きっと何か心に響くものがあるに違いないと思わせる佳作。

日本ではあまりなじみがないが、主人公が何人ものルームメイトと共同生活を送るアパートが、タイトルの由来になっている。その不思議な暮らしぶりは、生活者の目線でリアルに、かつ魅力的に描かれており、ルームシェアや留学の経験者などは共感を覚えるはずだ。もちろん、そうでない観客にとってもその魅力は存分に伝わってくる。

70点
ディズニーらしい手堅い一本

ディズニーが送る春の新作アニメーション映画。ユーモアあふれるキャラ、教訓的なストーリー、感動的なラストと、いつもながら手堅くまとめた一品だ。フィル・コリンズによる音楽もなかなかだ。

ちょっと面白いと思うのは、ストーリーがアメリカ的な「正義・勝利のお話」ではなく、「赦しの物語」になっている点だろうか。憎むべき敵であるクマの姿に変えられてしまった人間の主人公は、クマさんたちと過ごすうち、彼らを理解するようになる。これは、クマと人間の関係を「対立する国家・民族・宗教」にたとえれば、そのまま反戦映画になるわけで、なかなか興味深い。

こういうネタは、アニメでやると比較的説教くささが薄れ、すんなり受け入れられる。ミュージカル風に途中で歌や踊りが入る展開も、アニメだと案外楽しめるものだ。真新しい要素はないものの、大人が子供たちを連れて見に行くならば、今週はこれを選ぶのが正解だ。

70点
最初の一秒で感じる圧倒的なクォリティ

押井守監督、待望の新作アニメーション超大作。タイトルは『イノセンス』だが、中身は『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』の完全なる続編。情報量が類を見ないくらい多く、本格的なSF作品のなかでもとりわけ難解な部類に入るといわれる原作を持つ。この続編も、最低限前作を見ていないと理解するのは困難。抽象的な形で哲学的主張が描かれる。一度見て意味不明なのは当たり前、10回でも20回でも見てほしい……というのが、監督の本音であろうと思わせる作品だ。

ところで、2004年はアニメーション映画の年で、このあとには大友克洋監督『スチームボーイ』、宮崎駿監督『ハウルの動く城』と、日本のみならず世界から注目を浴びる超大作が公開を予定されている。そんな中、先陣を切って世界に向けて公開されるのがこの『イノセンス』というわけだ。

その期待に応えるべく、本作はとてつもなく気合の入った仕上がりになっている。映画が始まった1秒目から、その圧倒的なクォリティの高さに驚かされる。最初のシークエンスが終わり一息ついたとき、周りから「すっげぇー……」という声が聞こえてきたが同感だ。

70点
シリーズのファンにとっては、出来がどうあれ、たまらない時間のはず

説明するまでもない、今年上半期最大の話題作。ファンタジー3部作の完結編だ。長い旅路に、いよいよ決着がつく。

この完結編を見にくる人は、1と2合わせて6時間もこの映画を見て、さらに3時間半近くあるこの3本目を見ようというのだから、もう準備万端整って、前座もなにも不要な人々ばかりだ。最初の1秒から、このファンタジーの世界に入り込む事ができるに違いない。

そのような思い入れの強いファンにとって、この最後の3時間半は珠玉のように感じられよう。1年ぶりに見ても、この圧倒的な映像体験は”最高”というほかはない。暗い映画館の中で完璧に作り上げられるロード・オブ・ザ・リングの世界は、この上なく居心地がよい。

70点
つまらない部分がまったくないあっという間の53分

わずか53分間の、主にレイトショーで興行されるアクションアニメーション。エログロたくさんありという、まさに不純なオトナ向きの内容だ。原色使いでオシャレなキャラクターデザインは、大人向けアニメというジャンルにつきまとう暗さをまったく感じさせない物で、仲のいいカップルのデートにも向く一品である。適度なセクシーさが夜見るにふさわしい。

監督さんも、「酒を飲んでから見てください」と、なんだかレイトショー作品のときに私がいつも言っているようなことを言っている。それほど、ばかばかしい笑いに満ちた作品というわけだ。

53分間は、すべて笑いとアクションに費やされ、無駄なシーンは1秒として存在しない。日本の誇るリミテッドアニメ独特のその恐るべきスピード感、心地よいテンポに存分に酔える力作である。全部のシーンが抜群に面白く、爽快だ。ジェットコースターのような、とはまさに『デッドリーブス』に対してこそふさわしい文句だ。

70点
コピーを読んで吹き出した

妙に動きのいい僧侶が活躍するアクション映画。この映画の宣伝コピーが笑える。『そこの坊主 まるで弾丸』とは、まさにいい得て妙。言葉自体のインパクトにも、深く感心する。何しろ大スターのチョウ・ユンファにたいして、「そこの坊主」扱いである。テレビでこの予告編(とコピー)が流れるたびに、笑いが止まらない。

邦題は『バレットモンク』だから、「まるで弾丸」というのはぴったりだが、原題を直訳すれば『防弾坊主』。こちらも実は、この映画の主人公にピッタリだ。

映画は、オープニングのアクションからして爆笑。ワイヤーワークという技術は、使えば使うほどお笑いに近づいていくものと私は認識しているが、本作はまさに使いすぎもいいところ。CGでワイヤーを消してはいても、客の目には間違いなくその存在が丸見えという、重力無視のふわふわアクションが展開される。

70点
前作から大幅に良くなった「実写版エヴァ」?

2002年の『ゴジラ×メカゴジラ』と同じ監督による、純粋なる続編。前作に引き続き、自衛隊全面協力による迫力映像と、修理を終えた機龍(メカゴジラ)とゴジラとの再戦が見所だ。

前作は、自衛隊の協力を得て撮影した本物の兵器群の映像と、特撮映像の見た目の落差が激しく、興ざめしてしまう部分が最大の弱点であったが、今回はそれに関しては何も感じなかった。前作での良くない部分を研究した成果が見えるようで、非常に好感が持てる。結果、全体的なリアリティが増し、なかなか見ごたえのある娯楽作品に仕上がった。

チラッと出演するだけの釈由美子に比べ、新しいヒロインの吉岡美穂はかなり影が薄いが、モスラを歌声で呼ぶ(旧作のファンには)おなじみの二人組の女の子役がなかなか可愛らしく、お客さんの目を楽しませる。割れた腹直筋がまぶしい。

70点
わかりやすいキャラたちがわかりやすいストーリーを突っ走る大衆娯楽映画

大きなスケールと迫力のアクションで、大ヒットを記録した韓国映画。

『MUSA─武士─』は、邦画ではあまり見られない、徹頭徹尾大衆娯楽に徹した作品である。2時間13分、余計な退屈ドラマへ脱線することは一切なく、凄みのある映像と単純なストーリーで一気に見せる豪快な作品である。深みはないがインパクトは十分。日本でもこういうのを作ればいいのにとつくづく思う。

ストーリー展開は、『七人の侍』から綿々と続くコテコテのパターンで、いい奴が仲間のために一人一人倒れていくというわかりやすいもの。主役の2人には飛び切りハンサムな役者をそろえ、『ロード・オブ・ザ・リング』のレゴラスそのまんまなキャラもしっかり配置するなど、大変にわかりやすいキャラの立たせ方が微笑ましい。

70点
心に余韻を残す佳作

都市で暮らす孤独な拒食症の女性を主人公にしたドラマ。彼女が、コンビニで若いトラック運転手にナンパされ、その車で新潟まで向かうという話。

ナンパされていきなり見知らぬ男のトラックに乗る? その日のうちに後部座席でセックス? そのまま運送の仕事に付き合ってはるばる新潟までいく? ありえねえよ……と思うだろうか。

映画を見ると、まったくそんな風には感じない。そこに描かれる女性の心理、特に彼から与えられたある感情に対する喜びは、恐ろしいほど実感を伴って感じられる。私は原作小説は未読であるが、この映画には深く共感できた。

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